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ふくやま市議会だより第3号 平成14年第3回市議会定例会
印刷用ページを表示する 掲載日:2002年10月1日更新
平成14年9月 市議会定例会 平成14年第3回市議会定例会は、9月5日から25日までの会期21日間で開催され、 福山市遺児年金条例の一部改正についてなど17議案を原案のとおり可決しました。 また、欠員となっていた農業委員会の委員の推薦ならびに選挙管理委員および補充員 の選挙を行い、地方税源の充実確保を求める意見書案1件を可決しました。 今議会では、7人の議員が質問を行いました。 その概要は次のとおりです。 |
質疑および市長答弁(要旨) 質問項目
質問 | 中核市に移行し4年半経過したが、この制度を活用して福山市はどのように変わったか。 | 答弁 | 行政サービスでは、開発行為の許可など事務処理の日数が短縮され、スピードアップにつながった。また、屋外広告物の規制に関する事務の移譲で景観保持や交通安全の確保などが可能となった。まちづくりでは、地域の実情にあった個性豊かな魅力あるまちづくりが可能となり、広域的な中核拠点都市としての役割が一層期待されるようになった。行政内部では、職員に自己決定・自己責任という自覚が育ち、意識変革されたと考えている。 今後、地方分権が進展するなかで、中核市の事務権限を十分活用し、市民の参加と協働のもと地域の個性を生かした自主・自立のまちづくりに取り組んでいく。 |
 | 庁舎北側の宣言碑 |
質問 | アメリカで同時多発テロが起きて1年。多くの犠牲者の方々に改めて哀悼の意を表すとともに、核をはじめあらゆる戦争兵器のない、平和な社会の実現を強く望む。平和行政の確立に向けて自治体の責務も大きいが、市長の決意は。 | 答弁 | 人権尊重と恒久平和の実現は、いつの時代でも人類すべての共通の願いであり、普遍の目標である。本市としては、日本非核宣言自治体協議会との連携を図り、核兵器の廃絶と戦争のない恒久平和の実現に向けた市民の願いである「平和非核都市福山宣言」を踏まえ、今後とも平和な社会の実現を目指した諸施策の推進に努めていく所存である。 |
質問 | 新市町および内海町との合併合意がととのったが、中核市福山を中心とする備後地方の発展につながる将来のまちづくりはどのように考えているか。 | 答弁 | 両地域は、それぞれ特徴のある地域資源を有しており、合併建設計画の実施を通じて本市との速やかな一体化を行い、都市規模の拡大という付加価値を生かし、更なる地域の振興に努めていく。 合併は、大きな歴史的な出来事であり、行政のみならず産業界をはじめ、教育・文化など広く住民意識も含めてその影響を地域の活力へとつなげて魅力ある地域社会の形成に努め、分権時代の都市間競争に立ち向かって行くとともに、備後地域全体の発展をけん引する役割と責任を果たしていきたい。 |
質問 | 財政環境は依然として厳しく、住民の福祉を守るには、人件費抑制が大きな課題と考える。目標を定め、行政の守備範囲を見直し、住民の協力体制の構築と計画的な推進が必要ではないか。 | 答弁 | 今後も組織機構や事務事業の見直しなど行政の効率化に努め、多様化する市民需要に効果的に対応していきたい。 NPO・ボランティアの活用、住民協力体制の構築は、重要な課題であり、市民サービスの継続性や安定性にも配慮するなかで推進していく。 財政見通しなど中長期的な視点で職員定数のスリム化を行い、計画的な人件費の抑制に努めていきたい。 |
質問 | 行政の行う事務事業や政策・施策を効率性や有効性などから評価する「行政評価システム」の構築はいつ頃になるのか。 | 答弁 | システム構築の第一段階で全課1~2事業を対象に事務事業評価の一部試行をした。今後、試行の結果を基にシステムの手法などを十分検証し、改善を行いながら拡大実施していき、評価システムが確立した時点で次の段階に移行していきたい。 システムを定着させ、効果を上げていくために、職員参加を基本に関係部課から選出された行政評価研究ワーキンググループを中心に取り組んできたところであり、引き続き本市の実態に見合った実効の上がるシステムの構築に向け取り組んでいきたい。 |
 | 本郷解放会館での文化行事 |
質問 | 本市の解放会館条例を改正し、市民が気軽に活用できる児童館や高齢者福祉などが展開できる施設としての位置づけをしては。 | 答弁 | 「福山市同和対策審議会答申」および「福山市同和行政基本方針」、さらには「隣保館設置運営要綱」を踏まえ、今日までの成果を普遍化し他の施策との整合性を図りながら、地域における福祉の向上や人権啓発のコミュニティーセンターとしての役割が果たせるよう、そのあり方について、現在、鋭意検討を行っている。成案ができた段階で明らかにしていく。 |
 | 福山けいば駅前場外発売所 |
