ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 トップページ > 担当部署で探す > 企画政策課 > 令和3年9月定例市議会 市長説明要旨

本文

令和3年9月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2021年9月7日更新

 本日,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御参集いただき,誠にありがとうございます。
 今回提出しております2021年度(令和3年度)補正予算案を始め,諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。

 始めに,新型コロナウイルスの感染状況についてです。
 8月に入り,本市役所で42人の職員が新型コロナに感染し,2つの職場でクラスターが発生しました。感染確認の直後から,接触者の囲い込みや職場の消毒など初期対応に努めるとともに,全庁で応援体制を整え,市民サービスへの影響を最小限に抑えてきました。現在は疫学調査も終わり,庁舎内での感染は収束したものと考えています。
 感染防止に最大限の注意を払ってきたにもかかわらず,こうした事態に至ったことを重く受け止め,再発防止に向けて「勤務体制・環境の在り方検討委員会」を今月3日に立ち上げました。感染拡大の原因を検証するとともに,各部署に応じた「感染予防の業務計画」を早期に取りまとめ,今後の感染流行に備えてまいります。
 先月,市内では,これまでに経験したことのないスピードで感染が急拡大しました。知事に対しては,限られた医療資源の効果的な活用策について提案してまいりましたが,これを受け,先月末と今月4日に市内に新たな宿泊療養施設が2か所確保されるとともに,酸素ステーションの設置に向けた検討も始まりました。
 今月に入り,感染者数は日々減少傾向にありますが,収束しつつあると言える状況には至っていません。二学期が始まった学校でも新規の陽性が確認されています。気を緩めた途端,一気にリバウンドが起こり,医療提供体制がひっ迫しかねません。これまでの努力を無にしないために,市民の皆様には引き続き感染防止対策を徹底するとともに,自覚ある行動をとっていただくようお願いいたします。
 ワクチン接種については,65歳以上の接種率は,目標としてきた7月末70パーセントを達成し,今月5日時点では87パーセントになっています。また,市民全体では,45パーセントと全国平均を4ポイント近く上回っています。国からのワクチン供給が減少したため,当初の目標からは少し遅れることとなりますが,10月の早い時期までに市民の約7割の方の接種終了をめざします。そして,ワクチンの確保に努め,更なる接種率の向上に取り組んでまいります。

 次に,大雨の対応についてです。
 7月に,本市の一部地域に集中的に降った大雨により,浸水被害が発生しました。その後も,8月には長期間にわたり大雨が降り,また,先日には再び短時間に集中的な大雨が降りました。一部の道路や橋りょうなどで被害が発生しましたが,平成30年7月豪雨以降整備を進めてきた排水ポンプや東深津町の暫定雨水貯留施設などが一定の効果を発揮することで,被害の軽減につながったものと考えています。
 速やかな復旧に取り組むとともに,引き続き,国や県と連携し,河川改修や排水機整備など抜本的な浸水対策を確実にやり抜いてまいります。

 コロナ禍の中,再び市長の重責を担って1年が経ちました。新型コロナ対策に注力しつつ,市民一人一人の「安心」と「希望」の実現という大きな目標をしっかり見据え,市民の皆様との約束である「5つの挑戦」を着実に実行していく中で,都市魅力の創造と人口減少対策に全力で取り組んできました。
 福山駅周辺では,エフピコRiMについて,来年4月のリニューアルオープンに向け改修工事を進めるとともに,駅北口スクエア整備にも取り組んでいます。10月には駅前広場の再編に向けた協議会を立ち上げ,2022年度(令和4年度)の基本方針の策定に向け議論をスタートさせます。
 福山城については,2022年(令和4年)の築城400年に向け,天守外観の復元や博物館のリニューアル,そして夜間景観照明などを着々と進めています。来年1月からは「福山城400年博-FUKUYAMA CASTLE EXPO 2022-」がいよいよ開幕します。また,文化ゾーン内の福寿会館や美術館の喫茶室をリニューアルし,若者や女性が気軽に楽しめるおしゃれな空間に変えていきます。
 地域経済を支える都市基盤の整備については,先月から公募分譲が始まった福山北産業団地第二期事業,福山港ふ頭再編改良事業,そして福山道路や福山沼隈道路の整備などが着実に前進しています。また,2024年度(令和6年度)の本格稼働をめざし,次期ごみ処理施設の建築工事に先月着手しました。
 鞆のまちづくりについては,今年度から山側トンネルの本体工事が始まります。また,町並み保存拠点施設は,来年7月のオープンに向け整備を進めています。
 福山市民病院については,小児救急医療拠点病院として小児科医を増員するなど体制を充実しています。また,2023年度(令和5年度)からの本館建て替えに向け,現在基本設計に取り組んでいます。周産期医療の充実にも取り組み,安心して子どもを産み育てられる医療の拠点機能を強化していきます。
 福山ネウボラについては,相談窓口「あのね」において,今年度からファイナンシャルプランナーによる相談を開始しました。また,ネウボラ相談員によるオンラインでの子育て相談も実施するなど,安心して気軽に相談できる体制を更に強化していきます。
 学校教育については,イエナプラン教育校の「常石ともに学園」,そして特認校の「(仮称)広瀬学園」が来年度開校します。また,再編により,新たに「想青学園」と「新市中央中学校」も来年度開校します。市立小中学校の耐震化と学校図書館のリニューアルについては,2023年度(令和5年度)の計画どおりの完了に向け,着実に取り組んでいます。

