ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 担当部署で探す > 福山道路・幹線道路課 > 第14回 どの道路もあなたのために活躍します!・・・そのカラクリとは?

本文

第14回 どの道路もあなたのために活躍します!・・・そのカラクリとは?

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年2月5日更新

第14回 どの道路もあなたのために活躍します!・・・そのカラクリとは?

 第13回では,整備の必要性の質問に対して路線ごとの印象の違いに着目しました。
 今回(第14回)は,福山道路,福山西環状線及び福山沼隈道路を含む「放射・環状型幹線道路網」が整備されると暮らしがどのように変わるのかという点について,詳しく解説していきます。

渋滞によって低下した“生活の質”

 市内の渋滞に対して課題に感じているのは市民のみなさんだけではありません。
 国,広島県,西日本高速道路(株)等で構成される「広島県道路交通渋滞対策部会(以下,渋滞対策部会)」でも市内の渋滞に対して課題として認識されています。福山市としても,低下した“生活の質”に憂慮しており,その解決に向けて幹線道路網の整備に取り組んでいます。
 下図に,渋滞対策部会で調査・選定された“主要渋滞箇所”,“主要渋滞区間”を示しています。目を引くのは,市内の主要な幹線道路である国道2号,国道313号,国道182号において主要渋滞箇所が連続するなどして主要渋滞区間が広がっている点です。
 また,その他の場所でも主要渋滞箇所が点在しており,その周辺では渋滞によって移動時間が増加したり,渋滞を避ける車が通学路等の生活道路へ流入することで地域の安全が脅かされたりといった“生活の質の低下”が見受けられます。
低下した生活の質

様々な移動が入り乱れる現在の道路事情

 こちらの図では,尾道から笠岡などの都市間の往来を紫,中心部の中の往来をピンクで表現しています。緑は,郊外と中心部の往来を示しており,北部地域,南部地域を例に,郊外に原因する移動経路のいくつかのパターンをイメージ化しています。
 この緑の線は中心部に到着するまで,いくつもの道路を経由しており,各所で紫色,ピンク色の線と交差したり,重なったりしているのがわかるかと思います。特に,本市の代表的な幹線道路である国道2号では,緑色の線,紫色の線,ピンク色の線が重なっています。
 このように,目的の異なる交通が重なりあうことで交通量は増加します。また,その増加した交通が集中するため交差点の流れが悪くなり渋滞などの課題を生じさせています。
様々な移動が入り乱れる現在の道路事情

事業化路線ができたら暮らしはどう変わるの?                                   ※事業化路線:福山道路(3.3km区間),福山西環状線(8.9km区間),福山沼隈道路(4.5km区間)

 福山道路(事業化区間),福山沼隈道路,福山西環状線といった事業化路線が整備されることで,北部地域から市中心部への移動での利用が多い芦田川土手の道路や国道313号の交通は,福山西環状線へ転換し,南部地域から市中心部への移動での利用が多い県道 福山沼隈線の交通は福山沼隈道路へ転換します。このような交通の転換によって,近隣の道路では交通量の減少が期待されます。
 さらに,国道313号の交通が減少すると,その並行路線である国道182号から国道313号に車が流れ,相互に交通が分散するといった副次的な効果も期待できます。
 このように事業化路線が整備されることによって渋滞緩和に繋がるため,地域の生活道路へ渋滞を迂回していた車の減少などにも作用することが期待されます。
事業化路線ができたときの交通の変化
 また,現在主要渋滞箇所が連続し,慢性的な渋滞に悩まされている国道2号では,赤坂バイパスから福山道路(事業化区間)・福山沼隈道路を活用した移動が可能となるため,赤坂バイパス早戸ランプ交差点から府中分かれ交差点の区間において交通量の約3分の1が減少すると予想されています。
 また,(仮称)赤坂インターチェンジから府中分かれ交差点までの所要時間が約10分短縮されると予想されています。
 そのほかにも,山陽自動車道 福山西IC(インターチェンジ)から福山港までの移動時間が15分短縮されると予想されており,経済活動の強化にも繋がると期待されています。
国道2号はどうなるの

改善が期待される箇所と残された課題

 事業化路線が整備されると,それらと関連の深い地域では,交通の転換,交通の分散が図られ,渋滞によって低下していた生活の質を取り戻すことができても,市内の渋滞のすべてが改善されるわけではありません。図のように,国道2号では,現在主要渋滞箇所となっている箇所のうち,府中分かれ交差点から東側についてはこれまでと同様に主要渋滞箇所は残り,渋滞がより明るみになると思われます。
 また,国道2号と同様に主要渋滞箇所,主要渋滞区間が存在する国道313号や国道182号については,福山西環状線によって交通の分散が期待されますが,国道2号と交差する場所で引き続き渋滞することが予想されるため,完全な渋滞の解消にまでは至らないと考えられます。
改善された状況と残された課題

残された課題の解消に必要な「放射・環状型幹線道路網」

 現状の交通の流れからわかるように,目的の異なる交通が重なりあうことで交通量は増加し,渋滞などの課題を生じさせている状況です。
 これらの目的の違う交通を分離することが残された課題を解消するポイントであり,その考え方に基づいた道路ネットワーク計画が「放射・環状型幹線道路網」です。
 内環状線で“中心部”の交通ネットワークを,外環状線で“郊外”の交通ネットワークを強化します。また,放射軸によって各環状線へのアクセスを確保し,さらに郊外地域から外環状線へのアクセスを確保することで「放射・環状型幹線道路網」を構成する道路を結ぶことができます。これにより,それぞれの道路を駆使して移動目的ごとにルートを選択することができるようになるため,これまで重複・交差していた交通が分離することに繋がります。
放射・環状型幹線道路網

すべての道路が手と手をとりあって活躍するように!

 「放射・環状型幹線道路網」が整備されれば,移動目的に応じたルート選択ができるようになり,これまで渋滞によって低下していた生活の質を取り戻すことができます。
 新たな道路を利用することで移動時間が短縮することはもちろんのこと,交通の転換などにより渋滞が解消されることで市内の道路の交通が全体的に分散し,移動がスムーズになり利便性が向上することや,これまで渋滞を迂回する目的で生活道路を利用していた車が減少し,地域の安心・安全が向上します。
 また,経済活動にもいい影響を与えます。市内を移動する時間が短くなれば,これまで渋滞に割いていた時間を他の業務に回せたり,物流が効率化されたりするなど企業の生産性の向上につながると期待されます。
 さらに,災害時にも交通を確保することができます。福山道路は,山陽自動車道の通行止め発生時の代替路として,福山沼隈道路は,県道 福山沼隈線の代替路として利用できるなど災害時であっても安全かつ円滑な交通の確保が期待されます。
 そのため,すべての道路が手と手をとりあって活躍する仕組みとなる「放射・環状型幹線道路網」をネットワークとして整備することが重要です。
放射・環状型幹線道路網のネットワークが機能すると