ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > ようこそ市長室へ > 市長記者会見 > 2016年度分(平成28年度分) > 2017年(平成29年)3月定例市議会市長記者会見

本文

2017年(平成29年)3月定例市議会市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年6月6日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ、掲載しています。

 会見日:2017年(平成29年)2月20日(月曜日)

報告事項 

 ・新年度の行政組織について

 ・世界バラ会連合大会の福山誘致について

 ・(仮称)福山開府400年・福山城築城400年事業 推進企画委員会について

 ・福山駅前の再生に関する取組について

会見録

報告事項

市長

 それでは,私から報告と,3月定例市議会の案件について,説明させていただきます。

 まず,1点目は来年度の行政組織についてご説明を致します。時代の変化や市民ニーズに,スピード感をもって的確に対応するとともに,私が掲げます5つの挑戦を実現し,誇りと輝きのある備後の中核都市・福山を創造するため,組織を整備するものであります。

 主なものについて申しあげますと,私の特命事項について,部局間の総合調整を行う,局長級の経営戦略監を私の直属として設置いたします。また,市長公室に情報発信課を設置し,情報発信戦略会議を所管するともに,情報発信戦略の策定後は,本市の魅力を向上させる都市ブランドの取組と一体となって,戦略的な情報発信を行ってまいります。

 5つの挑戦を実現するための組織整備といたしましては,中心市街地の活性化を推進する為,建設局に新たに福山駅前再生推進部を設け,福山駅前再生推進室を都市部から所属替えするとともに,同室に事業調整担当課長を配置し,福山駅前の再生に係る体制を強化致します。

 次であります。先ほど申しあげました駅前再生室の話は5つの挑戦の最初の柱「中心市街地の活性化と都市の魅力向上」に関わる組織整備でありますが,次の5つの挑戦の柱では「希望の子育て,安心の医療・福祉とまちの活力の創出」をうたっておりますが,ここに関しましては保健福祉局児童部に福山版ネウボラの総合調整を行うネウボラ推進担当部長を配置するとともに,子育て支援課をネウボラ推進課に名称変更致します。

 5つの挑戦の3つ目の柱であります「夢・希望あふれる未来を創る人財の育成」に関しましては,100人委員会の円滑な実施と施策への反映に向けた総合調整を図るため,市民局まちづくり推進部に100人委員会担当部長を,まちづくり総務課に100人委員会担当課長を配置致します。

 また,福山開府400年,福山城築城400年に係る事業を推進するため,文化課から名称変更する文化振興課に築城400年事業推進担当課長を配置致します。また,名称変更後の文化振興課では,地域に埋もれてはいますが,本市の誇りとなる人物,遺跡,書,美術などの文化,歴史を掘り起こし,磨き上げ,発信していく地域文化振興の取組についても強化いたします。

 そのほか,私はこれまで現場主義を言ってまいりましたが,これまで以上に地域の声を聞き,要望や課題を把握し,課題解決を図るとともに,地域の特性に応じた施策を企画立案し,予算要求につなげていくなど,拠点支所を中心とした支所機能の強化に努めてまいります。以上が,来年度の行政組織整備の概要であります。

 次に,報告の2点目でありますが,世界バラ会連合大会の福山誘致についてご報告を致します。昨年5月21日に「100万本のばらのまち」が実現いたしましたが,今後は,「福山市ばらのまち条例」に基づき「世界に誇れるばらのまち福山」をめざして,2022年(平成34年)の世界バラ会連合大会の誘致に向けた申請の手続きに入ります。
世界バラ会連合は,イギリスのロンドンに本拠地を置き,「ばらについての知識の共有と普及・研究促進」,「ばらの愛好家の親善や情報交換」等を目的として世界40カ国のバラ会が加盟しています。3年に1度世界大会が開かれており,世界大会が開かれない年には,「地域大会」が世界の各地で開かれております。
この地域大会に向けまして,3月に連合会本部へ申請書を提出致します。そして,2018年デンマークで行われます世界大会で,その開催地が決定されることとなります。

