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兼業・副業人材活用事例(活用企業:社会福祉法人静和会)

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年5月28日更新

企業の方へインタビュー​ 社会福祉法人静和会(医療・福祉)​

兼業・副業人材を活用する企業の声を伺いました!​​

 

500人組織が直面した、縦割りの壁

1939年、広島県の社会事業財団のもとで産声を上げた静和会。養老施設からその歴史は始まった。以来80年以上にわたり、時代の要請に応えながら事業領域を広げ、現在では保育から障害者福祉、母子生活支援、高齢者福祉まで―府中市における福祉事業の多くを担う存在へと成長した。

純粋な福祉精神を脈々と受け継いできた組織だからこそ、その責任は重い。しかし職員500名規模にまで拡大した組織は、深刻な構造的課題を抱えるようになっていた。高齢者・障害者・保育と各事業部門が縦割りで完結しがちで、法人全体としての一体的な運営が難しくなっていたのだ。

法人本部には4名の職員がいるものの、経理・総務・人事などを兼務する状態。一般企業でいうところの「総務部」や「人事部」が存在しない。業務は複雑に絡み合ったままの状態だった。

静和会写真1

 

異なる専門性を持つ「2人のプロフェッショナル」が風穴を開ける

2年前に府中市の取り組みを通じて、勤怠管理システムの導入時に兼業・副業人材のサポートを受けた。その実力を実感したことから、今回は「法人全体を取りまとめる組織形態の再構築」という、より本質的な課題を託した。

迎え入れたのは、あえて専門性の異なる2名のプロフェッショナルだ。1人は30代のITを活用したマニュアルづくりのプロ。新たな組織形態において、各部門の実務を洗い出し、現場へ落とし込む力を期待した。もう1人は、人事部門の組織運営において豊富な経験と実績を持つ、60代半ばの店舗経営コンサルタントだ。同じ課題に対し、異なる角度からメスを入れ、最適な改善案を導き出す狙いがあった。

内部の職員はどうしても「自分が属する施設・部門」の視点に縛られがちだ。だからこそ、フラットな組織論を語れる、しがらみのない外部の目が必要だった。業務のスタートにあたり、組織の動き方・各職員の業務内容・実際に作成している業務文書にいたるまで、資料化して共有した。2人のプロは「何を変え、何が足りないのか」という根本的な洗い出しから着手。管理職へのヒアリングを通じ、組織の深部へと入り込んでいった。

静和会写真2

 

外部からの風がもたらした「意識の変革」

最終的な組織改革の提案はこれから受ける段階だが、すでに現場では明らかな変化の兆しが現れている。まず、管理職の視座が変わった。外部人材が組織に入り込み、本質的な問いを投げかけたことで、「法人全体が変わろうとしている」というメッセージが浸透したのである。これまで自部門の代弁者に留まっていた管理職たちが、法人全体を俯瞰する目線を持ち始めた。部門代表者が集まる会議では意見が活発に出るようになり、風通しは格段によくなってきている。しがらみのない第三者の存在が、内部では言い出せなかった問題を率直に吐き出させ、可視化させたからだ。

今後の展望も見え始めている。将来的に人事部門を設けるならば、その立ち上げや採用・研修体制の整備にも兼業・副業人材の力を借りたい。そんな構想が視野に入ってきている。直近でも、来年度の管理職向けの人事評価研修で外部人材の活用を検討中だ。

一度に完璧な組織体制をつくろうとは思っていない。しかし組織は今、縦割りの壁を越え、確かな未来に向けて力強く動き出している。​

静和会写真3

 

熱意あるプロと繋がり、未来を拓く

今回の取り組みを通じ、兼業・副業人材と連携する確かなノウハウを得た。円滑な連携において最も重要なのは、包み隠さない情報共有である。また、オンラインでの業務進行が主軸となるため、最低限の通信環境やツールを整えておく実務的な準備も欠かせない。

今回は副業マッチンングサービスを利用したが、エージェントと「求める人材像」を話し合うプロセス自体が、自社の課題を言語化する良い機会になった。外部へ説明しようとすることで、問題の輪郭が初めてクリアになる。この副次的効果は大きい。

募集には37名の応募があり、専門性と熱意を兼ね備えた全国のプロフェッショナルとの縁が生まれた。副業・兼業人材は収入だけを求めているわけではない。やりがいと社会貢献への意欲を持つ人材が、日本全国に存在している。今回採用を見送った人材であっても、その高い専門性との接点は、今後の企業経営におけるかけがえのない財産となる。

「行政への相談でも、マッチングサービスへの登録でも構わない。まずは一歩を踏み出し、外部の知見を頼ってほしい。その行動は必ず自社の課題を打破し、次なる成長へとつながる」と、その言葉には決して揺るがない重みがあった。

静和会写真4

 

兼業・副業人材の活用内容

勤務時間:月平均20時間

勤務形態:現地・リモートワーク併用

勤務期間:2025年12月~2026年2月

業務内容:法人全体の最適化を目指す組織デザイン支援

 

社会福祉法人静和会

事業内容:高齢者福祉・障害者福祉・母子生活支援・保育・障害児通所

従業員数:約507名

設立:1952年

本社:広島県府中市広谷町959番地1

静和会写真5

 

※本ページの内容は2025年度取材時点のものです。