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紙本墨画不動明王像(しほんぼくがふどうみょうおうぞう)

印刷用ページを表示する 掲載日:2020年12月4日更新

市指定重要文化財 平成5年(1993年)12月24日指定

 勢いのある墨線で描いた岩座上に立つ一面二臂【いちめんにひ】の不動明王。右足先をやや上げ,向かって右方へ身体を向かせ,右手は後ろへ引きつつ三鈷剣を今にもふりかざそうと向かっていく姿勢を巧みに表現する。火焔光背や頭髪も向かって右方に大きく棚引くなど,動的表現に優れたものである。衣文をあらわす竹へら書きは高野山のものに見られるが,それを含めて全体的な筆技は,絵として確かなものであるといえる。ちなみに,この衣文に見られる筆法は,飛白体と称され,筆線が箒ではいたようにかすれ,あるいは飛動しているものをいう。
 また,画面には「守真」の朱字方印,軸裏に「不動明王御筆」「定福寺円誉上人附 明王院宥仙」の墨書銘が見られる。宥仙は明王院第18世住職〔天和2年(1682年)没〕である。円誉上人は,三河より城主水野勝成と共に来て,城下西町に定福寺を開いた第1世住職である。室町~江戸初期の作。

所 在 地 草戸町 明王院
員    数 1幅
構造・年代 室町~江戸初期 
規模・法量 紙本墨画 縦 81.2cm 横 33.0cm

紙本墨画不動明王像