ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

本文

2025年10月定例市長記者会見

印刷用ページを表示する 掲載日:2025年10月20日更新

 記者会見などにおける市長の発表や質疑応答をとりまとめ,掲載しています。

 会見日:2025年(令和7年)10月1日(水曜日)

10月定例市長記者会見

 ・少子化対策専門家会議が発足します

 ・若者・女性が働きやすい職場づくりに向けて

  10月定例市長記者会見 [PDFファイル/715KB]

 

会議録​​

市長

おはようございます。それでは2点、まず報告をさせていただきたいと思います。

まず1点目であります。少子化対策専門家会議を立ち上げます。まず立ち上げに至った問題意識等々を申し上げさせていただきます。

さきの9月議会の冒頭の提案理由説明で、先般公表されました国の人口動態統計の話に触れさせていただいております。今期上半期の統計速報でありますが、出生数と婚姻数がともに昨年を下回っているという国の発表でありました。本市も国の趨勢と同様であります。こういう問題意識を持って、今回の専門家会議を構想したわけであります。

まずこれまでの本市の取組でありますけれども、2017年度から福山ネウボラを創設しスタートさせました。妊娠から出産、子育て、そして子育てを終えて、というところまで一貫して、ご家庭、あるいは子育てを支援していこうという取組でありました。そしてその中で少子化対策として、この働き方改革の推進や、経済的支援や、こうしたものに取り組んできました。

そして当初、福山ネウボラが想定しましたのは、妊娠以降というふうに申し上げましたけども、妊娠に至るまで、出会いの場の創出等の結婚支援にまで、その後、支援の対象を広げてきました。こういう形で少子化対策をまずやってきたわけですが、それに対して状況はどうかということで整理をしておりますが、合計特殊出生率、出生数、そして未婚化、こういう少子化の要因あるいは少子化の結果生ずるもの、そうした事柄は、依然として歯どめがかかっていません。

もちろん国全体の大きな流れですから、なかなかそう簡単な解決策は見いだせないと思われますが、それでも、福山の特殊性を踏まえながら、何とか少子化の進行に歯どめがかからないか、若い人たちの意識を変えることができないか、若い人たちを支える社会のあり方、職場のあり方を変えることができないか、そういう取組をしてみたいということで、少子化のそれぞれの分野で、知見を有する専門家を招聘いたします。どの方も国の審議会で委員を務められているとか、全国の状況を踏まえた上で、福山にはどういう施策が有効なのだというご意見がいただけるのではないかということで、具体的な政策提言を期待しながら、専門家会議を立ち上げていきたいと思っています。

6名の委員で調整をしております。このうち4名は確定しておりますが、2名の方については現在も調整中でありますが、10月の下旬には日程も固まり、専門家会議をスタートできると思っています。来年の2月ごろまでかけて、4回程度開催いたします。そして、2月には政策提言をいただきたいと。この間いただきました議論を踏まえながら、できるものから新年度の予算に反映をさせていきたい、あるいは提言を踏まえて、今策定中の今後5年間の市政の方向性を取りまとめる福山みらい創造ビジョンに盛り込んでいく、5年計画に盛り込んでいくという取組もしていきたいと思っています。

専門分野としては社会保障・人口問題、経済・雇用(働き方改革)、ライフデザイン支援・アンコンシャスバイアスの解消、結婚支援、子育て支援、プレコンセプションケアといった専門分野を考えております。もうすでに国立社会保障・人口問題研究所とは調整が進んでおり、あとは最終的な人選だけということで、国立社会保障・人口問題研究所の方に座長をお願いするのがいいのだろうと思っています。

また、福山の特殊性をちゃんと市外の専門家の皆さん方には理解していただく必要があるということで、福山市立大学の正保さんに加わっていただいて、福山の事情の説明等をしていただくという役割もお願いをしたいと思っています。プレコンセプションケアについては、医療関係者の人選をしているということであります。

以上が少子化対策専門家会議の件であります。

 

2点目の報告でありますが、先ほどの少子化対策にも若干絡むものでありますが、こちらは、若者や女性が働きやすい職場づくりに向けての取組であります。

まず、男女ともに20~24歳の方の転出が増えていっています。2014年については、それぞれ男性11人、女性117人の転出増だったのですが、2024年には、男性205人、女性316人の転出増という状況になっています。こうした状況を、働き方改革・職場改革の観点から、歯止めをかけていけないかという取組であります。

