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令和6年第1回福山市議会定例会 市長総体説明

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年2月16日更新

 先ほどは,「福山市手数料条例の一部改正について」を御可決いただき,ありがとうございます。
 ただ今,御上程になりました「令和6年度福山市一般会計予算」を始め,諸議案の御審議をお願いするに当たり,新年度における市政運営の基本方針と予算案の大要について御説明申し上げます。

 始めに,「令和6年能登半島地震」で被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 本市では,発災直後から広島県等と連携し,医療支援として福山市民病院から医師等を派遣したほか,給水,水道管の応急復旧,住家被害認定調査等のための職員派遣を行ってきました。
 引き続き,被災者の皆様が一日も早く日常を取り戻せるよう,できる限りの支援をしてまいります。

 

1 市政運営の基本方針
 市政運営の重責を担って7年半が経ちました。この間,平成30年7月豪雨災害や新型コロナによる感染症危機もありましたが,「スピード感・情報発信・連携」を市政運営の基本に,市民の皆様の声を大切にしながら「5つの挑戦」に一心に取り組んでまいりました。戦後復興と平和への願いを込めた本市のばらのまちづくりが世界に認められ,世界バラ会議福山大会の誘致に成功し,また,福山城築城400年を多くの皆様と共に盛大に祝うこともできました。
 これ以外にもまいてきた種が,今,大きな花を咲かそうとしています。抜本的な浸水対策を始め,全ての市立小中学校の耐震化,三之丸町地区の再開発,福山北産業団地第2期事業など,安心と成長を支える都市基盤が整います。また,子ども医療費助成制度の拡充やスマート保育の導入,放課後児童クラブの開設時間延長など,福山ネウボラによる子育て支援の強化も着実に進めてきました。
 今後,少子高齢化や人口減少は更に進むと考えられますが,そのような状況にあっても,都市の活力は何としても維持しなければなりません。備後の中核都市としての役割を果たしつつ,活力と魅力に満ちた都市づくりを進めていくことが我々世代の責任であると考えています。
 新年度は,これまで築き上げてきた都市基盤の上に立ち,「未来に向けた新たなステージへ」と確かな一歩を踏み出す重要な年となります。新年度予算を「安心と希望のための挑戦予算」とし,引き続きハード事業にも一定の予算を確保しながら,未来への投資としてのソフト事業に予算を重点的に配分しました。予算の円滑な執行を通して,「あらゆる世代が輝く魅力あふれるまちづくり」,「安心・安全で快適に暮らすことができるまちづくり」,そして「新しいまちづくりの基盤となるデジタル化の推進」の「3つの未来づくり」に果断に挑戦してまいります。

 

2 あらゆる世代が輝く魅力あふれるまちづくり
 第1の「未来づくり」は,「あらゆる世代が輝く魅力あふれるまちづくり」の挑戦です。
 都市の活力の源は「人」です。少子化が進行し,若者の転出超過が続けば,都市の活力の低下を招きかねません。若者が地元に残りたい,この地で子育てがしたいと思える社会を構築します。
 このため,未来を担う子どもと子育て世代への支援を最重要施策に位置付け,社会全体で子どもを支えていく「こどもまんなか」を推進します。進学期と就職期における若者の転出を抑制するため,高等教育の選択肢を増やし,若者の働く場の確保に努めます。また,都市の活力を支える地域経済や都市基盤の強化にも取り組み,住み続けたいと思える魅力ある都市をつくり上げていきます。

 

