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2023年10月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年11月17日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2023年(令和5年)10月31日(火曜日)

2023年10月定例市長記者会見

 ・LINEを活用した市民サービス向上の取組​

 ・地域未来ビジョンについて

 ・エシカルデニムツーリズムプロジェクト

 ・公園樹木の点検結果及び対応について

 ・世界バラ会連合役員の現地視察を受けて

  2023年10月定例市長記者会見資料 [PDFファイル/1.53MB]

 

会議録​​

 

​市長

 明日から福山市ではデニム月間に入ります。私も今日はデニムのスーツを着てきましたが,1か月間,企業も含め様々な形で,福山が日本一の生産量を誇るデニムに親しむ1か月間にしてみたいと思っています。今年は特に,明日から1週間,福山城の狭間をデニム色,藍色にライトアップする取組をしてみたいと思います。それから福山駅の新幹線コンコースには,水野勝成公がデニムの装束を着,甲冑をまとった飾り付けをしてみたいと思っています。皆さま方もぜひデニムに親しむひと月にしていただければありがたいです。

 それでは報告事項に入ります。まず始めに,LINEを活用した市民サービス向上の取組を2つご報告いたします。これまで,市民サービスを向上するために市民の皆さま方の声をできる限り市政に反映しようと取り組んできたこととして大きく2つあり,1つは「車座トーク」であります。これは私の市政の1期目の取組ですが,全学区に出向いて意見を聞き,抜本的な浸水対策や子ども医療費助成の対象年齢拡大,中学校給食の完全実施,小中学校の空調設備の整備など,市民の声を反映してきました。

 その次に,2021年1月から始めた「市政モニター」ですが,これは2期目の取組になります。771人の方にモニターになっていただき,福山城築城400記念事業や福山ネウボラの強化,マイナンバーカード申請場所の拡大,市公式LINEの機能拡充などについて意見をもらいながら,市政に活かす取組をいたしました。そして,これまでの取組を評価してみたところ,いくつかの課題が浮かび上がりました。市政モニターの評価・意見でありますが,市政を考える契機となったとか新しい市政の情報を得られたといった意見がある一方で,設問がちょっと欲張りすぎたのかもしれませんが,回答しづらいといった声もありました。また,回答に必須項目が設定されており,必須項目に答えていただかないと意見として戻ってこないシステムになっており,それも回答しづらさに繋がっていったのかもしれません。

 さらに言いますと,9回行いましたが,重ねていくごとに回答者が固定化し全体の回答率も下がってきました。全体の回答率が下がった大きな要因は,若者層の回答率が下がってきたことです。60代・70代・80代の高齢層の回答率は,実はさほど下がっていないのですが,年齢層によって回答率が鈍ってきました。こうした意見を聞く中で,将来のことも含めて意見を聞いたところ,市の公式LINEを活用したアンケートであれば参加したい,もしくは参加してもいいといった意見が非常に多く寄せられました。

 従いまして,新たな取組を考えました。これは,市の公式LINEによる市民アンケートという形で,再び市民の皆さま方の意見をお聞きする取組を11月から開始します。現在,市の公式LINEを友だち登録していただいている方,これは必ずしも市民でなくてもいいのですが,登録者数が約15万人を超えています。これは,中核市では3番目の数です。15万人という多くの方が登録していることに着目し,若者の意見も聞ける,あるいはより気軽な形で設定しながら,あらためて,「これまでの市政の評価や今後に期待すること」を第1回目のテーマとしてスタートさせたいと思います。

 概要としては,選択式の10問程度,自由意見の書き込み欄あり,年6回程度実施予定,アンケート結果はホームページで公表,といった形でやってみたいと思っています。これは必須の項目というよりは,答えたいところだけ回答していただければ,それはそれで立派なアンケートの回答になっていくという意味では,非常に答えやすいやり方だろうと思っています。年に6回程度,場合によってはその都度どうしても聞きたい大きなテーマが出てきたときには,臨時でアンケートを実施させていただきたいと思っています。もちろん,結果を市政にどう反映しているのか,あるいはできるかできないかを丁寧にお答えをするということ,双方向でやりとりすることを心がけていきたいと考えています。

 続いて,2つ目の取組であります。これは,回覧板のツールをゆくゆくは電子回覧板に持っていきたいという思いを持って,LINEを活用した電子回覧板という形を最終目標に取り組むものです。まず,課題意識をどこでどのように持ったかということですが,回覧板がなかなか市民の目に届かない,あるいは自治会・町内会の役員の負担に繋がっている,そうした課題意識を従来から持っていました。そして,福山市では現在,地域コミュニティを維持再編するという議論を進めていますが,その中の大きなテーマとして,「回覧板の見直し」に取り組んできました。