そこで、卒業を控えている大学生に対して就職観の調査を行っていますが、その調査結果を、この職場づくりをやろうという実践社の皆さん方に共有していただいています。後程、どういう人が実践社かということはご説明いたします

上位1位から4位までは、前回の調査と順番は変わっているのですが、上位4位までの項目は同じです。回答数が200人なので、これで決めつけるわけにはいかないのだと思いますが、やや特徴的なのは、給料面から見た、待遇・処遇の問題とか、その企業の成長性に対する評価とかが、比較的順位が低いです。

それに対して、1位「自分のやりたい仕事ができる」、3位「学校で学んだことが生かせる」、5位「仕事を通じて高いスキルが身につく」といった、自己実現の場として、自分の仕事・職場を見ている。あるいは2位「福利厚生が充実している」とか4位「職場の雰囲気がいい」といった、働きやすさということを、今の大学生たちは重視しているという傾向にあるのではないかな、というふうに読み取れると思います。

こうしたことを踏まえながら、グリーンな企業プラットフォームの中で、この6月に働きやすい職場部会というのが立ち上がりました。ここには、こうした意識を強く持つ市内の企業、あるいはすでに、いろいろな形で働きやすい職場づくりを先行されている代表的な企業8社が加わっていただいていますが、8社の皆さん方に大学生の声を踏まえていただいて、かつ、これまでのみずからの取組を検証していただいて、人事評価制度の見直し、休暇制度等の改善、社内コミュニケーションの促進、自己啓発・研修の充実という課題を整理していただきました。

そして、社会貢献活動等を含む人事評価制度の体系化、多様な働き方に対応した休暇制度等の導入、部署を越えた従業員同士の交流機会の創出、階層別研修や他社との合同研修の導入という課題解決の方向性が必要だと。こういう立場に立って、今後の職場はどうあるべきかという取組をまずはしていただこうということになっています。こうした取組の検証とそこから生まれる今後の取組の方向性は、先ほどの大学生の就職観調査にほぼ当てはまる結果にもなっているということです。10月中には、8社がそれぞれの問題意識に立った取組を実践していきます。そして、そこから生まれる成果というものを、さらに、8社以外の幅広い市内の企業に、伝えていって、広めていって、周知していって、それがまた、グリーンな企業プラットフォームへの参加にも繋がって、あるいはそもそも働きやすい職場が広がっていくというふうに取り組んでいきたいと思っています。

大体、年度末までかけて実践されるようであります。そしてこの間の取組を踏まえて、行政とやりとりをする中で、こうした取組を行政としてどうサポートできるのかということにもつなげていきたいと思っております。

また、今度は「ふくやまワーク・ライフ・バランスEXPO」というものを開催いたしまして、働き方改革について理解の促進をしていきたいというふうにも考えています。

これは、働き方改革をしないといけないという意識は持っているのだけども、どのように取り組めばいいかわからないという企業がある、そして取組の参考事例を教えて欲しいというニーズもあるということを踏まえて、企画したものであります。来月12日、エフピコアリーナふくやまのサブアリーナで、2つの柱で開催をしていきます。

1つはセミナーであります。小室淑恵さんは、株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役を務められておりまして、この働き方改革では、日本の第一人者と言われているようであります。政府の審議会等にも参画されております。例えば、こども家庭庁の「こども家庭審議会」委員、内閣府の「子ども子育て会議」委員、経済産業省の「産業構造審議会」委員等でありますが、この方から、子育てや介護と仕事を、両立しつつ、企業の成長を促すような、そんな職場、働き方といった話があると期待をしています。

それからもう1つは、ワーク・ライフ・バランスコーナーというものを設けます。そして、3つのブースを設置します。それぞれ体験、事例紹介、相談というコーナーを設けて、どこからどうしてやればいいかという企業のニーズにこたえていくということであります。ここにはFuku-Bizも参加をしながら、いろいろ企業の相談にこたえていきたいと思っています。

以上、2点の報告を終えたいと思います。

 

記者

2点ほどお伺いさせていただきます。

まず1点目が9月6日に天満屋福山店8階にネウボラセンターがオープンしました。昨年の市長選の公約にも掲げていた主要政策の一つだと思われますが、9月中の訪問者数、相談件数、市民の反響や⼿応えなどについて教えて下さい。また、現時点で課題と感じる部分や今後の運営の改善点、来年4月の規模拡大に向けた新展開があればお聞かせください。

