平成16年度における国の予算編成は,「三位一体の改革」の名のもとに,本来あるべき国・地方を通ずる構造改革とは異なり,国の財政健全化方策に特化されたものと受け取らざるを得ず,著しく地方の信頼関係を損ねる結果となりました。 こうした中,政府においては,去る6月4日に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」が閣議決定され,「三位一体の改革」に関連して,おおむね3兆円規模の税源移譲を前提として,地方公共団体からの具体的な国庫補助負担金改革を取りまとめることが要請されたところであります。 地方六団体は,この要請に対し,去る8月24日に,国と地方公共団体の信頼関係を確保するための一定条件のもとに,地方分権の理念に基づく行財政改革を進めるため,税源移譲や地方交付税のあり方,国による関与・規制の見直しに関する具体例を含む「国庫補助負担金等に関する改革案」を政府に提出したところであります。 よって,政府(国)におかれては,三位一体の改革案の全体像の審議に当たっては,次の前提条件を踏まえることを強く要望します。 1.国と地方の協議機関の設置 地方の意見が確実に反映することを担保するため,国と地方六団体との協議機関を設置することをこの改革の前提条件とすること。 2.税源移譲との一体的実施 今回の国庫補助負担金改革のみを優先させることなく,これに伴う税源移譲,地方交付税措置を一体的,同時に実施すること。 3.確実な税源移譲 今回の国庫補助負担金改革は,確実に税源移譲が担保される改革とすること。 4.地方交付税による確実な財政措置 税源移譲額が国庫補助負担金廃止に伴い財源措置すべき額に満たない地方公共団体については,地方交付税により確実な財源措置を行うこと。 また,地方交付税の財源調整,財源保障の両機能を強化するとともに,地方財政全体及び個々の地方公共団体に係る地方交付税の所要額を必ず確保すること。 5.施設整備事業に対する財政措置 廃棄物処理施設,社会福祉施設等は,臨時的かつ巨額の財政負担となる事業であることから,各地方公共団体の財政規模も考慮しつつ,地方債と地方交付税措置の組み合わせにより万全の財政措置を講じること。 6.負担転嫁の排除 税源移譲を伴わない国庫補助負担金の廃止,生活保護費負担金等の補助負担率の切り下げ,単なる地方交付税の削減等,地方への一方的な負担転嫁は絶対に認められないこと。 7.新たな類似補助金の創設禁止 国庫補助負担金改革の意義を損ねる類似の目的・内容を有する新たな国庫補助負担金等の創設は認められないものであること。 8.地方財政計画作成に当たっての地方公共団体の意見の反映 地方財政対策,地方財政計画の作成に当たっては,的確かつ迅速に必要な情報提供を行うとともに,地方公共団体の意見を反映させる場を設けること。 上記のとおり,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。 2004年(平成16年)9月27日 福山市議会 |