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平成24年6月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年2月26日更新
 本日は,6月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 初めに,5月13日に建物が全焼するホテル火災が発生いたしました。改めて亡くなられた方とその御遺族の方々に対し哀悼の意を表しますとともに,負傷された方々や被害に遭われた方々に対し心からお見舞いを申し上げます。今回の火災で,この建物に対する行政の指導や対応が不十分であったことについて大変遺憾に思っております。今回の事態を重く受け止め,火災が発生した翌日の14日からホテル・旅館146施設への緊急火災予防査察を実施するとともに,23日からは建築基準法により定期報告が義務付けられているホテル・旅館60施設への緊急防災査察を実施いたしました。また,5月24日には,「福山市建築物査察等適正化対策委員会」を立ち上げ,市民の安心・安全の確保のために,これまでの建築物に関わる査察や指導の事務処理について検証・総括し,より実効性のある指導・査察が行える方針を作成することといたしております。できるだけ早い時期に中間取りまとめを行いたいと考えております。こうした取組を通して,市民の皆様に「安心・安全」を実感していただけるまちづくりを進めて参ります。
 次に,中心市街地の活性化についてであります。現在,3月に策定した基本方針に基づき,専門家や市立大学などの協力・支援を得ながら,具体的な取組を進めております。先月には,商店街を中心に関係者へのヒアリングを行ったところであり,市民参加によるワークショップも実施する予定といたしております。今後,中心市街地が新たな都市の魅力「住みたい魅力・買いたい魅力・行きたい魅力」を創造する拠点となるよう,全力で取り組んで参ります。福山ロッツにつきましては,テナントへの意向調査や来館者への聴き取り調査を行ったところであります。また,情報収集も含め関係企業への打診や折衝も積極的に進めているところであり,引き続き,中心市街地の賑わい創出の拠点となる商業施設としての利活用を基本に検討を進めて参ります。
 また,ふくやま美術館で開催されている「生誕90年山下清展」は,入場者が3万人を超え,市内のみならず市外の方からも人気を博しております。貼絵など約180点に加え,日記帳など貴重な資料も展示いたしております。今月17日までの開催となっておりますので,引き続き,多くの皆様にお越しいただきたいと考えております。さらに,来月14日からは特別展「生誕140年平櫛田中展」が始まるなど,福山駅周辺の文化ゾーンでは年間を通じ魅力的な催しが数多く企画されております。今後,文化ゾーンと中心市街地を楽しみながら巡り歩くことのできる魅力あるまちづくりを進めて参ります。
 次に,協働のまちづくりについてであります。本市では,全学区にまちづくり推進委員会が立ち上げられ,市民の皆様と行政が役割を分担する中で様々な地域課題の解決に向けた取組が協働により進められております。取組は着実に浸透しつつあるものと受け止めております。今後は,第二次福山市協働のまちづくり行動計画の下,各地域におけるまちづくり計画の策定支援やボランティア・NPOなどの活動を支援する「(仮称)まちづくりサポートセンター」の設立など協働を支える仕組みを充実させて参る考えであります。住民自治の確立に向け,市民一人一人が地域で「まちづくりの主役」として協力し合い,生き生きと活躍できるまちづくりに取り組んで参ります。
 次に,ばらのまちづくりについてであります。市民の皆様や企業・各種団体の御協力により,本市のばらの本数は本年3月末現在で約70万本となり,ばら祭の時期には,市内各地で色とりどりのばらが咲き誇りました。また,先月25日,岐阜県可児(かに)市で開催された第21回ばら制定都市会議(ばらサミット)では,本市から提案した「ローズマインド(思いやり・優しさ・助け合いの心)」を基本に,魅力あるまちを創造していくことなどをうたった「可児(かに)宣言」が採択されました。本市のローズマインドが全国へ広がりを見せております。今後も,市制施行100周年に向け,「福山」といえば「ばらのまち」と言われるよう,100万本のばらのまちの実現に市民の皆様とともに取り組んで参ります。
 次に,地産地消の推進についてであります。これまで,地元生産者からの直接納入の拡大やブロック別献立の実施などにより,学校・保育所給食への地場産農林水産物の使用拡大に努めてきたところであります。現在,東村学区では,東村小学校・保育所の給食食材の全てを地元の農産物で賄おうとする新たな取組が地元グループの方により進められております。身近な場所で新鮮な農産物を購入できる仕組みが着実にできつつあると受け止めております。また,新たな農業の担い手を育成するため,経験豊富な農業者の技術を伝える営農マイスター指導事業を創設いたしました。こうした取組等を通じて,市内産農林水産物の供給の拡大へ繋げて参りたいと考えております。
 次に,海フェスタについてであります。7月14日から29日までの間,福山市,尾道市,三原市を会場に海フェスタを開催いたします。15日・16日には昨年の日本丸に続き,世界最大級の帆船「海王丸」が福山港に入港し,セイルドリルと言われる帆を張る訓練の一般公開や乗船見学などを行います。このほか,海を身近に感じられる様々なイベントも開催することといたしております。多くの方に御来場いただきたいと考えております。
