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平成22年第2回福山市議会定例会 市長総体説明

印刷用ページを表示する 掲載日:2011年12月2日更新
 本日は,2010年(平成22年)第2回定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして,誠にありがとうございます。
今回提出いたしております2010年度(平成22年度)当初予算案を始め,関係諸議案の御審議をお願いするに当たり,新年度における市政運営の基本方針と予算案の大要について御説明申し上げます。
初めに,先月27日にチリで地震が発生し,数多くの死傷者を出す大災害となりました。犠牲となられました方々に対し,深く哀悼の意を表し,被災者の方々にお見舞いを申し上げるとともに一日も早い復興をお祈りいたします。この地震に伴う津波注意報により,本市においても直ちに注意体制をとり,沿岸住民の皆様に対する注意の呼びかけなどを行ったところであります。本市では,大きな影響も無かったところではありますが,安心・安全に暮らせるための万全の体制づくりに引き続き取り組んで参ります。
さて,急速な少子高齢化や人口減少社会への移行など,我が国の社会構造は大きな転換期を迎えております。こうした状況に加え,一昨年来の経済不況により,本市の行財政を取り巻く環境は非常に厳しい状況にあります。2月の月例経済報告では,「景気は,持ち直してきている」としておりますが,12月の完全失業率は5.1%と高水準で推移しており,新卒者の就職内定率も昨年度を大幅に下回るなど,雇用状況は依然として厳しい状況が続いております。そのため,新年度におきましては,地元の企業活動の安定と雇用対策を最優先の課題として,特に市内の企業がこれ以上疲弊することなく地域経済が活性化するよう,補正予算と連動した経済危機対策に取り組むこととし,積極的な予算編成に取り組んだところであります。また,私は健全な財政運営こそが市民の皆様に対する最大のサービスであると考えております。予算編成に当たっては,経済・雇用対策とともに「再(Re)」をキーワードとした持続可能なまちづくり,持続可能な財政運営にも特に意を用いたところであります。
 こうした考えの下,施策の選択と重点化を図る中で,7つのキーワードに基づき,45事業,約110億円に財源を重点的に配分したところであり,その大要について御説明を申し上げます。
まず初めに,特に精力的に取り組み,全国へ向けて発信していく「福山発」の施策についてであります。
 市民の皆様との協働によるまちづくりを基本に取り組んでおります「福山発」の施策につきましては,今年度は着実に根付くことができたものと考えております。新年度では,更につぼみがふくらみ,花開くよう,継続して取り組むとともに,「ばらのまちづくり推進事業」を新たに加えて参りたいと考えております。
 1つ目の「福山発」は,「ばらのまちづくり推進事業」であります。
戦後復興のシンボルであり,本市の協働のまちづくりの原点でもあるばらは,都市ブランドの一つとして定着しているところであります。ばらを活用したまちづくりを更に効果的に進めていくため,今年度は「100万本のばら市民会議」を始め,多くの皆様からの御意見を基に,「ばらのアクションプラン」を策定することといたしております。新年度からは,このプランに基づき「みんなの「ばら」100万本プロジェクト」として,市制施行100周年を迎える2016年度(平成28年度)には,100万本のばらが咲き誇るまち「福山」が実現するよう,市民の皆様や各種団体,事業所との協働により取り組んで参る考えであります。福山を訪れた方が,一目で福山が「ばらのまち」であることがわかるよう,駅前大通りや国道2号,主要幹線道路の沿線などにばらを植え,福山駅からばら公園までを(仮称)ローズロードとして整備して参ります。また,ばら苗の安定した供給を図るため,ばら苗育成者への支援制度を設けるほか,地域におけるばら栽培の指導者を育成するため,(仮称)福山ばら大学を開設するなど,栽培しやすい環境づくりへ向けた支援を行って参ります。さらに,福山のばらの歴史を学ぶことや折りばらの普及などを通して,「ばらのまち福山」をアピールして参る考えであります。
2つ目は,「温暖化対策事業 スクラムふくやま☆エコトライ 2nd(セカンド)」であります。
世界的な規模で進んでいる地球温暖化は,今や喫緊の課題であります。豊かな環境を守り育て,将来の世代に引き継ぐため,社会の一員として一人一人が自分にできる取組を積み重ねていくことが重要であると考え,今年度から,市民や事業者との協働の下,ふくやまエコファミリー認定制度やエコ企業認定制度,公共施設への太陽光発電設備の設置などに取り組んでおります。目標としていた年間14,600トンの二酸化炭素削減も達成できる見通しであります。2年目となる新年度では,更に内容を充実し,太陽エネルギーの一層の利用促進を目指し,太陽光発電システムや太陽熱利用システムの設置者などに対する新たな支援を行うことといたしております。また,公共施設へのLED照明の導入や自転車利用・公共交通利用の促進などに取り組むほか,エコファミリーのモデル世帯による節減効果を広報し,温室効果ガス削減に向けた啓発も行って参る考えであります。こうした取組により年間15,000トンの二酸化炭素削減を目標として積極的に取り組んで参りたいと考えており,市民の皆様の御理解と御協力をお願いいたします。
3つ目は,「福山らしさ創出事業」であります。
都市の活力や持続的な発展には,その都市の持つブランド力や都市イメージが重要であり,地域にある資源の掘り起こしや情報発信を積極的・効果的に行うことが,知名度向上や観光客の増加につながるものと考えております。現在,NHK大河ドラマ「龍馬伝」が放送されており,「いろは丸事件」の舞台となった「鞆の浦」を全国に発信しているところであります。本年1月に就航した「平成いろは丸」も好評を得ており,秋には,ドラマ後半のクライマックスで「いろは丸事件」が登場する予定であります。多くの方々から注目を浴びるこの機会に,「鞆の浦」を更に全国へ発信して参りたいと考えております。また,ばらのまち福山ミステリー文学新人賞第1回優秀作「少女たちの羅針盤」の映画化が予定されております。福山でのロケも予定されており,官民一体で積極的な支援を行って参りたいと考えております。さらに,(仮称)「福山食ブランド創出市民会議」を設置し,市民との協働により,地域の特色を生かした,だれもが食べてみたいと思う「福山ならではの食のブランド」の創出にも取り組んで参ります。
4つ目の事業は,「地産地消推進運動」であります。
安心・安全な食の提供や市内の食料自給率を高めるための第一歩として,今年度は地産地消推進協議会などを立ち上げ,全市的な推進体制の整備を図るなど,基盤づくりができたものと考えております。新年度におきましては,多様な担い手の育成や新規就農者の確保,自立促進のための支援を行い,安定生産と品質向上に取り組んで参りたいと考えております。市場流通の拡大を図るため,産直市へ出荷する農家の支援や卸売市場への地場産コーナーの設置,地産地消のシンボルマーク「ふくやま生まれ」を活用した販売促進も行って参る考えであります。また,消費・流通や生産の各分野との連携の下,協働による「地産地消モデル地区」を設定し,地域での地産地消を更に進めて参ります。学校給食では生産者からの直接納入の拡大を図るほか,学校農園で収穫した農産物の給食での使用や「地場産物100%給食の日」,地元の農産物を使用した子ども料理教室なども実施して参ります。なお,耕作放棄地につきましては,引き続き,モデル地区を設定して支援を行うとともに,実態把握にも取り組み,耕作放棄地の再生・活用につなげて参りたいと考えております。
次に,新年度予算案の概要についてであります。
歳入につきましては,市税は,景気低迷による企業収益の悪化や個人所得の減少から,法人・個人市民税を始め市税全体で8.9%と,かつてない大幅な減少となりました。特別加算による地方交付税や臨時財政対策債の増加を見込むほか,財政調整基金からの繰入金等で財源確保に努めたところでありますが,歳入面における財政状況は非常に厳しい状況にあります。
歳出につきましては,これまで,計画的に取組を進めております職員定数の適正化などによる人件費の減少や,低利率への借換制度の終了による公債費の減などがありますが,子ども手当の創設や障害福祉サービス事業費,生活保護費など扶助費が増加したことなどにより義務的経費全体では3%の増となりました。投資的経費では,汚泥再生処理施設建設や(仮称)福山市立大学建設事業の進捗などにより18%の増となりました。その他の経費では,経営安定化のための中小企業に対する融資の増加により,貸付金が26.6%の増となるほか,市税過誤納付還付金の増も見込んでおります。
これらの結果,新年度の予算規模は,一般会計で1,691億5,500万円,前年度当初予算と比べ約97億円,率にして6.1%の増,企業会計まで含めた全会計の合計では,3,109億1,124万5千円となり,率にして1.6%の増となりました。
