
人類の知恵の結晶 石器
石器は人類が生きるために生み出した道具です。氷河期にはナウマンゾウなどの大型動物を狩るため、石を打ち砕いて作った打製石器が使われていました。やがて地球が温暖化すると環境や獲物の変化に伴い、木を切り倒したり木の実をすりつぶしたりする道具として、砕いた石の表面を磨いて強度と切れ味を良くした磨製石器が登場します。
神辺町の御領遺跡は、高屋川沿いに広がる県内最大級の複合遺跡です。縄文時代から近世まで長期間にわたり営まれた集落跡からは、多種多様な遺物が出土しています。縄文時代後期の竪穴住居跡からは、狩猟用の石鏃(せきぞく)や、伐採・土掘りに用いられた打製石斧(せきふ)が見つかりました。香川県産の安山岩(サヌカイト)の自然石や小片も出土しており、瀬戸内を介した石材の流通や地域内で石器が製作されていた様子がうかがえます。また弥生時代に大陸から稲作が伝わった後、稲を刈り取るために作られた磨製石器である石包丁も出土しており、時代に応じた集落の営みが続いていたことが分かります。
やがて鉄の生産が始まると、石器は役割を終えました。しかしその後も、石は建物の礎石や墓石、石臼などの生活道具として姿を変え、人類の歴史を支え続けています。
<御領遺跡出土の石器>
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