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平成23年9月定例市議会市長説明要旨

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年2月26日更新
 本日は,9月定例市議会を招集いたしましたところ,議員各位には,御多用の中を御参集いただきまして誠にありがとうございます。
 今回提出いたしております諸議案の御審議をお願いするに当たり,当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
 初めに,我が国の経済情勢についてであります。8月の月例経済報告では,景気は「持ち直している」と上方修正されました。しかしながら,東日本大震災や原発事故に加え,激しい円高にも見舞われるなど,企業の経営環境は,厳しさを増しております。本市におきましても,福山商工会議所の景気観測調査では,市内企業の景況感は,震災前の状況には戻っておらず,現在の円高水準がこのまま続けば,企業の海外進出による産業の空洞化が懸念され,非常に危機感を抱いております。こうした中,9月2日に新内閣が発足いたしました。国においては,日本経済の立て直しに向け,ビジョンを明確に示し,早期に円高対策など景気回復を確実にするための政策を実施されるとともに,震災復興への取組が遅れることのないよう,強く念願するものであります。
 次に,災害に強いまちづくりについてであります。先週末,大型の台風12号が中国四国地方を直撃し,影響は広い範囲に及び,各地に甚大な被害をもたらしました。被害を受けられた方々に対し,心からお見舞いを申し上げます。
さて,現在,国において,東日本大震災における地震・津波被害の分析などについて検証が行われているところであり,本市におきましても,国や県の動向を見ながら,地域防災計画を見直すことといたしております。こうした動きと併せて,本市独自に防災施策の点検・見直しを行うため,関係する部署ごとにワーキングチームを設置し,防災の専門家や地域住民,本市から被災地へ派遣した職員の意見を聴きながら,津波避難ビルの指定や新たな情報伝達手段の整備などに取り組んでいるところであります。今年5月末,沿岸部に津波・高潮警報などを伝達する防災行政無線の運用を開始いたしましたが,7月30日には,松永地区において,自主防災組織などと連携し,防災行政無線を使用した訓練を実施したところであります。10月には,中国・四国ブロック緊急消防援助隊合同訓練も実施することといたしております。今後も,こうした取組を通して,安心・安全な市民生活の確保に向け取り組んで参ります。
 東日本大震災から間もなく半年がたとうといたしております。被災地では今も,懸命な復旧・復興へ向けた取組が続いており,本市におきましても,これまで約350人の職員を派遣するなど,継続的な支援を行っているところであります。9月9日からは,福島県浪江町の県議会議員と町長選挙に係る選挙事務の支援を行うため,職員を派遣することといたしております。引き続き,被災地のニーズに応じ,積極的な支援を行って参ります。
 次に,第四次福山市総合計画後期基本計画についてであります。現在,昨年度実施いたしました市民アンケート調査や基礎調査の結果などを踏まえ,後期基本計画の素案を作成したところであります。前期基本計画に掲げる57の施策を関連ある30の施策にまとめるなど,市民の皆様に分かりやすいものとなるよう,努めたところであります。後期基本計画は,2006年度(平成18年度)に策定した基本構想に基づき,市制施行100周年へ向け,今後5年間のまちづくりのビジョンを示すものであります。9月7日からは,パブリックコメントを実施することといたしております。持続可能なまちづくりに向け,市民の皆様と共有できるものとなるよう,今年度中の策定に向け,鋭意取り組んで参ります。
 次に,鞆のまちづくりについてであります。県主催の住民協議会においては,1年半近くに及んで議論が続けられております。この間にも鞆地区は,人口減少や町並みの老朽化などがますます進行しております。このような状況を見たとき,現在,約2年にも及んで中断せざるを得ない状況にある「鞆地区まちづくり整備方針(素案)」を早期に策定し,この整備方針に基づき,一日でも早く鞆の総合的なまちづくりに着手していく必要があると考えているところであります。県知事におかれましては,早期に適切な判断を下されることを強く望むものであります。
