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平成16年第1回定例市議会市長総体説明

印刷用ページを表示する 掲載日:2006年3月6日更新
2004年(平成16年)2月20日

 本日は,平成16年第1回定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして,誠にありがとうございます。今回提出いたしております平成16年度当初予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,新年度における市政運営の基本方針と予算案の大要について御説明申し上げます。
 初めに,政府は去る2月3日,陸上自衛隊本隊の第1陣をイラクへ派遣いたしました。種々議論があるところでありますが,派遣された自衛隊が復興支援という重要な任務を果たされて,全員が一日も早く無事帰国されることを心から念願いたしております。
 さて,我が国経済は,企業部門の回復などに伴い,民間需要を中心に緩やかに回復していくものと見込まれております。しかし,景気改善の状況には地域差も見られ,雇用情勢は改善の方向にあるものの依然として厳しく,実感としては回復感に乏しい状況にあるものと受け止めております。国の平成16年度予算案においては,引き続き「改革断行予算」の方針の下,歳出全体の徹底的な見直しを行うとともに,重点分野への予算の優先的な配分が行われております。また,地方財政は「三位一体改革」の影響などから,地方財政計画が3年連続マイナスになるなど,非常に厳しい状況にあります。
 本市の財政につきましても極めて厳しい状況にあり,歳出全般の徹底した見直しを行うとともに,より重点的な財源配分に努めることが求められます。こうした中,新年度においては「合併の取組」のほか,引き続き「教育」「環境」「自立」「活力」「協働」の5つのキーワードに基づく施策を重点課題として取り組む考えであります。
 まず,「合併の取組」についてであります。
 沼隈町との取組につきましては,来年2月を目途に協議を進めることとなり,現在2月24日の第3回目の合併協議会の開催に向け,準備をいたしているところであります。来年2月の合併を想定しますと,遅くとも12月の県議会での議決が必要となりますので,それまでに市議会での合併議決をお願いするようになるものと考えております。
 神辺町につきましては,町民から町長への合併協議会設置請求に伴い,1月23日に町長から市議会へ付議するかどうかの意見照会がありました。2月5日には再度町長が来庁され,平成17年3月までは単独町制でいく方針であり,今回の住民からの請求は取り上げないことを表明されました。付議するかどうかにつきましては,市議会の意見をお聴きする中で,今議会の会期中には判断したいと考えております。
 次に,キーワードの第1は「教育」であります。
 少子化が進行する一方で,いじめ・不登校や児童虐待などの問題が顕在化する中,地域の将来を担う人づくりは市民全体で取り組むべき大きな課題であります。このため,新たな時代に対応した教育を一層進めるとともに,子どもや青少年が家庭や地域,学校の中で様々な人たちとかかわりながら,心身ともに健やかに育つことができる環境づくりを推進していかなければなりません。中高一貫教育校につきましては,6年間の一体的な指導体制による教育を確立するとともに,その成果を本市の公立学校教育全体の活性化へとつなげていくための取組を進めて参ります。また,「次世代育成支援対策行動計画」の策定など,安心して産み育てることができる子育て環境づくり,子育て支援施策の充実を図って参ります。
 第2は,「環境」であります。
 本市の豊かな自然環境を後世に守り伝え,資源,エネルギーの節約や有効利用に取り組んでいくことは,私たち一人一人の大きな責務であります。このため,みどりのまちづくりや,福山市ごみ固形燃料工場及び福山リサイクル発電所の円滑な事業推進など,市民,事業者,行政がそれぞれの役割を果たし,連携・協力しながら自然環境の保全・活用や廃棄物の発生抑制,再使用,再利用,適正処分を推進し,地球に優しい循環型社会の実現を目指して参ります。
 第3は,「自立」であります。
 すべての市民が住み慣れた地域において,安全で快適に,生き生きと暮らせる環境づくりは,活力ある地域社会づくりの基本であります。このため,高齢者が生きがいを持って生活できる環境づくり,障害者の社会参加を促進する仕組みづくりや共助型地域福祉の一層の推進を図るとともに,来年4月の救命救急センターを含めた市民病院の全面供用開始に向けた取組などを進めて参ります。
 第4は,「活力」であります。
