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令和8年第5回福山市議会定例会 市長説明要旨(8月31日)
本日、令和8年第5回市議会定例会を招集いたしましたところ、議員各位には御参集いただき、誠にありがとうございます。
今回提出しております「令和8年度福山市一般会計補正予算」を始め、諸議案の御審議をお願いするに当たり、当面する市政の状況と議案の大要について御説明申し上げます。
1 はじめに
全国で甚大な災害が頻発しています。
先月28日の熊本地震、今月13日からの千葉豪雨で亡くなられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された多くの皆様に心からお見舞いを申し上げます。本市では、熊本地震発災直後から、応急給水や住家被害認定調査のための職員を派遣しています。両被災地の一日も早い復旧・復興に向け、できる限りの支援に取り組んでまいります。
第10代福山市長の牧本幹男様が、今月12日に御逝去されました。1983年(昭和58年)から2期8年にわたって市政運営を担い、財政再建に取り組むなど本市の発展に尽力されました。謹んで御冥福をお祈りいたします。
2 3期目の折り返しに当たって
では、まず、始めに、3期目の折り返しを迎えるに当たり、この10年間を振り返るとともに、当面する市政の主要課題について申し上げます。
(1)10年間の振り返り
2016年(平成28年)9月、この場で私は、「誇り」と「輝き」のある備後の中核都市福山の創造に全力で取り組む覚悟を申し述べました。そして、市政をスタートするに当たり、「ふくやま未来づくり100人委員会」を立ち上げ、福山の未来図を描いてもらいました。また、全ての学区・地区を回り、「車座トーク」も行いました。市民と共に市政を運営する、これが市長としての私の原点です。
また、都市の力と魅力を高めるため、福山駅周辺のにぎわい再生や福山北産業団地第2期事業など都市基盤の整備を進め、福山城やばらといった資源にも光を当ててきました。子育て支援の柱として推進してきた福山ネウボラは、ネウボラセンターへと発展し、学校施設の空調整備と耐震化など教育環境も充実させました。この間、平成30年7月豪雨という未曾有の災害にも見舞われましたが、抜本的な浸水対策に全力で取り組み、またコロナ禍や物価高騰に対しては、スピード感を持ってその対応策を打ち出してきました。市政は一歩一歩着実に前進していると受け止めています。
一方で、この10年間に、少子化は更に進み、若者の市外への流出も増加しています。このため、本年度からスタートした「福山みらい創造ビジョン」では、「福山版少子化対策の推進」と「若者や女性に選ばれる都市づくり」に重点的に取り組む方針を明確にいたしました。
(2)当面する市政の主要課題
(福山版少子化対策の推進)
次に、当面する市政の主要課題について4点に絞って申し上げます。
1点目は、「ビジョン」の重点プロジェクトにも掲げている少子化対策についてであります。
こどもと子育て家庭への支援として、経済的負担の大胆な軽減を行います。4月から議論を重ねてきた「保育サービスの利用と負担の適正化検討専門家会議」では、第1子保育料について、引下げの方向性が示されました。放課後児童クラブの利用料については、国が示す負担割合などを踏まえて適正な金額に引き上げる必要があるとの指摘もありました。質の高い保育サービスを持続可能にするための制度設計を進め、子育て家庭が安心して利用できる環境を整えていきます。
また、「若者・女性に選ばれる企業づくり官民共同会議」を通じた働き方改革の推進や、福山市民病院の周産期医療の機能強化にも取り組みます。官民一体となって人口減少という我が国最大の問題に向き合い、挑戦を続けてまいります。
(「都心核」の形成と地域の拠点づくり)
2点目は、市域全体ににぎわいをもたらす「都心核」の形成と地域の拠点づくりについてであります。
本市では、福山駅前広場の整備に向けた取組が緒に就き、地域の拠点づくり戦略も具体化しつつあります。加えて、福山道路と神辺水呑線が事業化の段階に入るなど、都市の骨格を形づくるプロジェクトが動きだしています。
福山が、今以上に人や企業を引きつける都市に変わっていくためには、拠点性と求心力を持った「都心核」の形成が不可欠と考えています。ビジネスや商業、交通、歴史、芸術文化といった都市機能が集積する福山駅周辺と、スポーツや教育といった駅周辺にはない機能を備えた全世代交流型エリアをつなぐことで、「都心核」に求められる拠点性と求心力を更に高めていきます。
