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平成17年12月定例市議会市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年3月6日更新
2005年(平成17年)12月2日

 本日は,12月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております2005年度(平成17年度)補正予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,市政の当面する状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 初めに,11月29日,下水道工事に係る補償問題にかかわって2名の職員が虚偽公文書作成と詐欺の疑いで書類送検されました。誠に遺憾な事態であり,重く受け止めているところです。改めて,議会を始め市民の皆様にお詫び申し上げます。こうした中,行政として自らの責任で早急に事務の再点検をすべく,過去3年間のすべての建設工事について今回,調査に着手をしたところであります。調査を通じて,課題のある事項については原因を究明し,再発防止に向けた取組を明らかにする中で,議会や市民の皆様に説明責任を果たすとともに,法令等に基づいた適切な事務執行に努めることで市民の信頼回復に取り組んで参る考えであります。
 次に,去る11月22日に広島市安芸区において,小学校1年生の女児が下校途中に殺害されるという痛ましい事件が発生いたしました。警察の懸命な捜査により容疑者が逮捕されましたが,夢と希望を持った児童の将来が奪われるという絶対あってはならない事件であり,御家族や関係者の方々に対し心からお悔やみ申し上げます。これから年末・年始を迎え,犯罪などの増加も懸念されるところですが,本市としても登下校時の安全対策を徹底するとともに,警戒パトロールを実施するなど,安心・安全な地域づくりの取組を鋭意進めて参ります。また,千葉県市川市に住所を有する姉歯建築設計事務所が行った耐震強度の偽装について,現在大きな問題となっています。本市には姉歯建築設計事務所がかかわる物件はありませんが,市民の不安へ対応するために建築相談に応じるとともに,保存書類の点検を行っているところであります。引き続き,関係機関等とも連携する中で必要な対応を図って参ります。
 次に,我が国の経済情勢についてであります。去る11月の政府の月例経済報告によれば,景気の基調判断を引き続き「景気は,緩やかに回復している」としており,企業収益の改善や個人消費の緩やかな増加など国内景気の一層の回復が期待されるものの,原油価格の動向など依然として懸念材料を抱えているとしております。政府は,本年6月に閣議決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005」に基づき,構造改革を加速・拡大することとしている中,三位一体改革の具体の協議が進められており,今後とも国の動向等を見極めながら必要な対応を図って参る考えであります。また,政府税制調査会は,11月25日,小泉首相に1999年(平成11年)に導入した所得税などの定率減税の全廃を答申しました。政府与党,国会議論の推移が注目されますが,いずれにしましても国民負担は増加の傾向が強まっていることは確かであります。定率減税が全廃されれば,本市においても,個人市民税に影響が出て参ります。また,三位一体改革による所得税から住民税への税源移譲とのかかわりもあり,今後の税制改正や税源移譲の動向を注視して参りたいと考えております。
 次に,福山駅周辺整備についてであります。まず,東桜町地区市街地再開発事業につきましては,去る11月18日に県から施行認可を受け,本格的な事業実施に向けて大きく動き出しました。本市においては,伏見町地区と併せ,国や県の協力を得る中で,再開発事業の推進に向け進捗に応じた支援を積極的に行って参る考えであります。また,福山駅西町線や駅南自転車駐車場及び福山駅大門線シンボルロードにつきましても,着実に取り組んでいるところであり,今後とも,福山駅周辺整備の計画的な推進を図り,にぎわいと活力のある中心市街地の形成に取り組んで参ります。
 次に,競馬振興についてであります。大変厳しい経営環境の下で賞典奨励費の大幅削減を始め関係者の御理解と御協力をいただく中で,本年度の単年度収支は確保できる見通しとなり,少なくとも私の任期中は,黒字の確保,収支均衡を基本に事業の継続に鋭意取り組む決意をしたところであります。こうした中,アラブの新馬生産頭数は激減しており,事業継続のためには馬資源の確保は避けて通れない課題であります。このため,福山地方競馬健全化委員会の意見具申を踏まえ,サラブレッドの導入に踏み切ったところであり,JRAとの交流レースなども視野に置き,このたび,走路改修等の補正予算をお願いしているところであります。現在,50頭程度のサラブレッドが確保できたところであり,引き続き関係者の協力を得る中で馬資源の確保に努めるとともに,市議会の御意見を踏まえる中で,競馬事業の経営健全化に全力を挙げて取り組んで参ります。
 次に,協働のまちづくりについてであります。協働のまちづくり指針を踏まえ,来年度から本市が行う支援策などを盛り込む「協働のまちづくり行動計画」の策定に向け,去る10月に「協働のまちづくり推進懇談会」を設置し,11月22日には第2回の懇談会を開催し,推進体制,事業の在り方等について御意見をいただいたところであります。現在,来年度からの実施に向け,市民や職員への啓発や人材育成に努めているところであり,市民と行政が目的を共有し,それぞれの特性を活かしながら対等な立場で補完し合い,協力し合う自主・自立のまちづくりに向けた更なる取組を進めて参ります。
 次に,生活バス交通利用促進計画についてであります。現在,生活バス交通に関するアンケート調査の集計が終わり,12月5日の公共交通対策特別委員会においては,この調査結果や他の自治体の取組事例なども踏まえる中で,生活バス交通の利用促進に係る計画の方向性について御審議をお願いすることといたしております。引き続き,議会を始め関係機関等と十分連携を図るとともに,公共交通検討プロジェクトを中心に全庁体制の下,計画の策定に鋭意取り組んで参ります。
