ローラちゃん応援隊の物語

ローラちゃん応援隊の物語

ご当地キャラクターで、心がほんわか

ローラちゃん応援隊の物語

広島県にある「ばらのまち福山」に生まれた、ばらの妖精『ローラ』。
あなたのポケットに忍び込み、そっと幸せを届けてくれる、ばらのまち福山のイメージキャラクター。
そんなローラの愛らしさに魅せられた人びとがいる。
ローラちゃん応援隊―。 ローラを愛する市民の有志による集まりだ。
結成のきっかけは、2013年(平成25年)、「ゆるキャラ(R)グランプリ」のサイトだった。
後に応援隊の隊長となる木村真弓さんは、ある日、このサイトで、福山市のキャラクターを見つけた。
せっかくだから1票入れてみようか。それが、木村さんとローラの出逢いだった。
そして次の日、ふと気になって、またサイトを覗いてみると、順位はまったく伸びていなかった。
「もしかしたら、みんな、ローラちゃんのことを知らないのではないか。
地元の可愛いキャラクターなのに...これではいけない。」
早速、木村さんは市役所に電話をかけた。そこから歯車は回り始める―。
福山のまちと人を愛する、ローラちゃん応援隊の物語。

ローラちゃん応援隊の物語

ローラの魅力が、いっぱい

動きにきゅん♡、癒しがほわぁ~と

「ローラちゃんは、まず、眺めているだけで、可愛いんです。動いているのを見ると、思わずきゅん♡ってね。」
応援隊長の木村さんは、愛娘を見るように、目を細め、愛おしそうに、ローラを語る。
「ローラの優しげな雰囲気に触れると、ほわぁ~と癒される。
どこのイベントに行っても、子どもたちが親しげに抱きつくんですよ。」
奇を衒(てら)わない可愛らしさと、そこからにじみ出る素朴な癒し。
さらにローラの誕生や夢を知ったことで、ローラの存在は木村さんにとって、より大切なものになっていった。
福山には「ローズマインド」という言葉がある。「思いやり、優しさ、助け合いの心」を表す、温かい言葉。
ローラはこの「ローズマインド」を伝えるために生まれた、ばらの妖精―。
福山には長い歴史の中で育まれた、ばらにまつわる優しい言葉と心があるのだと知って、
木村さんは、自分の生活しているまちを素直にいいまちだと、胸を張って、誇れるようになった。

ローラちゃん応援隊の物語

ローズマインドを福山から

ばらを育て、心を豊かに

福山の戦後は、焼け落ちた瓦礫の中から始まった。新しい道路や建物ができても、
市民は心の暗闇から抜け出せないでいた。そんな中、住民たちが立ちあがった。公園にばらを植えよう、と―。
まちの人びとは、1本2本と、大切に植え、愛情をもって育てたばらたちは、ついに綺麗な花々を咲かせた。
やがて、まちに咲くばらは、市民にとって復興の希望となり、自然と笑顔がこぼれるようになった。
これが「ばらのまち福山」の歴史の始まり。
福山が掲げる、ローズマインド。思いやり、優しさ、助け合いの心。それは、心の豊かさの象徴だ。
時代は移り、人と人との関わりは希薄化して、自分本位に生きる人が増えてきたと言われて久しい。
それでも、みんながローズマインドを大切にし、この心を育む子どもたちが、少しずつ増えていけば、
きっと福山は、もっといいまちになっていく。
人間らしく生きるために大事なことは、自己の欲求を満たしていくことだけではないはず。
人に優しく、お互いを思いやり、助け合える、心の豊かさを感じられる社会の実現をめざして―。
その想いを、活動を、福山から広げていきたい。木村さんの視線は、真っ直ぐに前を向いている。

