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宮本竹逕 「琴の音に」

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年6月1日更新

 この作品は、赤坂町出身の書家宮本竹逕(1912~2002年)の最晩年(90歳)の書です。

 12.5cm四方の亀甲文様が施された朱色の紙に、三十六歌仙の一人である斎宮女御の歌を行の長さに変化をつけた「ちらし書き」で書き、平安時代の古筆「寸松庵色紙」の様式を再現しています。

 前半4行と後半3行の2集団が美しく呼応し、周囲の余白にも緊張感がありながら穏やかな雰囲気を表出しています。各行の文字の姿もお互いに絶妙に絡み合うことを意識して書かれ、さらに墨の濃淡がその効果を引き立てています。

 90歳という年齢を感じさせない線の強さ・鋭さで書かれ、竹逕の書の世界が凝縮された小作品といえます。

 (ふくやま書道美術館夏の所蔵品展1「書を楽しむ-和のこころ『かな』」で6月6日(木曜日)~7月21日(日曜日)まで展示します)

宮本竹逕「琴の音に」

ふくやま書道美術館 Tel:084-925-9222

手話通訳/要約筆記の有無: