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平成22年11月臨時市議会市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2011年12月2日更新
 本日は,臨時市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 開会に当たり,当面する市政の状況と,提出いたしております2009年度(平成21年度)福山市一般会計ほか14特別会計の歳入歳出決算の議案について,その大要を御説明申し上げます。
 初めに,福山市立大学についてであります。10月29日,文部科学大臣から「福山市立大学設置認可書」が交付されました。地域の発展に寄与する魅力ある大学をつくるため,長年,四年制大学の設置に向けて取り組んで参りました。このたび,その念願がかない感慨深いものを感じております。これまで御支援・御協力をいただきました皆様に,この場をお借りいたしまして,感謝を申し上げます。今後は,来月5日の推薦入試を皮切りに,1月からは大学入試センター試験を利用した一般入試も始まります。市立大学として,教育・研究の成果を広く地域に還元することにより,地域活性化に寄与するとともに,本市のシンクタンクとしての役割を果たすことを大いに期待いたしております。引き続き,2011年(平成23年)4月の開学に向け,希望あふれる第1期生を迎えるため,万全を期して参る考えであります。
 次に,ふくやま美術館の特別展「黄金美術」についてであります。今月2日から,後期の展示が始まりました。今回展示されている作品は,重要美術品の「桐(きり)鳳凰図(ほうおうず)屏風(びょうぶ)」を始めとする黄金を象徴的に用いた美術作品57点であります。本展は,金属工芸の専門家でありました故中野政樹ふくやま美術館名誉館長が,美術における黄金の魅力を多くの皆様に堪能していただきたいと企画されたものであり,故人の追悼のためにも,多くの皆様に御来場いただきたいと考えております。また,今年は,福山市に多大な御貢献をいただいた日本を代表する書道家,栗原蘆水様がお亡くなりになりました。改めて,哀悼の意を表するとともに,本市といたしましては,故人の意志を引き継ぎ,「本物」の芸術・文化にふれられ,豊かな精神と人間性をはぐくむまちづくりを進めて参りたいと考えております。
 次に,子ども議会についてであります。10月31日に第2回目となります子ども議会を開催いたしました。多くの小・中学生から応募をいただき,市政への関心の高さを嬉しく思ったところであります。子ども議員の皆さんは,1泊2日の研修等で勉強されたことを環境委員会など5つの委員会に分かれて議論する中で,質問や提案をされました。将来の福山を担う子どもたちの前向きな姿勢に頼もしさを感じるとともに,今回の経験を生かし,社会や地域,学校生活などで積極的にまちづくりに参加いただきたいと考えております。
 さて,2009年度(平成21年度)決算認定をお願いするに当たり,御説明させていただきます。
 昨年度,政権交代がありました。民主党を中心とした新たな体制の下,景気回復を確かなものとするための経済対策が実施されました。本市におきましても,厳しい経済・雇用情勢に対応するため,国の緊急経済対策に呼応し,3度の補正予算を編成いたしました。特に,環境や安心・安全対策,教育環境の整備にかかわる施策に重点を置き,市民の生活支援や地域経済の活性化に取り組んだところであります。
 また,新たに,「温暖化対策事業(スクラムふくやま☆エコトライ)」「『福山らしさ』創出事業」「地産地消推進運動」を「福山発!地方主権」の施策として位置付け,特に精力的に取組を進めました。「スクラムふくやま☆エコトライ」では,エコでえ~ことキャンペーン,エコ企業認定制度や公共施設への太陽光発電設備の設置などに取り組み,市民や企業の皆様との協働の下,目標としていた年間14,600トンの二酸化炭素排出量の削減を達成することができました。「『福山らしさ』創出事業」では,大河ドラマ「龍馬伝」の放映にあわせて,坂本龍馬ゆかりの地として,全国へ鞆の浦の魅力を発信いたしました。市営渡船「平成いろは丸」の就航などもあり,鞆を訪れる観光客が増加し,都市イメージの向上が図られたものと受け止めております。「地産地消推進運動」では,関係団体と連携し,福山市地産地消推進協議会などを立ち上げ,全市的な推進体制を整えるなど,その土台づくりに取り組みました。このほか,福山市立大学の校舎建設や福山駅前広場整備,東桜町地区市街地再開発事業を始めとした都市基盤整備も順調に進めることができました。
 このように,昨年度は,社会情勢の変化に的確に対応し,市民一人一人の暮らしを守るため,職員が一丸となり,持続可能で落ち着きのある市民生活の構築を目指して取り組んだ1年でありました。引き続き,将来都市像である「にぎわい しあわせ あふれる躍動都市 ~ばらのまち 福山~」の実現に向けて,本市の持つ可能性や潜在能力を生かし,市民一人一人が自立した活力ある,将来にわたって夢と展望のもてるまちづくりに取り組んで参りたいと考えております。議員各位を始め市民の皆様の,より一層の御支援と御協力をお願い申し上げます。
