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と畜検査について

印刷用ページを表示する 掲載日:2024年4月16日更新

牛の「と畜検査」について

「と畜検査」とは、食用に供するために「とさつ」解体される牛などについて、1頭ずつ検査を行うことです。「と畜検査」は獣医師の資格を持った「と畜検査員」が厳重に行ないます。状況に応じて次の検査を行ないます。
●生体検査
●解体前検査
●解体後検査
●精密検査
検査の結果、異常が確認され、食用に供することができないと判断した場合は、とさつ禁止・解体禁止・廃棄などの行政処分を行ないます。
と畜検査に合格しないと、食肉として流通できません。

生体検査

生きている状態で、望診・触診・聴診・体温の測定等により、異常の有無を確認します。
必要に応じて、血液検査などの精密検査も行ないます。国が定める特定の疾病にかかっていると判断した場合は、とさつ禁止とします。
生体検査。と畜検査員が牛が生きている状態で検査を行っている写真です。

解体前検査

解体前検査では、とさつ後、血液の状態を中心に異常の有無を確認します。合格した場合は、解体後検査が行われます。
国が定める特定の疾病にかかっていると判断した場合は、「解体禁止(廃棄)」となります。

解体後検査

解体後検査では、内臓や枝肉※を中心に異常がないかを判断します。
※「枝肉」とは、内臓、皮、頭部等を除去したもので、通常、これを背骨の中心線に沿って左右に2分割(背割り)した半身のことをいいます。
不合格のときは「全部廃棄または一部廃棄」となります。
解体後に、内臓(肝臓・心臓・肺・脾臓・消化管など)及び枝肉を検査します。
炎症や腫瘍などの病変や変性が認められるが一部に限られている場合は、その部位を廃棄処分にします。
また、敗血症など、国が定める特定の疾病にかかっていると疑われる場合には、処分を保留し精密検査を行ないます。

内臓(心臓・肝臓等、いわゆる「赤物」)検査
1頭ごとにリンパ節の切開等を行い、異常の有無を確認し、食用不適な部分は廃棄します。
検査中の肝臓、脾臓の画像
検査中の心臓、肺の画像

内臓(胃・大腸等の消化管、いわゆる「白物」)検査

1頭ごとに異常の有無を確認し、必要に応じてリンパ節の切開等を行い、食用不適な部分は廃棄します。
検査中の腸の画像

枝肉(内臓、皮、頭部などを除去したもの。通常、これを背骨の中心線に沿って左右に2分割(背割り)したもの)検査

筋肉・骨・腎臓等について、異常の有無を確認し、食用不適な部分は廃棄します。
解体後検査。と畜検査員が筋肉などの検査をしている写真です。

精密検査

肉眼的な検査等で判断できない場合は、次の精密検査を行って最終的な判断を行います。

細菌学的検査

細菌培養などを行なって、人と動物の共通感染症や食中毒の原因となる細菌などの検査をします。
精密検査。と畜検査員が検査室内で細菌の検査をしている写真です。

病理学的検査

顕微鏡で臓器の状態を観察し、腫瘍、寄生虫症などの検査をします。
精密検査。と畜検査員が検査室内で顕微鏡を使って病理学的な検査をしている写真です。

理化学的検査

血液などで病気を判断したり、家畜の病気の予防や治療のために使用された抗菌性物質などの有害な物質が肉や内臓に残っていないか検査をします。
精密検査。と畜検査員が検査室内で理化学的な検査をしている写真です。

牛海綿状脳症(BSE)スクリーニング検査

スクリーニング(選別)検査により、牛海綿状脳症(BSE)の疑いがあるかどうか判定します。
牛から延髄(脳の一部)を採取して検査材料にし、「エライザ法」という検査方法で行います。4~5時間程度で判定できます。
スクリーニング検査で基準値以上の値を示した検体は、国の専門機関に送付してさらに精密な検査を行い、牛海綿状脳症(BSE)かどうかの最終判定がなされます。
精密検査。と畜検査員が検査室内でBSE検査をしている写真です。

検印

何段階にもわたる厳重な検査に合格したものだけに検印を押し、食肉として出荷しています。

※紫色のインクは食品添加物を使用しており、通常は、部分肉に整形する際に取り除かれますが、残っていても安全性に問題はありません。
検査の結果合格したものに押される検印を示している写真です。