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令和4年12月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2022年11月29日更新

 本日,12月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には御参集いただき,誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。

 始めに,新型コロナについてです。今月に入り新規感染者数が600人を超える日もあり,今後の感染拡大に備える必要があります。このため,県と連携し,病床の確保や抗原検査キットを活用した自己検査を推進するなど,医療のひっ迫回避に努めてまいります。また,年末年始等における通常の医療提供体制の確保についても,万全を期してまいります。感染拡大を防止しながら,社会経済活動を維持していくため,市民の皆様には,引き続き,マスクの着用や換気といった基本的な感染予防対策の徹底とワクチンの積極的な接種をお願いいたします。

 先般,第19回世界バラ会議アデレード大会に参加してきました。そして,次期開催地として,日本ばら会理事長とともに福山大会を広くPRしてきました。本市のばらのまちづくりが戦後復興と平和の象徴であることや,多くの市民がばらを育ててきたというメッセージが参加者の感動を呼んだものと受け止めています。また,MICEの運営や受入環境なども視察してきました。アデレード市では,世界から訪れた人々が快適に過ごせるよう,施設のバリアフリー化や支払のキャッシュレス化のほか,案内板のピクトグラム表示などが整っていました。また,公園内の花壇では,傾斜を生かしてばらを立体的に見せるなど,魅力的な空間の演出がなされていました。個人のばら園の開放や歴史的な建物を活用した特別感のあるおもてなしなど,楽しく過ごせる工夫もされていました。今後は,本大会で得た成果を本市のばらのまちづくりに生かすため,公園等へのばらの植栽や外国人観光客の受入環境の充実など,都市環境整備を着実に推進してまいります。

 次に,福山城築城400年記念事業についてです。今年1月にスタートした福山城400年博は,いよいよ最終章に入ります。来月2日からはフィナーレイベントとして「チームラボ 福山城 光の祭」が始まります。デジタル技術を駆使して,福山城を人々の動きに合わせて光が変化するアート空間に変え,訪れた人々を幻想的な世界へといざないます。また,福山通運株式会社様と公益財団法人渋谷育英会様の御厚意により,市内の小学生全員を招待することといたします。是非,多くの方々に御来場いただきたいと思っています。
 そして,来年1月9日には,「福山とんど祭り」と併せ,「時代行列」を実施します。福山城にゆかりのある武将などに扮した参加者が福山の街を練り歩き,福山城400年博のクライマックスを迎えます。
 福山城博物館の入館者数も,今月18日に5万人を超えました。これは,リニューアル前と比較し,1日当たりで3倍近い数であります。市民の皆様の福山城への誇りと愛着の高まりを感じています。引き続き,福山城の価値を,そして魅力を全国に発信していきます。

 次に,福山駅周辺の再生についてです。今月14日から28日までの間,JR福山駅前の一部を人が集う広場として開放する実証実験を行いました。人工芝を敷き,テントや椅子を設置した空間には新たな人の流れが生まれ,キッチンカーや高校生によるフリーマーケットなども出店されました。市民の皆様には,憩いや交流の場としての広場の活用イメージを持っていただけたものと考えています。また,広場の開放に伴い,タクシーの乗降場や待機所の配置を変更し,離れた場所から配車される新たな方式も試行しました。今後は,アンケート調査なども踏まえ,ウォーカブルなまちづくりを一層進めていきます。
 また,福山駅周辺の4つのエリアを再生するプロジェクトの愛称を募集したところ,先週末までに700件を超える応募がありました。来年2月の公表に向け選定を進めていきます。

 来年4月22,23の両日,人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のコンサート「ももクロ 春の一大事2023」の本市での開催が決定しました。本イベントは,全国から多くのファンが来場する経済効果の高い地域活性化事業として国からも表彰されており,中国地方では初の開催となります。この機会を通じて,ばらや福山城,そして鞆の浦など本市の魅力を発信し,知名度の向上や更なる誘客につなげていきます。