(1)子ども・子育て支援
 始めに,子ども・子育て支援について申し上げます。
(福山ネウボラの更なる強化)
 まず,「3つの『負担軽減』」に取り組みます。1つ目は,第2子以降の保育料無償化による経済的負担の軽減です。保育料の多子計算に係る制限も撤廃します。これは,昨年から始めたSNSによるアンケートに寄せられた多くの市民の声に応えるものです。この結果,中四国地方の中核市の中でも,低い水準の保育料となります。2つ目は,不妊治療費助成の拡充です。治療1回当たりの上限をこれまでの5万円から10万円へと倍増します。3つ目は,仕事と子育てをしていく中で生じる心理的・肉体的な負担の軽減です。「グリーンなものづくり企業プラットフォーム」の取組や男性の育児休業を推進する企業への奨励金の創設等を通じ,中小企業の働き方改革を進め,共働き・共育てを支えます。
 また,新たに,未婚化・晩婚化への対応として,若者の意向も踏まえながら結婚を希望する人たちのための出会いの場を創出します。
 子ども・子育て支援を考えていく上で私が何よりも大切にしたいのは,当事者の声です。このため,来月24日に「子ども未来づくり100人委員会」を立ち上げます。1年程度をかけて議論を深め,出された意見は福山ネウボラ第2ステージの指針となる「こども計画」にしっかりと反映いたします。
(子どもの学びの充実)
 学びの充実に向けては,学校・家庭・地域が連携して,子どもたちの確かな学力と豊かな感性を育みます。
 このうち,学校教育については,一人一人の理解度に応じた学びや個性を大切にした学びを提供するため,デジタル技術を積極的に活用した授業づくりに取り組みます。また,イエナプラン教育校や特認校など多様な学びの場も充実します。地域の創意工夫を生かした特色ある学校づくりと地域の活性化をめざすコミュニティ・スクールの導入も進めます。
 広島交響楽団と京都市交響楽団による定期演奏会に,新たに中学2年生全員を招待します。オーケストラがその拠点から出て定期演奏をするのは全国初です。ホンモノの芸術文化を体験させてあげたいと,小学4年生をふくやま美術館へ,小学5年生をばらのまち福山国際音楽祭へ招待してきたこれまでの本市独自の取組を更に広げていくものです。
 「(仮称)子ども未来館」については,整備地を決定し,整備事業者の公募・選定の準備に入ってまいります。

 

(2)未来を支える若者支援
 次に,未来を支える若者の支援策について申し上げます。
(福山市立大学の学部新設)
 地方から東京圏への人の流れが再び加速しており,本市も同じ状況にあります。この流れを変えるには,本市における進学と就職の選択肢を増やさなければなりません。
 このため,若者の進学ニーズも高く,産業界からの要望も強い情報工学系学部を福山市立大学に新設します。新年度は,基本構想に基づくカリキュラムの作成や教員の募集を開始します。また,名誉市民である小松安弘様から多額の御寄附をいただき,整備を進めてきた複合施設が今年5月に完成します。「小松安弘記念館」と命名し,御功績を後世に長く顕彰してまいります。
(若者の地元就職支援)
 転出超過が特に多い20歳から24歳までの女子学生の地元就職を支援するため,新たに企業との交流会を開催します。また,東京圏の学生が市内企業に就職する動きは依然鈍いため,今後は広島県との連携を強化しながら市内就職促進策を再構築していきます。

 

(3)活力ある地域経済の実現
 次に,活力ある地域経済を実現します。
(グリーンなものづくり企業の成長促進)
 昨年12月に立ち上げた「グリーンなものづくり企業プラットフォーム」の取組を本格化させ,先端的な環境技術の導入や女性・障がい者等の雇用促進,働きやすい職場づくりなどを市内の中小企業へ広げていきます。先行的に取り組んでいる企業がそれぞれの分野をけん引し,事例の共有や共同研究などをリードします。こうした取組により,企業の競争力強化や価値の向上,そして人材の確保につなげていきます。
(新たな産業用地の創出)
 新たな産業用地も創出します。福山北産業団地第2期事業に続く産業団地の造成に向け,適地調査などを行います。また,大胆な規制緩和により,市街化調整区域における既存工場の拡大と,インターチェンジや幹線道路周辺での工場の新規立地を促進します。さらに,地域未来投資促進法による用地の創出にもスピード感を持って取り組み,企業の旺盛な投資意欲に応えていきます。
(地域経済を支える都市基盤づくり)
 地域経済を支える都市基盤づくりも推進していきます。国道2号などの幹線道路における慢性的な渋滞を解消するため,福山道路,福山沼隈道路,福山西環状線の整備を引き続き促進していきます。特に,神辺水呑線の高架道路の新規事業化に向けて,期成同盟会の体制を備後圏域の全市町に拡大するなど取組を強化していきます。
 福山港については,箕島地区岸壁の2025年度(令和7年度)暫定供用に向け,整備を促進します。また,内港地区の埋立てについては,地元関係者の声を丁寧に聴きながら,国や県とも連携して,事業スキームを含め,事業の実現可能性を検討していきます。
(農林水産業の振興)
 農林水産業の振興についてです。福山地方卸売市場は,取扱量が中四国地方で3番目の規模の拠点市場ですが,開設から既に50年が経過し,老朽化が進むとともに,コールドチェーン化などへの対応も急務となっています。今後も,圏域70万人の食生活の安心・安全を支え,地域の農業・漁業の振興を促すという市場の公益性・重要性は維持していかなければなりません。選ばれる市場となるよう,卸売市場と役割分担をする中で再整備を支援していきます。
 道の駅「アリストぬまくま」については,鞆未来トンネルの開通も見据え,南部地域の活性化の拠点施設として備えるべき機能など再整備の方向性について検討していきます。
 また,漁場環境の改善をめざしてクラゲ駆除の実証事業や海底耕うんなどを行うほか,土砂災害の防止にもつながる森林整備を推進します。

