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広報ふくやま2022年8月号特集3「全国唯一の鉄壁の城、ライトアップ光る福山城」
全国唯一の鉄壁の城・ライトアップ光る福山城
全国唯一の鉄壁の城
全国唯一の特徴
天守の鉄板張りを市民の寄付で復元
五重天守をはじめ、本丸・二之丸には数多くの櫓(やぐら)や城門を配する福山城。10万石では考えられない規模の巨城であり、西国鎮衛として幕府の威厳を示すためだったといわれています。敵からの攻撃に耐えられるよう天守北側壁面の1階から4階まで総鉄板張りで、天守の外壁を鉄板張りにした例は全国で唯一。
令和の大普請(だいぶしん)では、残された古写真や他城の鉄板の調査、当時の鉄板との比較検証などを行い、素材感などを再現するとともに安全性・再現性に配慮した復元的整備が行われました。そして市民のクラウドファンディングや地元企業の寄付により、鉄板の黒と城壁の白が美しいコントラストをなす往時の姿が、堂々とよみがえりました。
1891年頃の福山城天守北面
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市民から寄贈された鉄板を元に復元
鉄板
JFEスチール株式会社から寄贈された約2,000枚の鉄板を使用し、当時の鉄がもつ質感を再現。クラウドファンディングで寄付した皆さんの記名入りです。
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回廊
1966年以来の改修を行い、往時の姿を再現。木製の手すりを表現する古色に塗り替えました。
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鉄砲狭間(てっぽうざま)
壁の表面をへこませ、銃口を差し出すために設けられた「狭間」を復元。天守南面に3カ所、東西面に2カ所整備された、正六角形の狭間を探してみてください。
福山城一口城主!
クラウドファンディング
募集中
ありがとうございます
11億円を突破!
集まった資金を活用して整備や記念イベントを行っていきます。引き続き寄付を受け付けています。
その他の改修
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御湯殿
鏡櫓・御湯殿
京都伏見城からの移築と伝わり、藩主の風呂場だった御湯殿は貸会場、本丸東の鏡櫓は博物館の文書館として活用されます。
鏡櫓
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筋鉄御門(すじがねごもん)
築城当時から残る本丸の正門。外壁漆喰壁(がいへきしっくいかべ)を約50年ぶりに全面塗り替え。伝統的な材料と工法を用いて修復し、美しい白亜の姿によみがえりました。
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※活用例
月見櫓
伏見櫓とともに京都伏見城から移築されたと伝わる2重2階の櫓。外観・内装・空調の改修や塗装替えを実施し、今後も貸会場として活用されます。
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本丸・二之丸土塀
景観の向上を図るため、福山城公園の南から東に位置する本丸と二之丸土塀のひび割れや瓦を補修しました。
鯱(しゃちほこ)もきれいになったよ
月見櫓・御湯殿 貸会場利用を
申し込み受付中
利用は来年2月1日(水曜日)からです。
申し込み
福山城博物館(084-922-2117)
新たな魅力を創出!
ライトアップ
光る福山城
世界で活躍する照明デザイナーが
美しき夜の城を演出
世界的に有名な照明デザイナー 石井幹子さんをデザイン設計・監修に迎え、2017年から夜間照明を整備。伏見櫓や狭間、御湯殿、月見櫓、ふくやま美術館プロムナードに続いて、ついに天守や鏡櫓・鐘櫓にも明かりが灯ります。
鏡櫓はJFEスチール株式会社、鐘櫓は株式会社エフピコからの寄付により整備しました。今後は1月のフィナーレイベントに向け福山城東側石垣のライトアップを整備していきます。環境や省エネルギーにも配慮した、人とまちに潤いをもたらすライトアップをお楽しみに!
福山城築城ライトアップ
開始日
8月27日(土曜日)
時間
日没から24時00分まで
石井 幹子さん
照明学会名誉会員
紫綬褒章受章
文化功労者顕彰
Profile
都市照明からライトオブジェや光のパフォーマンスまで幅広い光の領域を開拓する照明デザイナー。パリのエッフェル塔の特別ライトアップも手掛けた。2017年から本市の夜間景観照明の基本構想・デザイン設計・監修に携わる。