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平成19年9月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2007年8月30日更新

 本日は,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
初めに,福山市名誉市民の宮澤喜一様が6月28日に,87歳の生涯を閉じられました。突然の訃報に大変驚くとともに,深い悲しみで一杯でございます。これまで,大蔵大臣など数多くの要職を歴任されるとともに,1991年(平成3年)11月からは内閣総理大臣として御活躍され,「経済通」「国際通」として戦後の経済復興と成長をけん引されるなど,一貫して国政をリードしてこられました。また,本市への日本鋼管福山製鉄所の誘致,備後地区工業整備特別地域の指定などに力を尽くされ,本市の経済発展の基盤づくりに多大の御貢献をいただいております。その御功績は,誠に大きく,市民の皆様とともに,謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
次に,本市では,今年も8月8日に原爆・福山戦災死没者慰霊式を開催し,犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに,恒久平和の実現を強く心に誓ったところであります。戦後62年目の今年,被爆者の平均年齢も74歳を超え戦争体験者の高齢化が進んでおり,生命や平和の尊さ,戦争の愚かさを,次の世代へ風化させることなく確実に伝えていかなくてはならないと改めて感じているところであります。今後とも,平和非核都市福山宣言の趣旨を市民の皆様と共有しながら,平和行政の推進に積極的に取り組んで参ります。
さて,我が国の経済情勢についてであります。8月の「月例経済報告」によれば,「景気は生産の一部に弱さが見られるものの,回復している」との判断を示しており,雇用情勢は着実に改善しているとしております。しかしながら,最低賃金や雇用形態のあり方など,雇用にかかわる課題が,顕在化している状況にあります。また,7月に行われた参議院議員選挙の結果は,年金問題や政治資金の問題などの影響もありましたが,とりわけ,国民の将来の生活に対する強い不安の現れによるものと考えております。国民一人一人が将来にわたって安心して生活ができるよう,国により十分議論されることを念願いたしております。
また,第二期地方分権改革が進められておりますが,今後の分権議論においては,それぞれの自治体が特色のある施策を実施するため,税財源の在り方や権限移譲など地方の自由度を高める基盤づくりを国において進められるよう,本市といたしましても全国市長会などを通して要望して参りたいと考えております。
次に,去る7月16日に発生いたしました新潟県中越沖地震は,2,000人に近い死傷者を出すなど甚大な災害となりました。被災された皆様に対し,心からお見舞いを申し上げます。現在も避難所での生活を余儀なくされている方々がおられますが,本市におきましては,被災地の方々の救援と早期の災害復興を祈念いたしまして,災害見舞金と8月20日までに市民の皆様から寄せられた義援金約98万円を被災地にお送りいたしました。多くの皆様方から温かい御支援と御協力をいただき深くお礼申し上げます。また,広島県や広島市,呉市と共同で保健師を派遣し,避難住民の健康相談などの支援活動も行ったところであります。
 災害は,いつ,どこで起こるかわかりません。それだけに日ごろから万一の場合に備えておくことは非常に重要であります。このため,災害に強いまちづくりに向けて9月1日の防災の日に地域や企業,行政の協働により,災害時の初動体制の確立や災害対応能力などの実践力を高めるよう,総合防災訓練を行うことといたしております。本市の防災体制を検証することにより,市民の安心・安全を確保するための体制づくりに取り組んで参ります。市民の皆様にも日ごろから災害に備えていただきますようお願い申し上げます。
今回の地震では,建物の耐震性が大きく注目されました。本市におきましても災害時の避難所となる小中学校の屋内運動場の耐震調査を行っておりましたが,今年度から補強工事を計画的に実施すべく着手しているところであります。橋りょうの補修・補強につきましても,災害時の緊急輸送道路の主軸である山陽自動車道をまたぐ橋りょうを中心に計画的に取り組んでいるところであります。また,高齢者や障害のある人などの災害時要援護者の避難支援のための手引きを自治会を始め各地域へ配布いたしております。地域と行政が一体となった災害に強いまちづくりに取り組んで参りたいと考えておりますので,十分に活用していただき,地域における支援体制の確立に御協力をお願いいたします。
 次に,市民病院医師による患者情報の流出についてであります。これまで,市民病院はもとより本市における個人情報の保護につきましては,厳正な取扱いと適正な管理を基本に,日ごろから研修などを通し,職員に対し情報管理の徹底を図ってきたところであります。しかしながら,今回の事案の発生につきましては,患者の皆様を始め,御家族の方々,市民の皆様に大変な御迷惑と御心配をおかけすることとなり,深くお詫びを申し上げます。今回の事案を受け,改めて全職場における情報管理の徹底を指示し,再発防止を図ったところであります。引き続き,より一層,個人情報の適正管理と職員の意識啓発に努め,市民の皆様の信頼回復に努めて参ります。
 次に,福山駅前広場整備事業についてであります。事業計画の策定に当たっては,国・県を始め,学識経験者や地元商店街の代表者などからなる「福山駅周辺整備推進協議会」を設置し,幅広く御意見を伺うとともに,都市の機能性や安全性,利便性の向上を求める経済界の御意見も踏まえ計画したものであり,地下送迎場の整備につきましては,来年度末の完成を目指して工事を進めているところであります。今月24日からホームページで計画の策定経緯や事業内容などについてお示ししており,今後も市民の皆様に分かりやすい情報の提供に努めて参ります。また,福山城の遺構につきましては,今月に2回目の試掘調査を駅前広場東側において実施いたしました。この調査結果を基に10月下旬ごろから発掘調査にとりかかる予定といたしております。出土した遺構につきましては,市民の皆様が福山城の歴史に触れることができるような保存・活用方法について内部で早急に検討し,文化財保護審議会や市議会の御意見をお伺いしたいと考えております。
また,福山駅前の民間による再開発事業のうち,東桜町地区について,現在,権利変換計画の認可申請に向けて事業計画の変更などの必要な手続が開始されたところであります。本市といたしましては,引き続き,積極的な支援を行って参る考えであります。
 次に,新たな産業団地の整備についてであります。新たな産業団地の開発の可能性について,総合的な判断を得るための概略調査を終えたところであり,現在,採算性,経済性,実現性について精査しているところであります。今後,整理ができた段階で,市議会へ御報告して参りたいと考えております。
 次に,鞆地区道路港湾整備事業についてであります。8月1日に公有水面埋立免許の出願図書の縦覧が終了し,今後は,提出された事業に対する意見書を踏まえ,県による図書の内容審査などが行われることとなります。この事業は,地域の安全性向上や生活環境の改善など多くの地域課題を総合的に解決するとともに,本市の歴史的資源を後世に伝えていくために必要な事業であり,早期に免許を取得し,事業着手して参りたいと考えております。また,広島県に対し起こされた埋立免許差止請求の訴訟につきましては,7月に第1回口頭弁論が行われたところであります。本市といたしましては,今後,この事業の必要性など本市の考えや,大多数の鞆町住民の思いをしっかりと主張していくため,本訴訟に補助参加をして参る考えであります。
 鞆のまちづくりにつきましては,5月の埋立て申請を契機に大きなステップを踏み出すことができました。とりわけ,歴史的町並み保存につきましては,重要伝統的建造物群保存地区の選定を視野に入れて修理・修景などに対する補助事業を再開したところであり,対象となる町内会への説明会も終了いたしました。今後は,これまで積み立てた基金を有効に活用することにより町並み保存を推進し,鞆の町の再生・活性化につなげて参りたいと考えております。鞆地区における公共施設などの整備につきましては,現在,総合的なまちづくりに向け内部で検討を重ねているところであります。今後は,協働のまちづくりの観点からも地元住民の皆様の御意見も参考にしながら取り組んで参る考えであります。