 

(4)都市魅力の創造
 次に,都市魅力の創造について申し上げます。
(福山駅周辺のにぎわい創出)
 備後圏域の玄関口である福山駅周辺のにぎわい再生については,「5つの挑戦」の一丁目一番地として取り組んできました。
 福山城築城400年記念事業においては,天守北側鉄板張りの復元が大きな話題となり,城全体のライトアップによって新たな価値と魅力が福山城に備わることになりました。伏見町のリノベーションまちづくりや中四国地方初となる中央公園Park-PFI事業も,新たなにぎわいを生み出してきました。また,「iti SETOUCHI(イチ セトウチ)」は,事業者のチャレンジの場として利用されています。来月末には旧キャスパ等跡地の三之丸町地区優良建築物等整備事業が完了し,9月にはグランドオープンを迎え,福山駅前の景色が大きく変わります。
 新年度は,いよいよ駅前広場の再整備に取り掛かります。基本計画を策定し,交通結節機能と都市の広場機能が融合するウォーカブルな空間に変えていきます。また,ナイトタイムエコノミーの基本方針を今年度内に策定します。そして,その中核的事業として「福山城キャッスルステイ(城泊)」を今年6月から本格実施するなど,福山城の新たな魅力を観光振興の柱の一つとしていきます。
(地域の活力再生)
 地域の活力再生にも取り組みます。
 神辺駅周辺と松永駅周辺のにぎわいづくりについては,地域住民などによる協議会をそれぞれ立ち上げ,福山駅周辺の取組とも連携しながらビジョンを策定していきます。
 鞆のまちづくりについては,鞆未来トンネルの開通に併せ,「鞆地区東西交通・交流拠点」や「(仮称)鞆町平地区ふれあい広場」の整備に取り組み,住民の安心・安全な暮らしの実現と観光誘客の拡大をめざしていきます。
 地域の活力を維持・再生するためには,多世代の交流や多様な主体との新たな連携が重要です。その拠点となる「(仮称)まちづくり支援拠点施設」については,2026年(令和8年)4月の供用開始をめざし,建設工事に着手します。
(世界バラ会議福山大会の成功に向けた取組)
 新年度は,世界バラ会議福山大会の開催準備の総仕上げの年です。本市が国際都市へと名乗りを上げる初めての挑戦であり,SDGsの理念を体現した「持続可能なばらのまち」を世界に発信する絶好の機会となります。
 大会1年前となる今年5月には「ROSE EXPO」のプレイベントを開催するなど節目節目でカウントダウンイベントを実施するほか,7月からは福山大会参加者の登録を開始します。また,ボランティアの募集・育成などを通じて参画の輪を広げ,「みんなで創る大会」の成功をめざします。あわせて,新しいばら公園を拠点に地域花壇を周遊するガーデンツーリズムを推進します。国の「国際会議観光都市」への認定もめざし,MICE受入れ環境の整備を着実に進めていきます。
(スポーツによるにぎわいづくり)
 スポーツによるにぎわいづくりについては,新年度には,竹ケ端運動公園庭球場と緑町公園屋内水泳場の整備が完了します。全国規模の大会を誘致し,市民に高いレベルの競技を間近で見ていただくとともに,スポーツを通じた健康づくりの場としても活用していきます。

