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広報ふくやま2023年1月号特集「枝広市長新春インタビュー」全文

印刷用ページを表示する 掲載日:2023年1月3日更新

​枝広市長新春インタビュー 全文

掲載目次

福山城築城400年記念事業

中根 枝広市長、明けましておめでとうございます。

市長 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

中根 去年は福山城築城400年の記念の年でした。2022年を振り返っていかかでしょうか。

市長 私たちは3年近くかけて令和の大普請を行ってきました。主に外観の復元や天守の中にある博物館のリニューアル、ライトアップです。そして昨年8月27日・28日に市民の皆さんに披露しました。大勢の方に参加をいただき、そして喜びの声をたくさんいただきました。すっかりお城も変わり、その後も来館者の方がどんどん押し寄せてくれるといった今までとは違った景色が福山城の周辺で起きています。

その他にも築城400年の年にあたっていくつかの取り組みを行いました。主なものは2月にバットマンの映画の舞台のゴッサム・シティと世界初となる友好都市提携を結びました。それから築城400年の取り組みは本市の400年の歩みを振り返る取り組みでもありますので、福山の発展に大きな貢献をしてくれた「福山ゆかりの先人」を29人選んで、天守の最上階にそのパネルを展示しています。

また昨年12月から開催している「チームラボ 福山城 光の祭」でいよいよフィナーレを迎えることになります。そして1月9日にはとんど祭り、時代行列で福山城400年博の1年間のクライマックスを迎えることになります。皆さんと一緒にクライマックスを楽しみにしたいと思います。

福山駅周辺の再生

中根 また福山駅周辺の再生も進んだ1年になりましたよね。

市長 そうですね。駅を降りた風景が少し寂しいなというのが、これまでの福山でした。これは歩いて楽しいウォーカブルな空間を駅周辺に作り上げようという取り組みです。

そして周辺の建物の再生も行いました。例えばエフピコRiMのスピード再生を2年かけて行いました。また北口には規模は小さいですが時間をゆったりと過ごせる癒しの空間「北口スクエア」も作りました。それから道路の上にオープンカフェを作っていく取り組みも積極的に行っています。

そして今のタクシー乗り場がある駅の南側エリアを、歩く人や子育てする人、高齢者の方々に開放しようという実証実験も昨年行いました。

来年中には新しい広場のイメージを皆さんにお示しできると思っています。

安心して子育てできる環境の整備

中根 加えて福山市は子育て支援に力を入れている印象があります。

市長 ありがとうございます。本市も他の都市同様に少子化の中にあります。「子育てを安心してできる」まちをめざして、県内に先駆けて福山ネウボラという取り組みを5年前に始めました。妊娠・出産・子育てを終えたお母さんが再び仕事に就きたい、そこまで一貫して見守っていこうという取り組みです。これまでに約10万件の相談を受けました。身近な子育ての相談に応じる機能が福山ネウボラです。

そしてお子さんの発達に不安があるといった不安にこたえるこども発達支援センターの機能強化もしました。去年10周年を迎えました。そして子どもをめぐる虐待などのさまざまな問題にも即座に対応できる子ども家庭総合支援拠点も市役所の中に構えています。総力を結集して子育ての不安を解消するというのが今の福山の子育て支援です。

そして教育環境も整えました。学校再編などを進め、去年4月に5つの学校が誕生しました。今までの学校がなくなることは地域の方にとって、保護者にとって、児童生徒にとって、とても不安なことではありますけれども、そうした不安を乗り越えて新しい学校がスタートしました。

それから子ども未来館を作ろうとしています。子どもが科学や技術に触れ、体験を通して主体的に学び、成長するきっかけになる体験をできるのが子ども未来館です。さまざまな研究をしながら作り上げていきますので、時間は少しかかりますけれども着実に進んでいっています。

まちの景色が大きく変わる2023年

中根 2023年の福山市はどんな1年になりますか。

市長 まちの景色が大きく変わる年。そんな年になると思います。これまで取り組んできた都市基盤整備が完成の年を迎えるのが今年なんですね。

例えば福山港の機能強化が行われます。それから北のほうに産業団地を造成していますが、今年秋にはその造成が完了します。もうすでに入居企業が決まっております。また駅を出て南側すぐ右手に昔商業施設がありました。長い間、人が入らない寂しいビルのままでしたが、そのビルの建て替えも来年の春までには完了します。

それから鞆未来トンネルの工事が進んでいきます。完成は来年の3月となります。本市中心部から鞆を通って、沼隈、松永へ抜けていくルートがいよいよ完成します。今までは鞆の街中が狭くて、せっかく鞆にバスツアーで観光に来ても、また来た道を戻って松永方面に行く、そんなルートを余儀なくされていました。しかしこれからは鞆を観光して、トンネルを通って松永に行くことができ、またその逆コースも通れるすっきりした観光周遊ルートができます。

そして今年は安心の度合いが高まる年でもあります。平成30年に本市は大変な浸水被害に見舞われました。市内で2000ヘクタールが水に浸かったんです。もうそのような浸水被害には遭いたくない。これまで抜本的な浸水対策を継続してきて、いよいよ完成いたします。

