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身近な自然やモノを描きさまざまな作品で暮らしを彩る 染色家 石北有美さん

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石北 有美(いしきた ゆみ)さん​

石北さんの写真

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古民家に工房を構えて伝統技法「型染め」で創作

石北さんの写真​​

福山市内にある、木々や畑に囲まれた古民家。ここに「染色工房 幟屋」を構えて活動している石北有美さん。美術大学で染色の技法を学んだ後、2005年(平成17年)に工房を設立しました。彼女が用いるのは型紙を使って布を染める「型染め」と呼ばれる伝統技法です。模様のデザイン、型紙彫り、染色、仕立てまでを一貫して行っていて、一つひとつの工程はすべて手作業。刷毛を使っての染色作業や、布を水洗いして糊を落とし、煮沸して色を定着させる作業などは、手間と時間のかかる大変なものです。そうして生み出された型染め生地は、手仕事ならではの温もりがあり、明るい色彩と優しい手触りが魅力です。

 

身近な自然やモノを描きさまざまな作品で暮らしを彩る

石北さんの写真

石北さんがデザインに取り入れているのは、暮らしの中で身近に触れる自然やモノ。福山の山や川、瀬戸内の海、野菜や魚といった産物などをモチーフに、大胆な図柄と鮮やかな色彩を使って描いています。染められた布は、のれんやタペストリーとしてお店や住宅を飾ったり、ファブリックパネルとして大型施設に設置されたり、アパレルブランドとコラボレーションして洋服になったり。また、国内外で個展を開くほか、日本最大の公募展である国展や日本民藝館展にも作品を出品し、入選を果たしています。2022年(令和4年)には、作品が国展で工芸部「国画賞」を受賞し話題になりました。

 

「福山らしさ」あふれる作品が海外からも注目を集める

石北さんの写真​​

「備後は繊維の街。良い生地が手に入りやすいことも、福山で活動するメリットです」と言う石北さん。地域の強みを生かし、地元の素材をモチーフに取り入れて描いてきたことが、彼女の作品に唯一無二のオリジナリティをもたらしています。最近では、SNSなどで作品を見たという海外の人から注文が入ることも。さらに、2022年に広島市に開業したホテル「ヒルトン広島」を飾るファブリックパネルに採用され、広島県内を流れる川を描いた作品が国内外からの宿泊客をもてなしています。街のあちこちで、また雑誌やテレビなどのメディアで目にする彼女の作品を通して、多くの人が福山の魅力に触れています。

 

2022年(令和4年)11月取材

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