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平成20年12月定例市議会 市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2010年1月7日更新
 本日は,12月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております2008年度(平成20年度)補正予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,市政の当面する状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 初めに,我が国の経済情勢についてであります。11月の月例経済報告では,景気の基調判断は「世界経済が一段と減速するなかで,下押し圧力が急速に高まっている」とされ,2か月連続で下方修正が行われました。我が国の経済は今後とも不透明で,厳しい状況が続くものと考えております。10月末に,生活者の暮らしの安心や金融・経済の安定強化などを盛り込んだ追加経済対策が,国により示されましたが,定額給付金の支給方法などを巡り,様々な議論が行われております。具体的な実施方法など制度の全体像が明らかになった場合には,直ちに適切な対応ができるよう,体制を整えて参りたいと考えております。今後,中長期的な経済活性化につながる施策が早期に展開されることを念願するとともに,本市におきましても,引き続き,国の動向を注視しながら,時代の流れに的確に対応できる,持続的発展性のあるまちづくりに取り組んで参る考えであります。
次に,福山駅周辺整備についてであります。駅前広場整備事業につきましては,これまで専門委員や懇談会での意見を伺いながら,交通結節点としての機能や安全性・利便性と文化財との調和が図れるよう検討して参りました。今後は,これらの意見を踏まえる中で基本設計案をとりまとめ,市議会へ御報告し御意見を伺って参る考えであります。いずれにいたしましても,市民の皆様に大変御不便をお掛けしている状況を1日も早く解消できるよう,早期完成に努めて参ります。なお,駅前広場の移動の円滑化を図るため,駅前広場西側から地下道へ連絡するエレベーターを9月末から供用開始いたしております。今後,東側にも設置することといたしており,高齢者や障害のある方を始めすべての方々が利用しやすい,バリアフリーに配慮した駅前広場となるよう取り組んで参ります。
また,来年2月には,公共交通の利用促進と中心市街地の活性化を図るため,福山駅周辺地区と内港周辺地区を巡回する中心部循環路線も導入する予定といたしております。現在,この循環路線の愛称を募集しているところであり,多くの皆様に御応募いただく中で,市民の皆様に親しまれる路線となるよう鋭意取り組んで参ります。
7月にオープンいたしました中央図書館は,10月末までの4か月間で34万人と多くの方々に御入館いただいております。福山らしさのコーナーも非常に好評を得ており,今後とも市民ニーズに十分こたえ得る図書の充実はもちろん,特集・企画コーナーなどにも工夫を凝らし,地域の皆様に大いに活用していただける図書館となるよう取り組んで参ります。
次に,100万本のばらのまちづくりについてであります。市民へのばら苗の無料配布やホームページへのばら普及員だよりの掲載などにより,協働の原点であるばらのまちづくりを全市的に展開しているところであります。新たに企業や事業所にも御協力をいただき,11月に約1,600本のばら苗を配布することができました。こうした取組を通してばらの魅力や,ふるさとへの愛着を広めて参りたいと考えております。
次に,ふるさと福山の知名度向上に向けた取組についてであります。これまで,11月に開催した中核市サミットや東京の麻布十番納涼まつり,文京区でのイベントなどの機会を活用し,全国へ向けた情報発信に積極的に取り組んで参りました。市民の皆様や職員の手作りによる折りばらは,多くの方々に「ばらのまち福山」を情報発信するとともに,おもてなしの心をお届けすることができたものと考えております。御協力に対し,心から感謝を申し上げます。今後とも継続的な取組により,本市の魅力の向上に努めて参ります。
また,これまで観光振興ビジョンに基づき鞆の物語化に取り組んで参りましたが,このたび「鞆に見る歴史のロマン」として取りまとめ,発刊いたしました。多くの方々に御覧いただくことにより,本市の素晴らしい地域資源を伝承して参りたいと考えております。来年2月には,昨年度に続き,福山知っとる検定を,新たに2級の試験も加え実施する予定といたしております。市民の皆様にもふるさと福山の魅力を知っていただき,誇りと愛着を持って,その魅力の発信源となっていただけるよう,昨年を上回る多くの方々に参加していただきたいと考えております。
次に,四年制大学の設置についてであります。地域から求められる公立大学とするため,先般,高等学校の関係者や保護者,経済界を対象に意見交換会を開催いたしました。大学整備に関する本市の考え方を説明する一方で,参加いただいた方々からも貴重な御意見を伺うことができました。また,大学創設に係る諸課題を克服し,設置準備を円滑に進めるためには,大学運営の経験や手腕に基づいた力強い指導力が必要と考え,学長予定者として,東北大学名誉教授の四ツ柳隆夫先生に就任をお願いしたところであります。現在,基本設計に着手したところであり,今後,四ツ柳先生を中心に2011年(平成23年)4月の開学に向けて,引き続き,鋭意取り組んで参ります。