2点目です。昨年9月にJR 福⼭駅前の商業施設「NEW CASPA」がオープンして1年が経過しました。年間集客数がどの程度だったのか、開業効果をどのように分析しているかを教えてください。また、駅前のにぎわい創出に向け、駅南口の広場化や、2階部分の運営事業者を募集する「エフピコRiM」などとの相乗効果をどのように発揮していくかについてもお考えがあれば教えて下さい。

 

市長

最初のご質問であります。ネウボラセンターオープン1ヶ月後の振り返りであります。

昨年の9月に、3期目の市政がスタートいたしましたが、市民にお約束した通り、1年でネウボラセンターのオープンにこぎつけることができました。様々な関係者のご協力に感謝をしたいと思っています。

まず、訪問者数や相談件数の状況について、遊び場でありますが、例えば、以前からありました0~3歳児向けの遊び場は面積が1.6倍に拡張しました。前年同期比で、保護者も含め1.8倍の方に楽しく過ごしていただいています。4~8歳向けの遊び場は改造であります。それからえほんの国の訪問者数は、昨年に比べて1.6倍で、特に大きな内容の変化はありませんが、こうしたセンターができることによって、昨年に比べて、より大勢の方がこのネウボラセンターに来ていただいているという状況が見て取れようかと思います。それから相談でありますが、子育て相談については、昨年とほぼ同じ。内容は、妊娠出産や発育に関する相談が多いという状況であります。それから若者相談は17件であります。不登校やひきこもりについての相談であります。それから手続きについても、このネウボラセンターでできるようになりましたが、多くは、保育所入所等に関する手続きでありました。全体で65件の相談を受けとめております。

約3週間ちょっと、駆け出しを楽しく忙しく、職員の皆さんも含めて過ごしているということであります。

それから市民の反響や手応えについてもご質問がありました。まず、遊びと交流のコーナーでありますが、「全天候型の施設ができてよかった。」「ちょっと大きな子も遊べる施設ができて嬉しい。」「定員制を引いていただいて、混雑が一定程度整理されていって安心だ」ということです。あと「親同士の会話の機会もできた」という声をいただいています。

こどもの安全対策としては、利用定員を25組に絞って、入れ替え制にしています。また、親同士の交流の促進のためにと思い、親子ヨガとか、双子・3つ子のお子さんの家族ぐるみの交流のコーナーも作っています。

それから、相談手続きでありますが、「子育てと同時に保育の手続きもでき、便利だ」ということであります。それから、オープン当日にも記者さんからご質問いただいたのですが、若者が相談を持ちかけるにはちょっと行きづらい施設なのではないか、というご懸念もありましたが、今のところそうした声はなく、むしろ、訪れやすいという前向きな声もいただいているようであります。そして月曜日は休館なのですが、土日祝日、相談や手続きを受け付けておりますので、そういうことに対する評価の声もいただいているようであります。

一方で課題や改善点であります。もっとネウボラセンターを知って欲しい、利用して欲しいということから、情報発信を強化しないといけないのだろうなという思いを、担当者一同持っております。

それから、利用しやすい環境づくりとして、現在は、遊び場は、受付を手書きでやっていただいていますが、2次元コードで入退管理をできるようにすることで、手続きの手間・時間を省いて、より効果的な利用につなげていきたいと思っています。

それから同じ8階に、ファミリーレストランが開業しました。そういう意味から、駐車場の問題が以前から心配されておりましたので、より、混雑緩和に向けた取組を強化したいということで、天満屋が提携しています駐車場の紹介にも注力していきたいと思っています。

それから最後のご質問ですが、来年の4月に本格運用ということをすでに申し上げておりますが、本格運用に向けての取組は、多職種の職員を配置し、より専門性の高い相談業務を実現したいということであります。社会福祉士とか、公認心理師、こうした専門職を配置することによりまして、子育ての不安とか、あるいは引きこもりや、不登校に悩んでいる若者に対する精神的なケアも強化していきたいと思っています。

それから来年4月には7階に、若者が活動できる多目的スペースも設置する予定にしておりまして、こうした取組も加えながら、こども、若者、そして相談・手続きのワンストップ化に向けた、ネウボラセンターの機能強化を実現していきたいと思っています。

