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水道管の「耐震化」取組み

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年1月29日更新

水道管の「耐震化」に取組んでいます

 水道は市民生活と都市活動に欠かせないライフラインです。将来にわたって「安全で良質な水」を送り続けるだけでなく,地震や渇水などの「災害にも強い水道づくり」を進めていくことが必要です。
 上下水道局では「福山市上下水道事業中長期ビジョン(経営戦略)」に基づき,「安心・安全でしなやかな上下水道」を目指し,計画的・効率的な水道管整備を進めています。 

福山市の水道管の長さは?

福山市の水道管の長さ(鹿児島から旭川まで)

 福山市の水道管を1本につなげると,その長さは約2,800キロメートルあり,九州の鹿児島市から北海道の旭川市付近までの距離になります。
 福山市は1960年代後半(昭和40年代)から瀬戸内の臨海工業都市として発展し,水道も急速に普及しましたが,その頃に布設した水道管はすでに40年以上経過し,大量の水道管が更新時期を迎えています。

水道管の更新に合わせて「耐震化」に取組みます

 これから迎える水道管の大量の更新時期を,将来にわたって「災害にも強い水道」をつくる好機と考え,耐震性に優れている水道管(耐震管)を採用して「耐震化」に取組んでいます。

 福山市では,2006年度(平成18年度)より布設するすべての管路に耐震管を採用し,2022年度(令和4年度)末現在の水道管耐震化率は28.6%となっています。

※水道管の更新・・・古くなった水道管を新しい水道管に取替えることです。

※耐震管・・・曲がりや引っ張りに強く,地震や地盤沈下にも壊れにくい特徴があります。

耐震化率

更新する耐震管の種類と特徴

 福山市で採用している耐震管は,加熱溶融接合により一体化できる水道配水用ポリエチレン管,離脱防止機能継手を有するダクタイル鋳鉄管(GX形,NS形)及び,溶接接合により一体化できる鋼管です。口径によって使い分け,次のような特徴があります。また,耐震管は従来の管に比べ耐久性も優れているため,管路の長寿命化も図ることができます。

 水道管の口径  更新する耐震管の種類 特徴
 50ミリ~150ミリ  水道配水用ポリエチレン管 樹脂製のため錆による劣化がなく,融着継手により管と管が一体化できます。また,管体に柔軟性があるため地盤変動にも対応できます。
 200ミリ~400ミリ  GX形ダクタイル鋳鉄管 衝撃に強く耐久性があります。また,継手部分は鎖構造となっており,大きな伸縮に対応できます。GX形は外面耐食塗装により更に管路の長寿命化が図れます。
 450ミリ~700ミリ  NS形ダクタイル鋳鉄管
 800ミリ以上  水輸送用塗覆装鋼管(溶接鋼管) 衝撃に強く耐久性があります。また,継手部分は溶接接合により一体化ができ,地盤の変動には管体の強度及び変形能力で対応できます。

 水道配水用ポリエチレン管75mm    GX形ダクタイル鋳鉄管300mm

  ▲水道配水用ポリエチレン管 口径75mm    ▲GX形ダクタイル鋳鉄管 口径300mm

 NS形ダクタイル鋳鉄管450mm    水輸送用塗覆装鋼管1350mm 

  ▲NS形ダクタイル鋳鉄管 口径450mm    ▲水輸送用塗覆装鋼管 口径1350mm

水道配水用ポリエチレン管の特徴

 電熱線を発熱させて継ぎ手と水道管の樹脂を加熱溶融接合(融着接合)し,水道管を一体化していきます。一体化した水道管は曲げにも強く,地震等でもこわれにくくなります。
水道配水用ポリエチレン管の耐震性試験  水道配水用ポリエチレン管の曲げ水圧試験  水道配水用ポリエチレン管の段差沈下試験 
 ▲耐震性試験        ▲曲げ水圧試験        ▲段差沈下試験
【写真提供 配水用ポリエチレンパイプシステム協会】

ダクタイル鋳鉄管の特徴

 水道管をつなぐ部分にすき間を持たせ,地震の揺れにも水道管が抜けないしくみになっています。
NS形ダクタイル鋳鉄管の耐震継手の構造    管路の吊り下げ実験(NS形ダクタイル鋳鉄管)
                        ▲管路の吊り下げ実験
【写真提供 日本ダクタイル鉄管協会】