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広報ふくやま2023年1月特集「子どもの主体性を育てる 新しい学校のかたち」
多様な学び場の提供
子どもの主体性を育てる
新しい学校の
かたち
一人ひとりのペースを大事にしながら学べ、自分らしく成長できる「イエナプラン教育校」「特認校」など、多様な学びの場が広がっています。
イエナプラン教育校
-常石ともに学園-
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Q.どんな取り組みをしている学校?
福山100NEN教育とオランダ発祥のイエナプラン教育の理念を融合させ、「自立・共生・自己実現」をめざしています。「対話」「遊び」「仕事」「催し」の4つの基本活動に基づいた時間割が特徴的。
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Q.異年齢のクラス構成?
1~3年の低学年、4~6年の高学年に分け、異年齢が混在したクラスで過ごすことで学年を超えた学びが実現できます。
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Q.決まった時間割がない?
1日のうち1・2時間は子どもが自分で教科を決めて学ぶ時間があります。子どもの個性や主体性を尊重しています。
時間割は自分で作成
教科 | 内容 | |
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1 | 1・2年生は国語または算数。3年生は国語・算数・社会 |
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2 | ||
3 | 算数 | 異年齢でカードを用いた掛け算の学習 |
4 | 体育 | 音楽、体育、図工などは決まった時間に学習 |
5 | ワールド オリエン テーション |
生活科や総合的な学習の時間を中心に他教科の内容を関連付けた学習 |
6 |
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1・2時間目
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計算や漢字、作文など、個々のペースで学習に取り組む姿。発達の違いが受け入れられる環境なので、学年にとらわれることなく、つまずいた部分の学び直しなどができる。
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3時間目
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5・6時間目
福永 先生
現場の声
「学ぶ」という意識が強くなってきていると感じています。学びをより充実させていけるように試行錯誤を重ねています。
小中施設一体型の特認校
-広瀬学園-
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Q.広瀬学園ってどんなところ?
昨年4月、市内全域から入学・編入できる小中施設一体型の特認校「広瀬学園小学校・広瀬学園中学校」として開校。集団生活や在籍校での登校が難しい児童生徒などを対象にしています。
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Q.広瀬タイムとは?
広瀬地域の自然環境を教材にした探究学習のこと。小学校は週5時間、中学校は週4時間を充てています。
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Q.広瀬タイムの内容は?
屋外広場での畑作業や屋内での企画・運営など、個々の興味に応じて、教科・学年を超えて学んでいます。
1日の時間割(小学校)
教科 | 内容 | |
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1 | 国語 | 学年ごとの教育課程に基づいた授業。個々のつまずきに応じて学習内容は変わる |
2 | 体育 | |
3 | 広報 タイム |
毎週火曜日は小・中共通で広瀬タイムを実施 |
4 | ||
5 | 社会 | 学年ごとの教育課程に基づいた授業。 |
6 | 算数 |
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広瀬タイム
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小1~中1が広瀬タイムで取り組む「ひろせDASH!村プロジェクト」の活動。何を作るかは児童生徒主体で決め、現在は地元の人々が休憩できる小屋を建設中。
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広瀬タイム
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社会
望月 先生
現場の声
一人ひとりのやりたいことや得意分野に寄り添い、子どもたちが楽しく学べるよう柔軟なサポートを心掛けています。
まだまだある、
100NEN教育の取り組み
興味・関心学習の理解度に応じて自分のペースで学べる場
通室日時や学び方・内容などを自分で決めて活動します。ICTを活用するほか、人や自然と触れ合う体験学習も行います。
校内フリースクール
きらりルーム
教室以外の新たな居場所
教室に行きづらいときに過ごせる場所。中学校6校(東・城南・城東・中央・誠之・神辺)、小学校2校(曙・新涯)に設置されています。他校でも同じような部屋をつくっています。(小21校、中23校)
現場の声
教員が1~2人常駐しています。困ったとき、悩んだときに相談できる場所の一つとして認知されていると感じます。
校外フリースクール
かがやき
学校以外の学びの場
不登校などの児童生徒が安心して通える場所。中央(北吉津町)・東部(伊勢丘)・西部(松永町)の3カ所に設置されています。利用日は在籍校での「出席」となります。
現場の声
みんなが自分らしく過ごし、一人ひとりの思いや願いが実現できるよう支えていきます。
学校図書館
居心地がよく知的好奇心を刺激する空間
児童文学評論家 赤木かん子さん監修の下、子どもたちの興味・関心が膨らむ図書の充実や落ち着いて読書に没頭できる環境づくりを進めています。
2020年4月末に児童生徒と教職員約4万人へ1人1台タブレット端末を配りました。みんな同じ箱ですが、いったん開けば写真や動画、文書作成などさまざまなアプリが使え、新しいものを自分で創り出すことができます。世界ともつながり、使い方によってその可能性は無限大です。「デジタル」を上手に使うことと合わせて友達と対話したり、体験したりする「リアル」の場を大切にしてほしいと思います。
「福山100NEN教育」8年目がスタートしました。自ら考えて行動する子どもたちが学校の姿を大きく変えてきています。今年も一人ひとりみんな違うことを大事にしながら、それぞれが伸びていくために、学びを中心に置いた取り組みを進めていきます。
教育長 三好 雅章