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菅茶山の足跡を訪ねて(5)自然科学へのまなざし

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年8月1日更新
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星夕

あまつ風 はらふ雲間に かけ見えて

夜半ふけわたる ほしあひの空

 

 七夕の夜空を詠んだ菅茶山の和歌があります。

 茶山は漢詩だけではなく、多くの和歌や随筆を残しています。随筆をまとめた「筆のすさび」に書かれた内容は多岐に渡りますが、月食の話から始まり、彗星、月の大きさの話など天文現象の話題も多く、茶山の自然科学へのまなざしを感じることができます。

 また、菅茶山が編さんした「福山志料」には二十六夜月待の記述があります。月光の中に阿弥陀如来を中尊に観音菩薩と勢至菩薩の三尊が現われると言い伝えられ、江戸時代に全国各地で行われていました。陰暦7月26日の夜、茶山が月を待っていたところ、細い月の下部に雲がかかり、月の両端の間に白い光が浮かび、それを見た傍らの僧が如来が現われたと礼拝したことが記されています。月の両端を脇侍の菩薩、中央の光を阿弥陀如来と捉えたものでしょう。

 このような天文に関する記録を多く残した茶山の偉功を讃え、菅茶山と命名された星があります。天文学者の香洋樹と古川麒一郎によって発見された小惑星のひとつです。14等級の暗い星ですので、残念ながら肉眼では見えません。

 身の回りの自然にも優れた観察眼を持っていた茶山に倣い、茶山の見た星を思いながら、夏の夜空を見上げてみてはいかがでしょうか。

 

「福山志料」(廿六夜月待 一部分)​「福山志料」(廿六夜月待 一部分)

 

菅茶山記念館菅茶山記念館

 

文化振興課
084-928-1278

手話通訳/要約筆記の有無: