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2023年9月定例市議会市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年9月6日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2023年(令和5年)8月28日(月曜日)

2023年9月定例市議会市長記者会見

 ・マウイ郡大規模火災への支援について​

 ・SDGsの推進​

 ・福山市立大学 新学部設置に向けた取組

 ・少子化対策

 ・放課後児童クラブ等連携促進実証モデル事業

 ・世界バラ会連合の役員による現地視察・協議

  2023年9月定例市議会市長記者会見資料 [PDFファイル/2.18MB]

 

会議録​​

​​市長

 まず,マウイ郡で発生した大規模火災に対する支援についてご報告したいと思います。まず,山火事で犠牲になられた方々に対し,謹んで哀悼の意を表し,被害に遭われた皆様に心よりお見舞いを申し上げます。本市とマウイ郡は,経済界同士の交流からスタートいたしました。そしてその後,2008年には,本市との間で親善友好都市提携を結び,今年でちょうど15年の節目を迎えました。

 8月8日に大規模火災が発生したという報に接しまして,早速,現地との連絡を試みたのですが叶わず,外務省に連絡し,ハワイの総領事館経由での情報収集について,了解を取り付けました。そして,8月14日には義援金の受付を開始いたしました。また,湯崎広島県知事とも連携をいたしまして,ハワイ州と関係の深い日本の同県・市・区・町の29団体に対し,広島県知事と私,福山市長との連名で,義援金のお願いをいたしました。そして8月24日には,県と市がそれぞれ銀行振込による受付もあわせて開始した状況です。

 本市では,見舞い金として,200万円を送ることをすでに決定しております。議会や商工会議所もそれぞれ今検討されていると伺っておりますが,それに加えて,先ほど申し上げましたように,募金箱を,市役所の関係で言いますと11か所に設けました。そして,振込口座でありますが,広島銀行の福山営業本部に設定いたしました。そして銀行のご協力により,広島銀行の支店からの振込等については,振込手数料が無料で行われる体制をとったわけであります。1人でも大勢の皆様方にご理解をいただき,ご協力を賜ればと考えております。なお,市民のお見舞いの気持ちを直接お伝えしたいと考えております。また,福山市としての今後の支援のあり方もあわせて検討するために,現地の状況が許せば,できる限り早いタイミングで,市の職員を現地に派遣することも考えていきたいと思っています。以上がマウイ支援についての報告であります。

 続いて,9月定例市議会の案件についてご説明をしたいと思います。本日8月28日に招集告示を行い,9月4日から開会をいたします。第一次分として提出している内容についてご説明いたします。まず報告案件でありますが,「損害賠償の額を定めること及び和解の専決処分の報告について」を始め,5件であります。次に,決算案件でありますが,「令和4年度福山市病院事業会計決算認定について」を始め,4件であります。次に予算案件でありますが,「令和5年度福山市一般会計補正予算(第4号)」を始め,3件となっています。条例案件でありますが,「福山市職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部改正について」を始め,4件であります。そして単行議決案件としては,「竹ケ端運動公園庭球場整備上家新築工事請負契約締結について」を始め,14件となっています。以上,9月議会へは1次分として,30件を提出いたしております。

 それではあらためて補正の概要につきまして,補正予算議案説明資料に沿ってご説明いたします。今回補正する会計は一般会計のほか,企業会計では,病院事業会計及び下水道事業会計の2企業会計の合計3会計であります。補正予算額は,一般会計が8億1,524万1千円を追加するほか,企業会計で,1,800万円を追加し合計8億3,324万1千円を追加いたしております。また債務負担行為を一般会計で2件計上しております。

 内訳ですが,まず,原油価格・物価高騰対策分として105万5千円,新型コロナウイルス感染症対策分として1億4,745万6千円,そして,大雨による災害関連経費として,2,453万7千円をそれぞれ計上するものであります。続いて,通常分の主な内容を説明します。まず,SDGsの推進であります。本市は5月22日に内閣府からSDGs未来都市に選定されました。この未来都市の選定を受けて,未来都市計画を今後作ろうとしているわけでありますが,この未来都市の中でめざす姿を,多様な主体が参画し,新たな価値を創造する「持続可能なまち」とし,「福山版サーキュラーエコノミー(循環型経済)」を実現していくことを計画に盛り込もうとしています。計画期間は3年間であります。