 まず,ある学区で,これまでの取組がどのような効果を表しているのかというサンプル調査をしてきました。取組前の2019年度は,その学区では約6.9万枚ものチラシが回覧板を通じて配られていました。そのうち回覧方式のものが約1.9万枚,各戸配布方式が約5万枚ありました。2020年度から,「広報ふくやま」やホームページの活用,イベントのお知らせ廃止といった考えに基づきながら,見直しを進めてきました。さほど効果が上がっていないように見えますが,これは新型コロナウイルス感染症が流行している時のコロナ関係の情報提供・チラシ・注意喚起が増えたためです。

 コロナ禍が明けた2023年度は,さらに各戸配布方式から回覧方式に変えることにより枚数削減につなげていく取組を行った結果,前年度よりも約1万枚が減る見込みとなりました。枚数で見ると実感がわかりにくいのですが,各家庭が何枚の紙を見ているか,あるいは取っているか。これは言い方を変えると,回覧板を通じて何種類の紙を見ているのか,あるいは取っているのかということで計算し直すと,2019年度は1世帯当たり125枚の紙が配られる,あるいは回覧される状況でありましたが,それが今年度,見込みではありますが,85枚まで削減できていると言い換えることができます。

 今後はさらにこの電子回覧板の実現に向けて取り組むために,まずは各戸配布方式をやめて,全部回覧にしてみよう,こうした取組を継続強化してみたいと思っています。それにより,約1.6万枚まで枚数を削減,これは2019年度に比べて76%削減されることになります。この取組に,さらに電子回覧板方式に乗り換えていくと,その枚数は,当然のことですが,さらにどんどん減っていく。こうしたことを目指して,来年度以降取り組んでまいります。

 具体的には,LINEのオープンチャット方式を導入したいと思っています。先ほど申し上げましたように,LINEに参加している市民の方が多いわけですから,ふさわしい手法だと考えています。オープンチャットでありますので,福山市LINE公式アカウントを友だち登録していなくても,このシステムを自由に使えるメリットもあります。また,5,000人までが無料で参加できますので,学区単位で導入するシステムとしては非常に使いやすいと思います。こうしたLINEオープンチャットの属性を活用したやり方です。今年8月に,学区の責任者に集まってもらい説明会を開催しました。21学区の方が関心を持って集まっていただき,そのうち約半数の学区ですでに9月から試行がスタートしています。

 どういったところに使えるかということですが,回覧板機能に加えて,役員間の連絡や,会議の出席の確認,回覧板でもありますが,各種イベントの案内や学区内・自治会内のアンケート調査に活用できると考えています。期待される効果としては,負担軽減や迅速な情報共有,住民同士の交流・コミュニケーションの促進があります。これまでは,役員の方が市あるいは国や県や各団体から委託された膨大なチラシを,学区内の組数ごとに,そしてそこの世帯数の枚数を確認して,挟み込んで…といった手間がかかっていました。一方で1枚ずつ取ってくれる家庭は今,少ないんですね。そうすると,せっかく仕分けをして回覧したチラシがそのまま取ってもらうことなく,役員のところに戻ってくる。それをまた処分しないといけない。そうした負担がありましたが,それが軽減されることに繋がっていくのではないかと思っています。こうしたことを通じて,自治会・町内会,あるいは地域のコミュニティが維持されていくように,町内会・自治会活動が維持されていくような取組を進めてまいります。

 2点目は,地域未来ビジョンについてです。地域未来ビジョンを策定するということをすでにご説明し,実施してまいりました。1回目のアドバイザリー会議を6月に開き,7月には市内3箇所で説明会を行いました。この説明会に加えて,地域や人から,説明を補足的に受けたいという要望があったところには,勉強会も行う形でフォローをしてきました。その結果,10月25日に最初の地域活性化協議会,最初の取組がいよいよスタートいたしました。

 この取組は今後様々な議論を踏まえながら,地域未来ビジョンを年度内に策定することになっています。もちろんこの策定を待たずに,実際の動きは始まっていくことも想定しております。一方で,全体の流れは引き続き継続されていき,11月10日には第2回のアドバイザリー会議が開かれます。こうした取組を全体として継続していきながら,第2号,第3号の取組が生まれていくことを期待しています。