以上が最初のご質問に対するお答えです。

 

それから2つ目のご質問でありますが、NEW CASPAの開業効果等についてであります。

まず年間の集客数についてのお尋ねがありました。この1年間で概ね20万人程度というふうに事業者からは聞いています。

それから開業効果の分析についてのお尋ねであります。まず1つ目が、風景が大きく変わったということだろうと思います。2つ目になりますが、一緒になってイベントをできるスペースが増えたということであります。

それから特に、スノーピークが、地元の事業者と一緒になってコラボ商品を出していただいています。手づくりのキャンプ用のフライパンや、屋外活動用のデニムの商品などというものが店頭に並んでいるようです。そういう地域経済の好循環に向けた取組の1歩がここから生み出されていると言ってもいいと思います。

4つ目でありますけれども、地価の上昇であります。国税庁が発表するNEW CASPAの前の路線価は4年連続上昇しています。そして、中国地方に税務署が50署ありますが、50署それぞれの最高路線価の場所を比較しますと、伸び率で言うと、中国地方で2番目の伸び率であります。さらにいいますと、福山駅周辺で地価が高いのが、旧三菱UFJ福山支店の場所と、福山市役所のすぐ東側の、旧ドコモショップの前の場所なんですね。伸び率は、NEW CASPAの前の土地の伸び率の方が高いということになっています。だから、駅前ウォーカブルエリアの中でも、開業効果としての地価の伸び率は、やはり最も高いエリアの1つであるというふうに言えるのではないかと考えております。

以上が、開業効果であります。

最後に、NEW CASPAと、今構想しております福山駅南口の駅前広場の再整備の話、そして、同じく今取り組んでおります、エフピコRiMの2階の開業との相乗効果をどういうふうにして生み出していくのかということであります。

これはまだまだ、駅前広場の再整備も、そしてRiMの2階の整備も、これからの取組ですから、もう少し具体的な相乗効果についてどう考えるかということについてはお時間をいただきたいと思いますが、このNEW CASPAのテナント事業者も、近い将来、福山駅前の広場が再整備されるということを見越して入居されている事業者もおありだというふうに聞いておりますので、ぜひ、再整備後の駅前広場を一緒になってどう活用していくのかという議論をともにしながら、そして、エフピコRiMも含め、しっかりと一体となって、この駅周辺のにぎわい創出に取り組んでいきたいというふうに思っています。

以上がお答えであります。

 

記者

少子化対策専門家会議についてです。毎年改定をされている人口減少対策アクションプランと会議とをどういうふうに連携されていくのか、アクションプランにはターゲットとする人物像を細かく設定をして、それに合わせてこういうことをやっていきましょうということが書かれていますが、それと専門家会議をどう連動させていくか。

また、今住民基本台帳では45万2000人、直近の2020年の国勢調査では46万人の人口を、将来何年あたりでどのぐらいに持っていきたいというような目標があっての会議なのか、それとも、会議の中でそのものを含めて調査をされていくのか、その辺り教えてください。

 

市長

アクションプランの中では、ペルソナマーケティングという手法を使いながら、それぞれのライフスタイルに応じて、どういう社会環境、あるいはサポート体制が整えば、その世代の人たちは満足し、福山で生活したいと思う、あるいは、結婚をした人については、こどもを増やしたいと思うかという取組をしてきました。それ自体、全国でもあまり例のない、きめ細かな取組だと今でも思っています。

ただ、先ほど申し上げましたように、そういうことを取り組んでいても、こういう状況であるということを、我々はもう一度虚心坦懐にとらえ直さないといけないのだろうなというふうに思っています。

だから、このアクションプランの考え方も、この場で検証してもらいたいと思っています。

そしてその上で、アクションプランの考え方を改善した上で踏襲していくのか、それとも新たな手法で、今後の少子化対策に取り組んでいくのか、結論を待ちたいと思っています。

それから、この目標設定の考え方です。将来人口の目標を立てるのかどうかという例示もございましたけども、今後20年、30年はこうした傾向は変わらないんですね。これが人口統計の意味といいますか、なかなか変えられない。だから、おそらく、専門家たちがどういうふうに考えるかわかりませんが、そういうことではない目標設定ではないかなという気はします。ですが、何らかの目標を設定しながら、若い人たち、あるいは、職場に責任を持つ経営者たちが、一緒になって取り組める目標を設定していきたいというふうに思っています。