 今回の補正予算では,まずSDGs推進事業費といたしまして,機運醸成のためのシンポジウムの開催,そして,SDGsの取組を発信し,様々な事業を創出するためのデジタルプラットフォームの構築を行う予算を計上しております。そしてSDGsの未来都市づくりを進めていく上で,当面,「(仮称)グリーンなものづくり企業プラットフォーム」と「第20回世界バラ会議福山大会2025」の2つのリーディングプロジェクトを設定しておりますが,それぞれの補正予算の内容についてご説明いたします。

 1つ目,グリーンなものづくり企業推進事業費でありますが,本市では高い技術で環境対策に取り組む企業のほか,高齢者や障がいのある方の雇用,女性の活躍推進など,社会や人にやさしいグリーンなものづくり企業が集積しております。そのさらなる集積をめざすため,企業向けセミナー等で機運を醸成していくものであります。

 そして2つ目のリーディングプロジェクトであります,世界バラ会議福山大会実行委員会負担金でありますが,次の準備段階,2025年の本会議に向けた次の準備段階に早期に移行していくため,実行委員会負担金を増額するものであります。後ほどご説明いたしますが,今年の10月に世界バラ会連合会長と世界バラ会連合大会委員長が来福されまして,現地視察を行い,そこで福山大会のプログラムが最終承認される段階となっております。それを受けて着実に,そして取組を確実に行えるように,次の移行の段階に進めていこうという負担金であります。

 続いて,福山市立大学新学部設置に向けた取組であります。このたび,国の「大学・高専機能強化支援事業」の対象に市立大学が選定されたことを受け,基本構想の策定に取り組んでいくことになりますが,そのために必要な経費を支援するものであります。新学部は令和9年度の開設をめざして,今後3年間取り組んでまいります。

 続いて,少子化対策でありますが,柱が2つあります。1つ目は,少子化対策シンポジウムの開催のための経費300万円を計上しております。それから2つ目の柱,保育士確保促進事業費等ですが,このたび国から保育士の配置基準の改善が示されました。これを受けて,保育人材をさらに確保していく必要が生じたわけであります。市内の保育施設で新たに就職した潜在保育士に対して就労支度金を支給しようというものです。対象者は市内の認可保育施設及び公立保育施設等で10月以降に勤務を開始する潜在保育士です。そして,常勤職員として就労する方には20万円を支給します。また,非常勤職員として就労する場合は,一定の条件がつきますが,10万円を支給します。また,備後圏域外から転入される場合には,20万円を就労支度金として支援するものです。なお県内の一部の他自治体では,すでにこの就労支度金を給付しているところがございますが,今回,福山市のように非常勤の職員を対象とするのは,県内初です。

 以上が少子化対策,特に保育士確保に向けた補正予算の内容であります。続いて,福祉の充実についてですが,特別養護老人ホーム等施設建設費補助をはじめ,各事業に対して補助金を講じるものであります。そして,安心安全の実現ですが,水路等転落事故防止対策は,福山市水路等転落事故防止対策基本方針に基づき,道路・ため池・水路の対策強化などを,ソフト面・ハード面から,3年あるいは5年かけて実施する,そのスタートを切るものであります。

 以上主なものについてご説明をいたしました。その他の補正予算については説明資料に記載の通りであります。最後に,債務負担行為として,世界バラ会議福山大会実行委員会負担金及び(仮称)仙酔島海浜広場整備事業の2件を一般会計に追加しております。以上が今回予定しております,令和5年第4回定例市議会に提出する補正予算の概要であります。

 私の方からさらに2点,ご報告いたします。

 まず1つ目は,放課後児童クラブ等連携促進実証モデル事業であります。このたび,国の補助金を活用いたしまして,放課後の子どもの居場所づくりについて,あらためて整理をして,合理的・効率的な活用をさらに図っていきます。現在,本市では3つの居場所が運営されております。1つが,放課後児童クラブであります。これは厚生労働省の系統に属する事業です。もう1つは放課後子ども教室で,これは文部科学省の系統であります。そして3つ目は本市独自の取組として,放課後チャレンジ教室というものがあります。放課後児童クラブの目的は,主として保護者の就労支援に置かれています。そして,放課後子ども教室は子どもたちの体験活動に主眼が置かれています。そして,本市独自の取組であります放課後チャレンジ教室が,学習指導や学力補充をボランティアの方々に担っていただく,こうした取組になっております。子どもたちにとってより充実した居場所づくりを検討するために,この3つの取組を実施している引野学区と深津学区で,それぞれの取組を総合的に検証して,例えば1つにできないか,あるいは他にふさわしい場所はないかなどの検証を行いたいと思います。これらの事業の課題として,実施する場所の確保と,担っていただく子どもを見守る,あるいは子どもの教育を支援する,その人材がなかなか確保できないという2つの課題がありますが,それらをどうやって解消していくかを念頭に,実証を重ねていきたいと思っています。9月には関係者が集まる第1回の協議会を開催しながら,議論を深めてまいります。