 

3 安心・安全で快適に暮らすことができるまちづくり
 これまで申し上げた「あらゆる世代が輝く魅力あふれるまちづくり」を実現するためにも,環境に優しく,誰もが安心して暮らせる日常がなければなりません。このため,第2の「未来づくり」として,「安心・安全で快適に暮らすことができるまちづくり」に挑戦します。

 

(1)防災・減災の更なる強化
 まず,防災・減災の更なる強化に向け,市民一人一人の防災意識の向上を図ります。マイ・タイムラインの作成や非常時の持ち出し品の準備について,更なる啓発に努めます。
 津波避難計画については全42学区・地区での策定を新年度に終えるほか,個別避難計画の策定率向上に向け取組を強化します。
 広域に甚大な被害が発生した際には,躊躇(ちゅうちょ)なく国や県に応援要請を行い,応援職員を迅速かつ効果的に配置することが重要です。このため,新たな受援計画と業務継続計画の素案をそれぞれ今年度内に策定します。そして,新年度は,その素案に基づいて国や県等との連携訓練を行い,より実効性のある計画として取りまとめていきます。

 

(2)住みやすい地域づくり
 次に,住みやすい地域づくりについて申し上げます。
 今年度から実施している「路面標示3か年集中対策」に引き続き取り組みます。また,道路等に隣接する水路やため池への転落事故防止については,昨年9月に策定した実施計画に基づき,転落防止柵等の設置や子どもへの啓発活動の強化などを行います。
 移動手段の確保に向けては,今年度策定する「福山・笠岡地域公共交通計画」に基づき,公共交通の要である路線バスの利用促進策を講じるとともに,オンデマンドシステムによる乗り合いタクシーの運行エリアの拡大などに取り組みます。また,国や有識者の助言を得ながら,運行形態も含めた今後の路線バスの在り方についても検討していきます。
 増加する外国人市民が安心して暮らせるよう,生活支援などに重点を置いた「(仮称)福山市多文化共生推進プラン」を新年度に取りまとめます。また,子育て支援通訳ボランティアの派遣や学校での外国人児童生徒への日本語指導などを充実させます。

 

(3)健康で活躍できる社会づくり
 次に,健康で活躍できる社会づくりについて申し上げます。
(医療提供体制の強化)
 福山市民病院については,がん医療・救急医療・高度専門医療の更なる機能強化に向け,今月から新本館建設の1期工事に着手します。外来化学療法のニーズが高まる中,4月から専用ベッドを増床し,がん医療の充実を図ります。また,MFICU(母体胎児集中治療室)やNICU(新生児集中治療室)などを備えた周産期母子医療センターの円滑な稼働に向け,まず,産婦人科病床の増床などに取り組みます。
 医療人材の確保・育成に向けては,看護師をめざす社会人看護学生の学び直しを支援するとともに,岡山大学と広島県と連携して産科医や小児科医の確保に努めます。
(健康長寿に向けた取組の強化)
 高齢者が外出し,地域や人とのつながりを持つことは,フレイルや認知症の予防に有効です。このため,県内で初めて,補聴器購入の助成制度を創設するとともに,介護予防事業への成果連動型民間委託契約方式(PFS)を導入します。また,バス・タクシーなどの優待交通助成を拡充します。これもアンケートに寄せられた中に多くあった市民の声に応えるものです。認知症対策としては,市民の認知症への理解を促すため,簡易スクリーニング等を行うことができるWEBサイトを新たに構築します。

 

(4)脱炭素社会の実現に向けた取組の加速
 次に,脱炭素社会の実現に向けた取組の加速について申し上げます。
 新たなごみ処理施設「ふくやま環境美化センター」は,8月から本稼働します。稼働後は,現在と比べて年間約6万トン,率にして60%を超える温室効果ガス排出量が削減されます。
 また,海洋植物などに大気中の二酸化炭素を吸収・固定させるブルーカーボン事業の実施に向け,藻場や水環境を調査します。
 行政の脱炭素化も推進します。「(仮称)まちづくり支援拠点施設」については,エネルギー消費量実質ゼロとなるZEB化をめざします。また,発電事業者が公共施設に太陽光発電設備を設置して電気を供給するPPA事業の実施のほか,公用車への電気自動車の導入も進めていきます。