 次に,本市の2009年度(平成21年度)決算の概要について御説明申し上げます。
 一般会計では,歳入総額1,724億6,431万2千円に対し,歳出総額は1,680億8,269万5千円となり,歳入歳出差引額は43億8,161万7千円であります。翌年度へ繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額は,今年度へ繰越をした大学整備のための寄附金5億円や生活保護費などの国庫支出金の精算に伴う返還金5億7千万円などの要因から前年度を11億円余上回り,38億5,324万3千円の黒字となっております。
 特別会計は,14会計で,全体では歳入総額1,137億4,680万6千円に対し,歳出総額は1,144億8,766万3千円で,実質収支額は7億4,597万8千円の赤字となっております。赤字の要因につきましては,競馬事業特別会計において,20億988万7千円の赤字額を計上したためであり,翌年度の歳入を繰り上げて,これに充てております。
 競馬事業につきましては,発売収入が,ここ10数年来減少し続け,昨年度はピーク時の22.6%という状況でありました。昨年度は,福山競馬開設60周年記念ファン感謝祭や賞典奨励費の大幅な見直しなど,経営の健全化に向けた各種振興策と経費縮減策に取り組んだものの,歳入から基金繰入金を除いた実質単年度収支では1億634万4千円の赤字となりました。今年度につきましても,第1四半期に続き,第2四半期も赤字となり,上半期の基金繰入金を除いた実質的な収支では6,400万円余の赤字という大変厳しい内容となっております。
 去る9月29日,福山市営競馬検討委員会から「できるだけ速やかに廃止すべきである」としながらも「『実質単年度収支の確保』が客観的に担保されるならば事業継続も考えられる」との答申をいただきました。2008年度(平成20年度)からの2年間は,基金繰入により辛うじて収支均衡を確保している状況であり,答申に示された「実質単年度収支の確保」を基本とする競馬事業運営は極めて厳しい状況であると考えております。競馬事業の今後の方向性につきましては,答申の内容を最大限尊重するとの立場に立ち,「実質単年度収支の確保」という視点から今年度の収支状況や次年度予算編成作業の状況などを見極めつつ,総合的に検討する中で一定の時期に判断して参りたいと考えております。
 次に,普通会計の状況についてであります。まず歳入では,景気低迷による企業収益の悪化や個人所得の減少により,法人市民税・個人市民税を始めとする市税が前年度から59億600万円と大幅な減収となりました。しかしながら,地方交付税や定額給付金交付事業費補助金,国の経済対策に伴う臨時交付金などの国庫支出金の大幅な増加により,歳入全体では,対前年度8.9%の増となりました。
 歳出では,人件費は定員適正化の取組や給与改定の影響などにより1.5%の減となりましたが,扶助費は生活保護費や障がい福祉サービス事業費などの増加により7.5%の増,公債費も1.9%増加し,義務的経費全体では,対前年度2.5%の増となりました。投資的経費は,大学整備事業費などの増加により,18.1%と大幅な増となりました。このほか,定額給付金交付事業費などで補助費等が57.5%の大幅な増となるなど,歳出全体では対前年度8.4%の増となりました。
 財政運営の主要な指標につきましては,経常収支比率は,88.9%と前年度より0.7%上昇いたしましたが,健全化判断比率等につきましては,実質公債費比率の8.5%を始めとして,いずれの指標も基準を下回る結果となりました。本市の財政状況は,おおむね健全な状況にあるものと考えております。しかしながら,このところの円高や海外経済の減速懸念等による景気の下振れのリスクもあり,市税など一般財源の確保が不透明な状況にある中,今後も扶助費や公債費などの義務的経費は高い水準で推移するものと見込んでおります。本市を取り巻く財政環境は,今後も困難な状況が続くものと予測いたしております。引き続き,行財政改革を着実に推進し,財政規律を踏まえた健全で持続可能な財政運営に努めて参ります。
 なお,2009年度(平成21年度)における主要な施策につきましては,「主要な施策の成果等説明書」で御報告申し上げているとおりであります。
 決算についての監査委員の指摘要望事項につきましては,その対応策を講じ,事務事業のより適切かつ効率的な執行に努めて参ります。
 以上が,今回提出いたしております議案の概要であります。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

本文は,口述筆記ではありませんので,
表現その他に若干の変更があることがあります。