 次に,新年度の主要な施策について,第四次福山市総合計画に掲げるまちづくりの基本目標に沿って,重点政策や新規事業を中心に御説明申し上げます。
基本目標の第1は,「だれもが安心して安全で快適に暮らせるまち(安心・安全・環境)」であります。
本市では,命を大切にして人が人として尊重される地域社会の実現に向けて取り組んでいるところであります。だれもが,住み慣れた地域において人として尊重され,安心して安全に暮らすことは,まちづくりの基本であり,市民と行政が協働し,地域ぐるみで取り組むことが重要であると考えております。
防犯対策につきましては,生活安全モデル地域の指定や地域への防犯資器材の配付,防犯カメラシステムの設置やこども110番事業の推進などに,引き続き取り組んで参ります。協働によりこれらの防犯対策に取り組んでいただいている地域の皆様には,心から感謝いたしますとともに,引き続き御協力をお願い申し上げます。
災害に強いまちづくりのため,引き続き小中学校の校舎・屋内運動場,水道施設などの計画的な耐震化に取り組んで参ります。また,今後,老朽化する橋りょうの増大に対応するため,橋りょうの予防的な修繕や架け替えのための計画策定にも着手することといたしております。さらに,災害時要援護者の避難支援体制の確立に向け,引き続き要援護者の把握に努めるとともに,個別の避難支援プラン策定を支援して参る考えであります。消防・救急体制の充実に向けては,芦品消防署の改築工事を行うとともに,北消防署駅家分署のはしご付消防ポンプ自動車を更新することといたしております。このほか,水道未普及地域を解消するため,引き続き神辺町三谷地区への水道管布設を行うとともに,より安全で良質な水を提供できるよう,老朽化した出原浄水場の更新にも着手いたします。
深津市営住宅につきましては,安心して暮らせる快適な住環境となるよう,老朽化した住宅の建て替えや外壁改修などの延命化を行い,シルバーハウジングも整備することといたしております。(仮称)福山市神辺斎場につきましては,新年度本体建設工事に着手して参ります。また,低床バスなどに対する助成や東部地域での支線バスの再編に向けた実証運行,バスの接近表示システムの導入など,生活バス交通の利用促進に努めて参ります。
第2は,「子どもが健やかに育ち,だれもが健康でいきいきと暮らせるまち(保健・福祉・医療)」であります。
住み慣れた地域の中で,将来を担う子どもたちが健やかに生まれ育ち,生涯にわたって健康で生きがいを持ち,豊かな人生を過ごすことは,市民共通の願いであります。若い人たちや子育て世代から高齢者の方までが「住んでみたい」「住んで良かった」と思えるまちづくりを目指して参りたいと考えております。
新年度では,新たに国において創設される子ども手当の支給を行うとともに,児童扶養手当について,現行では支給対象となっていない父子家庭についても,支給することといたしております。また,地域における多様なニーズを踏まえ,保育所を地域における核として子育て支援事業に取り組むとともに,保育所再整備計画に基づき,施設の老朽化に対応した施設整備を行い,保育環境の向上を図って参ります。発達障がいにより支援を必要とする児童が増加傾向にある中,子どもとその家族が地域で安心して暮らすことができるよう,早期発見・早期支援の拠点施設となる(仮称)療育センターの整備に向け,県や周辺市町と連携して取り組んで参ります。高齢者おでかけ支援事業では,モデル地域を更に4学区増やし,外出が困難な高齢者が積極的に地域活動や社会参加ができるよう取り組みます。女性特有のがん検診につきましては,より多くの方に受診していただけるよう,特定の年齢に達した該当者の方へ無料クーポン券の配付を行って参ります。また,児童・高齢者の虐待の防止や自殺対策に,関係機関とも連携を図りながら,取り組んで参る考えであります。
夜間における一次救急患者受入体制を整備するため,(仮称)救急支援診療所の新設に取り組み,地域医療の充実にも努めます。市民病院につきましては,外来化学療法室や内視鏡室の整備,病棟の増床など増築工事の実施設計に取り組むとともに,駐車場不足を解消するため,立体駐車場を整備し,引き続き,地域の医療ニーズに応えていくことを基本に,医師会等とも連携を図る中で,高度で良質な医療の提供に努めて参る考えであります。
第3は,「多様に学び,文化をはぐくむまち(教育・文化)」であります。
教育は,次の世代を育み,福山市の将来の発展を築く礎となるものであり,地域に根ざした教育は,まちづくりにとっても極めて重要であります。子どもたち一人一人が自分たちの住む故郷を大切にし,豊かな心と健やかな体を持ち,自分の将来に対し夢や志を持つことができるよう,学校・家庭・地域社会において取り組む必要があると考えております。