 以上に加え,「5つの挑戦」の更なる展開を図るため,新たな施策にも着手していきます。
 本市のばらのまちづくりは,「100万本のばらのまち福山」の達成により,大きな区切りを迎えました。長年御尽力いただいてきた市民や関係者の皆様に,改めて敬意と感謝の意を表します。今後は,思い新たに,2025年(令和7年)の世界バラ会議福山大会に向けて,SDGsの理念に合致する持続可能なばらのまちづくりをスタートさせます。今,世界のばら栽培の新たな潮流となりつつあるのが,無農薬のばらです。日本の気候に合った新品種の無農薬ばらを,福山大会を記念する「未来のばら」として開発するため,本市初となる「ばらの新品種国際コンテスト」を来年度から3年がかりで開催します。そして,これらを市内の公共空間に効果的に植栽していくためのデザイン計画を今年度中に策定し,福山大会に向けて,市民と共に彩り豊かな街の新しい景観づくりに取り組んでいきます。
 まちづくりを支える新たな拠点を,2024年度(令和6年度)の完成をめざし,旧体育館跡地に整備します。多様な主体や知恵がここに集い,今年度中に策定する地域戦略が描く,誰もが生き生きと暮らし続けられる地域づくりを進めていきます。
 スポーツによるにぎわいづくりにも取り組みます。竹ケ端運動公園庭球場については,全国規模の大会を誘致できるよう,2024年度(令和6年度)の完成をめざし,コートの増設などを行います。青少年の競技力向上をめざし,広島新庄高校野球部で監督を務められていた迫田守昭さんを来年度から福山高等学校の野球部監督として招へいします。迫田さんには,市内の中学生の競技力向上や指導者の指導力向上にも携わっていただく予定です。福山から全国大会へ出場する選手の育成に力を注いでいきます。
 デジタル化の推進に向け,今月中を目途に行政分野の実行計画を先行して取りまとめます。また,実行計画の策定を待つことなく,可能なものから実施に移していきます。AIによる案内サービスについて新型コロナのワクチン接種など4分野を先月から追加したほか,高齢者などデジタルに不慣れな方を対象としたデジタルサービス講習会について各地域で順次開催していきます。誰もがデジタル化の恩恵を享受できる社会の実現をめざしていきます。

 次に,今回,議案として提出いたしております2020年度(令和2年度)の企業会計の決算などについて,その概要を御説明申し上げます。
 まず,病院事業会計についてです。市民病院は,第二種感染症指定医療機関として新型コロナ患者を受け入れてきました。地域がん診療連携拠点病院(高度型)の新規指定を受けるなど,医療提供体制の更なる充実にも取り組みました。収支状況については,新型コロナに係る県補助金の大幅な増加により,15億85万円の純利益を計上し,経常収支は13年連続の黒字となっています。引き続き,健全な経営を維持するとともに,備後圏域の基幹病院としての役割を担っていきます。
 次に,水道事業会計については,安心・安全な水を安定的に供給するため,基幹・重要管路の耐震化のほか,中津原浄水場洪水対策工事などを行ってきました。純利益として16億9,602万6千円を計上し,年度末資金残高は約39億円と前年度から増加しました。また,企業債残高は前年度から約15億円減少し,約348億円となりました。引き続き,健全経営に取り組んでいきます。
 工業用水道事業会計については,引き続き純利益を計上しており,今後とも,地域産業の発展を下支えします。
 下水道事業会計については,快適な生活環境の確保に向け汚水枝線管渠埋設工事を進めていきます。また,浸水被害の軽減に向けては,松永町の機織排水区雨水貯留施設の築造工事を行うとともに,手城川流域における内水排除対策として雨水幹線と雨水ポンプ場の設計を実施しています。

 次に,補正予算案について申し上げます。この度は,一般会計と病院事業会計の2会計で補正をお願いしています。
 まず,新型コロナ対策としては,PCR検査などの医療費の公費負担分の増加に対応するほか,行政が実施するPCR検査体制を強化します。一人暮らしの学生に対して,食料品などが入った応援パックを届けます。市内の大学等に在学中の学生と市外の大学等に進学した本市出身の学生が対象となります。また,長期化する新型コロナの影響で経営が困難になっている中小事業者に対しては,最大100万円を支給する応援金を創設し,迅速な支給につなげていきます。
 新型コロナ対策以外では,内海町樋ノ口地区等の浸水被害を受け,再発防止のための対策の検討などを行います。教育環境の充実としては,福山高等学校の部活動施設等の整備に対応するほか,企業や個人からいただいた御寄附を活用して学校図書館の整備を行います。また,竹ケ端運動公園庭球場の屋根の整備に向けた設計のほか,まちづくりの拠点施設の整備手法について調査・検討を行います。債務負担行為としては,まちづくりサポートセンターの運営業務委託や西多治米保育所改築,市民病院立体駐車場整備などを計上しています。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計では21億5,431万2千円の追加となり,全会計では22億331万2千円の追加となりました。

 決算及び予算以外の議案としては,条例案として「福山市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について」など4件,その他の議案として「福山市LED街路灯整備事業委託契約締結について」など9件を提出いたしております。

 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。