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福山市近代水道発祥の地「旧佐波浄水場」
旧佐波浄水場ってどんな施設?
【当時の佐波浄水場(全景)】
明治時代、人口増加に伴い、大量の水を必要とするようになりました。また、排水の垂れ流しなどによる水源(蓮池)や井戸水の汚れ、江戸時代に作られた木管の老朽化による汚染などで清浄な水が得られなくなり、伝染病の問題が頻発しました。
一方で、地方新興都市の発展には、衛生上の問題を解決し、清浄で豊富な水が供給できる近代水道の布設は欠かせないものとなっていたことから、上水道布設の財源である国庫補助を受けるために必要であった市制施行(1916年(大正5年)7月1日)とともに、当時の一大事業として近代水道の建設に着手しました。
熊野町渓谷に築造した貯水池を水源として、自然流下により佐波町城山の浄水場から旧福山市へ給水するもので、1925年(大正14年)11月に竣工通水式を行いました。
旧佐波浄水場は、福山市で初の近代的浄水場として建設され、福山市が近代都市へ発展するための基礎となりましたが、老朽化により1977年(昭和52年)に休止、1989年(平成元年)に廃止となりました。
面 積 | 28,286平方メートル | 最大給水量 | 6,250㎥/1日 |
着 工 | 1923年(大正12年)1月7日 | 総事業費 | 1,696,318円 |
竣 工 | 1925年(大正14年)9月30日 | 給水戸数 | 1,870戸【1926年 当時】 |
給水開始 | 1925年(大正14年)11月15日 | 給水人口 | 8,800人【1926年 当時】 |
計画給水人口 | 50,000人 |
旧佐波浄水場の現在は?
【配水池】 【浄水井上屋】 【門】
旧佐波浄水場は福山市における近代水道発祥の地であり、煉瓦造りの配水池や浄水井上屋、門は、現在でも建設当時の形のままで残っており、近代水道の歴史をとどめる貴重な建造物であることから、国の登録有形文化財(建造物)への登録に取り組みました。
2012年(平成24年)9月21日、国の文化審議会は、旧佐波浄水場を登録有形文化財(建造物)に登録するよう文部科学大臣に答申し、2013年(平成25年)3月29日に文化財登録原簿に登録されました。
また、佐波浄水場跡地を2011年度(平成23年度)から2013年度(平成25年度)にかけ、法面の桜と一体的に整備を行い、2014年(平成26年)3月31日に「佐波城山公園」として開園しています。
園内には、3つの文化財(旧佐波浄水場の配水池・浄水井上屋・門)があり、周辺には桜の木も植えられています。配水池の正面には阿武信一初代市長の直筆による「不舎晝夜」の記念額が掛かり、市の歴史も学ぶことができます。
「佐波城山公園」に足を運び、木々などの自然に囲まれた貴重な歴史的建造物を鑑賞してみませんか?
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