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廃和光寺塔跡出土遺物(はいわこうじとうあとしゅつどいぶつ)
印刷用ページを表示する 掲載日:2016年3月31日更新
県指定重要文化財 昭和29年(1954年)9月29日指定
和光寺は,福山市津之郷町字大満寺に所在した奈良時代後期~平安時代初期の古代寺院跡である。現在その跡地の一角に田辺寺が存在する。
昭和9・10年(1934・35年)に調査した際,塔の風鐸【ふうたく】,九輪【くりん】の破片が数点出土した。中心礎石は元の位置から移動していた。また,地方色の濃い唐草文軒丸瓦1種類と扁行唐草文軒平瓦2種類も出土している。これらのうち指定されているのは,風鐸片3点,九輪片3点,中心礎石1個である。
風鐸は堂塔の隅木の端や相輪に吊るして風を受けて音を発するもので,青銅製である。身の断面は扁円形と菱形の両方があり,復元推定長は20cmである。
九輪は,塔の屋頂につける相輪【そうりん】の1つでその中心的な部分である。指定の九輪片は3点であるが,同一の輪ではなく,復元推定の直径は約80cmである。
中心礎石は,花崗岩の自然石で現在田辺寺境内に置かれている。石の寸法は,縦115cm,横87cmで上面中央に直径38cm,深さ22cmの舎利孔がうがたれており,この穴の両側に深さ3cmの溝が彫られている。
なお田辺寺前面の水田は,県史跡田辺寺塔跡として指定されている。
所 在 地 | 津之郷町 田辺寺 | |
員 数 | 一括 | |
構造・年代 | 奈良時代後期~平安時代初期 |