 鞆地区の町並み保存につきましては,歴史的な町並みを形成している多くの建造物は,老朽化が著しく,早急な保存整備が必要な状況となっております。これまで,町並み保存拠点施設の整備に向けて取り組んできたところでありますが,このたび,一定の整理ができましたので,用地を取得し,今後,歴史的町並みの保全や地域の活性化を図って参りたいと考えております。
 今年は,朝鮮通信使が鞆の浦を日東第一形勝と称賛してから,300年目の節目の年にあたります。これを記念して,昨年,多くの皆様に好評をいただきました日韓トップ囲碁対局を今年も10月に開催することといたしております。11月には,朝鮮通信使行列を再現する「21世紀の朝鮮通信使行列」も開催することといたしており,今月から行列に加わっていただく方の一般公募を始めております。是非,多くの皆様に御参加いただき,300年前の歴史絵巻の再現を楽しんでいただきたいと考えております。
 次に,「大阿部家展」についてであります。福山城博物館開館45周年を記念して,10月8日から開催することといたしております。日米和親条約交渉時の様子を描いた大変貴重な歴史的資料である「亜米利加(あめりか)使節饗応之図(しせつきょうおうのず)」など,新しく阿部家から本市へ寄附・寄託された古文書や藩主ゆかりの美術工芸品を中心に展示することといたしております。是非,多くの皆様に御来場いただきたいと考えております。
 次に,福山市立大学についてであります。7月23日・24日の2日間,初めてのオープンキャンパスを開催いたしました。2日間で約1,200人と西日本を中心に多くの生徒,保護者,学校関係者の方に御参加をいただき,改めて市立大学に対する関心の高さと期待の大きさを感じたところであります。開催に当たっては,1期生が企画段階から参画し,キャンパスツアーや模擬授業の実施,手作りの大学ガイドブックの配布など,受験生の目線に立ったPRを行い,大学の魅力が大いにアピールできたものと考えております。今年度も多くの皆様に受験していただけるよう,積極的な広報活動を行って参ります。
また,市立大学が産業振興や安心・安全などの行政課題について,専門知識を生かし,市のシンクタンクとしての役割を担うよう,7月に福山市・福山市立大学連携協議会を立ち上げたところであります。今後,市と大学との連携を十分図って参りたいと考えております。
 次に,土曜チャレンジ教室についてであります。5月にスタートして以来,参加した児童生徒やボランティア講師からは「参加して良かった」という声が寄せられており,大変好評であると受け止めております。現在,市内5か所で実施しており,130人以上の児童生徒から参加申し込みをいただいております。今月17日からは,新たに神辺地区で開設する予定であり,各地域の支援により少しずつではありますが,実施地区も増えてきております。今後とも,学校,家庭,地域の連携を深め,児童生徒の学習意欲の向上や学力の定着につなげて参りたいと考えております。
 次に,子ども議会についてであります。先月18日・19日に,子ども議員が親善友好都市である岡崎市の生徒市議会を訪問いたしました。意見交換などの交流を通し,まちづくりに対する関心を高めることができたものと受け止めております。10月30日には,第3回目となる子ども議会を開催する予定といたしております。これまでも,様々な意見やアイデアが提案され,ふくやま地産地消の日の制定や本市ゆかりの偉人を描く漫画本の作製など事業化に結びついたものもあります。今年度も活発な議論が行われることを大いに期待するとともに,子どもの市政参画の機会を広げて参りたいと考えております。
 次に,福山駅周辺整備についてであります。福山市駅南地下送迎場が7月1日から供用を開始いたしました。駅南口における送迎の利便性が図られ,安全にアクセスできるようになりました。引き続き,今年度末の完成に向け地上部の整備を進めて参ります。また,商業施設「CASPA(キャスパ)」につきましては,これまで駅前の中心施設として,本市の活性化に大きく寄与いただいており,来年1月末の閉店につきましては,大変残念に思っております。備後都市圏の玄関口として,にぎわいあふれる魅力的な都市空間となるよう,今後,産学官で緊密な連携を図る中で,駅周辺市街地の活性化について検討して参りたいと考えております。