 次に,鞆地区道路港湾整備事業についてであります。11月28日にユネスコの諮問機関である国際記念物遺跡会議のメンバーから鞆架橋計画の見直し等の要望書が提出されたところです。鞆の伝統的・文化財的価値が世界レベルで評価されたものと受け止めておりますが,町並みを保存するには,そこに暮らす住民の方々の生活環境や経済環境を整備することが重要であり,鞆地区の課題を解決するためには,良好な景観形成にも配慮する中で道路港湾整備事業の早期推進が必要であること。また,これまでに専門家を含めた検討により議論は尽くされている旨回答したところであり,引き続き,事業の推進を国や県に働き掛けて参る考えであります。
 次に,本市の公共施設のアスベスト使用実態調査についてであります。アスベスト含有の可能性のある吹付け材等について,287施設から検体を採取して調査を行っていたところですが,このたび調査が終わり,公共施設における吹付けアスベスト等の使用実態が判明したところであります。これまで,調査結果が判明次第,応急措置や対策工事等を実施しておりますが,今回,アスベスト対策のための補正予算を提出いたしているところであります。引き続き,市民の健康を守るために対策工事や健康相談を始め,必要な対策を講じて参る考えであります。
 次に,神辺町との合併についてであります。現在,電算システムの統合など,円滑な合併に向けて鋭意取り組んでいるところであります。今議会においては,合併に伴う条例案を始め数多くの議案の御審議をいただくこととしており,今後とも神辺町や関係団体などとの連携を密にし,来年3月1日の円滑な合併に向けて万全を期して参ります。
 次に,本市の新年度の財政見通しについてであります。歳入では,個人市民税や法人市民税は景気回復の影響などから持ち直しの動きが見られるものの,固定資産税においては,地価動向などから引き続き減少が見込まれます。また,地方交付税は大幅な減少が確実なことから,全体として一般財源は減少する見込みであります。一方,歳出では,扶助費や特別会計への繰出金が増加する中,新たな行政需要への対応など財政需要は今後も増加すると見込まれます。このような状況の下,新年度の予算編成は引き続き厳しい予算編成となるため,全庁一体となり英知を結集し,行財政改革の一層の推進など歳出全般の徹底した見直しを図るとともに,引き続き7つのキーワードに基づく重点政策枠を設け,「ふるさと福山」の新たなる創造に向けた取組を進めて参る考えであります。
 次に,今回の補正予算について御説明いたします。このたびは,一般会計ほか5会計の補正をお願いいたしております。
 まず,一般会計では,合併準備に係るもの,公共事業の追加に伴うもの,災害復旧事業等に係るもの,篤志家からの寄附や制度上補正を必要とするものなどについて措置しております。
 合併準備に係るものといたしましては,神辺支所の開庁式や市議会議員の増員選挙に係る経費,議場や事務室の改修などの所要額を計上いたしております。公共事業につきましては,国庫補助事業の追加に伴い,交通渋滞解消等のため引き続き瀬戸半坂線の改良を行うほか,県補助事業の追加に伴い,農道整備等を実施することとしております。また,アスベスト問題への対応では,小中学校を始め公共施設について飛散防止のため所要の措置を講じております。なお,中小企業者の実施するアスベスト除去等に対しては,環境保全融資資金について措置いたしております。また,(仮称)西部市民センターの整備に伴い,松永支所庁舎の解体撤去を行うことといたしております。このほか,土木・耕地施設の維持補修や沼隈町の農道等耕地施設に係る災害復旧についても措置しております。篤志家からの寄附では,ふくやま書道美術館への補助や地域福祉基金への積立てなど,御寄附の趣旨に沿って措置いたしております。制度上補正を必要とするものといたしましては,福山北産業団地に係る土地助成としての企業立地奨励金を始め,生活保護扶助費や障害者支援費など,それぞれ対象者数の増加等に対し措置するとともに,金江町平田町内会など7箇所の地域集会所の改築等に対する補助などについて措置しております。また,財政調整基金につきましては,前年度決算剰余金の2分の1程度を積み立てることとしております。このほか,児童数の増加等に伴い,私立保育所委託料について所要の措置を講ずるほか,協働のまちづくりを安定的・継続的に推進するため,協働のまちづくり基金の造成を行うこととしております。また,今後の事業に備えるため,大規模事業基金への積立てを行うとともに,市債の繰上償還についての措置を講じております。債務負担行為につきましては,松永支所庁舎の解体撤去に伴う所要の措置を講じております。
 下水道事業会計につきましては,下水道施設についてアスベスト飛散防止のための所要の措置を講じるほか,事業執行の必要性から繰越明許費について必要な措置を講じております。競馬事業会計では,売得金の増に伴う払戻金など所要の措置を講じるほか,上半期の収支状況を踏まえ,今年度の単年度収支は黒字と見込まれることから,下半期の賞典奨励費の見直しや,サラブレッド導入に伴い,今後の交流競争などの円滑な実施に向け,走路改修等を行うこととしております。介護保険会計では,前年度の国・県負担金等の確定に伴う返還金のほか,介護給付費準備基金への積立てなどについて措置しております。水道事業会計及び工業用水道事業会計では,水道施設についてアスベスト飛散防止のための所要の措置を講じております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で53億337万7千円の追加となり,また全会計の補正予算額は60億1,523万1千円の追加となりました。
 予算以外の議案では,条例案として,福山市税条例の一部改正など68件を提出いたしており,このうち,福山市名誉市民条例の一部改正など63件が神辺町との合併に伴う条例案であります。その他の議案といたしましては,訴えの提起についてなど40件を提出いたしており,このうち,福山市・神辺町合併協議会の廃止についてなど6件が神辺町との合併に伴う議案であります。なお,これ以外の福山市神辺財産区議会設置条例ほか2件の財産区議会設置条例の制定につきましては,地方自治法第295条の規定により,広島県知事から提案されたものであります。
 以上が,今回提出いたしております議案の概要であります。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。