次に,環境基本計画についてであります。市民の皆様の御意見をできる限り反映した計画となるよう,公募による委員からなる環境市民会議ふくやまの提言や市民アンケートなどを基に骨子案をとりまとめ,10月に環境審議会に対し諮問をいたしております。現在,審議会での議論などを基に素案を作成したところであり,今後,パブリックコメントも実施する中で,答申をいただく予定といたしております。引き続き,環境の保全と創造につながる計画となるよう来年3月の策定を目指して取り組んで参ります。
 次に,本市の水事情についてであります。6月以降の少雨により八田原ダム及び三川ダムの貯水量が減少し,去る11月18日から工業用水及び農業用水について,20%の第1次取水制限を実施しているところであります。このところ断続的な降雨がありましたが,雨量が少なく,貯水量の回復には至っておりません。これから雨量の少ない時期を迎えることから,引き続き,厳しい状況が続くものと思われます。市民の皆様の節水への御協力をお願いいたします。
次に,市民病院の産婦人科についてであります。一日も早い再開に向けて,これまで医師の確保に全力で取り組んで参りました。全国的な医師不足の中で大変厳しい状況にありましたが,12月1日から常勤の医師による婦人科外来の診療を再開することができました。引き続き,産科を含めた全面再開に向けて医師の確保に努めて参ります。また,10月から,子育てと仕事の両立を支援するため当病院におきましても病児・病後児の保育を始めております。今後とも市民の安心・安全を守る病院として,その役割を十分に果たして参る考えであります。
次に,国民健康保険の資格証明書交付基準の見直しについてであります。国民健康保険制度につきましては,国民皆保険の中核を担っていることから,資格証明書の交付について,これまで議会で様々な御意見をいただいてきたところであります。こうした中で,子どものいる世帯に対する資格証明書の交付につきましては,本市独自で,これまでも一定の配慮をしてきたところですが,保護者の経済状況にかかわらず,子どもが安心して医療を受けられる環境を確保する観点から,交付基準を見直し,18歳以下の子どもに対しては資格証明書を交付しないこととし,来年1月1日から,短期被保険者証に切り替えて参ります。
 次に,本市の新年度の財政見通しについてであります。歳入につきましては,このところの景気動向などから企業収益の減少が予測され,法人市民税を中心に市税全体で大幅に減少するものと見込んでおります。歳出では,扶助費を始めとする社会保障費や公債費などの増加に加え,四年制大学の開設に向けた取組や東桜町地区市街地再開発事業を始めとする都市基盤整備,小中学校の教育環境の整備など財政需要は今後も増大するものと考えております。このため,新年度の予算編成では,創意工夫をしながら,施策の選択と重点化を図る中で行財政改革を一層推進し,歳出全般の徹底した見直しに取り組んで参る考えであります。引き続き,市政運営の基本となる7つのキーワードに基づく重点政策に職員一丸となって取り組み,にぎわいがあり,すべての人が住み慣れた地域で安心して暮らせるまちづくりを推進して参ります。
 次に,今回の補正予算について御説明申し上げます。このたびは,一般会計ほか2会計の補正をお願いいたしております。
 まず,一般会計では,制度上補正を必要とするものや公共事業等の追加に伴うものなどについて必要な措置をいたしております。制度上補正を必要とするものといたしまして,乳幼児やひとり親家庭等にかかる扶助費,児童手当などの対象者や件数の増加に対応するため,所要額を計上いたしております。また,加茂町高山地区町内会ほか4か所の地域集会所の整備に対する補助などについても対応いたしております。財政調整基金につきましては,前年度決算剰余金の2分の1相当額を積み立てることといたしております。公共事業等の追加に伴うものといたしましては,国の経済対策に対応し,私立保育所の施設整備への補助を行って参ります。放課後児童クラブの規模の適正化につきましても,補助内示の追加により,人数の多い4クラブを,計画を前倒しして実施し,大規模クラブの解消を図って参ります。そのほか,税制改正に対応するため税務総合システムの改造なども行うことといたしております。集落排水事業特別会計では,8月の落雷により被災した服部中央マンホールポンプ場ほか4か所の修繕に取り組んで参ります。病院事業会計では,手術件数や患者数の増加などに対応するための薬品費や診療材料費を始め,乳がんの早期発見・早期治療の医療器械器具としてマンモコイルの整備費などについて措置いたしております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で23億5,419万3千円の追加となり,3会計の補正予算額は28億1,190万8千円の追加となりました。
 予算以外の議案では,条例案として,福山市表彰条例等の一部改正についてなど7件を提出いたしており,その他の議案といたしましては,訴えの提起についてなど26件を提出いたしております。
 以上が,今回提出いたしております議案の概要であります。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。