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革包茶糸威二枚胴具足(かわづつみちゃいとおどしにまいどうぐそく)
印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月31日更新
県指定重要文化財 昭和52年(1977年)3月11日指定
水野勝成が福山を開いた水野勝成が関ヶ原合戦の時着用したものと伝える。兜は鋲打出、唐冠形の鉢の左右に黒い熊手で包んだ長い纓【えい】をつけ、前立【まえだて】には木製漆塗の魅(獅噛【しかみ】)がとりつけてある。胴に鉄を革包にし茶漆塗りにした二枚の横矧桶側胴【よこはぎおけがわどう】で、その下部二段は金茶系で毛引威にする。草摺【くさずり】は六間、五段下り。胸板と押付板に金銀象嵌の文字、脇板にも水野家紋や永楽通宝の銀象嵌を施す。旧来の甲冑にくらべ特異な意匠をもち防御にすぐれ軽快堅牢で、痛みは少なくほぼ完形である。この形式は室町末期から安土桃山時代にかけて発達し、この具足はその完成期に武将が着用した当世具足として武具の歴史を知る上で貴重な資料である。
所 在 地 | 寺町 賢忠寺 | |
法 量 | 兜高さ35.0センチ,前後径22.5センチ,左右径19.0センチ,胴高さ43.5センチ,総重量10.2kg | |
構造・年代 | 室町末期から安土桃山時代 |