 次に,協働のまちづくりについてであります。本市では,福山市協働のまちづくり指針や行動計画に基づき,市民の皆様とともに地域の活性化や地域課題の解決に取り組んでいるところであり,地域や団体の特性を生かした事業が進められるなど一定の成果が上がっているものと考えております。さらに,これまでの成果を引き継ぎ発展させるべく,協働のまちづくり推進懇談会を通じ,広く市民の皆様の意見を取り入れ,自主・自立のまちづくりに積極的に取り組んで参ります。
次に,レジ袋削減キャンペーンについてであります。環境意識の向上を目指して実施いたしましたところ,目標を上回る約9万1,600通という多くの御応募をいただきました。この期間中に約148万枚,14.6トンのレジ袋を削減することができ,この取組は市民の皆様にも環境を身近に感じる契機になったものと考えております。引き続き,「ふるさと福山」を子どもや孫,その次の世代へと引き継いでいくため,地球環境の保全に効果的な取組を市民や事業者と一体となり進める考えでありますので,マイバッグの利用など,一人一人ができる身近な活動を継続的に行っていただきますよう御協力をお願いいたします。
 次に,本市では今年度から,福山を積極的・継続的に発信し,「全国的な知名度」を高めるよう全力を挙げて取り組むことといたしております。そのためには,福山らしさや福山の魅力をあらゆる機会をとらえて情報発信するとともに,市民の皆様にも「ふるさと福山」に「自信と誇りと愛着」を持っていただき,福山の良さの発信源になっていただく取組も必要であると考えております。こういった中で,庁内に都市ブランド事業の検討プロジェクトを立ち上げたところであり,本市の知名度アップ,ブランドづくりを効果的に推進して参る考えであります。
 次に,ばらのまち福山ミステリー文学新人賞についてであります。この賞を多くの方に知っていただくため,ポスターなどを全国に配布するとともに,様々な仕掛けを組み込んだホームページを開設いたしました。また,福山駅前広場整備工事における現場の仮囲いにデザイン看板を設置し,PRも行っているところであります。10月には,選者の島田荘司さんを迎え,講演会を開催する予定としており,市内を始め全国各地から,多数参加していただくことを願っております。こういった取組により,福山の芸術文化の活性化を図るとともに,全国へ福山を発信して参りたいと考えております。
 次に,福山夏まつり2007花火大会についてであります。本年度はより安全性を高めるため,打ち上げ場所を芦田川大橋上流に移転するとともに,新たな試みとして市民協賛席や身体が不自由な方々と御家族が一緒に観覧できるローズマインド席を設け,御利用をいただきました。事故もなく盛大に開催することができ,多くの皆様に楽しんでいただけたものと考えております。今後は,開催前後の会場へのアクセスなどの課題について改善を行い,中四国地方でも有数の花火大会となるよう,取り組んで参る考えであります。
 次に,福山藩主であった阿部家からの古文書の寄託についてであります。第7代福山藩主であり,江戸幕府の老中首座を務めた阿部正弘公を顕彰することのできる資料を始め,江戸時代後期の貴重な資料の提供についてお願いをしたところ,快く寄託の申出をしていただきました。寄託いただく資料は,現在建設中の(仮称)中央図書館に収蔵するよう計画いたしております。幕府側から見た開国などの幕末を知るための貴重な資料であり,十分活用し本市の知名度を更に高めて参りたいと考えております。
次に,競馬振興についてであります。市民に親しまれる「福山けいば」を目指し,積極的なPRに努めるとともに,携帯電話を利用した情報提供など全国の新たなファン層の獲得に向け取り組んでいるところであります。福山で初のJRA認定競走や最後のアラブ全国交流競走の「タマツバキ記念」などは,ファンの評価も得たものと考えております。こうした中,2007年度(平成19年度)第1四半期の決算は,売得金が前年度と同水準で推移したことから,4,400万円の黒字となりました。今後とも,課題である競走馬の確保に努めるとともに,公正で健全な事業運営に取り組んで参ります。また,馬インフルエンザにつきましては,即座に入きゅう禁止措置を行ったところであり,現在まで,り患の疑いや発症の事例はありません。