 最後の報告であります。世界バラ会連合の役員が,10月の2日から4日までの3日間,福山市を訪れます。世界バラ会連合会長と世界バラ会連合大会開催委員長が来福されます。そして,大会プログラムの承認に向けた協議を行います。これにあわせて,今回のバラ会議の前にはプレツアーが,そして後にはポストツアーがそれぞれ準備されることになっていますので,おふたりはそのあとも国内の庭園等の視察をされる予定と聞いております。

 

記者

 保育士等就労支度金給付事業についてお伺いします。この応援金のたぐいは関西の都市圏など各地で取組が広がっているようですが,あらためて保育士確保をする上で,この給付事業の意義と,この1,250万円という予算設定の中で,目標の人数等があれば教えてください。

 

市長

 目標の人数につきましては,担当から後でご報告をさせます。これまでも保育士の確保については,本市でも様々な取組をしてきましたが,一旦職場から離れた潜在保育士の方の有効な再雇用に向けての取組がなかなか進んでこなかった,これは他の自治体も同様の環境にあったのだと思います。そうした中で,もちろん本質的には就労環境を改善する,処遇も含めてですね,そうしたベースを改善していくことが最終的な目標でありますが,国を中心として,そうした議論が今後進んでいく中で,まず当面はより手厚い保育士の配置が必要になってまいりましたので,緊急的にこうした就労支度金を提示しながら,潜在保育士の皆さま方の就労の背中を後押しすることに取り組もうとしたわけであります。それに加えて,様々な働き方を望まれる潜在保育士がおられるでしょうから,常勤だけではなくて,非常勤の働き方も促す,そうした新たな取組も加えたわけであります。

 

保育施設担当部長

 この事業は,今年度の10月から3月31日までを対象期間とさせていただいております。その中で,常勤職員については10名程度,非常勤については80人程度の見込みを立てております。なお,備後圏域外からの転入分の20万円の加算については,10人程度を見込んでいるところであります。現在本市では,復職を希望する保育士と保育施設の橋渡しをする,コーディネーター事業を行っております。その中で現在12人の登録をいただいており,そのうち6人が就職決定したところでありますが,やはり非常勤のニーズもかなりあると考えております。その部分を考慮いたしまして,福山市としては非常勤の方も対象に入れております。なお,保育施設側も,やはり正規がありがたいのですけれど,非常勤のニーズもあるとお伺いしておりますので,こうした形で予算の方をお願いしております。

 

記者

 福山市立大学の関連で,お尋ねします。工学系の新学部設立に関して経済界からも期待の声があると聞いております。公立大学として,このたび新しく学部を県東部,備後地域に設置する意義について,経済界としてまたは子どもたちの視点から市長のコメントを頂けますでしょうか。

 

市長

 福山市は,ものづくりのまちであります。製造業の集積した産業都市であります。産業のデジタル化が急速に進む中で,技術系・情報系・デジタル系の新卒を望む声が急速に高まってきているということであろうかと思います。なかなか全国からそうした学生に対するニーズが高まっておりまして,そうした意味でも人材確保が困難な状況が今後も見通されるわけでありますので,そうした中で,まず市立大学では人材育成に努め,そうした学生が福山市の産業都市の基盤を担っていく,まさに産業界の期待にこたえる今回の新学部の創設なのではないかなと思っています。それから子どもたちでありますが,私たちは今「(仮称)子ども未来館」の建設を進めていっております。従来よりもさらに自然科学系に対する子どもたちの関心を高めていこうという,そうした教育の潮流の中にあって,こうした情報工学系の選択肢が,福山市にもある。そして,その情報工学系の学部を履修した暁には,魅力的な製造業が福山市に立地している。そのような流れができていけば,福山市の産業の発展を担う若者がどんどん市内から育っていく,言葉は悪いのですけども,供給されていく。こうした流れができていくことになろうかと思います。そうしたことも期待しながら,設置・認可に向けた取組を進めていきたいと思っています。

 

記者

 福山市立大学について,先日,市立大学と福山通運が連携協定を結びました。今後,大学と地元企業との結びつきがさらに必要になってくると思いますが,市としてその点をどうサポートしていくのか教えてください。