 このアドバイザリー会議のメンバーの有識者が,地域活性化協議会の今後の取組について引き続きアドバイスをしていく形になっていきます。どういったものが立ち上がったかということですが,エシカルデニムツーリズムプロジェクト,これが地域未来ビジョンに向けた取組の第1号ということになります。めざす姿は福山がエシカルデニムの産地であるというブランドを形成していきたいということであります。

 プロジェクトのメンバーは,篠原テキスタイル株式会社,株式会社Rinnovation(リノベーション),そして福山観光旅行株式会社,この3社がコアメンバーとして立ち上がりました。エシカルデニムとはどういったものかということですが,例えば,大量生産型のデニムの生産について,これが1つの福山のデニムの強みではありますが,彼らは,3Dボディスキャナーを活用して,オーダーメイドのデニム製品を作っていく。これにより,廃棄素材の削減に繋がる。あるいは,彼らは脱大量生産というものに一石を投じる,そうした取組をしていきたい。これがまさにエシカルの取組になります。こうしたオーダーメイドデニムの生産の過程を,工場ツアーも一緒に組み合わせながら,工程見学をしてもらう周遊ツアーも造成していきたい。これは認知度の向上に繋がるとともに,デニム,あるいは繊維を通じた関係人口の増加にも繋がるということです。市としても,このプロジェクトの成功に向けた支援を継続していきたいと思っています。

 3点目ですが,実は先般,公園の樹木が倒れ,市民の皆さま方に不安やご心配をおかけしました。大変申し訳ないことであったと思っています。今後に備えて,早速,公園樹木1万6,000本弱をまずは公園管理者が目で見てチェックをいたしました。そして,伐採が必要なもの・変状があるもの・変状は見受けられないもの,この3つのカテゴリーに分けて,できることから対応しています。まず伐採が必要だと判断された9本については,すでに伐採を終えました。変状ありと判断したが,さらに樹木医による精密な診断を行った結果,その中でも伐採が必要なものが105本,さらに引き続き精密な診断をしていく必要のあるものが16本,このまま経過観察を行うものが482本,その際,剪定もあわせて行うものが39本。こうした細かな整理をあらためて行いました。そして,今年度末までにそれぞれの対応をしていきます。経過観察のジャンルに落とし込まれたものについては,毎年点検をし,変状なしと判断されたものについては,3年ごとの点検を行っていく。このように整理をし,公園の樹木について,今後は地域住民の皆さま方にご心配やご迷惑をかけないような対応をしていきたいと思っています。

 最後であります。10月2日から4日まで,世界バラ会連合会長のダイアン・ヴォム・バーグさんと福山大会の大会委員長であるケルビン・トリンパーさんの2人が来訪されました。総評としては,大変よく準備をされている,これまでの世界大会にない順調な状況であるといった総評をいただき,さらには大会プログラムに関して,そして,受け入れ環境について,それぞれ議論し評価をいただいた,あるいは今後の取組についてのご指摘をいただきました。

 大会プログラムについては,プログラムやその前後のツアーの詳細について,年内を目途に国内外に対して公表する予定であります。これは大会本番の1年前から参加登録が始まりますが,その参加登録の約半年前というタイミングにあわせて,こうしたプログラムやツアーを公表することで,多くの参加につなげていきたいと考えております。大会プログラムについてもいくつかご意見をいただきました。会場周辺や受付場所については,さらに細かな案内サインや,場合によっては案内人を立てましょう,ツアーについては,現在広島市がオプションになっていましたが,ぜひオプションではなくて,全員参加のツアーにしましょう,色々な市内視察にバスを仕立てていきますが,案内人はプロの英語話者である必要はなく,ぜひボランティアでいいので,親しみのある応接をしてください,といったご助言をいただきました。受入環境についても,いくつか細かな助言をいただきました。特に入国の際の手続き,あるいは税関の手続き,空港内の道順や新幹線の利用方法,これは我々にとっては日常の手続きですが,やはり外国人にとっては分かりにくいのだそうです。ですので,それを解説するようなものを事前に作って配っておいてほしいといった助言がありました。まちなかの環境については,緑化の状況や道路の状況やアクセシビリティも含め,とてもよいとの意見もいただいており,引き続き準備を進めていきたいと思っています。

以上が報告であります。

 