 次,3点目であります。(仮称)福山開府400年・福山城築城400年事業 推進企画委員会についてご報告申しあげます。
本市は2年後の2019年に福山藩初代藩主水野勝成公が神辺の地に入府されて400年,5年後の2022年には福山城が築城されて400年の節目を迎えます。この節目の年を市民の皆さんと喜びあい,「ふるさと福山」に対する誇りと郷土愛をさら醸成し,福山の魅力を全国に向けて発信できるよう事業を推進していくために,今月23日に当委員会を開催いたします。別紙の資料として添付しております名簿にありますように,経済界や学識経験者,地域活動などを代表する委員の皆さんから広くご意見をお伺いする中で,基本方針や記念事業等について検討を進めてまいります。また,当委員会には相談役として,水野家20代当主の水野勝之様,阿部家17代当主の阿部正紘様,そして,現在,福山市教育委員会特別顧問をしていただいております,千葉科学大学学長の木曽功様にお願いし,貴重なご意見を聞きながら,すばらしい福山開府400年・福山城築城400年を迎えられるよう努めてまいりたいと思います。

 最後の報告であります4点目ですが,福山駅前の再生に関する取組についてであります。福山駅前の魅力づくりや賑わいの再生を行政が先頭に立って取り組んでいくため,行政や市民,関係地権者や事業者などが共有できる再生ビジョンのたたき台の案の作成に現在取り組んでおります。このたたき台の案に対し,様々な分野の方から意見を伺うため,今月17日に産学金官そして民により構成する福山駅前再生協議会を立ち上げました。そして3月1日に第1回目の協議会を開催することといたしました。協議会での検討にあたりましては本市が持続的に発展していく為の都市構造・産業構造,こうした視点や,少子高齢社会の中にあっても女性や若者,子どもから高齢者まであらゆる世代が生き生きと暮らせる新たなライフスタイルの提案といった視点も必要になろうと考えております。また,福山の特徴ある産業や福山城を中心とした歴史や文化など,福山の魅力をどのように活かし,駅前から発信していくのか,こうした視点も検討の対象になるのではなかろうかと考えております。

 協議会では,福山らしさを感じられるような駅前の未来像について,ダイナミックな議論が展開されることを期待しております。協議会のメンバーにつきましては,都市デザインやブランディング,建築,福祉,雇用,女性の活躍など,各分野の専門家に参加していただく予定としております。協議会は概ね2カ月毎に開催し,全体で5~6回程度を予定しております。協議会で頂いた意見をもとに,来年度中に関係地権者や事業者,市民などと共有できる福山駅前の再生ビジョンとして取りまとめてまいります。以上が報告案件4点でございます。

 それでは,引き続き,3月議会の案件について,ご説明をいたします。3月議会につきましては,本日,招集告示を行い,2月27日から開会することといたしました。第1次分として提出いたします内容について,以下ご説明をいたします。

 まず,報告案件といたしましては,「損害賠償の額を定めること及び和解の専決処分の報告について」の1件であります。

 次に,予算案件といたしましては,平成29年度当初予算は,一般会計,特別会計11会計,企業会計4会計,合わせて16会計を提出しております。

 次に,条例案件でありますが,「福山市情報公開条例及び政治倫理の確立のための福山市議会議員及び市長の資産等の公開等に関する条例の一部改正について」や,「福山市企業立地促進条例の一部改正について」など13件であります。
次に,単行議決案件といたしましては,「福山市深津住宅3号棟建設工事請負契約締結の変更について」をはじめ5件であります。

 それでは,「平成29年度予算並びに重点政策の概要」についての説明に移らせていただきます。平成29年度予算案についてでありますが,今回の予算は,一般会計で1,643億7,000万円,特別・企業会計を合わせた全会計では,総額3,305億7,000万円余りの規模となっております。詳細な内容については,先日,企画財政局から説明しましたので私の方からは,予算編成の基本的な考え方と注目していただきたい重点施策につきご説明をいたします。

