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決議・意見書の審議結果(2008年12月定例会分)

印刷用ページを表示する 掲載日:2008年12月22日更新

決議・意見書の審議結果

12月定例会において,議員提案による次の意見書を可決しました。
意見書は,福山市議会の意思として,その実現に向け次のとおり送付しました。
インターネット地図情報提供サービスにおける地域安全
に関する意見書

 地図情報にあわせてその地点の実写画像を提供する企業は既に複数登場していますが,米グーグル社の日本法人は,本年8月「Street View」と銘打って,国内12都市の地図情報と写真情報を組み合わせたインターネットによる情報提供サービスを始めました。
 このサービスでは,場所を特定すると360度のパノラマ画像で閲覧でき,提供される画像には,民家やその家庭の私物,車,敷地内の様子,通行人や自宅内にいる人の姿等が写り込み,自動でぼかすとされた人の顔が判別できるものや,車のナンバー,表札の文字が読み取れるものもあります。
 本来公表されたくない個人の私的行為や撮影を禁止されている場所の画像も公開されるなど,登場間もないにもかかわらず,既に大きな波紋が起きています。また,撮影場所が特定できる状態で長期間画像がさらされることも大きな問題です。
 そもそもこれらの情報は,本来被写体本人などの了解や社会的に許容される理由があって初めて撮影可能となるものであり,ましてやその公開は個々の利益や安全などを慎重に検討して初めて許容されるものと言わなければなりません。本人の申し入れにより画像を削除する仕組みが取り入れられているとはいえ,一方的な撮影とその公表は法律に違反しているおそれもあります。
 既に,地方自治体の申し入れによって,私的撮影が禁止されている箇所の画像が削除されたり,東京都町田市議会では10月9日,実態調査や法整備などを国や関係機関に求める「地域安全に関する意見書」を賛成多数で採択しました。そこでは,「空き巣や振り込め詐欺等の犯罪に悪用される危険性,児童生徒の通学路や教育施設等に防犯上の不安を生むとする声もある」と指摘しています。
 新しい情報技術は,社会に多くの利益をもたらしてきました。しかし,その便利さは,人々の幸せと人権に配慮して初めて有用と言わなければなりません。
 既に社会に適応しつつあるとはいえ,さまざまな危険と波紋をはらんでいることはこれまでの経験から明らかであり,この経験を新しい情報技術の発展に生かさなければならないことは,社会的ルールとなっているのではないでしょうか。
 海外では,欧州連合がグーグルの「Street View」に懸念を表明し,非公開の国が多く,一部の国で観光地や大通りの公開にとどめるなどしており,居住地域への影響のない配慮がなされています。アメリカではプライバシー侵害の裁判も行われています。
 こうした中,同社は日本国内において今後さらに対応都市を拡大していくことを表明しており,決して他都市の問題ではありません。
 よって,政府(国)及び広島県におかれては,次の事項を講ずるよう強く要望します。

1.当該サービスにつき国に寄せられた意見の実態調査を初め,現状把握に努めること。
2.国民に広く必要な広報活動を行うこと。
3.住居専用地域の公開の適否につき,国民の意見聴取の上,事業者に対する指導を行うこと。
4.個人や自宅等を無断で撮影し,無断で公開する当該サービスについては,都道府県迷惑防止条例の迷惑行為として加えることを検討すること。
5.必要に応じて法整備を行うこと。

上記のとおり,地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

2008年(平成20年)12月22日 

                             福山市議会

(提出先)

内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣

経済産業大臣

衆議院議長

参議院議長
広島県知事

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