それから学校の耐震化が実は福山は遅れていました。必死になって耐震化工事を進めてきて、いよいよすべての市立小中学校の耐震工事が終わります。あわせて学校図書館のリニューアルもすべて終わります。

中根 安心できて、安全で、利便性が高いまちに変わりますね。

市長 そうなんです。一言で安心安全なまちづくりというのは大変なことだと思いますが、私たちは期間を決めて5年間の間に集中的にあらゆるエネルギーを投入しながら、安心安全なまちの形成に努めてきました。今年やっと一定の成果を皆さんにお示しできます。

活力ある地域づくり、世界バラ会議福山大会に向けて

市長 こうした中でさらに活力のある地域づくりにも取り組んでいきます。これまでは中心部を元気にして、その効果を周辺地域に波及させていくために、福山駅周辺の再生などに力を注いできました。これからは周辺地域そのものを元気にしていく。そのために地域資源を磨き上げ、地域の活力を生む物語を共有する、共有できた地域がつながっていく、そんなエリアを作っていきたいと思っています。

去年からそのための調査を進めてきました。その調査の結果を踏まえて、地域の皆さんが主体となって、自分たちの地域をどう元気にしていくかというビジョンをそれぞれ作ってもらうことを考えています。そして行政が伴走していきながら、一緒に地域を元気にしていく。そしてその元気になったエリアがつながっていく。そして福山駅周辺を中心としたエリアとも繋げていくことで、市全体に活力を生み出していきたいと思っています。

それから次は2025年の世界バラ会議福山大会に向けた取り組みが本格化していきます。2025年には世界から大勢のばら愛好家が本市に集結します。それに向けた今、基盤整備を進めています。ハードやソフト、それぞれの都市環境整備を進めていますが、そんな中で今年5月はG7広島サミットがあります。まずはそこで2025年に世界バラ会議が広島県の福山という都市で開かれるということをG7の首脳たちにアピールしていきたいと考えています。例えば首脳会談の席上を福山のばらで彩る、ばらでできた食材を提供する、福山城に城泊(キャッスルステイ)を活用してお泊まりいただけるよう招待する。そんな取り組みをしながら機運を盛り上げていき、世界の首脳に世界バラ会議の開催を知ってもらいたいと思っています。

いろいろな取り組みをする中で市民はそこに参加をし、活力がみなぎっていく。そんな年にもしていきたいと思っています。

中根 かなり市民の繋がりも強くなりそうですね。また福山から発信できるものもありそうですね。

市長 これからは内向きではなくて外にどんどん目を向ける発信をしていき、元気な都市にしていきたいと思いますね。

デジタル化の推進

市長 そしてデジタル化の推進は待ったなしだと思っています。私たちはまだコロナ禍から抜け出せずにいますが、コロナの感染を体験してデジタル化の必要性を認識しました。そんなデジタル化が進んでいく中で高齢者が取り残されることがあってはいけないと思ってます。

またデジタル化は社会全体で取り組まないといけません。例えば行政だけではなくて、地域、産業もデジタル化に取り組んでいくわけですが、まずは行政のデジタル化を進めて、それがきっかけになり地域・産業のデジタル化に波及・加速していくといった順序を念頭に置きながら、行政のデジタル化を進めていきます。そのためにはデジタルという言葉に抵抗感のない若い人たち・世代を中心にデジタル化を取り入れた行政サービスを提供していくことによって、それが広がっていくことをイメージしています。

例えば、健康増進アプリを使って市民が自分の健康をチェックする取り組みや保育所がスマート化していく取り組みを行っています。これまで保護者の人は子どもをいつ来園させたということを紙に書いて、保育所とやりとりをしていましたが、スマホでできるようになり、また保育所からの連絡事項がスマホ経由で見られるようになります。スマート保育の実践も若い子育て家庭にとっては便利なツールだと思います。そんなことを通じながら「行かない、書かない、待たない」そんな市役所を作っていきたいと思ってます。

ぜひ高齢者の方もデジタルという言葉を毛嫌いせずに、まずは少し触ってみようというところから入るのが重要なんです。抵抗感をなくすために、高齢者の皆さん方に幅広くスマホ講習会というのを進めていきます。そしてスマホを持っていない人がスマホを購入するための大きな支援策も実施しています。そうした中でこれからデジタル化が加速していくことを期待したいと思います。

中根 デジタル化が広がることによって、そのハードルが下がり、より暮らしやすいまちになりそうですね。

市長 そういう循環につなげていければいいなと思ってます。

市民の皆様へメッセージ

福山市ではこれまで「5つの挑戦」に全力で取り組んできました。その結果「市政に変化が感じられる」そんな声をいただくようになりました。これからはその感じられ始めた変化を確かな成果につなげていきます。

引き続きスピード感、情報発信、そして連携、これを基本に市民の皆さんの声をしっかりと受けとめる、そんな市民に身近な市政運営に努めて参ります。