
被爆80年企画「原爆の絵」複製画展~父との別れ~
人類史上初めて広島に原爆が投下されて80年。核兵器の恐怖と,その非人道性を知る私たちには,核兵器の廃絶と真の恒久平和の実現を訴え続けていかなければならない使命があります。昨年12月に発表されたノーベル賞では、日本の被団協がノーベル平和賞を受賞しました。このことは、ロシア軍のウクライナに対する軍事侵攻や、ガザ地区でのイスラエルとハマスの戦闘など,核兵器使用の危機が現実に迫ってきている証拠です。唯一の被爆国である日本の核兵器廃絶に対する真価が問われています。
そのような情勢の中で,今回の企画展においては,福山市在住の被爆証言者の廣中正樹さんに焦点を当てて「原爆の絵」の複製画を展示します。廣中さんは5歳の時に爆心地から約3.5kmの己斐町で近くの小川で遊んでいる最中に原爆に遭いました。廣中さんはその日の夕方お父さんと再会しますが、お父さんは背中に刺さった無数のガラス片を満足に取ることもできずに翌日亡くなります。この2日間の出来事を中心に広島市立基町高校美術部の生徒が9枚の絵に再現しました。この絵を中心に、前回展示しなかった原爆の絵の複製画を展示します。
核戦争の危機が迫る中で一人ひとりが,「生命の尊厳」と「平和の大切さ」についてあらためて見つめなおし核兵器廃絶に向けて何ができるか考える機会となればと念じています。
「閃光が走った瞬間の風景」
作/証言者:廣中 正樹
制作者:木原 結愛
所蔵:広島平和記念資料館
手話通訳/要約筆記の有無:
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