本市の玄関口である福山駅前において、今、旧三菱UFJ銀行福山支店の解体に向けた設計が進んでいます。新たなホテルの建設も予定されています。今後もオフィスや店舗などの誘致に積極的に取り組み、若者やビジネスパーソンにとって魅力ある働き方や暮らしが実現できる空間を駅前広場を中心に創造していきます。これに合わせ、(仮称)伏見まちづくり勉強会をスタートさせ、将来の伏見町エリアの再生について地権者の皆さんと共に考えてまいります。
また、全世代交流型エリアでは、大阪・関西万博パビリオン「いのちの遊び場 クラゲ館」の移築が進められています。(仮称)子ども未来館とまちテラス、エフピコアリーナを核に、世代を超えて人々が集い、交流する空間を創造してまいります。
一方、神辺と松永には、「都心核」を補完する都市機能があると考えています。それは交通結節機能に加え、産業、商業、大学、歴史などの機能であり、特有の広域生活圏もそれぞれに抱えています。
まず、神辺では、区画整理が概成し、今後、商業施設や住宅の集積が進むことになります。北部一帯をネットワークに収めるバス路線網を形成していくことで、神辺駅を拠点とする交通結節機能を更に向上させていきます。現在、これに向けた実証運行を実施中です。
また、松永では、福山大学と連携し、若者の感性でまちを活性化させる「まつながる駅北ストリートキャンパスプロジェクト(駅北キャンパスPJ)」が始動しました。学生と地域が主役となって駅北口の空間を活用し、多世代の交流を促進します。また、スポーツ施設の再編整備にも取り組み、「大学とスポーツのまち」をめざしてまいります。
これらを取り巻く地域には豊かな自然や長く受け継がれてきた祭りに代表される圧倒的な価値があります。それぞれの個性をいかした地域の拠点づくりでは、新市のかわまち広場整備や駅家公園の魅力向上、道の駅「アリストぬまくま」の再整備、そして内海の海洋環境の改善に取り組みます。一つ一つを形にし、各地ににぎわいと活力を生み出してまいります。
(強い地域経済の構築)
3点目は、国の成長戦略に呼応した強い地域経済の構築についてであります。
新たな産業基盤を造るため、各地に産業クラスターを戦略的に形成するとの考えが、国の骨太方針で示されました。県内では西部の東広島市、呉市が先行してこの取組への準備を進めてきました。本市においても、県西部に比肩し得るものづくり企業の集積があることから、国に対して新しい産業基盤づくりへの参画を強く要望し、今般、半導体関連産業クラスターの形成をめざす3つ目のエリアとして、国の計画に追加されることが決定しました。
福山が誇るものづくりの技術力を生かし、日本の半導体サプライチェーンを支える中核拠点としての地位を確立することで、更なる企業の集積、魅力ある雇用の創出、市民の所得と消費の増加につなげ、経済の好循環を生み出していきます。まずは、国や県、事業者と共に協議会を立ち上げ、市内企業の投資促進や関連するインフラ整備について議論を開始します。また、福山市立大学を始めとする市内の教育機関と連携し、人材育成にも取り組んでいきます。備後圏域の経済発展をけん引しつつ、国の経済成長の一翼を担う高い競争力を持った半導体関連産業クラスターを本市を中心に形成してまいります。
(防災力の更なる向上)
4点目は、激甚化・頻発化する自然災害への備えについてであります。
本市には、防災重点農業用ため池が1,052箇所あり、これは県内2番目の多さです。これまでも安全対策に取り組んできましたが、県による耐震診断や防災工事の多くが未実施のままとなっています。このため、決壊した場合の影響が特に大きい30箇所について、国営総合農地防災事業による工事の実施を国に強く要望し、今般、新年度予算の概算要求で、地区調査の対象とされることが決まりました。事業が実現すれば、ため池の安全対策は大きく加速することになります。年末の新年度予算案に盛り込まれるよう、引き続き、関係機関への要望を重ねてまいります。
今月発生した千葉豪雨では、1時間当たり115ミリメートルの降水量を記録し、北陸3県でもレベル5大雨特別警報が発令されました。こうした想定外のゲリラ豪雨が各地で相次ぐ状況を受け、本市の雨水対策において留意すべき事柄等について、改めて国や専門家の意見を伺ってまいります。