以上です。

 

記者

少子化対策専門会議についてお伺いさせてください。

先ほど新年度予算にも、提言書の内容をできるものから反映させていきたいという言葉がありましたけれども、新年度予算において、少子化対策分野に関しては本年度と比べて重点的に配分されるご予定があるのかどうか、その比率など、もし検討されているようなところがあれば、教えていただきたいというのと、課題としていろいろ数字を書いていただいておりますけれども、数字だけを見て課題と捉えるのか、あるいはその数字の背景にある、社会課題というものをどのように市長の方で認識されていらっしゃるのか、その点も併せて教えていただければと思います。

 

市長

予算のボリューム、ウェイトについてのお尋ねであります。

少子化対策というのは、ソフト事業が中心になってきますので、予算額だけを見ながら、どれだけのウェイトなのか、あるいはそれだけのウェイトなのかっていう判断にはならないと思いますけれども、専門家会議を立ち上げて、人口減少対策の中でも、少子化対策に焦点を当てて強化をしていこうという取組をする以上は、しっかりとした柱立てを整理しながら、ふさわしい予算を盛り込んでいきたいというふうに思っています。

それから、数字だけが問題意識なのか、そんな書き方をしてしまったのを、そこは申し訳なかったかと思うのですが、むしろ、こうした数字の背景にある、社会意識も大きな影響があるのではないかと思っています。よく言われるのが、アンコンシャスバイアスの問題、あるいは男性の育休利用が、極めて不十分であるという問題、あるいは、時間外勤務時間の問題。だから私はこの少子化対策というと、こども家庭庁とか厚生労働省とか、そういう分野の施策のように一般的には受けとめられていますけれども、むしろ、働き方改革というのがとても大きいのじゃないかと。むしろ中小企業庁が、こうした少子化対策について、大きな施策を打ち出していただかないといけないような状況なんじゃないかというふうには考えています。そういう意味で、これまで取り組んできましたが、もっと、経営者の皆さん方にしっかりと意識を持っていただきたいというふうに思っています。

従って、これは少子化対策ということでも挙げていますけども、さきほどグリーンな企業プラットフォームの取組でも申し上げましたが、あるいは、さらに言うと、社会減の抑制にも繋がっていくわけですから、あらゆるところに大きな影響を持っているのが、今の働き方の問題だと思います。

こういうところに、しっかりと注力をしながら、この数字の裏にある事象に目を向けていきたいと思います。

ちょっと余計なことかも分からないのですが、数字にこだわっているということなのかも分かりませんが、実は2023年、出生数が3053人になりました。先ほど言いましたが国の人口統計の上半期だけでも、やっぱり下がっています。そうすると2024年の福山の出生数がどうなるかということですが、これは3000人を割り込んでしまいます。人口45万人の都市で出生数が3000人を割り込んでしまうということをどう考えればいいのかっていうことについて、あまり漫然とした受けとめはしないほうがいいと、しっかりと意識をしながら、少子化の問題を取り組んでいかないといけないと、こんな思いを持っています。

以上です。

 

記者

先般広島県の方から、宿泊税の配分案について、公表されました。

この制度に対する市長のお受け止め、ご感想をお聞きさせていただきたいのと、この制度設計の中で1つ、市町からの事業提案で、交付金の配分を決めるという考えも示されていますが、福山市として、現状、方向性だったり、考え方が検討されているようであれば、教えていただきたいと思います。

 

市長

まず、宿泊税については、県も市町にアンケートをとっておられるのですが、本県の観光施策をこれまで以上に進めていくには、必要な財源だという前向きの受け止め方が多かったと聞いています。それはその通りだと思います。

一方で、いくつかの制度設計にあたって、注文が出されたわけであります。本市もいくつか出しております。本市の場合には、宿泊者の中のビジネス客のウェイトが相当高いです。だから、そのビジネス客に課税することの課題というところから議論が始まり、そうした福山の地域性についても、十分な配慮がなされるべきだというふうな意見がありました。