 中核都市・福山のシンボルとなる都心部を再生することは,本市の最重点課題の一つであります。このため,市街地再開発事業を始め福山駅周辺地区整備などの重点事業に積極的に取り組み,本市の玄関にふさわしい活力と魅力ある中心市街地の形成を進めて参ります。また,本市の「交流拠点都市」としての活力創造の基盤となる,福山道路を始めとする幹線道路ネットワークの整備,箕沖地区などの港湾整備事業の促進に引き続き取り組んで参ります。さらに,合併建設計画の着実な実施による一体化の促進と市域のバランスある整備を図り,本市の新たな活力と魅力の創造に取り組んで参ります。
 なお,行政諮問委員につきましては,合併協議会における協議の結果,住民とのパイプ役として実際の活動を担っていただくために設置されたものであります。合併協議会の会議もすべて公開しており,今回初めて出てきた問題ではありません。合併地区における合併直後の時期の円滑な行政運営を行うために委嘱したものでありますので,市民の皆様の御理解をいただきたいと思います。
 第5は,「協働」であります。
 活力と魅力ある地域づくりを進めるためには,複雑・多様化するまちづくりの課題に対し,市民・事業者と行政がともに協働して解決していくことが何よりも重要であります。このため,ボランティア・NPOなどとの協働に関する指針を策定するとともに,(仮称)西部市民センターを始め,コミュニティー活動等がしやすい環境を整備するなど,市民の創意と活力を生かした「自助」「共助」「公助」による地域づくりを進めて参る考えであります。また,市民との協働はもとより,コスト意識の徹底など都市経営の視点を持ち,自立性が発揮できる行政体制の確立や職員の能力の最大限の活用など,より一層の行財政改革を進めて参ります。
 次に,公共工事につきましては,競争性や透明性を確保するため,入札制度の改善を行ってきたところでありますが,本年度,低入札調査を行って落札を決定したものが57件と昨年度より大幅に増加しており,検査体制の充実など,品質確保のための対応を行っているところであります。低入札の推移を見極める中で,今後,必要な措置を検討して参ります。
 次に,新年度予算案の大要について御説明申し上げます。
 歳入については,景気や地価の動向などから個人市民税や固定資産税の減少が見込まれます。また,「三位一体改革」では,12億5,800万円の国庫補助負担金の削減が見込まれるものの,所得譲与税による税源移譲は6億7,600万円にとどまっております。さらに,地方財政計画では地方交付税が前年度比6.5%のマイナスとなるなど,本市においても歳入を巡る環境は極めて厳しい状況にあります。歳出については,義務的経費が高水準で推移する中で多様化する行政課題への対応など,かつてない困難な予算編成となり,今回初めて前年度に対しマイナスの見積基準を設けて対処したところであります。この結果,新年度の予算規模は,前年度当初予算と比べ,一般会計で2.7%,全会計では0.9%の増となっておりますが,減税補てん債の制度的借り換えを除く実質では,マイナスとなっております。
 次に,新年度の主要な施策につきまして,第三次福山市総合計画の柱立てに沿って,新規事業を中心に御説明申し上げます。
 第1は,「心ふれあい健やかに安心して暮らせるまちづくり」 であります。
 恒久平和の実現と基本的人権の尊重は人類共通の願いであります。このため,引き続き,平和行政の推進に努めるとともに,福山市同和行政基本方針や男女共同参画基本計画等に基づき,様々な人権課題の解決に向けた諸施策の推進に努めて参ります。
 高齢者福祉では,施設サービスの充実のため,特別養護老人ホームの建設等を支援するほか,障害者福祉では,新たに重度心身障害者通園事業を実施することとしております。また,児童福祉では,病後児保育やひとり親家庭の自立支援などを新たに実施するほか,国の制度改正に伴い,児童手当の支給対象を小学校3学年終了まで拡大するよう措置しております。健康づくりでは,すこやか育児サポートなどの事業を新たに実施して参ります。なお,乳幼児医療費助成制度につきましては,県の制度改正に対応できるよう措置を講じております。
 市民病院につきましては,医師・看護師などの体制を充実し,十分な研修を積む中で,平成17年度からの救命救急センターの供用開始を目指して参ります。
 第2は,「自然とともに生きるまちづくり」 であります。
 環境への負荷の少ない循環型社会への転換を進めていくため,エコショップ制度の導入や資源再利用促進費補助制度の充実など,ごみの減量化・資源化を一層進めて参ります。ごみ固形燃料工場につきましては,安全性の確保に努めながら開設をして参ります。また,県の箕沖埋立地の延命化工事に併せ,隣接する本市の処分場の延命化を図るため,応分の負担をして参ります。さらに,全市的な屋上緑化を促進するため,新たに庁舎の屋上緑化整備に取り組むなど,身近な自然環境と共生するまちづくりを進めて参ります。
 第3は,「豊かさを実感できる舞台となるまちづくり」 であります。
 コミュニティーの振興では,(仮称)西部市民センターの基本設計・用地取得や御幸公民館の改築等,市民の活動と交流の拠点となる施設を整備して参ります。