また、市立小中学校の屋内運動場の空調整備を2029年度(令和11年度)までに終え、避難環境をスピード感を持って改善していきます。災害時に、迅速な物資の供給を行う拠点となる防災備蓄拠点倉庫についても、同じ29年度からの供用開始をめざします。
防災力の更なる向上に不断に取り組み、安心・安全な暮らしの確保につなげてまいります。
以上、主要課題について申し上げました。
3 企業会計決算
次に、議案として提出いたしております2025年度(令和7年度)企業会計の決算について、その概要を御説明申し上げます。
まず、病院事業会計については、新本館1期部分の運用開始に向け、建設工事や医療機器の導入などに取り組みました。収支については、入院・外来収益がそれぞれ増加した一方で、長期化する物価高騰や人件費の増などから8億6,891万5千円の純損失を計上し、3年連続の赤字となりました。国の制度を活用して今年度招へいしたアドバイザーの助言も踏まえ、危機感を持って経営の改善に努めてまいります。
上下水道事業は社会経済活動に欠かせないライフラインです。
水道事業会計については、耐震化を含む管路の計画的な更新を進めたほか、笠岡市や井原市との緊急時連絡管の整備などを行いました。純利益は、9億686万1千円を計上しています。
下水道事業会計については、汚水管渠整備に加え、蔵王雨水幹線・ポンプ場の建設など浸水対策にも取り組みました。純利益として、10億7,579万7千円を計上しています。
工業用水道事業会計と集落排水事業会計についても、それぞれ純利益を計上しています。
引き続き、健全経営に努めてまいります。
4 補正予算
次に、補正予算についてであります。この度は、一般会計の補正をお願いしています。
まず、(仮称)福山駅前広場デザイン・運営検討会議を新たに設置し、施設のデザインや技術的な検討を行うための経費を計上しています。また、6月の大雨による災害復旧やため池の管理体制の強化にも取り組みます。若者の流出抑制策として市外に転出した若者の意識調査を行うほか、ユースセンター「ふらっと」の機能を拡充します。まちテラスの供用開始にあわせて、まちづくりに関心のある市民の相談支援に当たるコンシェルジュの配置を行います。
皆様からいただいた御寄附については、それぞれの御意向を踏まえ、こどもたちのための絵本や教材の購入に活用します。
債務負担行為については、福山城の価値を広く発信するとともに、伏見櫓や筋鉄御門の国宝化に向けた機運醸成につなげるための福山城築城405年記念事業を実施するための経費と、世界バラ会議福山大会のレガシーとしての「Rose Collection」の開催にかかる経費などを計上しています。また、繰越明許費については、必要な措置を講じています。
以上の結果、今回の補正予算額は、8億9,190万円の追加となりました。
5 その他の議案
以上申し上げました決算及び予算以外の議案といたしましては、条例として「福山市特別職報酬等審議会条例の一部改正について」など7件、その他の議案として、公共施設の利活用に関する民間提案制度によって旧東村小学校を児童発達支援センターや障がい者支援施設として活用する事業者へ売却を行う「財産の処分について」など11件を提出いたしております。
6 おわりに
最後に、この夏、市立福山高等学校野球部が広島県大会を見事に戦い抜き、創部以来の悲願であった甲子園出場を果たしました。夢の初舞台での、選手たちのひたむきなプレーは、私たちにさわやかな感動を与えてくれました。アルプススタンドを緑に染めた大応援団が、心を一つに選手たちを鼓舞する光景は、みんなが福山の市民であることに誇りを持っているかのように私には感じられました。迫田元監督の思いも受け継ぎ、短期間で素晴らしいチームをつくり上げた小田監督、そして選手たちに、心から感謝の言葉を贈りたいと思います。また、市民の皆様はもとより、全国から寄せられた多くの激励の御寄附に深く御礼申し上げます。市立福山の野球部の皆さんには、これからも切磋琢磨しながら県東部の高校野球界をリードしていくチームに成長してほしいと願っています。
福山では今、全国や世界の舞台で活躍するこどもや若者たちが増えており、その頑張る姿は無限の可能性を感じさせてくれます。ひたむきに挑戦を続ける若者たちをこれからもしっかり応援してまいります。
以上、提案理由を御説明申し上げました。何とぞ慎重なる御審議の上、御可決いただきますようお願いを申し上げます。
本文は、口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。






