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福山リサイクル(RDF)発電事業
福山リサイクル発電事業は,市町村が可燃性一般廃棄物から製造したRDF(Refuse Derived Fuel:ごみ固形化燃料)を利用して,RDF発電及びRDFの溶融スラグ化等を行う事業です。本事業により,焼却処理のみを行なう従来のごみ処理から転換し,積極的に資源・エネルギーの回収を行うとともに,環境対策の徹底により環境負荷を低減し,資源循環型社会への移行をめざします。
1 参画市町(9市町)
福山市,府中市,大竹市,廿日市市,尾道市,三原市,庄原市,世羅町,神石高原町
2 事業会社の設立
広島県,福山市,参画市町,民間企業等の出資により,リサイクル(RDF)発電及びRDFの溶融スラグ化等を行う事業会社を2000年5月24日に設立しました。
(1)名称 福山リサイクル発電株式会社
(2)所在地 福山市箕沖町107番8
(3)事業内容 RDFの受入,貯蔵,焼却,発電,売電,焼却灰の有効利用
3 福山リサイクル(RDF)発電施設の概要
(1)整備場所 福山市箕沖町107番8
(2)敷地面積 約26,000m2
(3)施設規模 314トン―RDF/日
(4)貯蔵容量 約20,000m3
(5)発電出力 約2万kW
(6)事業開始 2004年度
RDF発電とは
RDFとは可燃ごみの約50%を占める水分を乾燥し,圧縮成形した固形燃料です。リサイクル発電はこのRDFを燃料として活用し、発電するシステムです。
RDFは,ごみを乾燥し均質化しているため,ごみをそのまま焼却する場合に比べ,安定燃料が確保されやすく,ダイオキシン類の発生を抑制することができます。また,ごみを固形燃料(RDF)化することで,容積,重量が減り,保存性が高まるため,運搬や貯蔵が容易になるという特長があります。
さらに,本事業においては,燃焼後のRDFを溶融スラグ化し,土木資材等としてリサイクルすることで最終処分量を削減し,最終処分場の延命化を図ります。
RDF製造プロセス例
RDFを利用した広域処理システム
事業効果
- ゼロエミッションを目指した資源循環型社会への貢献。
- RDF化による効率的かつ広域的なダイオキシン対策及びエネルギーの有効活用。
- 参画市町村・一部事務組合の廃棄物処理コストの削減。
- 二酸化炭素等環境負荷の削減。
- スラグの有効利用による最終処分量の削減。
- 新産業の導入と備後地域の振興による経済効果。
福山リサイクル発電事業Q&A
Q1.RDF化は,プラスチックや紙のリサイクルに逆行するのではありませんか?
A.発電施設側では,各市町村で発生するごみ量の推移を精査した上で,廃棄物の減量化やリサイクルの徹底を前提にした施設設計を行うこととしており,市町村は,RDF化する前の減量化,分別,リサイクルの徹底をすることとしています。
Q2.発熱量を確保するため,プラスチックもRDF化した方が良いのではありませんか?
A.RDFは,プラスチックを除いても水分が10%程度(生ごみは50%程度)となっており,熱量的には全く問題ありません。
Q3.環境への負荷はどうなりますか?
A.RDF発電施設では,高温で安定的な燃焼が得られるため,ダイオキシン類の大幅な削減が図れます。 また,二酸化炭素についても,ごみを利用した高効率発電が可能となり,本来発電所で燃やされていた化石燃料(天然ガス,石油,石炭など)が節約できるため,輸送による二酸化炭素を考慮しても,トータルでは二酸化炭素の排出量を削減することができます。
Q4.RDFも焼却によってダイオキシンが発生するのではありませんか?
A.RDFも焼却することでダイキオキシン類が発生しますが,RDF化することによって燃焼効率が良くなり,排出濃度,排出量ともに大幅に減少します。
「TEQ」とは,最も毒性の強い2,3,7,8-TCDDに換算した値であることを示しています。