 平成29年度予算を,福山市が次の100年に向かって新しい一歩を踏み出すその方向性を示すものであるとともに,ふるさと福山が100年先にも輝きを放ち続けるまちであることを目指し,「未来への挑戦予算」と名付けます。私の掲げる「5つの挑戦」を盛り込んだ予算であり,新年度各施策を着実に実行に移します。

 また,議論の中身が市民の皆さんに見える事で市民の皆様が街づくりに「変化を感じる年」にしていきたいと考えております。そのため,予算編成では,特に3つの視点に意を配ってまいりました。最初の視点でありますが「福山の未来を切り拓き,更なる成長へとつながる効果的な投資」こういう視点であります。2つ目の視点は「未来への希望となる子どもたちの幸せと若者・女性の活躍促進」という視点,3つ目の視点は「市民の誇りを高める福山文化の継承と発展」,以上,この3つの視点を意識しながら編成してまいりました。これまで経験したことがない人口減少の時代に私は,市民の皆様とともに,夢のある「未来」を描けるまちづくりを進めてまいりたいと考えております。そしてまちづくりに新しい風を吹き込んでいきたいと,このように思っております。

 また,忘れてはいけないもう一つの観点が,持続可能な財政運営であります。中長期的には,少子高齢化の進展など厳しい財政環境が想定されますが,未来の成長の為には第一の特徴にありますように,「5つの挑戦」の事業費の財源確保や,投資的経費を大幅に増額することが必要となります。ここにあります様に投資的経費につきましては前年度比40億円増加の181億円を確保致しました。構成比でいいますと11%となりますが,10%超えは7年ぶりの規模となっております。この為には幾つかの配慮が必要となってまいります,

 特徴の2つ目に掲げてありますように義務的経費を大幅に圧縮致しました,前年度比で27億円の減であります。人件費の削減,公債費の削減,一方では高齢社会を反映した扶助費の増加こうした義務的経費の増加要因はありますが,全体として27億円の減少となっております。

 それから1つ飛びまして4つ目の特徴にありますように,基金を計画的に活用すると,こうした事にも意を配りました。大規模事業基金からの繰入1.5億円,また教育環境整備基金の繰入1.1億円であります。大規模事業基金からは総合体育館の整備費に充てるものであります,また中学校給食実施の加速化の為に教育環境整備基金の一部を活用する,こうした取組を行いました。

 また昨年,市民の皆様方にお約束を申しあげました,事務事業の見直しであります。344事業を見直し致しました,全事業が1,646事業でありますので,それに占める割合が20%となりました,2割の見直しを達成出来たものと考えております。またこれによりまして結果的に生ずる財政節減効果は約15億円となりました。こうした財政健全化への配慮を行ったうえで,大幅な投資的経費の増額計上が可能となったという事であります。

 この結果といたしまして特徴3にありますように財政指標は改善を致しております,経常出資率が84.2%と3.5ポイントの改善,また実質公債費率2.5%でありますが,過去最低を更新する,まあこういう財政の姿の実現をする事が出来たわけであります。以上が29年度予算の財政面から見た5つの特徴であります。

 それでは,お手元にあります「ふくやま未来づくりビジョン2017」の,表紙を含めて2枚をおめくりいただきます。左上に「ふくやま未来づくりビジョンの概要」とありますページであります。一番上の囲みにありますように,未来づくりを推進する為,14の施策に約73億円を計上致しました。これは一般会計の政策経費の約23%に相当いたします。また,国の補正予算に呼応して,小・中学校施設の耐震化を今年度の3月補正に前倒しをして,更にスピードアップすることといたしましたが,この前倒し分の19億円も合わせ含めると,未来づくりの為の全体の事業費は,約92億円となります。全体予算の約3割に集中計上したという姿になろうかと思います。それでは,主な施策の内容につきまして,以下ご説明を申しあげます。

 右下に小さくページがふってあり,各ページの右上に「担当課」という帯がありますが,これは現在の組織・機構の名前で整理をしておりますので,いずれこれは組織名が替ってくるという事をご承知願いたいと思います。

