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【親善友好都市】 タクロバン市(フィリピン共和国・レイテ州)
<目次>
提携日
1980年(昭和55年)10月19日
1 概要
タクロバン市は、東ビサヤ地方(地域VIII)に属するレイテ島北東部に位置し、マニラから南西へ約580キロの距離にあります。
東ビサヤ地方の中核都市で、レイテ島とサマール島を結ぶ玄関口として、カンカバト湾およびサンファニコ海峡に面しています。両島を結ぶサンファニコ橋は、フィリピン有数の長さを誇る名所です。
スペイン統治時代には重要な港町として栄え、第二次世界大戦中にはフィリピン・コモンウェルス政府の臨時首都が置かれるなど、豊かな歴史を有します。2013年の台風ヨランダによる甚大な被害から復興を遂げ、現在は「希望の街」として知られています。現在も、商業・教育・文化・行政の中心地として発展を続けています。
サングヤウ祭![]() |
コンベンションセンター(アストロドーム)![]() |
サンファニコ橋![]() |
サントニーニョ記念館・文化遺産博物館 |
人口
259,353人(2024年国勢調査)
面積
201.72平方キロメートル
時差
-1時間
(日本が1時間早く進んでいる)
気候
フィリピン気象庁(PAGASA)によると、タクロバンの気候はタイプ2とタイプ4の中間に分類され、明確な乾季がなく、年間を通して比較的均等に雨が降るのが特徴です。特に降雨量が多いのは通常7月から12月で、降雨パターンはラニーニャ現象やエルニーニョ現象の影響を受けます。
※タイプ2、4とは、フィリピン気象庁が定めた4つの気候区分
アクセス
飛行機
マニラ(ニノイ・アキノ国際空港)からタクロバン(ダニエル・Z・ロムアルデス空港)までの所要時間は、約1時間15分です。
セブからの所要時間は、平均45分で毎日直行便が運航しています。
車
サンファニコ橋を経由し、タクロバン市中心部からサマール島までの所要時間は、車で約20分です。
船
市の港では近隣諸島との旅客フェリーや貨物船が運航されており、レイテ港やサマール港からは高速船も利用できます。
市章
タクロバン市の公式市章は、市のアイデンティティを象徴するもので、1952年6月20日に共和国法760号により市が設立された際に、その意味が定められました。
市章には、次のような象徴的要素が込められています。
- 右側:タクロバン市が位置するレイテ島を表しています。
- 左側:農産物や海産物の主要供給地であり、市の農業生産を補完し商業の安定に寄与するサマール州を象徴しています。
- 中央:美しいサンファニコ海峡が描かれています。
- ガレオン船:フィリピンで最初のキリスト教ミサが行われたリマサワ島を発見した、フェルディナンド・マゼランの船を表しています。
2 主な産業
製造業
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東ビサヤ地方の製造業の中心地タクロバン市の製造業は、市の経済を支える重要な分野で、工業製造や食品加工、中小企業など多岐にわたります。市内には、コカコーラ ビバレッジズ フィリピン社の大規模なボトリング工場や、サンミゲル ブルワリー社の生産拠点があります。また、地元の事業者が食品加工、資材製造、手工芸品の制作などを手がけ、地域産業の発展に貢献しています。 |
金融機関
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東ビサヤ地方の金融拠点タクロバン市は、地域の貿易と産業の中心地として広く知られています。第三次産業は、銀行・金融機関をはじめ、卸売・小売、交通・通信、各種サービス業などで構成されています。2023年時点で、市内には187の銀行・金融機関があり、これにより市の活発な経済活動と充実した金融サービスが支えられています。 |
卸売業と小売業
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東ビサヤ地方の小売・商業の中心地タクロバン市では、卸売・小売の両分野が経済の大きな原動力となっており、その戦略的な立地と人口規模を背景に、地域の商業中心地として機能しています。市内には、主要ショッピング施設である、ロビンソンズ プレース タクロバン、ロビンソンズ ノース タクロバン、ガイサノ キャピタル、メトロ ガイサノ、プライマーク タウンセンター、セーブモア タクロバン等があり、多くの小売店、スーパーマーケット、飲食店、映画館、レジャー施設が集まっています。これらは地元住民だけでなく観光客にも広く利用されています。これらの商業施設は、地域の商取引を活性化し、雇用創出や屋台・ポップアップイベントを通じた中小事業者の支援を行うことで、タクロバン市が東ビサヤ地方の小売業の中心拠点となっています。 |
3 伝統工芸
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・タクラブ(魚籠) タクラブ(taklub)は、竹やラタンを編んで作られた円すい形の伝統的な魚捕りかごで、沿岸部や河川沿いに暮らすワライ族の漁師たちに古くから用いられてきました。魚やカニが入りやすく、逃げにくい構造が特徴で、編み職人の高い技術と工夫が凝らされています。タクラブは実用的な漁具であると同時に、タクロバンの漁業の歴史と海との深い結びつきを象徴する文化的シンボルでもあります。 |
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・バニッグ織り タクロバン市内で作られているわけではありませんが、近隣のサマール州バセイで手織りされる「バニッグ(banig)マット」は、市内で特に人気の高い伝統工芸品です。ティコッグ草を素材に作られたこの敷物は、鮮やかな色彩と緻密な模様が特徴で、寝具や装飾品として広く利用されています。タクロバン市の市場やお土産店は、こうしたバニッグの職人たちの製品をより広い市場へとつなぐ重要な役割を果たしています。 |
4 名所
