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広報ふくやま2020年2月特集「まるごと実験都市ふくやま」
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- 先端技術推進室(084-928-1254)
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- 173373
地域の困り事の解決を新たな技術やサービスで——。
本市では「まるごと実験都市ふくやま」を掲げ、国や県、民間企業、大学などが行う先端技術・サービスの実現に向けたさまざまな実証実験を積極的に推進しています。今回は本市を舞台に行った実証実験や、実験結果を踏まえて始まったモビリティ事業、今後実施予定の実証実験について紹介します。
新たな社会の姿を創り出す
さまざまな実証実験を本市で実施
ネットワークとモノをつなぐIoT やAI(人工知能)といった先端技術を活用する時代が目前に迫り、買い物などでのキャッシュレスが世の中に浸透するなど、この先10年、15年で生活のスタイルは大きな変化を迎えることが予想されます。その中で先端技術・サービスで社会課題や地域課題を解決し、より豊かな生活の実現をめざして、本市を舞台とした実証実験を推進しています。
2018年度からモビリティやヘルスケア、通信などのインフラ、キャッシュレス決済など、さまざまな分野の実証実験を開始。日本初、西日本初といったワクワクするような先端技術・サービスが、福山をモデルケースとして全国へ発信されています。
本市がめざすのは、市民の皆さんと一緒に実現する「未来をリードする実験都市・福山」。もっと便利で快適な世の中に向け、これからも実証実験を積極的に推進していきます。
モビリティ自動走行/オンデマンド交通、交通量・駐車管理 など
2019年3〜5月実施予約型乗合タクシー実証実験
利用が少なかった路線バスの代替手段として、高齢者が多い地域の実態に合わせた乗合タクシーの運行を検証。スマートフォンアプリなどで希望日時や行き先などを予約すると、AIにより効率的に乗合タクシーが配車されるシステムの有効性や利便性が実証されました。
- 利用前日までにスマートフォンアプリで予約をすると、AIによる運行計画で効率的に配車されます
- 1台で4人まで。予約が多い時は複数台配車されます
実証実験後に運行を開始した服部ピッカリ乗合タクシー。自宅近くの乗り降り地点まで乗合タクシーが予約時間に来ます
乗り降り地点は黄色の看板が目印
服部ピッカリ乗合タクシーの運行が始まっています
2019年10月にタクシー会社6社による服部地区での乗合タクシーの運行がスタート。買い物や通院など地域の高齢者の移動を支えています。
桐島トキコさん(左)/若井政子さん(右)
服部地区の利用者に聞きました
桐島さん
月2 回の通院や食材の買い出しなどに利用しています。携帯電話に乗合タクシーの電話番号を登録しているので、予定に合わせて配車予約。スマートフォンを使えるようになれば、もっと便利に利用できそうです。
若井さん
乗合タクシーを利用できる範囲や乗り降り地点は、高齢者が多い地域の声に合わせて決まりました。自宅の近くまで乗合タクシーが来てくれるのでとても便利。一緒に乗合タクシーに乗るご近所さんとの会話も楽しみにしています。
2018年11月実施グリーンスローモビリティの
実証調査
国土交通省が公募した全国5地域の一つとして、電動小型低速車「グリーンスローモビリティ」の実証調査地に選ばれたのが本市(鞆町・走島町)。調査の結果を受け、鞆町では全国初のグリーンスローモビリティによるタクシー事業が始まりました。
鞆の浦観光に訪れる人にも利用されています
- 車両が小さく、環境に優しいグリーンスローモビリティが鞆町で活躍中
- 坂道や細い路地が多い鞆町では、高齢者の移動手段にもなっています
グリスロ潮待ちタクシーが運行中
グリーンスローモビリティのタクシーが日本遺産の鞆の浦で2019 年から運行を開始。鞆町の全長約4km区域を毎日走っています。
2019年7月〜現在実施中電動キックボード活用による
地域課題解決の実証実験
次世代の短距離移動手段として注目を集める電動キックボードなど、電動マイクロモビリティの安全性や利便性を検証。GPS やキャッシュレス決済機能の利用も今後検証予定で、結果を地域の回遊性向上や活性化につなげていきます。
2019年7月に行われた市民参加型の電動キックボード試乗体験会には、10代から80代まで約100人が参加しました
ヘルスケアAI健康状態予測、パーソナルヘルスレコード(PHR)、見守り など
2018年12月〜現在実施中医療情報管理サービスの実証実験
医療機関が管理する患者の情報を、スマートフォンなどで患者本人が閲覧できるサービスの実証実験を実施。救急時や災害時にどの医療機関でも継続的に医療サービスを受診できる環境の実現や、予防意識の向上が期待されています。
画像や検査データ、処方薬などの情報を遠方に住む家族と共有できることもメリット
2020年2月実施予定見守りライトを活用した 認知機能の低下などを予見する実証実験
高齢者の自宅トイレに見守りライトを設置。
ライトのオン・オフのデータがスマートフォンに送信され、確認することで見守りを行います。また、オン・オフのタイミングからAIが認知機能の低下などの兆候も予測します。
見守りライトの仕組み
ライトのオン・オフによる情報の収集
AIによる解析認知機能の低下などを予見する
析結果に基づく注意メッセージを配信
2020年度実施予定AIによる口内の健康状態予測の実証実験
タブレットなどの携帯端末で口内を撮影し、AIが測定した口内の健康状態を被験者にフィードバック。従来の方法に比べ、痛みがなく手軽に測定できるメリットを生かし、健康・予防意識の向上や行動につなげます。
キャッシュレスキャッシュレス決済 など
2019年5〜7月実施指静脈認証を活用した
キャッシュレス決済実証実験
スーパーマーケットの従業員を対象に、指だけで本人認証などを行う「指静脈認証」技術によるユーザー登録や決済を行う実証実験を実施。手ぶらでも買い物ができるメリットや消費者側の利便性などを検証しました。
カードやQRコードなどを使わず、指だけで本人認証を行う指静脈認証技術
これまでに本市で行った実証実験
モビリティ
自動車の自動走行実証実験
キャッシュレス
マイナンバー(個人番号)カードを活用した「ばらのまち福山ポイント(自治体ポイント)」実証実験
道の駅におけるQRコード決済実証実験
通信
5Gを見据えた基地局収容型LED 街路灯の実証実験
5Gドローンを用いたバーチャル飛行体験
チャレンジ募集!
実証実験まるごとサポート事業
独自の技術やアイデアを活用した実証実験を募集中。新たな社会の姿を創るチャレンジを、全力で“まるごと”サポートします。
対象事業
先端技術などを活用し、地域課題の解決や市民生活の質の向上などをめざす事業
支援決定の基準
地域課題解決への発展性、市内の人材活用などから総合的に判断
応募資格
民間企業や研究機関、公的機関など
サポート内容
- 実証実験のPR
- 実験場所の提供
- 官公庁手続きの支援
- 規制緩和の検討
今後もさまざまな実証実験を行います。市民の皆さんと一緒に行う事業は、市ホームページや広報「ふくやま」などでお知らせします。「未来をリードする実験都市・福山」の一員として参加してみませんか。