記者

 この夏以降,福山市内での公務員の逮捕が相次ぎました。7月に市職員が児童買春等の疑い,9月に入ると,消防士長が器物損壊の疑い,それから,小学校の教諭が強制わいせつ容疑で逮捕され,市教育委員会がコメントを出す事態となっています。逮捕要因となる案件の時期はばらばらですが,タイミングとして逮捕の時期が重なっており,相次ぐ逮捕は市民の不信感が高まることにつながります。そこで市長にお伺いしますが,一連の不祥事に対する市長の受け止めと再発防止策についてお尋ねします。

 

市長

 ご指摘のあった不祥事案を引き起こしたことは,本市に対する信用を著しく傷つけるものであります。あらためて市民の皆さま方に深くお詫びを申し上げます。再発防止に向けた取組については早速,実施いたしました。特に幹部に対しては緊急の幹部会を開き,服務規律の確保の徹底を指示いたしました。私の方からはあらためて,職員一人ひとりにしっかりと伝わるような徹底をお願いしています。

 また,各職場では,現在も全職員を対象に,公務員倫理の研修を行うなどしております。研修のなかでは,自身の生活を振り返るなかで,不祥事のリスクについて具体的な事例を挙げながら,その問題点について話し合う研修を行っています。また,小学校教諭の逮捕事案については,9月26日に市の教育委員会から各学校へ,服務規律の厳正確保の通知を行い,校内研修を実施するよう指示をしたと教育委員会からは報告を受けております。今後職員に対し,日頃から,一層の指導を続けながら,信頼回復に努めていきたいと思っています。

 

記者

 LINEを活用した市民サービス向上について,市公式LINEによる市民アンケートの実施を通じて,施策への反映などいろいろなねらいがあるのだと思いますが,あらためて,そのねらいの部分を詳しく伺いたいのと,第1回のアンケートのテーマとして「これまでの市政の評価とこれからに期待すること」を予定しているとのことですが,そのほかに,例えばで構いませんが,どのようなことを聞いてみたいかをお伺いします。また,電子回覧板の取組に関し,各地域に利用を促すために市がどのような支援を検討しているのかを教えてください。

 

市長

 まず市公式LINEを活用した市民アンケートについて,どのような意義を念頭に置いているかということですが,まず,これまで854人あるいは771人の市民からの声を聞いてきましたが,今回,対象が15万人と圧倒的に多いですね。他市でも公式LINEを使ったアンケートを実施している都市がありますが,回答率が約2~3%です。2~3%としても,福山市の場合は約4,000人からお答えをいただけるという意味では,多くの声を聞けるということです。

 それから先ほど申し上げましたように,若者層の声を聞くことによって,若い世代や働く世代が市政に対してどのような思い,期待,あるいは批判を持っているのかといったことを聞き取れる良い機会になるのではないかと思っています。2回目以降,どういったテーマで聞いていくかということについては,まずは1回目の回答を分析するところから始めていきたいと思っています。あくまでもこちらからあまり質問を押し付けるような形にならない,市民の皆さま方が何に関心を持っていて,どうしてほしいかということを踏まえながら,それに沿って質問を立てていくというのも聞き方の1つではないかと思っています。

 それから,電子回覧板に向けた支援の方針ですが,現在はまだ10学区で試行されている段階で,説明会に来ていただいた学区も21学区にとどまっていますので,まずはできる限り多くの学区の役員の皆さま方に,このLINEオープンチャット方式による電子回覧板の意義を説明し浸透させていく努力がまだまだ必要です。この本格運用がスタートする自治会については,実際やってみてどういった課題があるのか,あるいはどういった支援が必要なのかを踏まえながら,今後の支援の具体的なイメージを整理していきたいと思っています。

 

記者

 市の公式LINEを活用したアンケートの件で伺います。市公式LINEの登録者15万人に市民がどのぐらい含まれているのか,予測はできているのでしょうか。

 

市長公室長

 登録者の住所などの属性はわからないため,あくまで推定で,県内外の割合を把握しています。

 

記者

 市公式LINEの登録者には福山市外の方も含まれていると思いますが,市外の方を特定して,例えば福山市をどう思っているかといった意見を聞くような機会も考えているのでしょうか。

 

市長

 市外の方を特定することはできないにしても,市外の方にお伺いしますといった設問立ては可能ですので,場合によってはそういった質問,外から福山市がどう見られているのかとか,もっとこうなるといいね,といった意見を伺うことも考えていきたいです。

 

