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新型コロナウイルス感染症に関する臨時市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年10月8日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2021年(令和3年)9月29日(水曜日)

新型コロナウイルス感染症に関する臨時市長記者会見

 ・本市の感染状況について

 ・社会経済活動の再開に向けて

  新型コロナウイルス感染症に関する臨時市長記者会見資料 [PDFファイル/828KB]

会議録

市長

 10月1日から緊急事態宣言が解除されることに伴う本市の取組について,感染状況を踏まえながらご報告します。現在,1週間10万人当たりの陽性者数は,9月27日現在で5.54人となりました。また,病床ひっ迫割合は7.3%,宿泊療養については7.6%です。入院者も現時点では9人であり,重症者は現在1人です。そして1日80人を超える陽性者が出ていた時期には,調整中の方が多くいました。非常に調整に時間がかかる状況にありましたが,現在調整中は0件です。

 次に人流を抑制することが重要であることから,これまでの人流と感染の関連についてご報告します。福山市は市外からウイルスが持ち込まれています。大阪府からの流入者と東京都からの流入者についてモニターしてきました。7月や夏休み,また4連休に大阪府からの流入が増えた時期がありました。この時は,感染者が一時急増しました。これをみると,陽性者の増加と人流の関連性があると考えています。次に,盆休みの時期の人流です。大阪府,東京都からの人流が増えました。その結果,陽性者が増えたと考えられます。少なくとも,人流に一つの要因があると考えています。そうした観点から,緊急事態宣言が解除されるにあたり,今の福山市をみると,9月のシルバーウィークの人流は,全体の傾向として,大阪府,東京都からの流入は,従来と比べあまり変わりないレベルで入ってきています。改めて,市内の中心市街地での滞在人口について統計をとりました。2020年,2019年の同じ時期と比較したところ,2020年のシルバーウィークに比べて,2021年の滞在人口は16.6%減少しました。また,2019年と比べ36.6%減少しました。シルバーウィークの人流,人との接触を起因とする感染がそろそろ出始める,今はちょうどその時期ということですが,ご報告しておりますように9月27日の陽性者は0人で,日々の新規感染者数は減少している状況です。これから引き続き注視は必要ですが,シルバーウィークの人流をみる限りは,今の状況が続いてくれるのではないだろうかと考えています。

 次に,ワクチン接種です。やはり,ワクチンの接種は感染予防効果があると言われております。ワクチンの接種状況について,福山市は55.3%となります。広島県は54.7%であり,全国では54.2%です。テレビで,全国の接種率がもう少し高い数字で報道されることがあります。これはベースが違います。この高い数字は,医療従事者の接種実績を加えたものになりますので,どうしても高く出ます。医療従事者の接種について,それぞれの市町で把握することが非常に難しいということがあります。また,年代別の接種状況について,1回目の接種を全国,広島県と比較すると,それぞれの年代においても,福山市は順調に進んでいることが分かります。当初,我々はワクチン接種の開始が,やや遅くみえたかと思います。以前も申し上げましたが,ワクチンの供給量が制約される中で,混乱のないように接種を進めるために,しっかりと体制を組んでワクチン接種をスタートしました。その後,市民の協力もあり,これまでのところはほぼ順調に進んでいます。これも,一つの要因だと思います。これからも,ワクチンを打てる環境をつくらないといけません。従って,人流は減少しつつあり,ワクチン効果もあり,感染状況は改善傾向であると総括しています。総括にあたって,改善傾向,つまり減少傾向にあるのか,それとも下げ止まりの状況なのか,どちらかの判断でしたが,改善傾向にある,減少しつつあると判断しました。県内の一部地域で重点区域が設定されていますが,福山市は重点区域設定の対象にしないということで県と調整しました。県もそれを受け入れたということです。今後は,どのように新型コロナウイルスと折り合いをつけていくのかを模索する時期に入っていく,この緊急事態宣言が解除されたということは,そういう意味合いをもっていると思います。その折り合いをつけるための第一歩をどうやって踏み出すかを考えています。県の集中対策が,10月14日まで続きます。福山市もその中にありますので,それを前提としつつ,用心深く,一歩ずつ,段階的に,ということを基本に今後の対応を考えていきます。