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サンファニコ橋1973年に完成したサンファニコ橋は、レイテ島とサマール島を結ぶ全長約2キロを超える橋で、フィリピンでも最長クラスの橋のひとつです。優美な鉄製アーチからは、ターコイズブルーの海や小島、緑豊かな海岸線を一望でき、重要な交通手段でありながら人気の観光地でもあります。現在この橋は、両方の島の永続的な結びつきを表すものとして、多くの人に親しまれています。 |
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サントニーニョ記念館・文化遺産博物館マルコス政権時代に大統領別荘として建てられたサントニーニョ記念館・文化遺産博物館は、現在タクロバンで最も訪問者の多い名所のひとつです。館内には、宗教的遺物、アンティーク家具、美術品、文化的工芸品など多彩なコレクションが収められており、市の守護聖人であるサントニーニョに捧げられた礼拝堂もあります。この博物館は、当時の豪華な生活様式を伝えるとともに、タクロバンの歴史と文化を保存する役割を果たしており、文化的な宝物であると同時に、過去を垣間見ることができる場所となっています。 |
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日本のマドンナ像タクロバンのマグサイサイ大通り沿いある「日本のマドンナ」は、平和と日比の恒久的な友情を象徴するモニュメントです。1970年代に日本からの寄付で建立され、美しいマドンナ像がカンカバト湾を見下ろす公園の中に立っています。この場所は、静かな休息の場として利用され、訪れる人々に両国の和解と友好がこれからも続いていくことを伝えています。 |
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タクロバン市コンベンションセンター(アストロドーム)湾岸エリアに堂々と建つタクロバン市コンベンションセンター(通称アストロドーム)は、東ビサヤ地方でも最大級の多目的施設のひとつです。コンベンションやコンサート、トレードフェア、スポーツイベント、大規模な地域集会などが定期的に開催されています。 単なるイベント会場としてだけでなく、2013年の台風ヨランダの際には数千人の住民が避難した歴史的な場所としても知られています。現在も、都市の復興力の象徴であるとともに、商業・文化・市民生活の中心拠点としての役割を果たしています。 |
5 イベント
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サングヤウ祭(6月)毎年6月に開催されるサングヤウ祭は、色とりどりのパレードや活気あふれるコンサート、文化的なイベントが一か月間にわたって繰り広げられる、タクロバン市を代表する祭りです。2008年に復活したこの祭りの名前「サングヤウ」は、ワライ語で「告知する」「知らせる」という意味があり、タクロバンの豊かな伝統と祝祭の精神を伝える役割を表しています。祭りではストリートダンスやイルミネーションを施した山車の行列、さまざまなパフォーマンスが行われ、地元住民だけでなく観光客も楽しむことができ、市内で最も注目される年中行事のひとつです。 |
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バリュアン儀式(6月20日)バリュアン儀式は、毎年6月20日に行われる伝統行事で、タクロバン市とサマール州バセイの間で行われたサントニーニョ像の歴史的な交換を再現します。何世紀にもわたる伝統に根ざしたこの儀式は、両地域の信仰や文化的つながり、そして永続する友情を祝うものです。文化的なパフォーマンスや祝祭行事を伴うこの儀式は、タクロバンのフィエスタ(祭り)開幕を告げるとともに、隣接する州との深い歴史的・精神的な結びつきを再認識させる場となっています。 |
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ミス・タクロバンの選考「ミス・タクロバン」は、タクロバンの女性の美しさや才能、文化的誇りを称える毎年恒例のビューティーコンテストです。市内各バランガイ(地区)や団体から参加する出場者は、優雅さ、知性、創造性を披露するさまざまな競技に挑みます。観光振興や地域活動、地元文化の発信の場としても機能し、会場での観覧やメディアを通じて広く人々に知られる、市内で最も注目される年中行事のひとつです。 |
6 教育
タクロバン市には、フィリピン大学タクロバン校、東ビサヤ州立大学、レイテ・ノーマル大学などの主要な教育機関があります。その他に、地域および全国的に認められた12の私立高等教育機関もあります。
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防災と気候変動への適応教育タクロバン市の学校では、災害リスク軽減やサバイバルスキル、気候変動への適応をカリキュラムに取り入れ、学生が緊急時に適切に対応できる力を身につけられるようにしています。これに加え、定期的な地震避難訓練や実践的な緊急対応訓練を通じて、若い世代の間に備えと対応能力を養っています。 |
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環境保護教育タクロバン市の学生たちは、植樹活動やマングローブ再生、沿岸清掃などに積極的に参加し、環境への責任感を育んでいます。これらの実践的な活動はカリキュラムの重要な一部となっており、生物多様性の保全、持続可能な資源利用、地域の生態系を守る重要性を学ぶ機会となっています。目標は、タクロバンの自然環境を積極的に守る次世代の市民を育てることです。 |
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文化遺産の保存教育タクロバン市の学校では、ワライ語の学習や地元の歴史、伝統芸術をカリキュラムに取り入れ、豊かな文化遺産を次世代へ継承しています。学生たちは、民俗舞踊や「シダイ」と呼ばれる詩の学習を通じて、積極的に自らの文化的アイデンティティを守り育てています。この取り組みにより、文化保存は学校生活の中で生き生きとした活動となり、学生たちが文化や歴史を学び、それを大切にする機会をとなっています。 |












