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令和4年9月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年9月5日更新

 本日は,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には御参集いただき, 誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。

福山城築城400年について
 始めに,先月27,28の両日,福山城築城400年を祝うイベントを開催したところ,約9万人もの大勢の方に御来場いただきました。天守北側鉄板張りの完成セレモニーに始まり,ライトアップセレモニーや福山城博物館リニューアルオープンなど,「令和の大普請」の完了を祝う特別な日となりました。また,天守最上階には「福山ゆかりの先人」と「名誉市民」を顕彰するパネルも設置しました。2017年(平成29年)の実行委員会設立時から長きにわたり,御支援,御協力をいただきました関係者の皆様,また,御寄附をいただきました市内外の多くの皆様方に心より御礼申し上げます。

新型コロナウイルス感染症について
 次に,新型コロナについてです。本市の新規感染者数は,先月17日に,これまでの最多となる1,427人を数えました。この間,県と連携を密にし,病床の確保など医療提供体制のひっ迫回避に努めてきました。先月24日以降は,新規感染者数が前週を下回る日が続いており,本市の状況は改善傾向にありますが,引き続き注視していく必要があります。社会経済活動を維持していくためにも,市民の皆様には,マスクの着用や換気など基本的な感染予防対策を継続していただくとともに,ワクチンの積極的な接種をお願い申し上げます。

2期目の任期の折り返しを迎えて
(市政運営の基本)

 さて,本日,私に与えられた2期目の任期の折り返しを迎えました。2016年(平成28年)の市長就任以来,「スピード感・情報発信・連携」を市政運営の基本に据え,「5つの挑戦」と,これを発展させる「新5つの挑戦」に全力で取り組んでまいりました。そこには,福山に誇りと輝きを取り戻したいという強い思いがありました。そのために,「福山城」,「鞆の浦」,「ばら」という本市の魅力を高め,全国に発信すること,安心して子育てができる環境をつくること,そして,備後の中核都市にふさわしい都市基盤を構築すること,この3つを政策の基軸に据えて取り組んでまいりました。今では,市政に変化が感じられるとの声もいただくようになりました。これも,市議会を始め,多くの市民の皆様の御理解のお陰と心から感謝申し上げます。

