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令和7年第5回福山市議会定例会 市長説明要旨(11月26日)

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年11月26日更新

 本日、令和7年第5回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位には御参集いただき、誠にありがとうございます。
 今回提出しております「令和7年度福山市一般会計補正予算」を始め、諸議案の御審議をお願いするに当たり、当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。

 名誉市民の松本卓臣様が、先月6日御逝去されました。福山商工会議所の会頭、名誉会頭を務められるなど本市を代表する経済人であり、茶の湯を愛する数寄者でもありました。御寄贈いただいた貴重な茶道具は、「松本コレクション」として多くの市民に親しまれています。また、福山大学や福山平成大学を創設時から支え、福山観光コンベンション協会の会長を始めとする公職も数多く歴任されました。さらには、旧福山そごう跡地を無償提供いただくなどまちづくりにも多大な御貢献をいただき、その卓越したリーダーシップは本市の成長の原動力となりました。改めてお悔やみを申し上げ、松本様の御遺志を受け継ぎ、本市の更なる発展に一同邁進(まいしん)することをお誓いいたします。

 次に、人口減少対策について申し上げます。
 本市では、10年前と比較して転出超過が拡大しています。これには、10歳代後半から30歳代までの日本人の転入者数が大きく減少したことが影響しています。このため、進学や就職、結婚、子育てといったそれぞれの節目において、若者に選ばれる魅力あるまちづくりを引き続き進めていく必要があると考えています。また、出生数の減少も続いています。このため、少子化対策の一層の強化をめざし、新たに専門家会議を立ち上げました。初回の会議では、女性に家事や育児負担が集中する要因の1つと言われている長時間労働の是正や男女の賃金格差の解消が必要との指摘がありました。これを受け、次回以降は、多様な就業環境や家族構成に合わせた働き方改革の推進、ジェンダーギャップ(性別の違いによる格差)の解消などについて議論を進めていきます。
 このうち、働き方改革の推進に当たっては、グリーンな企業プラットフォームの「働きやすい職場部会」においても、先月から若者や子育て世代が取得しやすい休暇制度の構築等をめざすモデル事業が始まっています。今後は、このモデル事業の成果を見える化し、市内の企業に広く周知していくほか、効果的な支援の在り方についても議論を進めてまいります。
 次に、福山駅前広場の再整備についてであります。
 9月の広場協議会以降、再整備の方向性について、交通事業者や経済界、商店街のほか、高齢者や障がい者団体などと意見交換を行ってきました。また、「ふくまちヒロバラボ」において若者や女性の考えも、現在、伺っています。来月1日に開催する広場協議会でたたき台をお示しし、引き続き各界各層の意見を伺いながら、年度末に向けて基本計画案を作成してまいります。
 次に、地域コミュニティの再構築についてであります。
 まちづくりに関わる団体が互いに意思の疎通を図ることが重要です。現在、「(仮称)まちづくり支援拠点施設」の入居団体で構成する「まちづくりネット」において、地域コミュニティが抱える様々な課題の解決に向け、議論が進められています。また、来月には有識者会議を立ち上げ、改めて、これまでの持続可能な地域コミュニティづくりに向けた取組を検証し、年度末を目途に見直しの方向性を取りまとめます。これらを踏まえ、今後は「まちづくりネット」を中心に新たなコミュニティづくりを進めてまいります。
 次に、地域公共交通の再構築についてであります。
 市民生活に欠かせない路線バスの利便性向上に向けて、来月13日から2週間、一部を除き運賃を100円とする実証事業を行います。先月から実施している運行便数の増便と新路線の実証運行とあわせて市民ニーズを把握し、路線の再編につなげていきます。また、オンデマンド乗合タクシーを新たに田島東部で導入します。導入済みの地区においても運行ダイヤや乗降場所を追加し、安心な市民生活を支える移動サービスを構築してまいります。
 次に、自動運転についてであります。
 豊富な知見と実績のある新たな事業者と連携し、来月から3か月間にわたって商用運行に向けた実証実験を実施します。ルートは、これまでと同様、エフピコアリーナや「(仮称)まちづくり支援拠点施設」などが立地する全世代交流型エリアと福山駅前との間とします。そして、不要な急ブレーキの回避や複数車線の交差点での右折などの安全性を検証します。順調にこれが進めば、来年9月に「レベル2」を、2027年度(令和9年度)には特定条件の下で、運転手なしの完全自動運転を行う「レベル4」を実現してまいります。
 次に、水産業の振興について申し上げます。
 本市近海の海洋環境の改善に向け、7月に官民共同会議を立ち上げました。会議では、海底耕うんによる漁場の改善のほか、ミズクラゲやアイゴ対策、藻場の保全・再生などの取組について議論をいただいています。また、先般、食品宅配サービスなどを展開するオイシックス・ラ・大地株式会社と、藻場の再生などをめざす連携協定を締結しました。早速、これまで市場にあまり流通していなかったアイゴを食材にした商品を開発、販売していただいており、更なるアイゴの駆除の促進と漁業者の収入安定化につながることを期待しています。
 次に、福山港内港地区についてであります。
 国の港湾整備により発生する浚渫(しゅんせつ)土砂の受入先候補として、昨年11月から国による土質調査や工法の検討が行われてきました。その結果、軟弱地盤の堆積が明らかになり、それに伴う事業費の増大が課題となっています。引き続き、採算性等の観点から、国の事業として成り立つかどうかを検討いただいています。
 