 それでは1ページ目であります。初めに,「挑戦1 中心市街地の活性化と都市の魅力向上」について,そのうちの「中心市街地の活性化」についてご説明をいたします。産学金官民で連携し,福山駅前の再生に向け,(仮称)福山駅前再生ビジョンを策定いたします。福山駅前は,都市の顔ですが左側に折れ線グラフで示したようにここ10年間に流動客が大きく減少しております。私は,人や企業を惹きつける拠点として,福山城を中心とした文化ゾーンと一体的に整備をし,駅前に輝きを取り戻したいと強く思っております。ビジョン策定は,その為の重要なプロセスの1つと考えております。

 その下2ページに移ります。「都市の魅力向上と発信」という左上のタイトルのページであります。左半分に少し紹介していますが,本市には,市民の皆様の誇りにつながる魅力的な地域資源が数多くあります。例えば,全国的にも非常に高い合計特殊出生率や,オンリーワン・ナンバーワン企業の集積,100万本のばらのまちづくり,鞆の浦・福山城・廉塾・砂留,そして市内全域に所在する辻堂の群等の歴史・文化資源などであります。しかしながらこれまでは,これらの魅力を十分に伝えきれていなかったと私は感じてきました,今月の9日,外部の専門家で構成する情報発信戦略会議を立ち上げました。新年度は,この会議において,本市の情報発信戦略を策定いたします。今後,これに基づき,戦略的で効果的な広報・PRを展開し,本市の魅力を国内外に発信するとともに行政情報についても分かりやすく市民の皆様方に発信をしてまいります。

 4ページをお開き願いたいと思います。挑戦の柱でいうと2つ目の挑戦になります。その内の「子育てしやすいまちNo.1への挑戦」と題してあるページでありますが,まず福山版ネウボラを構築いたします。妊娠,出産,子育てに関して,切れ目のない支援をワンストップで行う施策であります。すっかり名前がお陰様で定着してまいりました。学童期までの相談を受けられる窓口を市内12カ所に設けます。そこに配置される「ネウボラ相談員」は,全国でも初めての福山市独自の「ネウボラ相談員養成プログラム」のもとで,常に高いレベルの資質を維持することといたします。将来的には,就労・再就職までのサポートが可能となる全国初の就労支援一体型ネウボラの構築を視野に入れています。

 また,福山版ネウボラのもう一つのポイントは,行政が保有する子育て情報とリンクしたオリジナルの「子育て支援アプリ」を開発するという事であります。これらの取組は,福山市が更に子育てしやすいまちを目指す新たな挑戦となります。広島県とも連携してネウボラ施策を進めていく事になりますが,県が提示する施策を福山でモデル的に実施するのではなく,県全体のネウボラ施策を福山市がリードしていきたいと,このように考えて引き続き施策の充実,拡充に努めてまいります。“子育てするなら福山市”福山市は市民の皆様の子育てを全力でサポートしてまいります。

 6ページをお開き下さい。「女性・若者の活躍推進」についての施策であります。左側に整理をしましたように,女性活躍においては,地元企業の魅力等を発信する拠点として「(仮称)駅前女子カフェ」の設置や,多様な働き方の支援として,Web系在宅ワークのスキル向上研修を実施いたします。また,放課後児童クラブにつきましては,整備方針に基づき,2017年度(平成29年度)を初年度とし2019年度(平成31年度)までに全学区において,6年生までの受け入れが可能となるように拡充をいたします。次に右半分を御覧ください,若者の地元定着においては,これまでの大学生の取組に加え,新たに高校生も地元企業の強みなどを学ぶ機会を充実し,地元企業への理解を更に深めてまいります。これらの取組を着実に実施することで,若者や女性がキラリと輝くまちづくりを進め,若者や女性の転出抑制につなげていきたいと考えております。