 道路整備では,引き続き駅家加茂線などの整備に取り組むほか,中心市街地等の地域における通行について,より安全確保を図るため,転落防止柵の設置など,市道の維持補修を緊急に要する箇所の整備に重点的・計画的に取り組んで参ります。
 上水道の整備では,安定給水体制確立のため新規浄水場の一部稼動に向けて取り組むほか,災害に強い施設整備,水量水圧不足地域の解消などを図って参ります。下水道につきましては,浸水対策として引き続き新涯ポンプ場などの整備を行うほか面整備を進め,新年度末には普及率が67%となる見込みであります。
 住宅整備では,居住水準の向上と高齢者・障害者対策を考慮した優良な住宅として,山手町住宅の建設に向けた取組を進めて参ります。
 第4は,「個性をはぐくむ教育・文化のまちづくり」 であります。
 学校教育につきましては,本年4月に開設する中高一貫教育校の円滑な運営に向け,万全の措置を講ずるほか,小中学校の校舎改修や障害児学級・教員用のコンピューター整備など,児童・生徒の学習環境の保持や安全確保に努めて参ります。また,高校生最大のスポーツの祭典「全国高等学校総合体育大会」が8月に島根県を中心に中国5県を会場として開催され,本市もボート競技の会場となっており,大会の成功に万全を期すとともに,本市のPRにつなげて参る考えであります。
 第5は,「地域の資質を活かした産業のあるまちづくり」 であります。
 農林水産業の振興では,走島の漁業集落環境整備事業により生活基盤整備を進めるほか,田尻漁港の整備により機能増進を図り,安全な漁業活動を促進して参ります。
 商工業の振興では,備後絣の伝統的工芸品指定に向けた振興計画策定への助成や広島大学との産学官連携フェアの開催など,地場産業の振興や新製品開発への支援,また新たに若年求職者の就職支援セミナーを開催するなど,若年者の雇用支援にも努めて参ります。
 第6は,「発展する都市圏の中核となるまちづくり」 であります。
 情報機能の強化では,電子申請システムを県と共同で開発・運用するほか,地域公共ネットワーク基盤の拡大を図るため,未整備施設である地区公民館等の公共施設をネットワーク化するなど,電子自治体の実現に向けた取組を進めて参ります。
 新たな都市構造の形成では,東桜町地区市街地再開発事業について,来年度には事業認可を受け,具体的に事業を推進させていくこととされております。伏見町地区につきましては来年度の床買取会社の設立を目指しておられますので,それぞれ段階に応じた支援を行って参ります。福山駅周辺地区の整備につきましては,福山駅前広場の整備に向け,測量・地質調査等を行うほか,引き続き福山駅西町線や駅南自転車駐車場の整備,また文化ゾーンとの一体化に向け,歩行者連絡道の整備などを実施して参ります。図書館を核とする複合施設の整備につきましては,他の公共施設の整備状況なども踏まえ,市民図書館を中心とした施設を整備する方向で,基本計画を策定して参りたいと考えております。交通体系の整備では,福山港洗谷線の整備などに引き続き取り組むほか,福山港国際ターミナル整備に伴い,道路交通の円滑化に向け,大型トレーラーなどの通行が可能となるよう,新涯大橋の補強整備に取り組んで参ります。
 以上のほか,集中的な投資により教育施設や福祉施設など各種公共施設の延命化を図るための特別枠を設け,所要の措置を講ずることとしたところであります。
 次に,内海町・新市町との「合併建設計画」 について,その大要を御説明いたします。
 内海町地域では,(仮称)うつみ市民交流センターの整備や新たに内浦地区の公民館を建設するほか,箱崎・横田漁港の漁業集落環境整備への取組や漁礁設置事業,内海中学校プール改修などを実施して参ります。
 新市町地域では,(仮称)新市スポーツセンター,(仮称)しんいち市民交流センターの整備や文化財センターの用地取得のほか,戸手小学校の屋内運動場や街区公園の整備などを実施して参ります。
 次に,競馬事業につきましては,島根県三刀屋町の場外発売所が4月にオープンする予定であります。そのほかの推進決定をしております計画につきましても早期に開設できるよう関係機関等との諸手続を進めて参る考えであり,今後とも事業の健全化に向けた諸施策に全力で取り組んで参ります。
 以上,新年度予算案を中心に,主要な施策とその大要について申し上げました。
 新年度では,平成18年度を初年度とする次期総合計画の策定作業にも着手いたしますが,変革の時代にこそ,激変する社会経済情勢を見極め,自主自立のまちづくりに向けて智恵を絞り,本市の将来の新たな展望を切り開いていかなければなりません。引き続き,合意と信頼を基本に市民とともに歩む市政の推進に努めて参りますので,議員各位を始め市民の皆様の御理解と御支援をいただきますようお願いを申し上げます。
 予算以外の議案としましては,福山市情報公開条例の一部改正など条例案18件,その他の議案として,損害賠償の額を定めることについてなど13件を提出いたしております。
 何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。