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林家住宅主屋

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年5月1日更新

登録有形文化財 2024年(令和6年)3月6日登録

 鞆城跡北東の角地に位置し、かつて醸造業や廻船業で栄えた商家の町家。鞆最大の町家のひとつ。
 主屋は鞆町の東海岸と併行する中心的街路の一本西側にある南北道に正面を向け、敷地の南東角に建つ大規模な店舗兼住宅である。
 二階建て入母屋造平入本瓦葺で、間口は六間半、奥行七間半。北面に幅一間半の下屋を附属させる。
 一階は、東正面北側の間口三間半を広い土間とし、そこに跳ね上げの大戸を吊って入口とする。第二室目は大きく土間に張り出し、大黒柱二本と式台を二つ、東正面に向けて並べており、類例を見ない形式である。正面側の部屋を店舗とし、南西隅の八畳間を座敷とする。南東の隅部に矩折り四間の出格子を設ける。
 二階は、東正面の部屋を厨子二階風に扱って内装を簡素に控える。二階外壁は灰色漆喰の塗籠の大壁造(隅柱は見せる)で、腰部は七宝繋文の海鼠壁(なまこかべ)。入隅部の虫籠窓(むしごまど)を東正面に三つ、南側面に一つ配する。
 明治中期の建築であるため二階の建ちは高いが、二階の外壁は江戸期風の厨子二階に仕上げてあり、鞆の明治期の大型町家の特色をよく示している。​

所 在 地 鞆町
員    数 1棟 
構造・年代 木造2階建、瓦葺。明治時代中期

林家