 7ページをお開き願います。挑戦の柱3番目の内「地域経済の活性化」につきましては,地域の中小企業への支援を意識した取組を進めていきたいと考えております。真ん中より上を御覧ください。ものづくり大学における優れた技術の継承や,フクビズにおける相談業務もその一環であり,中小企業の技術力の向上や提案力の強化に努めます。福の耳プロジェクトも継続して実施いたします。これは企業の生の声を直接伺える貴重な機会であり,そこから得られる情報は本市の大きな財産でもあります。可能なものは当然施策に反映して参ります。行政情報も積極的に公開してまいります。事業者の皆様には,是非この行政情報を御活用いただき,新たなビジネスチャンスへとつなげていただきたいと考えております。

 真ん中より下であります。経済活動を支えるため,幹線道路の渋滞緩和策として,福山サービスエリアへのスマートICの整備などに着実に取り組んでまいります。また,新たな雇用創出のために,企業誘致も取り組みます。このたび条例を改正し,補助の対象地域や業種を拡大する事といたしております。

 次9ページをお開き願います。「防災対策の推進」についてであります。災害時には,自助・共助・公助が互いに効果的に機能することが重要です。昨年6月の大雨災害の教訓を踏まえて,再び,あのような災害を繰り返すことがないよう,安心・安全なまちづくりに取り組みます。また自助の取組としては,ハザードマップや災害時の対応などが掲載された「防災ガイドブック」を全家庭に配付いたします。共助の取組としては,引き続き,地域防災のリーダーとなる人材を育成するとともに,新たに連絡会議を立ち上げ,情報交換を通じて地域間の円滑な協力体制の構築に努めてまいります。自主防災組織の活性化と合わせ,地域防災力の強化に取り組みます。公助の取組ですが,国,県等の関係機関と連携し河川大規模氾濫時の減災対策を推進するとともに,学校施設の耐震化について,2020年度(平成32年度)までの耐震補強工事の完了を目指して取り組みます。

 次は10ページであります。挑戦の柱4番目の内「未来を創造する教育」では,未来への希望である子どもたちの育成に力を注いでまいります。本市の教育理念である「福山100NEN教育」に基づき,子どもたちが自ら考え学ぶ授業づくりに取り組みます。学校教育環境の整備として,中学校給食の全体計画を策定し,完全実施に向けて取組を加速いたします。また,鞆の浦学園の整備に取り組むほか,学校規模・学校配置の適正化については,計画に基づき着実に実施して参ります。

 11ページをお開き願います。「夢・希望の実現」についてであります。右上を御覧いただきたいと思います。未来づくりに向けた協働の取組として,新たに,「(仮称)ふくやま未来づくり100人委員会」を立ち上げます。今週25日に1回目の委員会を開催いたします。幅広い世代の市民が集い,福山のまちづくりに向けた夢やアイデアを持ち寄り,互いに共有しながら,例えば30年後の福山の夢のある未来図を共に描いていきたいと考えております。車座トークも引き続き実施いたします。子ども議会・高校生議会や夢・未来プロジェクトなど,子どもたちの夢や希望の実現に向けたチャレンジを応援して参ります。皆様のまちづくりへの思いなどをしっかりと汲み取り,市民に身近な市政の実現に努めます。

 12ページに移ります。挑戦の柱5の内「歴史・文化の継承」では,本市の玄関口のもう一つの顔ともいえる「福山城」の築城400年に向けた取組を推進いたします。今週23日に築城400年に係る企画委員会を立ち上げます。この企画委員会で議論する中で,まずは,2年後の福山開府400年に向け,プレイベントの実施や情報発信などを通して機運を高め,市民はもとより,全国の福山ファン,歴史ファンが参加する,そんな事業展開に繋げていきたいと考えております。なお,新年度は,大政奉還150周年でもあります。参加都市には,当時は反目しあった歴史がありますが,時を経て力を合わせて盛り上げていくのも一興かと考えております。また,ばらのまち福山ミステリー文学新人賞も10回目の選考を迎える記念の年となります。これまでの取組により,業界からもミステリー作家の登竜門として一定の評価を得ております。10回目の記念を大いに盛り上げたいと考えています。