 次に,川南土地区画整理事業についてであります。川南地区を3つの区域に分け,それぞれの地域の特性に応じたまちづくりを推進するため,事業説明会を開催するなど地元と意見交換を重ね,住民合意形成に努めてきたところであります。住民の皆様からは,安心・安全な道路整備等生活に密着した課題解決を求める多くの意見が寄せられるなど,この事業に対する地域の期待は,非常に大きいものであると受け止めております。先月29日には,県から事業計画変更の認可を受けたところであります。今後は,早期の事業化に向け換地設計や土地区画整理審議会の開催に向けた準備を進めるとともに,引き続き,地権者の理解と同意が得られるよう,鋭意取り組んで参る考えであります。
 次に,福山港についてであります。現在,広島県・岡山県両県が本市を含む関係行政機関や関係事業者とともに,福山港と水島港の連携強化策などについて検討されているところであります。先月31日には,今後の推進体制や事業計画などを盛り込んだ「国際バルク戦略港湾育成プログラム」が国へ提出されました。今後は,育成プログラムに基づいた事業が推進され,備後地域の産業基盤の強化につながり,本市の拠点性がより一層高まるものと期待いたしております。また,来年7月には,延期となった海フェスタが開催されることとなっており,今年に続いて「日本丸」の一般公開などを予定いたしております。多くの皆様にお越しいただきたいと考えております。
 次に,(仮称)福山・府中地域救急支援診療所の整備についてであります。症状の重い患者を受け入れる二次救急病院へ比較的軽症な患者が多数受診し,二次救急病院への負担が増加しております。このため,夜間における軽症患者の受入体制の充実を図るため,これまで,医師会を始めとする関係団体と連携し,成人を対象とした救急支援診療所の新設に向け取組を進めて参りました。このたび,福山すこやかセンター南側の福山夜間小児診療所に隣接して整備することとし,今後,用地取得などに取り組むことといたしております。引き続き,2012年度(平成24年度)末の開設に向け,鋭意取り組んで参る考えであります。
 また,全国的に医師不足が深刻化する中,市民病院の産婦人科におきましても,産科部門が休診となっておりました。これまで,岡山大学に対し産婦人科医師の派遣を求めて働きかけを重ねるなど,医師確保に向け取り組んで参りましたが,このたび,10月1日に新たに2人の医師が着任することとなりました。今後は,早期に全面再開できるよう,体制整備を進めて参りたいと考えております。
 次に,福山市神辺斎場についてであります。斎場の整備につきましては,神辺町との合併建設計画事業として,周辺環境と調和するとともに,人生の終えんの場にふさわしい施設となるよう,整備を行って参りました。今月22日に竣工式を行い,10月1日から供用開始の予定といたしております。
 次に,財団法人福山勤労福祉事業団の解散についてであります。当事業団は,「福山勤労総合福祉センター(備後ハイツ)」の運営主体として設立され,これまで備後地域の勤労者福祉の増進に取り組んできたところであります。公益法人制度改革により,一般法人への移行を検討いたしましたが,多額の繰越欠損金がある中での移行は困難であることから,今月末をもって解散し清算手続に入ることが決定されました。備後ハイツにつきましては,当面,運営を継続いたしますが,今後のあり方について,廃止も含めて早期に検討して参る考えであります。
 次に,競馬事業についてであります。第1四半期の収支は,5月前半までの売上が好調であったため,基金繰入なしで4,200万円余りの収益超過となっております。しかしながら,5月後半からの売上は前年度並みとなっていることに加え,収益率の高い本場等の売上減少に歯止めがかからないなど厳しい状況にあります。今年度の実質単年度収支につきましては,引き続き,注意深く運営状況を見極めて参りたいと考えております。