 次に,社会経済活動の再開に向けての対策です。先ほども申し上げましたように,10月14日までは県の集中対策の期間となります。10月15日以降について,何かしらのルールが国や県によって示されるかもしれません。そうしたものと整合的に進めていきます。まず,本市としては,10月1日からは公共施設の利用を再開します。次に,学校について分散登校を終了し,部活動を再開します。次に,保育現場について,これまでは自宅で預かることが可能なご家庭は,できるだけ自宅で預かってくださいとお願いを各家庭にしてきましたが,通常の保育を再開します。次に,中止,延期をしてきたイベントについても再開します。引き続き,学校現場や保育の現場,あるいは公共施設において,感染予防対策を継続するということに変わりありません。

次に,本当にご苦労されてきた,我慢されてきた事業者の支援,経済活動への支援に,早速第一歩を踏み出したいと思います。一つは,事業者支援です。国と県には月次支援金の制度があり,売り上げが前年あるいは前々年に比べ,減少したところに一定の支援金を出す制度があります。まだ十分とは言えないということが事業者の声です。そこを埋める支援が,中小事業者売上回復応援金です。つまり,売り上げが30%以上減った中小事業者に応援金と称しまして最大20万円までを給付し,売り上げ減少幅を少なくします。売り上げ減少の対象の月数,期間が5カ月間ありますので,最大100万円まで事業者に,給付されることになります。個人事業主の場合は上限10万円の5カ月,50万円が最大金額になります。早速,10月4日から申請の受付を開始します。迅速な支給を第一に意識しながら,手続きをスピード感もって進めていきます。予算は9月議会で承認を得ています。もう一つは,これもご苦労が続いてきた市内の宿泊施設,観光関連事業者に対する支援です。限られた範囲の中で,観光を再開していきます。県も,集中対策期間終了後,速やかに県内の事業者を対象にした観光支援策を検討していくという表明がありましたので,それに合わせながら実施していきます。福山観光応援キャンペーンということで,まず11月先行スタートで宿泊クーポンを発行します。そして12月から,交通,土産,さまざまな体験など,そうしたものの一部にクーポンを発行します。広島県は,県内の動きや事業者に対して支援をしますが,我々は備後圏域の取組をしていますので,県境を越えた井原市と笠岡市も対象に加えています。予算は4,000万円です。これは7月の補正ですでに措置されています。それから,バス商品造成補助について,観光バスでいろいろな観光地に行く事業者に対する補助,あるいは,福つまみのプロモーション,あるいは備後圏域で食の魅力をみんなが競い合うことで,そこに観光客が集まるプロモーションなど,県が取組を行う10月15日以降のスタートを考えて,県と連携しながら実施するということです。こうしたことをまず第1弾として実施し,第2弾,第3弾の支援策につなげていきたいと思います。

 それから,安心・安全な日常を取り戻すために,市民や事業者はどういうことを引き続き心掛ければいいのかということであります。基本的な対策の継続はお願いします。その中でも,特にこれまでの経験や感染力の強いデルタ株については,換気の重要性が指摘されていました。それからマスクについても,不織布マスクが効果的だと言われていますので,ぜひ推奨したいと思います。次に,やはり混雑した場所は避けていただくこと,そして市外あるいは県外との往来は,その先がどういう感染状況にあるのかということを,しっかりと踏まえながら慎重に判断していただきたいということです。それから,会食は引き続き少人数,短時間でお願いします。今後は,時短要請など制約がなくなりますが,できるだけ短時間で食事を終えるということをお願いしたいと思います。それから,事業所においてこれまでも実施されていると思いますが,引き続き,働き方を柔軟にしていただきながら,感染予防を継続していただければと思います。また,出張先での会食もできる限り控えていただければありがたいと思います。あわせて,ワクチン接種の検討を引き続きお願いしたいと思います。まだ若年層の接種率を引き上げていく必要があると考えています。そのために,あらかじめ予約をして決められた時間に行かないといけないということに不便を感じておられるのであれば,その不便を解消したいと思います。予約不要の接種を始めたいと思います。これは福山駅北口すぐのところにあります福山大学社会連携推進センターを会場とし,10月10日からスタートします。現在のところ,30枠を設定し,予約不要の接種を希望される方の様子をみながら,弾力的に考えていきたいと思います。使用するワクチンはモデルナです。このように選択肢を増やしながら,ワクチン接種が進むようにしていきたいと思います。以上,これらを緊急事態宣言解除後の第一歩としたいと思います。

