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煮込み料理は要注意!~ウエルシュ菌による食中毒対策~
煮込み料理を室温に置いたままにすると、わずかな時間で食中毒の原因になることがあります。
「加熱済みの食品は絶対安心」という誤った認識が、ウエルシュ菌食中毒を引き起こす一因となります。
ウエルシュ菌は、給食施設や飲食店のほか、一般家庭でも大量に調理する煮込み料理による食中毒の原因菌です。しっかり加熱した料理でも、調理後の扱い方によっては、菌が増殖してしまうことがあります。
ウエルシュ菌とは
ウエルシュ菌は、食品、 健康なヒト・動物の腸管内、土壌などの自然環境に広く常在している細菌です。
この菌は、「芽胞(がほう)」という熱に強い構造物を作るため、通常の加熱調理では完全に死滅せずに生き残り、加熱調理後の食品が適切に温度管理されない場合に増殖します。
また、ウエルシュ菌は酸素の少ない環境を好みます。
食品中で増殖した菌を摂取することにより、腹痛や下痢などの症状を引き起こします。
なぜ煮込み料理で起こりやすいの?
ウエルシュ菌による食中毒は、カレー、シチュー、煮物、スープなどの煮込み料理で多く報告されています。
これらの料理は、次のような特徴があります。
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大量に調理される
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長時間加熱することで、鍋の中の酸素が少なくなりやすい
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加熱後、鍋などの容器に入ったまま保管される
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食品の中心部まで冷えるのに時間がかかる
加熱後の食品を室温で放置すると、ウエルシュ菌が増殖しやすくなります。
そのため、調理後の冷却や保管が不適切な場合、食中毒につながることがあります。
ウエルシュ菌が増える条件は?
ウエルシュ菌は、条件がそろうと短時間で増殖する菌です。
早い場合で、10分以内に分裂して数を増やすことが知られています。
また、幅広い温度帯で増殖でき、特に約47℃前後は、ウエルシュ菌が最も増殖しやすい温度です。
加熱後、冷ましている間に、食品がこのような温度帯に留まると、食中毒につながる量まで増える可能性があります。
加熱しても安心できない理由
ウエルシュ菌が作る「芽胞」は、一度しっかり加熱していても生き残り、調理後に食品の温度が下がってくると、再び増殖を始めることがあります。
そのため、「しっかり加熱したから大丈夫」ではなく、加熱後の冷却や保管方法が重要になります。
家庭・飲食店でできる予防のポイント
ウエルシュ菌食中毒は、大量調理や作り置きにより、リスクが高まります。調理後の管理が特に重要です。
- 調理後はすぐに喫食する
- 保存する場合は、小分けにして急速に冷却する
- 冷却後は、低温で保管する
- 再加熱時は、中心部まで十分に加熱する
日常の作業手順を改めて確認し、温度管理を徹底しましょう。
また、加熱中に鍋の中をよく混ぜるようにしましょう。
酸素が少ない状態になりにくくなり、ウエルシュ菌の増殖を抑える効果が期待できます。
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