 13ページをお開き願います。「鞆のまちづくり」についてであります。現在,ワークショップを開催し,膝を交え住民の皆様との意思疎通を図る中で,鞆の課題や将来像を共有し,共感し合えるまちづくりの方向性について考え方をまとめているところであります。新年度は,この方向性をベースに,「(仮称)鞆まちづくりビジョン」を策定いたします。同時に,防災対策など,住民の皆様方が安心・安全に暮らせる環境整備にも取り組んで参ります。

 最後のページ,14ページをご覧ください。「スポーツの振興」についてであります。スポーツを楽しみながら健康づくりができる市民の交流拠点として,総合体育館の整備に着手いたします。また,JOCパートナー都市協定によるオリンピック選手のスポーツ教室の開催や,聖火リレーや事前合宿の市内招致に向けた取組,競技力の強化などに取り組んで参ります。
以上が,本市の新年度予算並びにふくやま未来づくりビジョンの概要であります。

 以上,1次分として35件を提出いたしております。私からの説明は以上です。

記者

 質問を1点だけ,枝広市長就任後,初の当初予算案になりますが,特に力を入れた点や思いをお聞かせ下さい。

市長

 ありがとうございます。先ほどの「福山未来づくりビジョン2017」という横長の紙の表紙をめくった最初に,はじめにというページがありますが,ここをご覧いただきながらお聞き願えればいいのかと思いますが,今回の予算編成にあたりまして,私はスピード感をもって約束を実行していかないといけない,こういう思いを強めてまいりました。そして市民の皆さんが変化を感じていただける,そんな新年度にしたい,そんな新年度予算の内容にしたい,このようにも思ってまいりました。その為には行政の意思やその考える方向性が明確で分かりやすいメッセージとして市民に届くと,これが必要と考えてきました。これからも分かりやすく市民の皆さん方にその内容を説明すると,議会の場を通して説明していきたい,とこのように考えております。

 そして福山の未来を考える時に,成長を,都市として成長していかなければ未来は無いと,このような思いも強めてまいりました。同時に子供の元気な笑顔がなければ,大人も元気にならない,そう言う思いや,文化というものが市民の誇りに繋がると,こういう思いももってまいりました。こうした事を思いながら予算編成に取り組んできたという事であります。

 そして先程も申しあげましたが,そうした施策が円滑に実行出来る為にも健全な財政,持続可能な財政がなければいけない,これは当然の事でありますが,その意を強くもってきたわけであります。なかなか将来に向けた,成長に向けた投資を大胆に行うという事と,健全な財政という事と,両立はなかなか難しいことでありますが,29年度予算編成につきましては,そうした私の思いを上手く反映できた,そんな予算になったのではなかろうかと思っております。最も,まだまだ将来の事を思いますと厳しい財政状況,狭い道を乗り越えるような財政運営が求められてまいりますので気を引き締めながら財政運営にあたってまいりたいと考えております。以上です。

記者

 財政運営について伺いたいと思います,投資的経費が増える中で,健全化が上手くできたと言うふうな事をおっしゃたんですけども,今後の長期の見通しについて,どうお考えかという事を聞きたいと思います。確かに今年度は健全性という事務事業の2割見直しとかもあって,やったとは思いますが,やはりプライマリーバランスの方が若干ですけども悪化しているし,長期の市債の残高も増えた傾向になっていると思います。今後おそらく成長への投資とされるなかで,大胆な大きなインフラ投資も考えられるかなと予算を見て思うのですけど,今後,今の段階でただでさえ財源不足が考えられる現在,長期的にはおやりになりたい施策とのバランスを考えながら,どのように対策の見通しを立てられて,抑制の基準をどういうふうにお考えになのか,長期的な視点をお聞かせ下さい。

