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地域と共に育まれてきたノーマライゼーションの心 有限会社親和 羽田知世さん,羽田和剛さん

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羽田 知世(はだ ともよ)さん  羽田 和剛(はだ かずよし)さん

羽田さんの写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


羽田 知世(はだ ともよ)さん(右)
羽田 和剛(はだ かずよし)さん(左)

 

地域と共に育まれてきたノーマライゼーションの心

羽田さんの写真​​

風光明媚な港町・鞆の浦を拠点に、複数の介護施設や、障がいのある子どもに対して発達支援を行う放課後等デイサービス、宿、駄菓子屋などを展開する有限会社親和。地域全体が自然と支え合いながら暮らす「地域共生社会」の実現を目指し、まちとともに歩み続けています。

姉の羽田知世さんは、作業療法士として介護現場で働きながら、古民家宿『鞆の浦・お宿と集いの場 燧冶(ひうちや)』を運営。そして、弟の和剛さんは放課後等デイサービスの管理者を務めながら、新プロジェクトの立ち上げに奔走しています。

2003年(平成15年)に2人の両親が取り組み始めたノーマライゼーション(障がいのある人や高齢者が、そうでない人と同じように生活し、共にいきいきと活動できる社会を実現する)の思いは、今も脈々と受け継がれています。

 

築90年の古民家を活用​誰でも泊まれるやさしい宿

羽田さんの写真羽田さんのインタビュー写真

『燧冶』は、年齢、性別、国籍、障がいの有無にかかわらず、誰でも泊まれる宿。管理人を務める知世さんは「地域の人や学生さんにヒアリングしながら方向性を模索しました。福祉に携わる私たちがやるのなら、単なる宿泊施設ではなく『誰でも泊まれる宿』を目指したいと思ったんです」と話します。

築90年の古い民家をリノベーションした宿には、スロープやユニバーサルルームが整備され、車いすユーザーの方が過ごしやすい工夫があちこちに散りばめられています。車いすユーチューバーをゲスト講師に招いたユニバーサルツーリズム研修が開催されたこともあるそう。

広々とした居間はレンタルスペースとしても利用可能で、ヨガ教室やセミナーを実施することもできます。あるべき形を自分たちが決めてしまうのではなく、利用者の声に耳を傾けながらゆるやかに変化し、どんな思いもやさしく包み込んでくれる。『燧冶』はそんな場所です。

 

地域共生のまちを目指して​新プロジェクトが始動!

羽田さんのインタビュー写真​​羽田さんの写真​​

和剛さんが管理者を務める放課後等デイサービスは、地域共生のまちづくりには高齢者だけではなく子どもへのアプローチも必要との考えから、2014年(平成26年)に開設されました。

そして、和剛さんの主導で新プロジェクトが始動。沼名前神社の参道沿いにある元住宅と併設の庭を活用し「カフェのある公園」として準備中です。「障がいのある人とない人が自然と交わる場になれば」と、カフェは就労継続支援B型事業所になる予定。ご近所さんや親子がふらりと訪れ、のびのびと過ごす様子が今から目に浮かぶようです。

「100年後も住み続けられる鞆であるために、誰にとっても居心地が悪くないまちづくりを目指したいです」と和剛さん。知世さんは「職員みんながやりがいを持っていきいきと働く姿を見てもらえれば、『この人たちがおってくれるけぇ鞆で年を重ねられる』と、まちの人が安心してくれるんじゃないかな」と話してくれました。

地域とともに一歩ずつ。2人の思いは周囲の人たちを巻き込みながら着実に広がり、鞆のまちにやさしさがじんわりと染み渡っています。

 

2023年(令和5年)2月取材

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