 次に,「(仮称)宮澤喜一記念館」についてです。昨年11月,地元から,2019年(令和元年)に故宮澤喜一様が生誕100年を迎えたことを機に,「はきもの資料館」内に記念館を設置してほしいとの要望がありました。
 本市の名誉市民である宮澤様は,1953年(昭和28年)に参議院議員に初当選し,1967年(昭和42年)からは衆議院議員として活躍されました。1991年(平成3年)には,本市出身として初となる第78代内閣総理大臣に就任されるなど,50年にわたり国政をリードし,我が国の戦後復興と経済成長をけん引されました。日本鋼管福山製鉄所の誘致や新幹線博多開業に伴う福山駅高架化など,本市の経済発展の基盤づくりにも大きな貢献をいただいています。新年度には,その功績を広く伝えるための記念館の整備に着手したいと考えています。

 先月,新年度の予算編成方針を発表しました。2023年度(令和5年度)には,三之丸町地区の再開発や福山北産業団地第二期事業,鞆町の山側トンネル工事などが完了し,まちの景色が大きく変わります。抜本的な浸水対策や市立小中学校の耐震化の完了など,安心・安全な生活環境も整います。これらを確実にやり抜くための予算を確保してまいります。
 また,福山ネウボラを強化するとともに,高齢者や障がいを持たれる方など誰もが安心して暮らせる「人に優しいまちづくり」,地域の個性や資源を磨き上げ,人や企業を呼び込む「地域の活力再生」,そして社会のデジタル化をけん引する「行政のデジタル化」,これら3つの「重点推進枠」を設け,予算を集中的に配分していきます。
 さらに,「新型コロナウイルス感染症対策」,「原油価格・物価高騰対策」などについても「特例枠」を設けます。

 新年度の財政見通しとしては,固定資産税などの市税や地方消費税交付金,地方交付税が増加するものの,臨時財政対策債が大きく減少することなどから,歳入全体では今年度を下回るものと見込んでいます。一方,歳出では,社会保障関係費が引き続き増加することに加え,原油価格・物価高騰の影響により光熱費が増加するほか,ごみ処理施設建設などの都市基盤整備や社会のデジタル化などの経費も増加することから,全体として今年度を上回るものと見込んでいます。それらの結果,現時点では,大幅な財源不足が見込まれる厳しい状況にありますが,こうした中にあっても,福山みらい創造ビジョンに掲げる安心と希望の都市の実現に向けた諸施策については着実に実施していかなければなりません。このため,特に経常的な経費の節減や事務事業の見直しなどに取り組み,財源を必要な事業へ集中します。また,総合的な財源確保策にも引き続き取り組み,持続可能な財政を維持してまいります。

 次に,補正予算案について申し上げます。この度は,一般会計を含む8会計の補正をお願いしています。
 まず,新型コロナ対策としては,医療機関が実施するPCR検査や入院医療費の増加に対応します。
 新型コロナ対策以外では,天野肇様からいただいた御寄附を活用し,福山市スポーツ協会において,国際的な舞台で活躍するアスリートの発掘や指導者の育成等の事業費に充てるための基金を創設します。認定こども園などの児童数が見込みを上回ったことによる給付費の増加に対応するほか,条例に基づく財政調整基金の積立てなどを行います。また,ごみ処理施設について,物価高騰による工事費の増加に対応します。
 このほか,債務負担行為として,ごみ処理施設整備事業や「ももいろクローバーZ」のライブイベント事業費負担金,病院増改築事業などを計上しています。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計では55億8,647万6千円の追加となり,全会計では60億3,277万2千円の追加となりました。

 予算以外の議案としては,条例案として「福山市支所設置条例の一部改正について」など15件,その他の議案として「排水施設機械設備工事(八尋地区)請負契約締結について」など6件を提出いたしております。

 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

 


 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。