(これまでの成果と今後2年間の取組)
 残りの任期2年間では,市政に感じられるようになった「変化」を「確かな成果」につなげてまいります。
 「5つの挑戦」の「一丁目一番地」に掲げてきた福山駅周辺の再生については,段階を踏んで計画的に進めてきました。すなわち,駅前再生ビジョンの策定を皮切りに,伏見町のリノベーションまちづくり,三之丸町地区の再開発,中央公園のPark-PFI,エフピコRiMのスピード再生,福山城の「令和の大普請」へと続き,今,ウォーカブルエリアの中核に位置付けられる駅前広場が大きく変わろうとしています。2024年度(令和6年度)には基本計画を策定し,交通結節機能と少子高齢社会のモデルとなる広場機能が融合した新たな都市空間を創造してまいります。福山城周辺道路の美装化や電線類の地中化にも継続して取り組み,駅の北と南を一体的につなげ,エリア価値を更に向上させていきます。
 築城400年記念事業も後半に入り,福山城を会場とするイベントが本格的にスタートしました。三流派合同による千人茶会など市民・団体によるイベントや,特別展「水野勝成と徳川四天王」,そして,フィナーレとしては,福山城を光のアート空間に変える「チームラボ福山城」や時代行列,福山とんど祭りなど,来年1月まで多彩な行事を予定しております。
 月見櫓で城泊の実証実験を行うなど,文化財を利活用した更なる魅力の向上にも取り組んでいきます。また,築城記念イベントにゲストとしてお迎えした田村淳(たむら あつし)さんの強い福山城「愛」には感激しました。これを御縁に,福山城に何らかの形で関わっていただきたいと願っています。
 2025年度(令和7年度)の世界バラ会議福山大会に向け,植栽デザイン計画に基づく公園等へのばらの植栽や案内標識の多言語化など,都市環境整備3か年集中対策を進めていきます。そして,大会を成功させ,本市を世界の人々が注目する国際都市へと飛躍させる大きな一歩にしてまいります。また,来年5月に開催されるG7広島サミットは,「平和の発信」を基本方針に掲げており,戦後復興と平和のシンボルである福山のばらとの共通点があります。この機会を捉え,サミット会場を福山のばらで飾り付け,「折りばら」を体験してもらうなど,世界バラ会議福山大会を各国首脳にしっかりアピールしていきたいと考えています。
 希望の子育てについては,子ども医療費助成の中学生までの拡充や虐待の未然防止に向けた子ども家庭総合支援拠点の設置のほか,相談窓口「あのね」を創設し,相談機能の充実にも努めてきました。「あのね」には,創設以来5年間で,累計92,000件の相談が寄せられ,本市で子育てをしたいと考えている人の割合も着実に高まるなど,子育て家庭に寄り添った支援が実を結びつつあります。
 今後は,多様化する保育ニーズへの対応や,仕事と子育ての両立支援などに一層力を注いでいきます。これまでの取組を検証し,「福山ネウボラ」をワンステップ進化させるため,社会福祉審議会や母子保健委員会等で御意見も聴きながら,子育て世代に選ばれる都市づくりを進めていきます。
 都市基盤の強化については,福山港の国際物流拠点としての機能強化をめざし,2023年度(令和5年度)の完了に向けて,箕島地区の整備が進んでいます。また,5年間かけて集中的に取り組んできた抜本的な浸水対策も同じ年に概成します。これまでに整備を終えた排水機場や雨水貯留施設などが既に効果を発揮し,被害の軽減につながっています。引き続き,瀬戸川流域の福川の排水機場や手城川流域の雨水幹線の整備などを進めていきます。
 教育環境の充実に向けて,小中学校・義務教育学校の全教室への空調設置や中学校給食の完全実施などを実現しました。学校施設の耐震化や学校図書館のリニューアルについても,2023年度(令和5年度)中に全て完了します。
 子ども未来館については,今年度中に基本計画を策定します。備後圏域の子どもたちが最新の科学やテクノロジーに触れ,体験を通して主体的に学び成長することができる広域的な教育施設として,人々を呼び込み,にぎわいの創出にもつなげていきます。
 2025年度(令和7年度)の完成に向けて,(仮称)まちづくり支援拠点施設の整備を進めます。新たな地域づくりを担う人材の発掘や育成,多様な人材との交流や連携を促進し,地域活動を支援していきます。
 鞆のまちづくりでは,今年7月,「鞆てらす」がオープンしました。2023年度(令和5年度)には,山側トンネルを含むバイパスの工事が完了する予定です。これにより,まちなかの渋滞が緩和されるとともに,鞆の浦,沼隈,内海,そして松永地域や尾道方面につながる新たな周遊ルートが形成されることになります。また,県と連携して,東西交通・交流拠点の整備にも取り組みます。地域の皆様の御意見も聴きながら,バスや渡船の発着場所のほか,観光客などが集うにぎわいの場や地域の防災拠点として活用していきます。2024年度(令和6年度)には,まず,(仮称)鞆町平地区ふれあい広場が完成する予定です。

(将来を見据えた中長期的な取組)
 以上申し上げた取組に加え,更に先の将来を見据え,新たな視点で地域の活力を引き出す「地域未来ビジョン」の検討にも着手していきたいと考えています。
 私は,これまで,「活力と魅力に満ちた輝く都市」の実現に向けて,まずは,備後圏域の玄関口である福山駅周辺ににぎわいを再生することに最優先で取り組んできました。それは,市内中心部に活力をよみがえらせ,外からヒト,モノ,カネ,情報を呼び込むことで,その活力が周辺部に波及していくと考えたからです。これまでの取組の結果,駅周辺のエリア価値は上昇に転じ,まちづくりの主役も行政から民間にバトンタッチされようとしています。にぎわいは少しずつ,そして確実に戻り始めています。
 今後は,それぞれの「地域」の活力を再生することに一層注力すべきと考えています。本市には個性豊かな「地域」がたくさんあります。これらを共通する物語でつなぎ,そこに魅力を感じ関心を持つ人や企業を呼び込みます。民間の知恵も活用しながら,そこでしかできない体験を通して学び,地域の人々と交流する中で,地域の活力を引き出していきます。元気な「地域」と中心部がつながることで,市域全体の活力を更に高めていきます。
 デジタル社会の到来は待ったなしです。これまでも,市内全域へ光ファイバ網を整備したほか,現在,高齢者に対してスマートフォンの購入から利用までを一体的にサポートしています。また,昨年度には,産業,地域,行政の各分野のデジタル化実行計画も策定しました。
 まずは行政のデジタル化を強力に進めていきます。行政手続のオンライン化やAIチャットボットの充実など,行政サービスの利便性を高めていきます。また,決裁事務等のシステム化による紙文書の大幅な削減や,RPAの導入拡大などによる業務効率化に徹底して取り組むことで,スピード感を持って,多様な市民ニーズに応えていきます。こうした行政のデジタル化がけん引役となって,産業・地域のデジタル化を誘発し,誰もがデジタル化の恩恵を享受できる社会の実現をめざしてまいります。