すべての児童・生徒が自ら学び,考え,生涯にわたって学び続けることができる基礎となる確かな学力や豊かな心を培うため,少人数指導の推進に取り組むとともに,発達障がいのある児童・生徒が安心して生き生きと学校生活が送られるよう,学校支援員や新たに学習補助員も配置し,特別支援教育体制の推進にも努めて参ります。また,子ども市政参画事業につきましては,地域や社会などへの関心が高まるよう,内容を更に充実させて,引き続き子ども議会を開催して参る考えであります。
(仮称)福山市立大学につきましては,現在計画通り建設工事も進んでおり,今月末の大学設置認可申請に向け鋭意取り組んでいるところであります。新年度は,設備整備や開学準備を行うこととしており,全国から多くの方に受験していただくよう,PRや広報活動に努めて参りたいと考えております。なお,校舎建設の財源として住民参加型の公募債を発行することとし,応募期間は今月15日から26日までといたしております。大学は市民の皆様の財産であり,多くの方々の御協力をお願い申し上げます。
芸術や文化は,人々に感動や活力を与え,豊かな精神と人間性を育むものであると考えております。平安中期に活躍し,三蹟の一人としてたたえられる藤原(ふじわらの)佐(すけ)理(まさ)の書状「頭弁帖(とうのべんじょう)」を,今年9月,ふくやま美術館で特別公開を行う予定といたしており,この機会に多くの皆様に是非御覧いただきたいと考えております。また,優れた文化は,地域に根ざす財産として次の世代に伝えていかなければならないと考えております。鞆の歴史的な町並みにつきましては,伝統的建造物の老朽化が著しく,本格的な修理を早急に実施する必要があるため,単市の補助事業として保存に取り組むとともに,早期の重要伝統的建造物群保存地区の選定を目指し,取り組んで参りたいと考えております。
第4は,「産業の力みなぎる活力とにぎわいのあるまち(活力・交流)」であります。
本市が将来にわたり持続的に発展するためには,活力ある都市とならなければならないと考えております。にぎわいあふれ,拠点性と求心力を備えた50万都市となるため,都市の魅力の創出はもとより,人・モノ・情報が行き交う交流拠点機能の強化や産業の活性化に取り組んで参りたいと考えております。
都市基盤整備につきましては,福山駅周辺整備では,備後地域の中核都市の玄関口にふさわしい,魅力とにぎわいのある都市空間を創り出すとともに,機能性・安全性・快適性を備えた交通結節点としての機能の向上を図るよう取り組んでいく必要があると考えております。引き続き,地下送迎場の整備などを着実に進めるとともに,歴史ある福山城や,本市のシンボルである「ばら」を実感できるよう整備を行って参ります。市街地再開発事業では,東桜町地区につきましては,新年度におきましても,引き続き本体建築工事費について応分の補助をするなど,計画どおりの完成に向けて支援することといたしており,伏見町地区におきましても,引き続き準備組合の動向を見ながら,状況に応じた支援を行って参る考えであります。
地域経済の発展を目指し,物流拠点として福山港箕沖地区の国際コンテナターミナル第2バースの整備にも引き続き取り組んで参ります。また,交流拠点機能の強化に向けて,幹線道路網を整備するほか,都市の拠点性の強化や交通渋滞緩和のために,山手橋の架け替えなど都市計画道路の整備にも取り組んで参ります。
27年の長きにわたり議論を積み重ねてきた鞆地区道路港湾整備事業は,鞆町の大多数の方が待ち望んでおられる事業であり,現在ある鞆の歴史・文化を子や孫に継承するとともに,鞆町の再生・活性化を図る上で重要な事業であります。現在,新知事の下,県において地元住民との対話集会が予定されておりますが,知事の適切な判断を早期に出していただき,一日も早く再生・活性化に向けた取組を,県と連携しながら進めて参りたいと考えております。
現下の厳しい経済情勢において,市民の皆様の不安を取り除き,市内企業の経営や雇用状況を改善することは最優先の課題であります。そのため,市独自に取り組んでいる経営環境変化対応特別融資資金を40億円に増額するほか,国の制度を活用した緊急雇用対策として失業されている方を対象に臨時職員として雇用するなど経済・雇用対策関係予算約45億円を措置いたし,市内企業の資金需要や雇用の創出にも対応して参る考えであります。