 

市長

 企業,あるいは産業界・経済界が大学の教育を支援する流れは全国にも見られるわけでありまして,例えば奨学金を設定される,あるいは寄附講座を設定されるといった様々な支援が,これから福山市立大学でも,この新学部の設置を機に進んでいく,広がっていくことは望ましいことだと思っています。ぜひ,他の企業の積極的な取組にもあわせて期待をしたいと思います。

 

記者

 放課後児童クラブ等の実証モデルのことで,まず,協議会を立ち上げて方向性を検討するということですが,現時点で何年後ぐらいをめどにある程度の方向性を出したいとお考えでしょうか。また,国庫補助事業ということですが,他都市で行っているところはあるのでしょうか。最後に,先ほど1つにまとめることができないかとか,色々ねらいがあるとの説明がありましたが,あらためて福山市としてのねらいを教えてください。

 

市長

 3点目については私からお答えし,はじめの2点については担当からご説明いたします。確かにそれぞれの意義や目的については,一応役割分担はされているのですけれど,保護者にしてみると,例えば,放課後チャレンジ教室は利用しているけれど保護者自身としては放課後児童クラブで教育までしてほしいといったニーズがあるかもしれない。あるいは,放課後子ども教室にしても,体験活動だけではなくて,さらに深い学びをしてほしいといったように,ニーズが多様化していると思います。だからおそらく,これまでの役割分担をこえた取組に対する声が十分受けきれていないとすれば,それは今後の検討の大きな課題の一つになっていくのだろうと思っています。そもそも場所がない中で,学校の教室を借りるという教育委員会からの協力も得ながらやっておりますので,そうした意味からしても,もう少しエコノミーな空間の使い方があるのではないかといった議論もあるかもしれません。そうしたことを踏まえながら,より効果的な対応をしていきたいと思います。

 それからさらに言いますと,放課後児童クラブの支援員というのは,何がしかの国の資格が必要ですね。それに対して,放課後子ども教室の場合は,資格が不要な地域のサポーターの方が担っている。その資格の有無によって,この取組が制約をされるということについてどう考えるか,そうしたことについても今後の議論の対象になるかもしれません。そうしたことを念頭に置きながら,合理的な,あるいは保護者のニーズにより的確にこたえられるような運営方策を見出していくことになるのだと思います。

 

保育施設担当部長

 このモデル事業については,9月に協議会を立ち上げまして,それぞれ引野・深津の2学区で,どういった形で一体的に運営ができるか,あるいは連携ができるかをまずは検討していただきます。その中で,実際に今は10月以降を予定しておりますが,実証事業を行い,場所や人材の確保の課題もありますが,この一体的あるいは連携して行っている事業がどのようにしてできていくのかを,実際に事業をしてみて,検証していきたいと考えております。その中で課題等を含め検証し,国に報告することとしております。その中で,この連携事業がどのように実現していけるのかをまずは検証したいということで,何年後を目途に具体的にどうしていくのかということは,実証事業の結果を見て検討していきたいと考えております。また,2点目の他都市の事例でありますが,今私どもで把握しているのが,横浜市や,県内だと呉市で同じような事業をやっているとお伺いしております。

 

記者

 世界バラ会連合による現地視察についてですが,この視察をもって具体的な大会内容なども決まってきて,いよいよ機運が高まってくるのかなと思います。あらためて,2025年の大会に向けて,市長の意気込みや思いをお聞かせください。

 

市長

 随分前から世界バラ会議への取組をスタートさせてきましたが,いよいよこうした時期を迎えるのかなとあらためて緊張を感じているところであります。私たちはこれまでに経験のない取組にチャレンジしようとしていますが,これまで視察をしてきた世界の他都市のバラ会議にはない取組が,今一歩ずつ出来上がりつつあるような,そんな期待もあわせて感じています。それは端的に言いますと,ばらの関係者だけの,インナーメンバーだけの会議が,これまでの私たちが体験した他都市の会議のイメージでありますが,やはりそれに加えて,福山市は,市民がばらのまちづくりを進めてきたなかで,その復興と平和の象徴である福山市のばらによるまちづくりが世界に評価された。そうした意義をぜひ,2年後には,形としてあらわして,世界からのばらの関係者に感じていただきたいとあらためて思っています。そして,それを機に,おそらく福山市のばらのまちづくりも,また新たなスタートを切れるのではないかと。このような思いも持っています。多くの方々の手による世界バラ会議を成功させていきたいとあらためて思っています。

 

以上。

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