 先月、新年度の予算編成方針を発表しました。2026年度(令和8年度)は、次期「福山みらい創造ビジョン」のスタートの年です。新たなビジョンでは、少子化対策を始め、ネウボラセンターを含むこども・子育て支援の充実、地域の拠点づくりの本格始動、福山駅周辺と全世代交流型エリアをつないだ都市核の形成など、福山の未来を見据えた挑戦を続けていきます。新年度は、これらの施策に予算を重点的に配分するとともに、引き続き物価高騰から市民生活を守っていきます。また、社会の新たな基盤となるデジタル技術の活用と圏域の活力維持に向けた広域連携を更に推進していきます。
 財政見通しについて申し上げます。歳入は、固定資産税などの市税のほか、地方消費税交付金や地方交付税が増加することで、今年度を上回るものと見込んでいます。一方、歳出では、社会保障関係費や人件費などの経常的経費が増えることに加え、経済・物価動向への対応など事業費が大幅に増加することから、現時点では収支の不足が見込まれています。このため、事業の選択と重点化を一層進めていくとともに、今年度から着手した新たな「総合的な財源確保」にも取り組むことで、持続可能な財政基盤を維持していきます。

 次に、補正予算についてであります。
 この度は、一般会計を含む5つの会計で補正をお願いしています。
 まず、物価高騰対策として、学校や保育施設等の給食費を据え置くための措置を継続します。また、こども食堂や介護・障がい福祉サービス事業所の運営事業者に食材料費の支援を行うほか、施設園芸農業者や漁業者向けには燃料費の高騰分相当額を補助します。
 物価高騰対策以外では、世界バラ会議福山大会のレガシーを発展させるため、大会記念ばらの植栽による彩り豊かな景観づくりに取り組むほか、「ローカル10,000プロジェクト」を活用した新たなビジネスの立ち上げへの支援などを行います。また、大阪・関西万博パビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」の本市への移築が決まり次第、配置の検討に着手できるよう、必要な事業費を計上しています。
 皆様からいただいた御寄附については、健康増進のための備品や教材の購入などに活用します。
 債務負担行為については、市制施行110周年記念事業や津波ハザードマップ作成業務委託、竹ケ端運動公園の陸上競技場と野球場の耐震診断などの経費を計上しています。また、繰越明許費についても必要な措置を講じています。
 以上の結果、今回の補正予算額は、一般会計で63億2,979万8千円の追加となり、5会計の合計では67億6,532万円の追加となりました。
 なお、かきの大量死被害を受けた養殖業者への支援や国の総合経済対策を踏まえた新たな物価高騰対策については、スピード感を持って実行できるよう、今議会に追加提案させていただきたいと考えています。

 予算以外の議案といたしましては、条例として「福山市行政手続等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部改正について」など5件、その他の議案として「(仮称)まちづくり支援拠点施設整備業務委託契約締結の変更について」など15件を提出いたしております。

 何とぞ慎重なる御審議の上、御可決いただきますようお願いを申し上げ、提案理由の説明といたします。
 
 本文は、口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。