市長

 ありがとうございます。まず,先程の私の発言をもう少し補足させていただきますと,大規模投資,投資的経費40億円で前年に比べて増加させました。合計で181億円,こういう数字を先ほどご披露したと思います。一方でプライマリーバランスの赤字が7億円強ですね。前年度は黒字であります。それをどういうふうに受け止めるか,という事であります。確かにプライマリーバランスは単年度,赤字に転じましたが,7億円の赤字でありました。それに対して対前年度比40億円の投資的経費が確保出来たと,ここに財政当局の工夫・財政運営の工夫があると思います。それは事務事業の見直し15億円の節減を実現出来た等でありますね。そうした努力を普段に続けていくという事がまず基本になると思います。事務事業の見直しについても引き続き,今度は改めて別な観点からも取り組んでまいります,継続していきます。スクラップアンドビルドももっと強化をしないといけないという事になるのかもわかりません。或いは厳格な周期の設定,こうした事にもつなげていく,そうした事も観点に入れていかないといけない。

 一方で仮に大規模な投資に踏み出すにあたっては,その事業効果を十分数字でもって検証するとこうした市政が従来以上に重要になってくると思います。ビーバイシー(費用対効果)が納得いくものであれば,これは一時的に財政事情は厳しくなるかもわかりませんが将来の果実がいずれもたらされるという事であれば,市民の皆様方の納得も得られるのではないかと,このようにも思っております。今回1人あたりの公債残高(借金)31.6万円ですかね,去年に比べて1千円程増加をいたしました。その程度に抑える事が出来たという事かもわかりません,引き続きこの指標を大事に,あるいは財政運営のメルクマールの1つに据えながら,健全な財政の維持という意識をしっかりと持ち続けていきたいと思っています。

記者

 1点確認で長期的な財政見通しの見直しというか,今年度予算に向けてはおやりになる予定はあるのでしょうか

市長

 今回は,まだ大規模な投資,投資に向けて考え方,考え方を整理する場が出来たというのが特徴だと思います。もう少しその議論の中身を見ながら投資の規模がどうなっていくのか具体的なイメージが出てくると思いますね。そういう段階で長期的な財政収支の見通しに見直しを加えるのかどうか,それを判断していきたいと思います。当面は現状の見通しを前提に考えていくという事であります。

記者

 ネウボラについてですけども,相談窓口12カ所でスタートという事ですが市長としては最終的にどの程度の規模というか数を想定されているのかという事と,モデル的なものではなく市がリードしていきたいと,そこの一番のポイントになるのはどの部分であるか。

市長

 相談窓口につきましては,この12カ所で相談を実施する中で子育てのご家庭の声も聞きながら増やしていく事を考えていきたいと思います。もう少し身近な場所に相談窓口が増えてもいいのではないかというふうな思いはもっておりますが,まずは制度の中身を充実させていくというところに注力していきたいと思っています。

 それから先程の「未来づくりビジョン」の4ページにも色々書かせていただきましたが,単に子育ての相談員をそこに配置するという事ではなくて,例えばこのネウボラを日本に導入した先進地域であります和光市の相談員の研修の状況とか,そうしたものを学びながら,この専門員,一般的な相談員ではなくてネウボラ専門員・専門相談員そのような資格を創って,意識をもってこのネウボラに取り組んでいく,こんな相談員にする,これも1つの福山がリードするネウボラの取組かもわかりませんし,この行政の情報とタブレット端末で見られる子育て支援アプリというものとの連携をしていく中で,どの様な改善点が出てくるか,課題が出てくるか,そしてその課題を解決する事によって,福山らしいそうしたネウボラの取組に繋がっていく,こういう事もあろうかと思います。それも言ってみれば我々が先進的に県のネウボラ施策を引っ張って行くと,こういう意識の表れではないかと思っております。

記者

 女性の就労支援という部分があると思うのですが,これは新年度から出来るものであれば,そこに取り組むというものなのか,それとも将来的なものなのか,教えてください。

市長

 駅前女子カフェは29年度から実際に共用が開始されます。活動がスタートしますし,例えば在宅でWeb系の仕事の研修をする,それによって在宅でのお母さん方が仕事を出来るような環境が出来ていく。スキルが身についていく,これも新年度から取り組みます。この女性の就労関係の整備につきましては新年度から事業を実施していくという事になります。

記者

 ネウボラの中でも具体化していくのか。

市長

 これは将来的な課題というふうに受け止めています。まずは母子保健,子育て,ここに注力をしてしっかりした基礎づくりをしていこうとこいう事ですね。

記者

 市長の発表の中でも既にありましたが,改めて今回の予算のキャッチコピーというか,○○予算というのを,もう一度いただきたいのと,そのネーミングに込めた思いをお願いします。