質問 | 厳しい運営を余儀なくされている状況で、知恵を絞り振興を図り、収支改善の道筋をつけたいとの思いが強いが、他の地方競馬と比較したときの本市の現状や、中長期基本計画の具現化に対する考えは。 | 答弁 | 他の地方競馬では、広域展開を行い、場外発売所を開設して売上を伸ばしているところもあり、本市の今後の展開を考えるとき、参考になる点が多々あると認識している。 14年8月に市営競馬振興中長期基本計画を策定しており、場外発売所の拡充など振興策を強力に進め、財源の一定の見通しが得られた段階で施設整備実施計画の具現化に努めていきたい。 |
質問 | 売得金や入場者が年々減少し続けるとき、事業の存続をかけて福山市営競馬振興中長期基本計画のなかで広域的な場外発売所の拡充を計画されているが、今後の具体については。 | 答弁 | 福山けいばは、開設以来今日まで400億円余の収益金を繰入れ、社会資本の整備に努めてきたが、近年大変厳しい経営環境となっている。13年度では、単年度収支の均衡を図ることができたが、厳しい事業運営が続いている。 中長期基本計画は、向こう5年の振興策、取り組み目標を定めたもので、場外発売所の拡充は、早期に着手できる事業として民間資本導入を視野に公募方式を検討しており、早い時期に具体を示していきたい。 |
質問 | 中心市街地活性化に向けた事業で、JR福山駅周辺整備、福山駅大門線シンボルロード整備などが具体的に示されているが、市街地の活性化や回遊性向上のため、中心市街地と周辺の公共施設や病院などを結ぶコミュニティーバス導入も一つの手法ではないか。 | 答弁 | 現在、福山都市圏の交通円滑化に対する国からの積極的、重点的な支援措置を受けるため、「交通円滑化総合対策実施都市圏」の指定申請に取り組んでいる。 今後は、交通円滑化のさまざまな施策を具体的に推進していくため、関係機関による組織づくりに取り組んでいき、コミュニティーバスの試行運行についても検討を進めていきたい。 |
 | ←音楽療法 | 水浴訓練→ |  |
質問 | 心と体を一体として見る全人的な医療が求められる時代にあり、福祉や療育の分野でも音楽療法が持つ可能性は計り知れないが、本市としても音楽療法の導入や療法士育成の取り組みをされてはどうか。 | 答弁 | 音楽療法が身体・精神障害者、高齢者などの機能回復、改善に効果があることから、市内の施設でもすでに取り組まれている。音楽の持つ特色や特性を生かした、対象者にあった内容や成果・課題などを検討されるなかで、施設事業者でサービスの質の向上へ向けた取り組みがされると考えている。 本市の痴呆予防介護教室、転倒予防教室、機能訓練教室で楽器を使っての演奏や歌などを導入し集団でのリハビリ効果を高める活動を取り入れており、音楽療法の普及・啓発や音楽療法士育成へのかかわりを今後研究していく |
質問 | すこやかセンターで専門的な意見を聞き、総合的に判断できる体制づくりが必要ではないか。 | 答弁 | 保健所で行っている療育は、健康診査などで身体面、精神面に課題のあった乳幼児を対象に遊びを通して療育の方向性を支援する療育相談事業と医学的に発達をチェックする小児総合相談があり、医師、心理相談員などの専門的な意見を聞きながら、総合的な支援を行っている。 |
質問 | 全国では対象を、入院は就学前まで拡大しているのが21県、県内でも7市で実現している。国に制度創設を求め、県に対しても対象者を就学前まで拡大し、所得制限を撤廃することを求めてほしい。 | 答弁 | これまでも、国の無料化制度の創設および県補助の拡充について、市長会を通じて要望してきた。引き続き負担の大きいと思われる入院時の助成の適用拡大について研究していく。 |
質問 | 国保会計で見込まれる黒字と財政調整基金で国保税の大幅引き下げを行い、また、減免基準を低所得層および失業、倒産などにより所得の激減に対応できるものに改善してほしい。 | 答弁 | 国保税は、前年所得に対する課税の仕組みから、当該年度に災害や長期疾病などの特別な事由に該当し、生活が一時的に著しく困難となった場合は、市条例に基づき国保税を減免する一般減免制度を設けている。現在、長期にわたり低迷する経済状況のもとでの今日的な特別要因などについて、減免基準を検討している。 14年度の国保税の税率改定では、事業の継続的安定運営を検討しつつ13年度決算剰余金見込額の一部を充当し、被保険者負担の低減に努めたところで、世帯当たり1万円の一律引き下げは、困難である。 |
 | 福山クリーンセンター内リサイクル工場 |
質問 | 本市でも、資源循環型社会を目指して先進的な取り組みが行われているが、ごみの排出量は年々増加傾向にある。減量化に向けた新たな取り組みと現状はどのようになっているか。 | 答弁 | (1)国は22年度を、県は17年度を目標年度として排出量の5%削減などの目標量を設定し減量化の取り組みを進めている。 (2)廃棄物減量等推進審議会では、他都市の減量に関する施策や市民の意見を参考に、市民・事業者・行政の役割が議論されている。 (3)紙・布類が資源として回収されるようシステムの構築を検討している。 (4)小学生を対象に環境保全の視点でごみ減量化をはじめとした出前講座を行った。 (5)びんごエコタウン構想は、実施予定の事業21件のうち5件は事業化の検討が進んでおり、早いものは14年度中の施設整備を検討されているが、事業化に向けた課題も抱えており技術相談会が開催されている。 |