それからそもそも、事業負担をどうやって軽減してもらえるのかということについても十分な配慮をして欲しいと、こんな意見が、市内から出されたようであります。

それで、今回明らかになっているのは、宿泊税収の1割相当を宿泊者数に応じて市町に配分するということです。残りの9割は、大きく2つに分かれて、1つは、県が主体となって進める事業に充てる。もう1つは、市町が行う事業に対する県からの補助金の財源として、その宿泊税が充当されるという2つです。これらは、どのくらいの割合でその2つが配分されるのか、これも明らかになっていません。どういう事業が相当するのか、これもまだ明らかになっていません。

従って、ビジネス客が多いのだというふうなことや、本当の事務負担の軽減にどんな施策を、県は考えてくれているのかということについて、まだまだ、やはりわかってない部分が多いということだろうと思います。

引き続き、事業者の声をしっかりと伝えながら、最終的な制度設計につなげていきたいと思っています。

 

記者

少子化対策専門家会議のことでお伺いしたいのですけれども、どういった議論をするかというのは、専門家の方々が決めることになるかもしれないのですけども、少子化対策はかなり幅広いテーマかと思いまして、この中で先ほど市長の中でも働き方改革でしたりアンコンシャスバイアスという話も出ていましたけれども、改めてその市長からしてどういったテーマで議論を進めて欲しいというお考えがあったら、そのポイントを教えていただいてもよろしいでしょうか。

 

市長

なかなか重点的なポイントが何かというふうなことについては、今の段階では、私の方からはあえて言わないほうがいいと思うのですが、ただ、我々が課題視している項目は、社会保障・人口問題など、会議の構成委員の各専門分野にあるということがまず1つあります。従って、それぞれの分野の専門を選んで、来ていただいている。そういう人たちも、それぞれの分野では、第一人者と言ってもいい、そんな方々であるということだろうと思います。だから、これが我々の考える少子化対策の論点・重点になっていくだろうと思っています。

それからもう1つは、これまで様々な少子化対策をやってきた、我々なりに考えながら、より実効性のある少子化対策をしてきた、そういうものが働き方改革の推進、経済的支援、結婚支援という形になってあらわれている。そこに、我々の取組において欠けている視点があったのかどうかという検証をしていただくと、これもとても大きな論点だと思っています。

検証から、今後の取組が生まれてくるのだという思いを持っています。

 

記者

10月から鞆町と沼隈町をつなぐ新しいバス路線の実証実験が始まるかと思うのですが、改めてこの新しい路線を設ける必要があった過去の課題と、それからバス路線を設けることで、具体的に沼隈町の方に観光客が数字で何倍というのは難しいかとは思うのですが、観光客の周遊性アップなど、めざすところを改めてご提示いただけたらと思います。

 

市長

バスは重要な公共交通と位置付けられていますけれども、事業主体は、日本の場合、民間のバス事業者です。バス事業者が、経済合理性の観点からのみ、路線の必要不要を判断するのではなくて、そこに行政が加わって、一定の地域を維持する観点から、路線を維持してもらうという形で、公共交通としてのバスの路線が維持されてきました。

しかし、この間人口減少がどんどん進行することによって、なかなか追いつかない、あるいは、人材の問題もあるかもわかりませんが、なかなか路線を維持することが困難になってきていて、そうしたものが、代替交通に変わっていく取組を、現状では進めてきています。しかし、そこに依然として生活する人がいる以上は、公共交通の役割をもっと発揮したいというのが、今回の実証実験の根底にある考え方であります。

だから、言葉が情緒的なのですけども、守り一方のバス路線の問題ではなくて、むしろ、利用促進のためにどういう手立てを講じれば、バスに利用者が回帰してくれて、そして路線の維持が容易になっていくのか、そこにチャレンジをしようというのが今回の新路線であり、バスの増便です。

従って、この実証実験の先には、もっと増便できる可能性がないのかという検討が、深まっていくだろうし、こういう新しい路線を敷くことによって、人の動きが生まれてくるのではないかというふうなところに繋がっていくのだろうと思っています。

従って、この目的は、観光客の誘致なのか、観光客にとっての利便性の確保なのかということだろうと思いますけども、それは観光客だけではありません。観光客もそうかもわかりませんけども、どちらかというと、市民が、公共交通をもっと利用しやすい、そういう市民のニーズにこたえる公共交通になるためには、どういうダイヤであり、便数であり、路線であり、ということを考えていきたいという思いからやっています。

 