 これまで我々が学んだことになりますが,やはり人が集まる場所にウイルスも集まるということです。ウイルスは,これから変異を繰り返していく,そして何よりもウイルスは消えない,こういうことを我々は学び,これからの対策,取組に生かしていく必要があります。あってはならないかもしれませんが,次なる波を想定しておかなければいけません。それに向けて,どのような対応を市はとるのか,県は準備をするのか,国は方針を示すのかということだと思います。これまでの動き,特に最近の動きをみますと,従来通りの対応を国民に繰り返して訴えることの効果について,やはり見直しが行われると感じています。新たな対応がこれから国を中心に模索されていくと思います。私も冒頭で言いましたが,どうコロナと折り合いをつけていくのかという観点からの新たな対応だと思います。

 参考ですが,年代別の感染状況についてです。60代以上の高齢者の比率が下がっています。これはワクチンの効果が大きく影響していると考えられます。その分,若年層の比率が増えているということでもあります。それから8月1日から9月27日の陽性者に占めるワクチンの接種状況であります。やはり,ワクチン未接種の人の陽性者が圧倒的に多いことが分かりますので,感染予防対策としてワクチン接種が望まれています。また8月1日から9月27日までの入院者は222人おられます。このうち,ワクチン未接種の割合も多い傾向が見られます。

 また,変異株の感染者についてです。8月のゲノム解析結果としてデルタ株83例が最終確認されています。アルファ株はわずか1例でした。現在依頼中は202件で,最終確認待ちという状況です。これをみる限りでは,ほとんどがデルタ株ということで,9月はまだ最終確認がされていませんが,保健所で独自の解析をした結果,43件がデルタ株の疑いが非常に強いと判断し,現在,県に最終確定のための検査依頼を出している状況であります。これがデルタ株とすると,特にこの8月,9月,第5波の感染の株は,従来のアルファ株からデルタ株に置き換わっているのではないかということが,事後ではありますが,改めて確認できているということになります。

 以上が私からの報告であります。

記者

減少傾向がみられ,落ち着いてきていると言える状況ではないかと思います。この状況になった市長の受け止めをお願いいたします。

市長

市民の皆さま方,事業者の皆さま方,大変大きな波の中でいろいろご苦労されたと思います。その中でも,市や県がお願いする事柄についてご協力をいただきました。そうした結果が,今の状況に反映されていると思います。改めて感謝申し上げたいと思います。ただ,本日の会見で申し上げましたが,手放しで喜んではいけないということが,このコロナの難しさであります。緊急事態宣言は解除されますが,引き続き一人ひとりができる感染予防対策を続けていただきたいと思います。また事業者の皆さま方も,自分のお店で感染者が発生すると,結局,自らのビジネスに影響しますので,どうか引き続き感染予防対策に,それぞれのやり方でご協力いただきたいと思います。

記者

予約不要のワクチン接種について,30枠というのは1日あたりの数でしょうか。

市長

接種日1日当たり30枠ということになります。

記者

感染状況で30代ぐらいまでが65%を占めるという状況ですが,予約不要のワクチン接種を想定するのは,接種して欲しい年齢層が若年層ということになるのでしょうか。

市長

そのように受け止めていただいて良いと思います。若年層は,中高年層に比べて,接種率が低い状況です。もう少し接種率を上げることによって,コロナに強い市民活動が展開できると思います。

記者

この予約不要の接種を始めた動機や理由はありますでしょうか。

市長

接種率の数字が上がってきますと,相対的に1%上げるために努力が必要となります。これから,ワクチン接種を迷っておられる方に,どうやって接種会場に行っていただくのか,そういう工夫をしないといけないと常々思っておりました。そのための,選択肢の一つを新たに加えたということになります。

記者

小学校の分散登校を行った,要するにクラスの半分だけ出席するなどの対応により,感染の拡大を抑えられているようなケースがあるかと思います。今回,感染の拡大防止に力を入れられたことがあれば教えていただけますでしょうか。

市長

やはり大きかったのは保健所の取組だと思います。全国,他市の例をみますと,日々の感染が急増すると,従来のような積極的疫学調査はもうできないということを,正直に表明される自治体もありました。しかし,福山市の保健所においては,最後まで,疫学調査を可能な限りしっかりとできたということは,クラスターを大きくしない意味において,一定の効果を示したことは間違いないと思います。