質問 | 2002年南アフリカ・ヨハネスブルグの環境開発サミットで、2005年からの10年を「持続可能な開発のための教育の10年」とすることが決議されたように、社会全体で環境教育という次元での取り組みが必要と考えるが。 | 答弁 | 持続可能な社会を構築するためには、私たち一人ひとりが将来にわたり環境を大切にする意識を持ち、環境にやさしい暮らし方を実践することが求められており、環境教育の果たす役割は重要である。このため、学校や地域、民間団体などとの連携に努め、子どもから大人まで生涯にわたっての「環境教育」「環境学習」をより一層推進していく。 |
質問 | 14年7月から130万円以上の公共工事の入札予定価格を全面的に事前公表したが、競争性などはどのように変化したのか、改善の成果はどうか。 | 答弁 | 設計金額130万円以上の工事の入札について、14年7月・8月の175件と13年7月から14年3月までの736件の落札率を比較すると、13年度が98.16%、14年度が96.47%と1.69ポイントの減少となっている。今後、より詳細に改善効果について、検証していきたい。 |
 | 明王台小学校ランチルーム |
質問 | BSE(牛海綿状脳症)や輸入野菜の残留農薬の問題など食べ物の安全性が問われており、文部科学省でも15年度から食材の選定や検査の強化に乗り出すなかで、学校給食の安全性に対するチェックは。 | 答弁 | 食材ごとに、質、形、大きさや遺伝子組み換え食品でないことなどの品質規格を定め、その食材の検収を納品時に行っている。 また、新しい食材の使用には、原材料配合表、栄養成分表、試験検査証明書などの提示と現物の品質や味をチェックしている。食の安全に関わる問題があった場合は、製造業者や納入業者に原材料などの説明を求め、安全を確認の上使用している。 |
質問 | 14年8月市内大門町で住民が花火をしていたところ、下水道マンホール内でガス爆発が起こる事故が発生したが、地下埋設物の設置基準および現状把握とその管理はどのようになっているのか。 | 答弁 | 道路敷に設置される地下埋設物の位置、深さなどは、道路法施行令、福山市道路占用規則で設置基準が設けられており、現在、管路(かんろ)の技術水準向上に伴う浅層化(せんそうか)(埋設基準の緩和)の傾向に対応した基準の見直しを検討中である。 地下埋設物の掌握、管理は、各事業主体の責任で実施されており、今後、地理情報化システム(GIS)の導入により全体的な掌握、管理を行っていく必要があると考えており、県および県内市町村の動向を見ながら対応していきたい。 |
 | 福山東インターと市民病院 |
質問 | 現在、増改築作業が進んでおり、引き続き地域住民の期待を担い得ることを願うが、現在の進入路だけで処理できるのか。安全性を確保した検討が必要ではないか。 | 答弁 | 現在、駐車場を含め周辺整備の検討を行っており、路線バス、タクシー、来院者などの進入路は安全性を確保する視点で検討していく。 救命救急センターは、広域エリアを対象とした計画であり、供用開始後は山陽自動車道などを利用した救急搬送の件数増加が予測されるため、高速道路を利用した救急搬送車両の進入路のあり方などスムースな救急車の搬入ができるよう、道路整備について検討をしていく。 |
質問 | 旧そごう建物の利用では、一部を児童館や女性センターにという声が多くの市民から出されていたが、書道美術館という要望はどのような形で、いつ出たのか。浄財を基金として、独立した施設を検討してはどうか。 | 答弁 | 本市出身の書家から所蔵品の寄贈と、別の篤志家から商業施設内に書道美術館整備の経費を寄付するとの申し出があり、本市としても多くの集客が望める商業施設との相乗効果を期待し設置するもの。書道美術館の要望は、美術館建設構想時からで、その後多くの書道関係者からギャラリー不足とあわせ要望があったもの。独立した施設にすることは、展示面積としても、規模も大きくなり工事費が大幅に増額し、建築場所に苦慮するなど課題がある。 文字、活字離れが進んでいるときこそ、書に特色を持つ福山が「書の町福山」として全国に発信するチャンスと考えている。 |
 | 福山高等学校少林寺拳法部 |
質問 | 12年度から併設型中高一貫教育の実践研究事業の指定を受け研究を進めているが、成果、課題の把握や今後のスケジュール、導入時期、またクラブ活動の活性化策は。 | 答弁 | 今年度は、ビジョンを基に併設型中学校と高等学校の接続を重視した特色ある教育課程編成の研究に取り組んでいる。導入は、教育内容面の研究とあわせて学校運営面、入学者決定のあり方など調査・研究も行う必要があり、年内を目途に中高一貫教育の実施にかかわる意思決定を行いたい。 学校全体を活性化させ、市民の夢や希望を集める学校として発展させるためには、部活動強化は重要な要素と考えている。全国大会で優勝した少林寺拳法部にかかわる取り組みなどを参考に、重点的な部活動の育成策、競技力向上策にも取り組みたい。 |
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