企業会計決算
 次に,今回,議案として提出いたしております2021年度(令和3年度)の企業会計の決算などについて,その概要を御説明申し上げます。
 まず,病院事業会計についてです。市民病院は,第二種感染症指定医療機関として多くの新型コロナ患者を受け入れてきました。「小児救急医療拠点病院」の新規指定を受けるなど,医療提供体制の更なる充実にも取り組みました。収支状況については,新型コロナに係る県補助金の増加により,17億7,294万1千円の純利益を計上し,経常収支は14年連続の黒字となっています。引き続き,健全な経営の維持に努めるとともに,備後圏域の基幹病院としての役割を担っていきます。
 次に,水道事業会計については,安心・安全な水を安定的に供給するため,基幹・重要管路の耐震化工事のほか,中津原浄水場内の機械設備の更新などを行ってきました。純利益として15億9,034万6千円を計上し,年度末資金残高は約42億円と前年度から増加しました。また,企業債残高は前年度から約13億円減少し,約335億円となりました。引き続き,健全経営に取り組んでいきます。
 工業用水道事業会計については,引き続き純利益を計上しており,今後とも,地域産業の発展を下支えします。
 下水道事業会計については,快適な生活環境の確保に向け,汚水管の埋設工事を進めていきます。また,浸水被害の軽減に向けては,松永町に機織排水区雨水貯留施設を築造するとともに,手城川流域における内水排除対策として雨水幹線と雨水ポンプ場の整備に着手しています。

補正予算案
 次に,補正予算案について申し上げます。この度は,一般会計を含む5会計の補正をお願いしています。
 まず,原油価格・物価高騰対策分としては,介護サービス事業所や障害福祉サービス事業所,私立の保育所や幼稚園などに対して応援金を支給します。市内のバス事業者,タクシー事業者などに対しては燃料費高騰相当分の一部を補助します。また,本庁舎を始めとした公共施設や病院事業などの企業会計についても,光熱費等の高騰に伴い必要となる経費を計上しています。
 新型コロナウイルス感染症対策分では,特別養護老人ホームなどに対し,面会室のゾーニングの費用などを補助します。
 その他としては,企業版ふるさと納税を活用して,市民企画事業を行うため,福山城築城400年記念事業実行委員会負担金を増額します。世界バラ会議福山大会に向けた取組として,植栽デザイン計画に基づくばら苗の生産委託を行います。医療・福祉の充実としては,特別養護老人ホームの施設整備や開設準備経費などを補助するほか,子宮頸がん予防のため,接種機会を逃した方へのワクチン接種を行います。教育環境の充実としては,いただいた御寄附を活用して学校図書館の整備を行います。また,市営住宅の外壁改修や,浸水対策として排水機の整備を行います。債務負担行為としては,植栽デザイン整備事業の追加や,浸水対策として水路維持改良事業の限度額の変更などを計上しています。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計では30億3,932万円の追加となり,全会計では35億1,360万4千円の追加となりました。
 原油価格や諸物価の高騰は,長期にわたり市民生活や経済活動に大きな影響を及ぼしています。このため,国の追加対策の動向を注視しながら,引き続き,生活者や事業者のニーズを把握する中で,必要な支援策を検討してまいります。

その他の議案
 このほか,決算及び予算以外の議案といたしましては,条例案として,「福山市職員の定年等に関する条例等の一部改正等について」など4件,その他の議案として,「(仮称)福山市立大学複合施設新築工事請負契約締結について」など10件を提出いたしております。

 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

 


 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。