 次に,2006年度(平成18年度)普通会計の決算見込みについてであります。財政運営の主要な指標である経常収支比率は,地方交付税の大幅な減少や児童手当の制度拡充,「三位一体の改革」による国庫支出金の一般財源化の影響などから86.2%となりました。また,普通会計に加え,企業会計や一部事務組合を含めた公債費の負担の割合を示す実質公債費比率は,繰上償還など公債費対策の取組により,14.8%と前年度に比べ0.6ポイント改善し,健全性の目安とされる18.0%を大幅に下回るなど,本市の財政状況は,おおむね健全な状況であると考えております。今後も地方を取り巻く財政環境は厳しい状況が続くものと予測されますが,第四次福山市総合計画の着実な実施に向け,引き続き,行財政改革を推進し,財政指標にも意を払いながら,健全で安定した行財政運営に取り組んで参ります。
 次に,今回提出いたしております2006年度(平成18年度)の企業会計の決算につきまして,その大要を御説明申し上げます。
 まず,病院事業会計につきましては,合併により1病院5診療所体制となって1年目という状況の中で,形成外科など2科を新たに開設するとともに病院機能評価の認定や地域がん診療連携拠点病院の指定を受けるなど,病院機能の充実・拡大に取り組んで参りました。収支状況は,入院延患者数の増や病床利用率の上昇などにより収益は増加しましたが,医療体制整備のための管理運営費の増などにより,当年度純損失は1億8,272万4千円で4年連続して純損失を計上することとなりました。今後は,一層の経営健全化に努めるとともに,地域医療の中核病院として医療サービスの充実に取り組み,市民の期待と信頼にこたえて参りたいと考えております。
 水道事業会計では,これまでの合併などによる影響が懸念されていましたが,経費の削減による安定した経営に努めた結果,4億338万2千円の純利益を計上することができました。工業用水道事業会計では当年度純利益として2億2,493万6千円を計上いたしており,引き続き,産業基盤としての企業活動を支える役割を担って参る考えであります。水道事業,工業用水道事業,いずれの会計につきましても,中長期的な視点に立った健全な事業運営に努めて参ります。
 次に,補正予算について御説明申し上げます。このたびは,一般会計を始め3会計の補正をお願いいたしております。
 まず,一般会計の補正につきましては,公共事業等の追加に伴うもの,篤志家からの寄附や制度上補正を必要とするものなどについて措置をいたしております。
 公共事業につきましては,県補助事業にかかわって,神辺地区における農村振興総合整備事業を実施することとし,県営事業負担金では福山港の港湾改良事業や街路事業などについて,所要額を措置いたしております。また,7月の大雨による被害につきましては,速やかに対応するとともに,安心・安全な市民生活を守るため道路や水路などの維持補修を進めて参ります。篤志家からの寄附につきましては,(仮称)中央図書館や松永図書館などの蔵書や資料の充実を図るなど,それぞれ御寄附の趣旨に沿ったものといたしております。制度上補正を必要とするものといたしましては,特別養護老人ホームの個室ユニット化や障害者支援施設の整備に対する補助を行って参ります。また,森林を守り育てその役割を最大限に発揮させるため,本年度から新たにひろしまの森づくり県民税を財源とした森林整備などに取り組んで参ります。このほか,全小中学校へ自動体外式除細動器(AED)を整備し,児童・生徒の安全を守るとともに,地域の行事へも貸出しを行うことにより市民の安心・安全を確保して参ります。また,西部市民センターやあしな文化財センターの開設に伴う経費などについても計上いたしております。
 特別会計では,下水道事業会計において,芦田川処理区などの整備促進を図るため,実施設計を行うことといたしております。介護保険会計においては,前年度の支払基金交付金の確定に伴う返還金について必要な措置を講じております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で8億7,990万円の追加となり,全会計の補正予算額は,10億9,680万2千円の追加となりました。
 決算及び予算以外の議案といたしましては,条例案として,福山市情報公開条例等の一部改正についてなど6件,その他の議案として,和解についてなど10件を提出いたしております。
何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。


本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に若干の変更があることがあります。