記者

 自治会・町内会に配布するチラシの削減に関して,行政などからの配布物をデジタルに移行していくということだと思いますが,現在,市民へダイレクトに市政情報を届ける一番身近なものとして「広報ふくやま」があります。「広報ふくやま」の今後について,何年先までにはすべてデジタルに転換したい,あるいは戸別配布を続けたいなど, 市長の考えを教えてください。

 

市長

 実態として,紙媒体の「広報ふくやま」に愛着を持っておられる方が,特に高い年齢層の方ですが,いらっしゃいます。そういった方たちにとっての福山市情報の提供のあり方は,大切にしていきたいと思っています。導入するにしても,当面は電子媒体による「広報ふくやま」と併用するような形でしばらく様子を見ていくということだと思います。

 

市長公室長

 先ほどご質問いただいた市公式LINE登録者の県内外の推定割合は,県内が90.4%,約9割で,県外が約1割という比率です。

 

記者

 市公式LINE登録者の市内外の比率は分かりませんか。

 

市長公室長

 分からないです。

 

記者

 公園樹木の管理についてお伺いします。対象の公園は何箇所ありますか。

 

都市部長

 706箇所です。

 

記者

 これは,市の管理する公園ということですか。

 

都市部長

 はい。市の公園です。

 

記者

 2点お伺いします。1点目は福山市緑町公園についてです。先日,ばらオーナー会が,緑町公園のローズヒルのばらで切りばら配布を予定していましたが,ばらの生育不良で中止となりました。お世話をされる緑化センターの職員の方々が一番心を痛められていることとは思いますが,緑町公園は来たる世界バラ会議福山大会においてメイン会場になる場所でもあり,もし今回のような生育不良が続けば大会にも影響が出てくるように思います。

 バラ会議の重要拠点については,ばらの世話を重点的にやってくださる方を常駐させるなど,そういった取組を考えてはいかがでしょうか。2点目は,大規模改修が予定されているふくやま美術館についてです。今年8月30日に,福山文化連盟から枝広市長並びに熊谷議長宛に要望書が提出されたと聞いております。内容はギャラリーホールでの展示の危険性を問うものと,大規模改修中の代替施設に関することです。まずギャラリーホールに関しては,作品を展示するために高さ4メートルの壁面最上部のレールにワイヤーを設置する必要があり,そのために利用者の皆さまは,約2.5メートルの作業台にのぼって作業をする必要があるそうです。美術団体も高齢化が進んでおり,とても危険だというような現状があるそうです。そして,安全を求めて,低い位置にレールを設けることを提案した内容と聞いております。また,美術館改修中の代替施設に関しても,表現の発表の場の確保という観点から,用意してほしいという声が上がっております。これらについて,福山市の考えをお聞かせください。

 

市長

 まず,緑町公園のばらの育成状況であります。今年は猛暑や少雨により生育が遅れ,花目が少ない状況でありました。これは緑町公園だけではなくて,市内のばらについて共通して言えることでありました。私も,世界バラ会議の1年半後の開催を控えたこの時点で,そうした状況が起きたことに大変驚き,危機感を持ちました。よく聞いてみますと,やはりそうは言っても,通常の公園管理の域を出なかった,水やりについてはもう少ししっかりと緻密に行うべきだったとの反省の声を,担当から聞いております。

 もう二度とこうしたことがあっては許されない,どのような気象状況であっても世界バラ会議の時期には立派な福山のばらを咲かせたいという思いを持ち,専門家を常駐させたいということで,現在,人をあたっております。一方,そうした専門家に頼るだけでは職員のスキルが向上しないので,あわせて公園の管理を行う職員のスキルアップにも繋がるような取組につなげていきたいと思っています。2点目,ふくやま美術館についてです。私も文化関係団体の方々から,多くの支障があるということを伺いました。特に展示状況の写真を見て,これは危険だなという思いを正直持ちました。

 ふくやま美術館は35周年を迎えており,近々大規模改修を行う予定でありますが,大規模改修に先駆けて,緊急的にいくつかやってみようと思っています。これは予算が絡むことですので,しっかりと新年度に予算措置をしながら,できることは対応していきたいと思っています。それから大規模改修の間の,愛好団体の展示のためのスペースの確保についてもしっかりと考えていきたいと思います。現在は,複数の腹案を持っている状況で,候補場所をいくつか絞り込んでおりますが,大規模改修のスケジュールが具体化した時には空白が生ずることのないように,つまり展示できない期間が生ずることのないように,代替施設を確保していきたいと思っています。

 

