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坂本龍馬と鞆

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  「瀬戸内海の潮と潮が出会う場所」鞆の浦では、多くの武人、文人、芸術家が交わり、長い歴史の絵図に、さまざまな人間模様を描いてきた。
日本を代表する幕末のヒーロー、坂本龍馬も鞆の浦に立ち寄ったひとり。
鞆の浦には、今も龍馬の宿舎などが残っている。

鞆の浦坂本龍馬

地図

いろは丸事件発生!

1867年(慶応3年)4月23日、坂本龍馬率いる海援隊の「いろは丸」と、紀州藩船「明光丸」が瀬戸内海の六島沖で衝突。
鞆の浦へ曳航される途中にいろは丸が沈没した。
この「いろは丸事件」発生によって、龍馬と紀州藩との談判は、鞆の浦で4日間行われたが決裂。その後、龍馬は万国公法に基づいて紀州藩から多額の賠償金をとることに成功。
このことにより、龍馬と海援隊の名は世間に知れ渡った。

龍馬ゆかりの史跡をゆく

いろは丸事件の際、龍馬たち海援隊は商家の桝屋清右衛門宅を、紀州藩は円福寺を宿舎として利用し、
魚屋萬蔵宅と対潮楼で談判を行った。
鞆の浦には、龍馬が上陸した当時の港や商家、寺院などが残っており、
当時にタイムスリップしたような感覚が味わえる。
1988・89年と2005年には海底調査が行われ、いろは丸の数々の遺品が引き揚げられた。
いろは丸は今も、福山市宇治島沖水深27メートルの海底に沈んでいる。

   
   

枡屋清右衛門宅

桝屋清右衛門宅(ますやせいえもん)

いろは丸事件の際、坂本龍馬と海援隊士が宿泊したのが龍馬の隠れ部屋。  
桝屋清右衛門は事件の際に海援隊を支援し、宿舎として提供した。
龍馬は階段のない2階の隠し部屋に寝泊まりしたと伝えられており、暗殺の危機もかえりみず談判にのぞんだ覚悟がしのばれる。
現在建物は、龍馬と鞆の関わりを紹介した展示やギャラリーとして活用されている。
龍馬の隠れ部屋は観覧が可能。

    

魚屋萬像蔵宅

 談判の地、魚屋萬蔵宅(うおやまんぞう)

魚屋萬蔵宅は龍馬たちの宿舎と紀州藩の宿舎の中間にあることから、談判の地に選ばれた。
現在は、江戸時代の町家のたたずまいを残した旅館になっている。

魚屋萬蔵宅(御舟宿いろは)
龍馬ゆかりの町家を改修してできた旅館。
アニメ映画監督の宮崎駿さんのデザインが取り入れられており、カラフルなステンドグラスをはめ込むなど、宮崎監督のアイディアが随所に生かされている。

    

対潮楼

対潮楼(たいちょうろう)

海岸山千手院福禅寺の本堂に隣接する対潮楼は、江戸時代の元禄年間(1690年頃)に創建された客殿で国の史跡に指定されている。
座敷からの海の眺めは素晴らしく、1711年(正徳元年)、朝鮮通信使の李邦彦は「日東第一形勝」と賞賛。
1748年(延享5年)、洪景海は「対潮楼」の書を残している。

    
円福時

円福寺

いろは丸事件の時には紀州藩の宿舎として使用された。
南林山円福寺は、室町時代から釈迦堂といって、現在の沼名前(ぬなくま)神社南側にあったが、慶長年間末頃(1610年頃)に、大可島(たいがしま)城跡に円福寺と号して建立された。
頼山陽の叔父・頼杏坪は、瀬戸の島々や四国の讃岐山脈を遠望できる景観を賞して座敷を「夾明楼」と命名した。
こうした景勝地にあり、かつて朝鮮通信使の上官の常宿になっていた。
江戸時代の漢詩会、歌会、句会の舞台にもなり、1827年(文政10年)再建の松尾芭蕉の句碑もある。

   
いろは丸展示館

いろは丸展示館

坂本龍馬率いる海援隊が伊予大洲藩から借用し鞆沖で沈んだいろは丸の足跡を証する資料館。
引き揚げ品や沈没状況のジオラマ、調査風景写真の展示、龍馬のかくれ部屋が再現されている。
江戸期に建てられた太い梁など堂々たる建物、鞆の町では「大蔵」と呼ばれている蔵の中に展示している。

   
龍馬書簡

龍馬の妻は「鞆殿(ともどの)」!?

いろは丸事件で紀州藩との決死の大勝負に挑んだ龍馬。
その際長崎から妻にあてて書いた手紙の中で、
お龍を「鞆殿」と呼んでいる。
龍馬にとって鞆はゆかりの深い地であったことが伺える。

龍馬書簡 慶応3年5月28日 おりょう宛

 
   

平成いろは丸

現代に蘇る「平成いろは丸」

紀州藩の明光丸と衝突し、今も宇治島沖の海底に沈んでいるいろは丸。
そのいろは丸が、2010年(平成22年)、鞆の浦~仙酔島を運航する、市営渡船「平成いろは丸」として蘇った。
平成いろは丸(定員99人、全長22.3メートル、総トン数19トン)
は龍馬が乗ったいろは丸の約4割の大きさで再現されており、鞆の浦と仙酔島を結ぶ。
木目調の落ち着いた船内には龍馬の写真が飾られており、1日36往復する。仙酔島までの約5分、龍馬になった気分で船旅を楽しめる。

   

アニメ「龍馬といろは丸」

アニメ「龍馬といろは丸」

 
   

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