 次に,2010年度(平成22年度)普通会計の決算見込みについてであります。昨年度は,景気の低迷などにより市税が減少し,生活保護を始めとした扶助費や介護保険特別会計への繰出金など社会保障関係費が大幅に増加する厳しい財政環境となりました。そうした中にあっても,福山市立大学建設など都市基盤整備を着実に進めるとともに,低迷する経済・雇用情勢や本市が直面する喫緊の課題,市民の安心・安全に関する事業に積極的に取り組んで参りました。こうした中で,財政の健全化を表す健全化判断比率や資金不足比率は,すべての指標が早期健全化基準など国の定める基準を下回っております。主要な財政指標である経常収支比率や公債費比率につきましても,前年度を下回るなど,本市の財政状況はおおむね健全な状況にあるものと受け止めております。しかしながら,臨時財政対策債が増加したことにより,5年ぶりに市債残高が増加に転じ,今後の財政運営に懸念を持っております。今後も,先行きが不透明な社会経済情勢の中,市税など一般財源の動向は厳しい状況が続くとともに,社会保障関係費や公債費などの義務的経費は高い水準で推移するものと見込んでおります。引き続き,行財政改革を推進するとともに,昨年度から全庁で取り組んでいる「再(Re)」の取組を着実に進めることで,財政規律を踏まえた持続可能な行財政運営に努めて参ります。
 次に,今回提出いたしております2010年度(平成22年度)の企業会計の決算につきまして,その大要を御説明申し上げます。
 まず,病院事業会計についてであります。市民病院では,立体駐車場の新築のほか外来診療室や高度医療機器の整備など診療体制や病院機能の充実に努めて参りました。収支状況は,患者数の増加などにより,3億7,844万4千円の純利益を計上することができました。今後も,経営の健全性を確保するとともに,増築事業にも着実に取り組むなど,引き続き,高度で良質な医療を安定的かつ継続的に提供できるよう努めて参ります。
 水道事業会計では,安全で良質な水道水の安定供給を図るため,出原浄水場の更新や木之庄配水池耐震補強工事,配水管の布設替えなどに取り組んで参りました。経費の節減など効率的な事業運営に努めたことに加え,猛暑の影響などから給水収益が前年度に比べ増加したことなどにより,5億1,251万9千円の純利益を計上することができました。工業用水道事業会計では,純利益として3億8,795万6千円を計上いたしており,引き続き,産業基盤としての企業活動を支える役割を担って参る考えであります。水道事業,工業用水道事業とも中長期的な視点に立った健全な事業運営に努めて参ります。
 次に,補正予算について御説明申し上げます。このたびは,一般会計ほか3会計の補正をお願いいたしております。
 児童生徒の安全確保の観点から,耐震改修に向け,小学校40棟,中学校10棟について,二次診断を実施することといたしております。必要なものについては,早期に耐震改修に取り組んで参りたいと考えております。また,高齢者福祉については,在宅サービスの機能強化の一環として,夜間対応型訪問介護事業所を開設する法人に対し,設備整備等への補助を行うことといたしており,本市では初,県内では2例目となります。公共事業の追加につきましては,国庫補助事業について,放課後児童クラブの増築工事を実施することといたしております。県補助事業では,ため池の緊急整備といたしまして,神辺町渡瀬池ほか6か所の改修工事を実施いたします。篤志家からの寄附につきましては,ふくやま書道美術館の事業費として措置するなど,それぞれ御寄附の趣旨に沿ったものといたしております。制度上補正を必要とするものといたしましては,地上デジタル放送共聴施設の整備を要望された団体へ対応するため,所要額を計上いたしております。
 下水道事業特別会計及び水道事業会計におきましては,来年4月の下水道事業の地方公営企業法適用と上下水道の組織統合にかかる財務会計システムや水道局庁舎の改修など所要額を計上いたしております。
 以上の結果,今回の補正予算額は,一般会計で6億9,269万3千円の追加となり,全会計の補正予算額は,9億1,671万円の追加となりました。
 決算及び予算以外の議案といたしましては,条例案として,福山市の議会の議員その他非常勤の職員の公務災害補償等に関する条例及び福山市消防団員等公務災害補償条例の一部改正についてなど7件,その他の議案として,旧福山市西部清掃工場解体工事請負契約締結についてなど6件を提出いたしております。何とぞ慎重なる御審議の上,御可決いただきますようお願いを申し上げ,提案理由の説明といたします。

本文は,口述筆記ではありませんので,
表現その他に若干の変更があることがあります。