 

4 新しいまちづくりの基盤となるデジタル化の推進
 以上申し上げました2つの「未来づくり」の基盤となるのが,「デジタル化の推進」に向けた挑戦です。
 デジタル技術は,市民生活の利便性や満足度を高め,人口減少下における社会課題を解決に導く重要な手段です。
 このため,中小企業のデジタル化の推進に向けて新たに伴走型支援に取り組むほか,ものづくり大学において企業のデジタル人材の育成なども進めます。自治会・町内会では,デジタル化を推進するリーダーの養成に取り組みながら,電子回覧板の全市導入もめざし,役員の負担を軽減していきます。全ての交流館にオンライン予約サービスとスマートロックを導入するほか,書かない窓口システムの対象手続の拡大なども進め,更なる市民サービスの向上につなげます。
 新しい移動サービスである自動運転について,福山駅前とエフピコアリーナの間で実証を本格化します。このほかにも,ドローンなどのデジタル技術を活用したサービスが,いよいよ実装の段階に入っていきます。新年度は,実装から得られる様々なデータを統合するデジタル基盤の活用を含めた新たなデジタル戦略を策定します。

 

5 新年度予算案の大要と持続可能な財政運営に向けて
 以上の結果,一般会計の当初予算規模は1,901億9,000万円となりました。今年度当初予算と比べて60億3,000万円,率にして3.3%の増となります。特別・企業会計を含めた全体では3,668億9,645万3千円,率にして1.3%の増となります。
 このうち,歳入について,その根幹となる市税は,企業収益の拡大により法人市民税の増加が見込まれるものの,国による定額減税を主な要因とする個人市民税の減少などから,今年度比約23億円減の約739億円となる見込みです。
 また,歳出については,扶助費や後期高齢者医療特別会計への繰出金などの社会保障関係費は約755億円と引き続き増加する一方,投資的経費は今年度比約39億円減の約208億円となります。
 歳入・歳出両面から財源確保に取り組んだことで,約42億円の効果額を確保しました。また,福山ネウボラの更なる強化などに向けて財政調整基金から10億円を,公債費の増加による一般財源の負担抑制のために減債基金から6億円を繰り入れるなど,基金の活用も積極的に行いました。
 各財政指標については,経常収支比率が87.6%となり,80%台を維持しています。また,実質公債費比率については0.6%と,引き続き低い水準となっています。将来負担比率は,数値が算定されない状況を10年間連続で維持しています。
 引き続き,持続可能な財政の構築に努めてまいります。

 

6 組織体制
 次に,組織について御説明申し上げます。
 SDGsの推進を始め,福山ネウボラの更なる強化,グリーンなものづくり企業の振興,新たな産業用地の創出,脱炭素社会・カーボンニュートラルの実現など,重点的に取り組む施策の推進体制を充実・強化します。また,施設管理を包括して外部委託するなど公共施設マネジメントの推進に向けた体制整備を行います。新たな行政課題に対応する簡素で効率的な組織をめざしてまいります。

 

7 おわりに
 「先入観は可能を不可能にする」。メジャーリーグで大活躍する大谷翔平選手の言葉です。また,「常識とは18歳までに身に付けた偏見のコレクションである」という言葉をアインシュタインは残しています。
 先入観を持たず,これまでの常識を疑う姿勢こそが,未来への新しい扉を開いていく上で重要であることを,時代を超えたこの2人の偉大な功績が示しています。
 職員に対しては,前例を無自覚に踏襲することをいさめ,常に自分の考えを持って行動するよう日頃から機会あるごとに話しています。また,私自身もそうありたいと自戒しています。まだまだ道半ばではありますが,職員の意識改革を進め,市民により一層信頼される市役所をめざしてまいります。

 

 予算以外の議案といたしましては,条例案として「福山市一般廃棄物処理業等合理化事業計画審議会条例の制定について」など19件,その他の議案として「山陽本線東福山・福山間回生陸橋補修工事委託契約締結の変更について」など22件を提出いたしております。

 

 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。


 本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。