記者

 LINEアンケートに関して,アンケートでより若者のご意見を伺いたいとの話がありましたが,具体的にどのような世代を想定されているのか,あらためて教えてください。

 

市長

 まず,市政モニターの時の回答率の低下を見ますと,10~30代は,回答率が半減しています。その次に40代と50代,例えば50代でいうと,半減とまではいかないですが,85%だった回答率が61%に下がっている状況です。従ってこういった世代の声を意識して拾ってみたいと思っています。

 

記者

 市として,若者からのどのような意見を重宝したいと考えていますか。例えば若者から見た福山離れや福山市に対する不満など,良い意見というより悪い意見を聞いて改善していきたい思いを市として持っているのではないかと思いますが,若者から意見を聞くことのねらいを教えてください。

 

市長

 我々は都市の魅力を高めたい,そうした思いを持って市政に取り組んできました。福山に住み,福山で生まれ,福山で学び,福山で子どもを育てる。こうした流れが定着していけばいいなという思いです。そうしたなかで,特に若者層の20代,あるいは30代前半までですが,若者層の流出超過が続いております。特に若い女性の方の流出が顕著です。そうした年代にとって,福山市政の何が問題なのか,福山の魅力の欠如とは具体的には何なのか,福山で働く場合にはどういった仕事を望んでいるのか。そういったことも率直に聞ければ,若者の転出超過に少しでも歯止めがかかるような気がします。またこれからは社会全体で子どもを育てる時代になっていきます。結婚された方には,どういった子育て環境が自分たち若者にとって負担軽減に繋がるのか,こうした子ども施策に繋がるような意見を聞けるのも,ありがたいことだと思っています。

 

記者

 市公式LINEの登録者に県外の方も含まれているということで,そのなかにはU ターンを希望される方もいらっしゃるかもしれません。そうした方から,福山市に戻るならこうしてほしいといった意見もほしいところなのでしょうか。

 

市長

 そういったことについても,設問に加えていきたいと思います。

 

記者

 先日イノシシが市内に出没しました。全国的にも鳥獣被害が発生しているところです。イノシシ対策について,お考えを聞かせて下さい。

 

市長

 様々な対策がこれまでも出てきましたが,どれも十分な成果には繋がっておりません。難しい問題だと思っています。これは県も主体的に関わって対策を講じていかなければならない問題で,県と協力をしながらどういった有効な対策がありうるのか,専門家の意見も聞きながら,多くの試行を繰り返していきたいと思っています。これという効果的な手法はまだ見出しておりません。

 

記者

 公園樹木の点検結果に関して,今回「変状あり」と判断された樹木が603本あったということに対して,市長としてはどのような感想を持っていらっしゃいますか。

 

市長

 「変状あり」と判断された603本のなかには,大きな変状もあれば,小さな変状もあります。外見からではわからないが樹木のなかに潜む大きな変状もあり,これは外見からのチェックだけでは判断が難しいです。そのため,少しの変状も見逃さないようにチェックし,それをさらに専門的に見てもらった結果,伐採すべきと判断された樹木が105本ありました。これは正直なところ,これまでもう少しきめ細やかにチェックをすべきだったなと思っています。今後はこうしたところを見逃すことのないよう,経過観察や精密診断を引き続き緻密に行っていく。そうした対応を,今回あらためて組み直したところです。

 

記者

 福山市立大学について伺います。新学部の設置に向けて,先日検討会がスタートし,今後の検討次第では,例えば建物を新しく建てるのかなどといった議論も出てくるのではないかと思います。そうしたなかで市は設置者としてどのように支援に関わっていくのか,あらためて考えをお聞かせください。

 

市長

 新学部,特に理工系学部の設置は,経済界が長年熱望してきたところであります。今回,手を上げることができ,国の支援を得ながら基本構想を策定していくという緒についたことを,私も喜んでいます。ぜひとも,設置認可まで漕ぎ着けたいと思っています。まずは,設置認可に至る十全な基本構想を練り上げることだと思っています。そして,その上は必要なキャンパスあるいは建物が必要になってくるでしょうから,そうした場合には,経済界とも連携をしながら,必要な教育環境を整備していきたいと思っていますが,何よりも教員の確保が重要です。そうしたことに,まずは全力を傾注しながら,取組を進めてまいります。

 

総務局長

 次回,12月に第2回の検討委員会を予定しています。あらためてその場で,第1回検討委員会で議論に出たこと,キャンパスの構想などの具体についても示されると思います。そういったものを受けて,市としても具体的な支援を検討してまいります。

 

以上。

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