市長

 「未来への挑戦予算」です。これは,未来への挑戦予算です。昨年福山市は市制100周年を迎えました。これまでの100年を振り返る中で,市民の皆さん方が喜びを分かち合ってきた。29年度からは先を見て市政運営に勤めていかないといけない。したがって視野の先にあるのは未来です。そして,これまで経験したことのない社会経済環境の変化の中にあって挑戦をし続けなければ,挑戦をしなければ,それは活気を失うかもしれない,輝きを失うかもしれない,したがって不断に挑戦をしていくんだ,こう言う思いを込めました。

記者

 大きく2点お伺いしたいのですが,今回の予算で額として大きくついたのが新総合体育館だと思いますが,この体育館の整備にあたって市長さんが込められる思いとか,競馬場跡地全体をどういう場所として位置付け,お考えになられているのかをお伺いします。2点目としては,鞆の町づくりについて,昨今知事が福山・鞆に来られるような発表もございましたし,あとワークショップが市内では進んでいたりします。伝建地区の保存計画も進むという話を聞いています。鞆の中で例えば重伝建はどういう時期でどのように目指すのかであるとか,市長さんとして鞆についての方向性を発表なさるタイミングが何時ぐらいにくるのか,というような事をお聞かせ願いたいと思います。

市長

 まず,総合体育館でありますが,総合でありますね。あらゆる世代の市民の皆さん方が,そこでスポーツに親しめる,或いは豊かな空間を共有出来る,時間に身を委ねる事が出来る,そんな総合体育館にしていきたいと思っております。一方でその横にある未来創造エリアというのか,競馬場跡地の空地を,どう活用していくかであります。私の思いとすれば少し時間をかけて市民の皆さん方の気持ちを整理していってもいいのかなと,こういう思いももっております。大きな方向性は示していただいておりますが,まだまだそこに込める市民の思いは様々なものがある様ですね。総合体育館が出来て,それとの調和をどうとるかという視点も必要になってくるかもわかりませんね。

 それから鞆につきましては,年度内にも知事が住民説明に出向かれると,このような話を伺っております。私も出来るだけ早期にそうした場がもてる事は望ましいと,そしてその為に地元調整に汗をかくと,このように例えばトップ会談の場などにおいても知事にも申しあげてきました。したがって今回,もしその様な段取りが実現すればそれは好ましい事だと思っています。一方で私達は,まちづくりビジョンの策定に向けてさらに取組を,強化というのはおかしいですが取組を進めていきます。また,やはり鞆の方々あるいは福山市民の方々が望んでおられる街並みの保存,こうした事についてもやはり着実に進めていくということが必要だと思いますね。生活の場であり,しかし中世の豊かな風景が残った場,そこを上手く調整を出来る,そんな保存計画の策定に向けて,着実に取り組んで参ります。そうしたものを見ながら私は,例えば鞆の方々と意見交換するという場はおのずと出来てくるのではないかと思っております。

記者

 報告事項で福山のバラ会?バラ会と言った方がいいのか,バラ会議の方がいいのか。

市長

 バラ会,世界バラ会連合大会の地域大会の誘致。そのことですよね。はい。

記者

 冊子の挑戦4の学校規模の再編のところの,再編対象校事前交流の実施について,これはもうすでに一部で統合ですか,そこら辺の見込みがたっているのでこういう事業が行われる予定なのか,どういう状況なのか教えてください。

市長

 これは勿論,再編統合に向けて地域の皆さん方の合意形成の進捗については色々あると思います。ただ,いずれにしましてもこの再編対象になっている学校のお子さんやPTAの皆さん方がその受け入れする学校と交流する事によって,その再編や統合の問題をどの様に受け止めていただくか,そういう意味では大変重要な機会だと思います。これは既に実施をしていると,29年度も引き続き実施はするとそういう事ですね。

 以上。