記者

先ほど少子化の背景として、アンコンシャスバイアス、それから男性の育休取得が進まないこととおっしゃいましたけども、男性の育休取得が進まないというのはわかるのですが、アンコンシャスバイアスと少子化との関係というのは、どんなふうに解釈、理解をされて、おっしゃっているのでしょうか。

 

市長

ちょっと直接的な要因ではないかもわかりませんが、少子化、あるいは働く職場のあり方に、古くからの考え方が残っていて、そうしたものが絡み合う中で、なかなか共働き共育てということに軸足が移っていかないのかという論脈で申し上げたつもりです。

その中には、直接的に絡み合う問題もあれば、実は少子化対策とは若干距離のある項目も含まれていたかもわかりません。

 

記者

少子化対策専門家会議の地域の特性というのをある程度を踏まえた形での予算反映や政策提言というのを期待していますという話だったのですが、現状、何かしらその地域特性で傾向が見られることとか、例えば、広島県として転出超過の全国ワーストが続いているみたいなところもあると思うのですが、何か地域特性に繋がるような傾向が、現状で分析できていれば、それを教えていただければありがたいです。

 

市長

例えば、産業界のことばかりに重点が置かれているようですが、福山の産業界は、中小企業が多いです。ものづくりが主流です。そういう中小企業が、これまで熾烈な経済競争を繰り広げてきたのだと思います。それで、それぞれが立派な企業に成長されていった。おそらく相当な経営努力があった。そういう経営努力が継続されている中で、一方で、大学生、あるいは若い人の意識はどんどん変わっていっている。そこに結果何が生じているかというと、1つは、例えば人材の確保ができない、若者が流出していく、このような話になっていく。若者が流出していけば、一旦出て行けばなかなか戻ってこない。戻ってこなければ、福山での若い人の未婚、いわゆる晩婚化が進みかねない。そんな状況の中で、例えば、経営者側と働きたいと思う人たちの双方のギャップがもしあるとすれば、そこをどうやって埋めるのか、というようなことは、我々が考える地域特性の1つだと思いますね。

あともっと言えば、気性の問題もあるかもわかりません。軽々には言えませんが、様々な問題があるのだと思います。

改めて、我々レベルではなくて、しっかりとした知見を持つ人が、議論を整理していただくことに意味があるというふうに考えたわけであります。

 

記者

ふくやま美術館と書道美術館の大規模改修についてお伺いさせていただければと思います。

2028年度から休館することが、先般示されまして、休館中の所蔵品の活用について何か検討されていることがあればというスタンスでお伺いできればと思うのですが、その休館期間中を生かして、所蔵品を、県外の文化施設に展示、貸し出しをするようなことをして、福山の美術を多くの人に知ってもらったり、そして、リニューアル後の呼び水にできればいいのではないかというふうに思うわけなのですが、例えば今年、岡山県立美術館では「宮城県美術館展」として、大規模改修期間中のコレクションが岡山に来たというような事例もございます。そういうようなパッケージでふくやま美術館を売り出していくようなこと、そういうことが必要かなというふうに感じておりますが、市の方のご検討状況はいかがでございましょうか。

 

市長

休館中に、所蔵品を館外の方々に見ていただく必要性については我々も全く同じことを考えております。おっしゃる通りだと思います。

やり方なのですが、個別作品を貸し出しするというやり方もあれば、先ほどもおっしゃいましたけれども、コレクションをパッケージとして、コレクションごと貸し出しして、現地の皆さん方に見ていただくというやり方もあるのだと思います。

また、他の市外の他の美術館に貸し出しをするというやり方もあれば、正式名称ではないかもわかりませんが、サテライト展示と呼びますが、しっかりと作品を守ることができる環境が整っているということが前提でありますけども、貸し館、貸しスペースといったスペースとか、美術館以外の館に貸し出しをさせていただくというやり方も、もちろんあると思います。

休館期間中が3年に及びますから、その3年間の時間を無駄にすることなく、しっかりと美術館の価値ある所蔵品を全国の皆さん方に見せていきたいと思っています。もちろん、ふくやま美術館が休館するということを知った美術館関係者からは、問合せが来ると思いますし、我々も積極的に話を相手方に持っていくということも始めたところであります。積極的に取り組んでいきたいと思います。

 

以上。

 

Adobe Reader

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)