 また,本市のオンリーワン・ナンバーワン企業を始め,様々なものづくり企業は地域発展の源であり,ものづくり企業への支援を通じて,地場産業の活性化に努めて参ります。 このほか,農村振興総合整備事業では,ほ場整備や農業用用排水路など農業基盤の整備に取り組むことといたしております。園芸センターの大温室は,開園から30年が経過し老朽化しており,解体するとともに,来園者の皆様の憩いの場として整備して参りたいと考えております。食肉センターにつきましては,利用実態や周辺都市環境の変化などにより,様々な課題に直面していることから,先月,福山市食肉センター検討委員会を設置し,今後のあり方について諮問したところであります。来年3月を目途に答申を受ける予定といたしており,委員会の意見を踏まえる中で,今後の運営について総合的な判断を行って参りたいと考えております。
第5は,「市民とともにつくる自立したまち(協働・行革)」であります。
地域の特性を生かした魅力あふれるまちづくりをより一層進めるためには,地域活動を通して市民一人一人が自分の住むまちや地域,市政に関心を持つことが大切であります。これまでの協働の成果を踏まえ,地域の魅力ある資源を的確に見いだし,地域の財産として大切に育てることができる地域づくりに取り組んで参る考えであります。本年度から開始した地域ポイント制度につきましては,参加しやすく魅力ある活動を加えるなど対象事業の拡大にも取り組んで参る考えであります。また,まちづくりを進めるためには,地域活動や市民活動を担うリーダーの役割が重要であり,引き続き計画的・継続的に人材育成に取り組んで参ります。 
行財政改革につきましては,これまでも行財政改革大綱に基づき,職員が一丸となり,自己決定・自己責任による施策・事業の選択と重点化や健全な財政運営に取り組んでいるところであります。地方分権が進む中,今後も多種多様な市民ニーズへの対応を行う必要があると考えており,引き続き,経営的視点での行政活動の推進や行政体制の確立,市民との協働によるまちづくりの推進など,集中改革プランの着実な実施に取り組んで参ります。また,2011年度(平成23年度)以降の行財政改革大綱のあり方を検討するとともに,2012年度(平成24年度)からの第四次福山市総合計画後期基本計画の策定にも取り組み,活力と魅力あふれる福山市の発展につなげて参りたいと考えております。
次に,競馬事業についてであります。これまで単年度収支の均衡を基本に事業運営に取り組んで参りました。今年度は,一昨年12月の福山地方競馬健全化対策推進委員会の答申に基づき,各種振興策を講じてきたところであります。しかし,発売収入の落ち込みに歯止めがかからず,第3四半期までの収支は3,100万円余の赤字となっており,施設整備等基金の繰入を前提とした年間収支の均衡を目指し,競馬関係者の協力もいただく中で,全力を挙げて振興策に取り組んでいるところであります。新年度においては,賞典奨励費の見直しを継続する中で,魅力あるレースの実施と馬資源確保対策に加え,更なる他場連携の拡大による売得金の確保に取り組むことといたしておりますが,引き続き,極めて厳しい運営状況にあるものと認識しております。なお,今後の在り方については,先月,福山市営競馬検討委員会に諮問いたしたところであり,委員会の答申を踏まえる中で,総合的に判断して参りたいと考えております。
以上,重点政策や新規事業を中心に,新年度予算とその大要について申し上げました。
財政環境が非常に厳しい状況にある中,社会・経済環境の変化に適切に対応し,予測困難な時代を乗り切っていくためには,「人間重視」「環境重視」の視点で,将来にわたって持続可能な行政運営や地方主権による地方自治の確立に向けて着実に取り組んでいかなければならないと考えております。そのため,財政の健全化,財政規律を踏まえた行政運営を原点において,「再(Re)」をキーワードに,今あるすべての施策・事業について今一度原点に立ち返り,改めてゼロベースで再検討・再構築を行い再始動する考えであり,新年度本格的に取り組んで参ります。職員が一丸となり知恵を出し合いながら,将来都市像である「にぎわい しあわせ あふれる躍動都市 ~ばらのまち 福山~」の実現を目指して,市民満足度の高い行政運営に取り組んで参る決意であります。
 予算以外の議案といたしましては,福山市農業振興ビジョン策定委員会条例の制定についてなど条例案10件,その他の議案として,新たに生じた土地の確認及び字の区域の変更についてなど4件を提出いたしております。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

本文は,口述筆記ではありませんので,表現その他に
若干の変更があることがあります。