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広報ふくやま2025年4月号

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広報ID:359962印刷用ページを表示する 掲載日:2025年3月31日更新
歴史散歩

春の散策 田尻の伝承

 春先、田尻の山は、あんずの花で薄紅色に霞がかったように見えます。山肌の家々やあんず畑の間をたどりながら花の向こう見渡すと、瀬戸内海が一面に開けています。南東に広がる海の中央に浮かんで見えるのは笠岡諸島の島々、右には仙酔島、左の海には突き出して小高い岬があり、その山の中腹に見えるのが田尻八幡神社です。
 田尻八幡神社は武ノ宮八幡宮とも呼ばれますが、これは神武天皇の伝説に由来します。神武天皇は九州から大和平定のため東征しましたが、途中で行宮(かりみや)・吉備高島宮(きびたかのみや)を造り船や兵糧を備えたとされています。その具体的な場所については各地に伝承がありますが、田尻と水呑にまたがるこの一帯もそのひとつです。
 八幡神社の麓には神武天皇の舟を繋いだ纜石と伝わる花こう岩があります。この石は水野勝成の御召船の纜石ともいわれ、水野時代、この付近には大きな御召船を引き入れることのできる御船入があったことが「備陽六郡志」に記されています。また、近くの風呂ヶ端の岩礁にある大きなくぼみは、勝成が晩年に療養したとされる潮風呂跡といわれています。その他にも周辺には歴史を感じられるスポットが多々あり、八幡神社の背後にある王ヶ峯にも2基の古墳や塚の伝承が残されています。
 例年三月下旬、田尻ではあんず祭りが開かれ、たくさんの人が訪れます。王ヶ峯には遊歩道が整備され、山頂からは瀬戸内の景色が一望できます。瀬戸内の春を感じる田尻を散策してみませんか。

田尻の山からの風景

手話通訳/要約筆記の有無:

 

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