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明王院本堂( みょうおういんほんどう)

印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月31日更新

国宝 昭和39年(1964年)5月26日指定

 明王院は現在真言宗大覚寺派であるが,もとは常福寺といい律宗の寺院で,大同2年(807年)弘法大師の開基と伝えられている。江戸時代に明王院と改称された。
 本堂の建立については昭和37・38年(1962・63年)に実施された解体修理により,内陣蟇股【かえるまた】に「紀貞経代々二世悉地成就元応三年三月十四日沙門頼秀」の墨書が発見され鎌倉時代の元応3年(1321年)の建立であることがわかった。さらに現本堂の下に本堂の前身と推定される掘立柱穴が点在することが発掘調査によって確認されている。
 本堂建立後,元和7年(1621年),元禄3年(1690年)の修理で改変を受けたが,解体修理によって忠実に旧規に復元された。本堂平面は前面2間を外陣とし,後部を内陣とする典型的な本堂となっている。様式は全体的に和様の姿をとりながらも,その木割や細部には大幅に唐様が採用されている折衷様の最も古いもので,外陣の輪だるき天井は極めて珍しい手法である。尾道の浄土寺本堂(国宝)とともに内海地域で最も古い建物として貴重なものである。
 厨子は春日厨子で扉の内側に蓮を描いた美しいもので,木造十一面観音立像(重文)を納める。 

所 在 地草戸町 明王院
員    数1棟
構造・年代一重,入母屋造向拝付,本瓦葺
元応3年(1321年)

明王院本堂