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ローラ、朝のあいさつ運動をしてみた

ローラのほほえみは、みんなを笑顔に

ローズマインドを伝えていくためにも、まずはローラを知ってもらわないと、
木村さんたちは、「ローラちゃん応援隊」を結成した。
ローラに親しんでもらうためには、どうすればいいか。百聞は一見にしかず、まずはその姿を見てもらうこと。
だったら、朝のあいさつ運動をしよう!話はすぐにまとまった。
福山駅前、朝8時。多くの人が行き交う時間帯。
そこでローラが、道往く人びとに、満開のばらのように、明るくほほえみかける。
遠くを歩く人も、それを眺めて、柔らかく頬を緩める。近くを通りかかった人は、何事かと興味深げに尋ねてくる。
「これはいける!ローラちゃんは、きっとみんなに愛してもらえる。」
噂は口コミで広がり、また、ウェブ上でも話題にのぼり賑やかになり、最後はちょっとしたお祭りのようになった。
成果は、すぐに数字となって表れた。この年の「ゆるキャラ(R)グランプリ」では、
ローラの得票数は、前年の4倍強。順位も40位ばかり跳ねあがっていた。
興味を持ってくれている人は、確実に増えているのだ。
この確かな手応えを得て、「ローラちゃん応援隊」は、日々、市民との温かい交流を続けている。

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ローラ、みんなと一緒に踊ってみた

「恋するフォーチュンクッキー」、そして「鞆の浦慕情」へ

もっとローラを福山の人に、全国の人に知ってもらいたい。その時まさに、全国的に流行っていたのが、
『恋するフォーチュンクッキー』だった。AKB48の軽快な音楽に合わせて、全国各地で色々な団体が、踊りに踊る。
「これは楽しい!この『恋するフォーチュンクッキー』を、ローラちゃんと市民が一緒になって踊って、
撮影したビデオを動画サイトにアップすれば、今まで興味がなかった人たちにも、知ってもらえるかもしれない。」
実は、隊長の木村さんは、ダンスのインストラクター。加えて、福山のダンス界は教室同士の仲が良い。
人はあっという間に集まった。 慣れない撮影に少し手間取ったものの、ビデオはすぐに完成!
動画サイトでの反応も上々で、福山のまちにも、明るい話題を提供することができた。
縁は不思議なもので、ローラとAKB48の関わりは、ここからはじまる。
2014年(平成26年)1月、福山の景勝地“鞆の浦”を舞台にした演歌「鞆の浦慕情」が発表される。
歌手はAKB48のメンバーでもある、「わさみん」こと、岩佐美咲さん。
ローラも駆けつけた新曲披露イベントで、嬉しいサプライズが起きた。
岩佐さんご本人から直々に、ローラが、「わさみん鞆の浦慕情応援隊長」に任命されたのだ。
色々な人とのご縁や笑顔が重なり、ローラの輪は、さらに豊かに広がっていく―。

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福山を元気に、素敵な生き方で

ローラちゃん応援隊、木村隊長の願い

福山のまちを元気にしたい。木村さんは、心からそう願っている。
「福山のまちは、今少し、元気がない。そんな風に言う人も、確かにいる。
でも、本当にそうなのだろうか?元気な人に出逢うことだって、とっても多いのに。
明るい笑顔も、たくさん見つけることができる。笑顔の種、元気の種は、すでにそこかしこにある。
だから、それらの種を拾い集め、色々な人たちをどんどん巻き込んで、『みんな、一緒にやろうよ』を合言葉に、
自分たちが、福山のまちを元気にしていきたい。まずは、ローラちゃんの可愛さを見て、触れて、感じてほしい。
それを知ったら、次はローズマインドにも興味を持ってくれたら、いいな。
そうして、ローズマインドが気に入ったら、その言葉を伝えていくだけではなく、
人に優しくする、思いやりを持つ、困った人がいたら助け合う―。まずは、とにかく実践してみてほしい。
大人たちが、行動を通して、子どもたちに生き方として伝えていけば、
その子どもたちは、きっと素敵な大人になってくれる。 」
木村さんはそう信じながら、今日も、大好きなローラを応援していく。
その可愛さを、そして、思いやり、優しさ、助け合いの心を広めていくために―。