 次に,学校教育の充実についてであります。中学校区単位で小中学校の連携を更に深め,義務教育9年間を一体的に捉えた教育活動を進めていくため,今年度から全小中学校で小中一貫教育推進教員を配置し,小中一貫教育の推進に向け取組を始めたところであります。今月5日には,地域団体や学校関係者,大学,産業界から構成される懇話会を立ち上げたところであり,今後,基本方針や推進方策などについて,幅広く御意見を伺いながら取り組んで参りたいと考えております。土曜チャレンジ教室につきましては,今年度,新たに2か所を開設いたしました。現在,実施地区は9地区となり着実に拡大いたしております。児童生徒の参加申し込みも増えており,引き続き,学習意欲の向上と学力の定着に取り組んで参ります。
 次に,福山市立大学についてであります。開学2年目を迎え,学生や教員も積極的に地域活動へ参加するなど,福山市全体をキャンパスとした活動は着実に広がりつつあります。今年度からは,中心市街地の活性化や災害に強い都市づくりなど6つのテーマについて,大学との共同調査・研究に取り組んでおります。今月5日には地震による液状化現象に関するシンポジウムを開催いたしました。引き続き,地域に開かれた教育拠点として,研究成果を地域に還元していく取組を進めて参りたいと考えております。
 次に,保健・医療体制の充実についてであります。(仮称)福山・府中地域救急支援診療所につきましては,夜間の救急体制の充実を図るため,2013年度(平成25年度)中の開設を目指し,来月から建設工事に着手いたします。今後,医師会など関係団体と運営内容等について協議を進めて参ります。市民病院につきましては,昨年10月に産科部門を再開し,産婦人科の三次救急を担うとともに,今年4月末から普通分娩にも対応いたしております。地域の産科医療体制が縮小傾向にある中,地域の中核病院としての責任と役割を果たして参りたいと考えております。また,こども発達支援センターにつきましては,現在,11月の開設を目途に体制整備に取り組んでいるところであります。備後圏域の6市2町が連携し,支援拠点施設となるよう取り組んで参ります。
 次に,鞆のまちづくりについてであります。3月末の県知事との会談後,事務方において意見一致をみなかった点を中心に協議を積み重ねて参りましたが,知事の最終的な判断が示される時期を迎えつつあると受け止めております。知事におかれましては,これまで培ってきた行政と住民の信頼関係が損なわれ,待ったなしの鞆のまちづくりが更に遅延することのないよう,賢明な判断を示されることを切に望むものであります。
 さて,我が国の社会経済情勢についてであります。5月の月例経済報告では,景気は「復興需要等を背景として,緩やかに回復しつつある」と9か月ぶりに上方修正が行われましたが,先行きについては,欧州政府債務危機などから不確実性が高まっているとの基調判断が示されております。本市におきましては,市内企業の景況感は円高などの影響から悪化傾向にあり,依然として厳しい状況が続いております。国においては,日本経済を確かな成長軌道に乗せられる政策が早期に進められるよう,強く念願するものであります。また,国の財政健全化が急がれる中,社会保障関係費は年々増加いたしております。現在,国会では社会保障・税一体改革の関連法案が審議されておりますが,社会保障における地方が果たしている役割を踏まえ,安定的な財源確保など地方の意見を十分に反映させた制度設計となるよう取り組んでいただきたいと考えております。
 私は,いかなる状況にあっても財政の健全性を維持しながら持続可能なまちづくりを行うことが最大の市民サービスであり,急速に進行する高齢化や人口減少社会に対応できるよう,将来を見据えた市政運営を行っていかなければならないと考えております。今年度,本市のまちづくりの指針である第四次福山市総合計画後期基本計画がスタートいたしました。市制施行100周年に向け,将来都市像「にぎわい しあわせ あふれる躍動都市 ~ばらのまち 福山~」の実現を目指し,将来に夢と希望のある「いつまでも住み続けたい」と思えるまちづくりに全力を尽くして参ります。
 次に,一般会計の補正予算と「損害賠償の額を定めること及び和解について」を御説明申し上げます。
 2007年(平成19年)5月,新市町の市道青面寺線に沿う水路の沈砂池に児童が誤って転落し負傷した事案に係る損害賠償請求事件について,広島地方裁判所福山支部からの勧めに基づき,和解することといたしました。その和解金3,800万円に関する補正予算をお願いするとともに,「損害賠償の額を定めること及び和解について」を議案として提出いたしております。水路等の安全対策につきましては,引き続き,計画的に取り組んで参ります。
 このほか,条例案として,福山市税条例の一部改正についてなど8件,その他の議案として,(仮称)福山・府中地域救急支援診療所建設工事請負契約締結についてなど7件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げます。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。