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墓石群(ぼせきぐん)

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月31日更新

市指定重要文化財 昭和35年(1960年)3月31日指定

 草戸千軒町遺跡は,芦田川の中洲一帯に所在した中世民衆の集落遺跡で,常福寺(現在の明王院)の門前に栄えた港町であることが発掘調査等近年の研究で解明された。
 この墓石群は,昭和5年(1930年)芦田川改修工事中に発見されたものであり,法音寺橋近くから出土した。
 出土した墓石群は,現在明王院境内に安置されており,出土時には各々バラバラになっていたので具体的に何基分の墓石が所在したか不明であるが,墓石の形態や時代等から推定すると,宝塔5基分,板碑1基,宝篋印塔3基分,五輪塔61基分を数える。石材は,大半が花崗岩であるが,五輪塔の中には俗にコゴメ石と呼ばれる結晶質石灰岩製のものもある。五輪塔は一般に小型のもので高さ0.6~1mが多い。宝篋印塔は笠石の隅飾突起が直立する古式のものも認められる。板碑は,西日本に多く見られる小型の一石五輪塔型であり,表面に梵字と南無阿弥陀仏の文字を陰刻する。高さ165cm,幅30cm,厚さ15cmである。
 これら墓石群は,鎌倉時代から室町時代にかけてのものと考察される。

所 在 地草戸町 明王院
構造・年代鎌倉時代~室町時代

墓石群