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保命酒(ほうめいしゅ)
ペリーにも振る舞われた一品
江戸時代初期,大阪の漢方医・中村吉兵衛が長崎出島に薬草の買い付けに向かう途中に立ち寄った鞆で見つけた地酒「吉備の旨酒」に,生薬を漬け込んだのが始まりとされ,以降,現在の太田家住宅で「十六味地黄保命酒」として醸造が開始されました。
16種類のハーブを漬け込んだ薬味酒で,江戸時代,福山藩は代々保命酒を御用酒としていたことから備後の特産品として広がりました。
ペリーが開国を迫って日本にやってきた当時の老中首座(今の内閣総理大臣)は,福山藩主の阿部正弘でした。そのためペリー一行をもてなす宴会にも保命酒がふるまわれたということです。
現在では,鞆の浦地域で4社が製造しています。