記者

感染者が急増する中でも,積極的疫学調査をできる範囲で行ったということでしょうか。

市長

そうです。疫学調査はもうできませんという話は,聞いたことがありません。

記者

次の波に備えて,具体的に市として準備しておくことがありますでしょうか。

市長

宿泊療養施設を市内に327室確保しています。現在,使われているのは25室です。これからも確保し続けることが基本です。昨年2020年4月2日に最初の感染者が福山で確認されて以降,私はずっと思ってきたことですが,とにかく宿泊療養施設を確保することが,医療機関の病床ひっ迫を回避することにつながります。つまり,軽症の方,中等症になる心配がない方が全員病院に入院するとなると,病床がいっぱいになります。病床のひっ迫を回避するために,この宿泊療養施設の確保というのは極めて重要だということで取り組んできました。そういう意味では,宿泊療養施設を維持するということを,強く県に申し入れをしている。これが一番重要です。それから,今となっては本当に必要なのかという議論があるかもしれませんが,酸素ステーション,簡易な医療施設も引き続き話を進めたいと思います。これは備えになります。また,感染者が急増することによって,病床や宿泊療養施設が圧迫されることで自宅療養者が増える,あるいは,入院調整に時間がかかるので,何日か自宅待機せざるを得ない場合の医療のケア,食料,そういうものが今までできてきましたが,今後もしっかりと実施するということ,市として県に要請できる重要なことだと思います。他市町では,ホテルにさえ食料が届いていない。報道を見る限り,自宅療養したときに食糧が届いていない人がいるといった事例があります。このような事例は福山ではありません。今後もあってはなりません。日頃の準備として,あるいは,第6波への備えにつなげていきたいと思います。それ以外,どのようにしてコロナの折り合いをつけていくのかという話は国が示すことなので,我々ができることを,少しでも実施していきたいと思います。

記者

本日の会見で,市長が一番伝えたかったことを教えてください。

市長

物事を単純化して,わかりやすく,優先順位をつけて,申し上げることは重要な要素だと思います。ただ,お願いすべきことが複数ある場合には,複数重要なことをお伝えしないといけません。私なりに今を総括し,これから折り合いをつけるため,新しい局面に入ったらどういうことを継続し,あるいはどういうことを新たに取り組まないといけないのか,そういうことを申し上げました。

記者

経済活性化策が実施されますが,これだけでは不足していると思いますが,次なる活性化策は考えられているのでしょうか。

市長

これは社会経済活動の再開に向けた本市の対応です。この対策だけで経済を活性化させるものではありません。経済活性化対策の第1弾ということで,まず事例を挙げさせていただきました。今後,第2弾,第3弾と,また経済活性化だけでなく,どうすれば市全体の活力を取り戻すことができるか,そういったことについて考えていく必要があります。また,市民の皆さま方,あるいは,事業者の皆さま方の声も聞きながら,ニーズがどこにあるのかを踏まえながら考えていきたいと思っています。

記者

全国平均と比べて,若年層の接種が比較的進んでいると思います。福山市はSNSの発信を強化されており,フォロワーも多く,市長自ら動画で呼びかけたりすることもあります。SNSの発信が背景にあると受け止められているのでしょうか。

市長

そこまでのひもづけはできていません。ただ,さまざまな取組や,第5波は福山も相当の緊張感を高めた時期でもありました。そういう状況,あるいは,全国で報道されるような厳しい状況,そういうものを踏まえながら,ワクチン接種が感染予防に大きな効果があるという認識が広がっているのではないかと思っています。それから,お叱りを受けるかもしれませんが,我々,ワクチン接種に関わる担当者たちは,いろいろ試行錯誤を繰り返しながら,さまざまな選択肢を準備してきました。最も重要なのは,途中でワクチン接種の予約が止まってしまう,また,我々の要因によって円滑なワクチン接種が中断することを避けるということを重要な視点として,着実なワクチン接種に努めてきました。そういう取組もこの結果に反映されていれば嬉しいと思います。

記者

今後も引き続きSNSでの発信は力を入れてやるということでよろしいでしょうか。

市長

はい,そうです。やはり若い人に届くツールの一つであることは間違いありませんので,さまざまなツールを使って呼びかけたいと思います。

 

以上。

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